機動戦士ガンダムの世界へ転生したオッサン3人組の奮闘記 TTI隊「紺藍の四つ星」〜潜入と暗躍の軌跡〜   作:かりかりもふもふメロンパン

119 / 119
紺藍の航跡 ―工業ハッチの影―

宇宙世紀 0088 年 3 月。

 

シャングリラ・コロニー。

 

なんとか宇宙を航行できるまでに修理されたアーガマだったが、アクシズの宇宙巡洋艦エンドラが港に居座っているため、出港できない。

 

ドック艦ラビアンローズに合流したいアーガマは、コロニー港の反対側にある工業用ハッチからの脱出を計画する。

 

しかし、その工業用ハッチを管理していたのはゲモンたちジャンク屋だった。

 

偵察に向かったジュドーは、ゲモンに捕らわれてしまう。

 

その頃、マシュマーは「ガザの嵐隊」をアーガマ攻撃に向かわせる。

 

アーガマはファのΖガンダムと、トーレスのメタスで応戦するが苦戦。

 

ラビアンローズからやってきたルー・ルカに救われたジュドーは、ファと交代してΖガンダムに乗り込み、反撃に出るのだった。

 

カワセミの観察

コロニー外周の死角。

 

ゲネフェアのギャプランが、工業用ハッチ周辺とアーガマ周辺の戦況を同時に捉えていた。

 

ゲネフェア・ガンガン「……アーガマは工業ハッチからの脱出を狙っている。ジュドーが偵察に出て、ゲモンに捕まったか」

 

マルティナ・ハルシオン「ガザの嵐隊がアーガマに向かっています。ファさんのΖとトーレスさんのメタスが応戦中ですが、数的不利は明らかです」

 

エレン・モルゲン「ラビアンローズから、ルー・ルカさんが向かっているようです」

 

ゲネフェアは短く頷いた。

 

ゲネフェア・ガンガン「ジュドーが救出され、Ζに乗る流れは止めない。俺たちは、工業ハッチ周辺の民間作業員と、戦線から外れた小型機だけを監視する。……直接介入はしない」

 

二機のMk-IIが、静かに位置を調整する。

 

戦闘の余波がジャンク作業区に及ばないよう、見えない防御線を張るだけだ。

 

ゲネフェア・ガンガン(内心)「プロイも、あのハッチの近くにいるはずだ。ゲモンの区画に、あいつの『育てている機体』がある」

 

プロイの機体

工業用ハッチ近くの、ゲモンすら滅多に入らない廃区画。

 

プロイ・ブロタンは、大型シートを慎重にめくっていた。

 

メインフレームは、損傷が最も少なかったリック・ディアスのボディ。

 

そこに、部品取りで多く回収できたガンダムMk-IIのセンサー、関節、一部装甲を組み込んでいる。

 

全体のシルエットは、どこかディジェを思わせる。

 

丸みを帯びたディアスの胴体に、Mk-II系の直線的なパーツが混在し、継ぎ接ぎでありながらも「専用機」らしい気配を帯び始めていた。

 

プロイ・ブロタン(内心)「ディアスのボディに、Mk-IIの部品。……ディジェみたいな形になってきた。まだ歩けない。でも、動力試験はもう少しでできそうだ」

 

遠くで、ガザの嵐隊とアーガマの戦闘音が響く。

 

プロイは工具を握ったまま、その音に耳を澄ませた。

 

プロイ・ブロタン(内心)「ジュドーが捕まった。ルーさんが助けに来て、ジュドーがΖに乗る。……歴史通りだ。僕は、まだ出ない。この機体が、少なくとも『動ける』ようになるまでは」

 

彼は今日の分の整備を続けた。

 

Mk-IIの頭部センサーを、ディアスのメインカメラ系統に接続する配線を、丁寧に処理していく。

 

操縦系統はまだ仮設だが、座席に座ってのイメージトレーニングは毎日欠かさない。

 

「ディジェのような機体で、いつか……」

 

そう思い浮かべながら。

 

影の判断

ジュドーがルーに救出され、Ζガンダムに乗り込んで反撃を開始した頃。

ゲネフェアは、センサーに映る戦況を確認しながら、静かに指示を出した。

 

ゲネフェア・ガンガン「アルセド・ラピス、クレスト。工業ハッチ周辺の作業員が巻き込まれないよう、誘導を継続しろ。ガザの嵐隊の退路を完全に塞ぐな。……俺たちは『第三の影』だ」

 

マルティナ・ハルシオン「了解しました。プロイさんの反応は、依然として廃区画に固定されています」

 

ゲネフェア・ガンガン「触るな。あれはあいつの『育てているディジェもどき』だ。……自分の意志で、こっちに来るまで待つ」

 

遠方で、Ζガンダムがガザの嵐隊を押し返し始めている。

 

アーガマは工業ハッチからの脱出を目前に控え、

 

ジュドーはΖに乗り、仲間たちとの関係を再び揺らし始めている。

 

その裏側で、プロイは一人、リック・ディアスのボディにMk-IIの部品を継ぎ足し、ゲネフェアは「第三の影」として、こぼれ落ちる命を静かに守り続けていた。

 

プロイはシートを戻しながら、小さく息を吐いた。

 

プロイ・ブロタン(内心)「土田さんたちも、近くにいる。でも、今は呼ばない。……この機体が、もう少しだけ『ディジェ』に近づいてから」

 

廃区画の闇の中で、継ぎ接ぎの機体は、静かに次の段階を待っていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(必須:50文字~500文字)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

機動戦士ガンダム 不死鳥戦記(作者:だいたい大丈夫)(原作:ガンダム)

宇宙世紀0079。ジオン公国の有力名家フロートニック家の長男、カリス・ジークフリード・フロートニック(16歳)は、実家の財力で少尉任官し、私兵を率いてルウム戦役へ出陣した。▼「金の力で遊んでいるお坊ちゃん」と、同期のシャア・アズナブル中尉から冷酷に嘲笑されるカリス。しかし、初陣の激戦の最中、彼は敵の射線が光の道筋として見える「ニュータイプ」の力に覚醒する。▼…


総合評価:540/評価:7.23/連載:35話/更新日時:2026年08月05日(水) 12:00 小説情報

黒いガンダムの宇宙世紀(作者:いずりょう)(原作:ガンダム)

U.C.0070、地球。▼三歳のレン・イズミは、前世で三十五年間を生きた記憶を取り戻す。自分が生まれたのは、人類が宇宙へ進出した未来――宇宙世紀。▼そして九年後には、ジオン公国と地球連邦による一年戦争が始まる。▼レンは原作はある程度知っている。▼ジオン軍のモビルスーツ コロニー落とし サイド7への襲撃▼アムロ・レイがガンダムへ乗り、ホワイトベースの戦いが始ま…


総合評価:464/評価:5.65/連載:79話/更新日時:2026年08月05日(水) 18:00 小説情報

戦犯にはなりたくない!(作者:蒼天)(原作:ガンダム)

一年戦争の初日にコロニーに毒ガスを注入してしまったオリ主(ニュータイプ)が、戦犯にならないためにいろんなガンダム作品のキャラクターたちと交流しながら奔走するお話。▼※一部原作キャラクターの設定を変更しておりますので、ご注意ください。


総合評価:1490/評価:7.91/連載:80話/更新日時:2026年08月01日(土) 18:00 小説情報

【悲報】昭和のおばちゃん、宇宙世紀に転生したと思ったら、最推しの姉だった【あんまり過ぎる】(作者:佐世保の中年ライダー)(原作:ガンダム)

物心がついて思い出した。自分の前世は昭和四十年代生まれのオタクなおばちゃんだったッ!自分がいつ死んだのか定かではないが、どうやら今生はまさかの宇宙世紀!しかも、しかもよりによって、最推しのカミーユの姉とかあんまりよッ!!▼この物語は、宇宙世紀に転生したおばちゃんの魂を宿すカミーユの姉が、最愛の弟が精神崩壊を起こす事無く、劇場版以上のハッピーや結末へと導く為に…


総合評価:122/評価:-.--/連載:8話/更新日時:2026年07月17日(金) 20:11 小説情報

妹に撃たれない方法(作者:Brooks)(原作:ガンダム)

ア・バオア・クーでキシリアに射殺されたギレン・ザビは、目を覚ますとジオン・ダイクン逝去の当日に戻っていた。次は絶対に妹に殺されたくない。その一点だけを現実的な目標に定めた彼は、戦争より先に家族会議を整え、暗殺より先に議事録を作り、歴史より先に妹の機嫌を取りにかかる。しかし未来を知るのは彼だけではなかった。動乱へ傾くサイド3で、兄妹は奇妙な休戦に踏み込む。笑え…


総合評価:581/評価:6.1/完結:226話/更新日時:2026年05月06日(水) 19:56 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>