機動戦士ガンダムの世界へ転生したオッサン3人組の奮闘記 TTI隊「紺藍の四つ星」〜潜入と暗躍の軌跡〜 作:かりかりもふもふメロンパン
宇宙世紀 0088 年 2 月 25 日。
アーガマ級 2 番艦「ペガサス III」を旗艦とするα任務部隊が連邦軍バイコヌール基地より発進。
続く 29 日、アクシズはジオン再興を宣言し、「ネオ・ジオン」を標榜して各サイドへ制圧部隊を派遣した。
2 月末。
宇宙ではグリプス 2が、地上ではバイアランという「狂気」が、それぞれの結末を迎えて沈黙した。
トリアイナ総合医療センターの窓の外には、隣接するトリアイナ・アセット重工業アクシズ工場の巨大なクレーンが絶え間なく動き、傷ついた艦艇を修復する火花が散っていた。宇宙(そら)の喧騒とは対照的に、特別療養室の中は、生命維持装置の規則的な音だけが響く静域であった。
祈りの結実:ゲネフェアの覚醒
数日間、自身の傷も顧みずゲネフェアの手を握り続けていたエレン・モルゲン少尉。
彼女の祈りに応えるかのように、男の大きな手が微かに、しかし確かに握り返された。
エレン・モルゲン「……隊長? 隊長……! 私です、エレンです!」
ゲネフェア・ガンガン「……エレン……か。……俺は、まだ、生きているのか……」
ゆっくりと開かれたゲネフェアの瞳には、深い疲労と失った仲間への痛惜が宿っていた。
彼は重い身体を起こそうとし、隣のベッドで眠る人影に気づく。
ゲネフェア・ガンガン「……あそこにいるのは、エマ・シーン中尉か。……ディートさんたちが、間に合ったのだな」
エレン・モルゲン「はい。……でも、ランス中尉とヴォルフ曹長は……。ごめんなさい、私……私だけが、生き残って……」
涙を流すエレンの頭を、ゲネフェアは震える手で優しく撫でた。その沈黙は、失った「家族」への何よりの弔いであった。
琥珀色の瞳:エマ・シーンの帰還
ゲネフェアの声に呼応するように、隣のベッドで眠るエマ・シーンもまた、長い闇から引き戻されていた。
彼女の脳裏には、カミーユの叫び、宇宙に散った魂たちの光、そして
自分を死の淵から抱き上げた青いゲルググの記憶が混濁していた。
エマ・シーン「……ここは……天国……? それとも、ティターンズの……」
ゲネフェア・ガンガン「……いいえ、中尉。ここはどちらでもない。……『トリアイナ』だ。トリアイナ総合医療センターというたらこだですよ。歴史の波間に消えるはずだった貴女の命を、我々が勝手にかっさらってきたんですよ」
エマがゆっくりと上体を起こすと、そこには浅葱色の瞳を持った、見知らぬ、しかし力強い意志を感じさせる男が座っていた。
彼女は自分の身体がまだこの世に繋ぎ止められていることを知り、涙が頬を伝った。
エマ・シーン「……私は、死んだはずでした。……カミーユに、すべてを託して。……なぜ、私を?」
ゲネフェア・ガンガン「死んで星になるには、貴女はまだ若すぎる。……これからの時代には、貴女のような『良心』が必要になる。……ゆっくりでいい。ここで、新しい生き方を見つけてほしい」
転換点:ヌーベル・アッメールの視線
部屋の扉が開き、艦長ヌーベル・アッメールと、その右腕シゲハル・ヨシタカが入室する。
廊下では、護衛のディート・ボンらコバルト・ガイスト隊が、二人の目覚めを確認し、安堵の表情を浮かべていた。
ヌーベル・アッメール「……目覚めたか。ゲネフェア、そしてエマ中尉。……感傷に浸る時間は短いが、まずは生還を祝おう」
シゲハル・ヨシタカ「閣下、先ほどグワランのシェリンカ通信士長より入電。アクシズのハマーン・カーンが正式にネオ・ジオンを名乗り、地球圏の制圧宣言を行いました。エゥーゴの指導層は沈黙……連邦軍も機能していません」
ヌーベル・アッメール「……いよいよ、我々の出番というわけか。……ゲネフェア、身体が治り次第、貴公には新たな任務に就いてもらう。……そしてエマ中尉。貴女を無理に戦わせるつもりはない。だが、トリアイナが創る『未来』を、その目で見守ってほしい」
胎動:次なる航路へ
トリアイナ総合医療センターを後にするアッメールとシゲハル。ドックでは、修理を終えたコバルト・ガイスト隊のゲルググ M が、新たな戦場へと向かうべくバーニアをテスト噴射していた。
地上のニューギニアでは、フィッラとネオガバンが、アムロ・レイと共に復興作業の指揮を執りつつ、宇宙を見上げていた。
ヌーベル・アッメール(独白)「……また 1 つの戦争は終わった。だが、これは終わりの始まりに過ぎん。……生き残った者たちの意志が、この歪んだ時代をどう塗り替えるか。……行くぞ、トリアイナ。我々の航跡を、漆黒の宇宙に刻むのだ」
機動戦士ガンダムの世界へ転生したオッサン 3 人組の奮闘記
TTI 隊「紺藍の四つ星」潜入と暗躍の軌跡 グリプス戦役時代編 完