機動戦士ガンダムの世界へ転生したオッサン3人組の奮闘記 TTI隊「紺藍の四つ星」潜入と暗躍の軌跡〜 作:かりかりもふもふメロンパン
ノイエン・ビッターと再会
宇宙世紀 0080 年 4 月 15 日。
夜の闇に紛れて、フィッラ・ガンガンとネオガバン・ガンガンを乗せた隠密潜入艇が、アフリカ大陸の残党拠点、キンバライト基地の裏手にある格納庫に着陸した。
彼らの潜入を助けたのは、地上に残るジオン兵の中でもひときわ武人としての忠義を貫き通す男、ノイエン・ビッター少将その人だった。
フィッラたちが出発した 4 月 8 日から一週間。
アクシズに向かったゲネフェアたちとは異なり、キンバライト基地は地球低軌道からの降下ですぐに到達できる距離だったため、予定よりも早いタイミングで接触することができた。
格納庫で彼らを出迎えたのは、少佐時代から変わらぬ武骨な顔つきのビッター少将と、彼を支える数名の重臣たちだった。
ノイエン・ビッター「よくぞ、この地球の辺境まで。フィッラ、ネオガバン、久しぶりだ。まさか、一年戦争終結からこんな形で再会することになろうとはな。」
フィッラ・ガンガンは敬意を込めて敬礼し、手を握った。
フィッラ・ガンガン「ビッター閣下、ご無沙汰しております。我々『シュテルン・アズール』が活動を再開したことを、閣下にいち早くお伝えし、未来への布石を打ちたかった。」
ネオガバン・ガンガン「アクシズからの使者を装うより、俺たちが直接来た方が話が早いですわ。それにしても、閣下がご無事で何よりです。」
ビッターは目頭を押さえた。彼がキンバライト基地の指揮官となって以来、連邦からの圧力と補給の途絶に苦しみながら、ただひたすらにジオンの復興を信じてきた。
砂上の晩餐
夜の帳が降りた基地の一室で、ビッター少将はフィッラとネオガバンのために、重臣たちと共に簡素ながらも心のこもった食事会を開いてくれた。
配給が滞りがちな地球残党の生活の中で、それは最大限の歓待だった。 食事が終わり、重臣たちが席を外すと、ビッターはフィッラとネオガバンを前に、改めて深く頭を下げた。
ノイエン・ビッター「…貴殿らが、宇宙で新たな旗を掲げたことは理解した。私には、貴殿らがもたらした連邦軍の最新情報が何よりも貴重だ。この地で燻る私の魂に、再び火を灯すものがある。」
二人は、食事の間、ビッター少将に対し、「今こそ、ジオンの武人の真の力を、未来永劫続く第三極の礎として温存すべき時である」という抽象的な大義と、彼らが持つ連邦軍の最新かつ極秘の動向を開示した。
彼らは、ビッター少将の武人の魂と忠誠心にのみ訴えかけた。
フィッラ・ガンガン「閣下、我々は、閣下こそジオン再興の大義を担うにふさわしい武人だと確信しております。我々には、閣下の指導力と武人の魂が必要です。宇宙での大義が成った暁には、どうか我々シュテルン・アズール(ランバ・ラル隊)と改めて協力関係を結んでいただきたいのです」
ビッター少将は目を閉じて熟慮した。
彼の心は、フィッラたちの純粋な大義と、彼らが示す確かな情報源、そして何より武人としての敬意に強く惹かれていた。
フィッラ・ガンガン「そして、この協力体制をより確固たるものとするため、そして、閣下にお渡しした連邦の極秘情報を基に、我々も次なる大作戦の準備をここで行いたい。我々シュテルン・アズールの地球側拠点として、このキンバライト基地をお借りすることは可能でしょうか」
ノイエン・ビッター「長期滞在か?この基地の物資は乏しい。それに、連邦の監視も厳しいぞ」
ネオガバン・ガンガン「物資はこちらで持ち込みますわ。俺たちの目的は、デラーズ艦隊とは全く別の、最も機密性の高い施設を叩くための最終準備です。そのため、連邦の目が最も緩くなる『その時』まで、我々はここで潜伏し、情報収集と待機を続けたい」
フィッラ・ガンガン「我々が潜伏することで、閣下の部隊にも最新の情報を常に提供できます。我々は、閣下の部隊が動く『その時』まで、この地に身を置きたいのです」
ビッター少将は顎に手を当てた。
フィッラたちの提供した情報は、あまりに詳細で信憑性が高い。
彼らの目的はデラーズとは一線を画す、より大きなものだと確信した。
ノイエン・ビッター「…よかろう。私が生きている限り、貴殿ら『シュテルン・アズール』に、このキンバライト基地の奥深く、誰にも触れさせない場所を提供しよう。だが、貴殿らも基地の秩序を守り、無用な騒ぎを起こすな。」
フィッラ「ただ、お願いがございます。今回の滞在はシュテルン・アズールのフィッラ・ガンガンとネオガバン・ガンガンではなく、ビッターさんの旧知の仲のフィッラとネオガバンで、ここに居候しているということにしておいてほしいのです」
ノイエン・ビッター「うむ、わかっておる。TTI 隊は影の部隊。ジオン公国でも存在していない事になっていた。上(デラーズ・フリート)にはシュテルン・アズールという組織の存在は報告しないでおこう。フィッラ達は私の客人であり協力者ということで周知しておこう」
フィッラ・ガンガン「感謝いたします、閣下。我々が、閣下とジオンの魂が活きる未来を必ず作ってみせます。」
ネオガバン・ガンガン「感謝します、閣下。必ず、宇宙で再会できることを信じております。」
ビッターの目に迷いはなかった。
彼は、一人の武人として、フィッラたちの熱い魂と、彼らが示す確かな道に触れ、新たな協力者としての「紺碧の星」を受け入れたのだった。