機動戦士ガンダムの世界へ転生したオッサン3人組の奮闘記 TTI隊「紺藍の四つ星」潜入と暗躍の軌跡〜 作:かりかりもふもふメロンパン
木星圏への航路
0080 年 5 月上旬頃。
TTI 隊のゲネフェア・ガンガンとネイブル・ローゼは、専用の小型強襲艦で長大なアクシズへの旅路を進んでいた。
この「潜入長征」は、何年かかるか分からないという過酷な任務であり、道中、連邦や残党の追跡を逃れるための移動生活が続いていた。
艦内は静かだが、ゲネフェアとネイブルは時間を無駄にしなかった。
運動と実戦感覚の維持を兼ねて、艦の格納庫の一部を改造した訓練スペースで、頻繁に乱取り稽古(組手)を行っていた。
この日も、ゲネフェアはネイブルと組み合っていたが、額から汗を流し、息を切らせていたのは彼の方だった。
ゲネフェア・ガンガン「くっ……!ネイブル、相変わらず手が抜けねぇな!」
ネイブル・ローゼ「ゲネ兄が本気を出していないだけでしょう?」
ネイブル。見た目はまだ幼い少女の面影を残しているが、その戦闘能力は凄まじい。
彼女はかつて、ランバ・ラル大尉に連れられ、彼の指揮下に入った後、幼いながらも共にランバ・ラルの厳しい訓練に耐え、乗り越えてきたという異色の経歴を持っていた。
ランバ・ラルは、武人として知られた人物であり、彼が施す訓練は過酷を極める。
その訓練を生き抜き、さらに成長したネイブルは、TTI 隊の中でも屈指の白兵戦能力を持っていた。
ゲネフェアが繰り出した強烈な払い手も、ネイブルはまるで柳のようにしなやかに受け流し、一瞬の隙を突いてゲネフェアの脇腹に正確な体当たりを叩き込んだ。
ゲネフェア・ガンガン「ぐっ!」
ゲネフェアは呻きながら体勢を崩し、その瞬間にネイブルは彼の背後へ回り、腕を関節技で捕らえた。
ゲネフェア・ガンガン「参った、ネイブル!ホント、君は成長したよ!」
ネイブル・ローゼ「ゲネ兄だって強い。私に合わせてくれているから今のでも私に後ろを取られるんだよ!・・・まぁ、そういう優しいところが好きなんだけどね♪」
ゲフェアはネイブルを「蒼い鬼」と呼んでいた。
彼女の綺麗な紺碧の瞳の色と、紺藍の髪の色、そして彼女の師であるランバ・ラルが「青い巨星」の異名であることにちなんでゲネフェアがつけた渾名だ。
ネイブル・ローゼ「私は、ただランバ・ラル様の教えを忠実に守っているだけです。戦場で生き残るために、一切の妥協はしません。」
彼女の言葉には、師の教えと、過酷な過去を乗り越えた者の強さと、ゲネフェアへの親愛が滲み出ていた。ゲネフェアは立ち上がり、汗を拭いながら、真剣な表情に戻った。
ゲネフェア・ガンガン「わかっている。俺たち TTI 隊は、連邦やジオンの残党よりも常に一歩先を行かなきゃならない。技術だけじゃない、個々の戦闘能力もだ。俺は負けるつもりはないが、肉弾戦では君にどんどん差をつめられてるな。」
ネイブル・ローゼ「そんなに褒めても何も出ないよ(笑)。さっきも言ったけどゲネ兄がTTI 隊の中で一番、体術が強いんだからね!」
彼は、ネイブルの成長を喜びつつも、自身の努力の必要性を再認識した。
アクシズへの潜入長征は、単なる移動ではない。
それは、TTI 隊の未来の戦力を担う二人の、終わりなき修行の旅でもあった。
その時、ネイブルは頬に汗を光らせながら、いたずらっぽく笑った。
ネイブル・ローゼ「よし、ゲネ兄!今日はここ迄にして、さっさと汗を流しに行こうよ!格納庫じゃ風邪ひいちゃうよ?」
ゲネフェアは目を細めて笑い返した。
ゲネフェア・ガンガン「そうだな。お言葉に甘えよう。しっかり汗を流すか。」
こうして、二人は今日の訓練を終え、艦内のシャワールームへと向かった。
翌日、突発的な戦闘
そして翌日。航行中の艦内に、けたたましい警報が鳴り響いた。
艦内放送『!緊急!緊急!未確認機体群、本艦に急速接近中!』
朝のブリーフィングを終えたばかりのゲネフェアとネイブルは、一瞬で戦闘態勢に入った。
女性乗組員「ジオン残党の集団です!何のアクションもなく、唐突に攻撃を仕掛けてきました!数、MS 4 機、艦艇 1 隻!」
ゲネフェア・ガンガン「ネイブル!彼奴等を速攻で叩き潰すぞ!」
ネイブル・ローゼ「了解!ついていきます、ゲネ兄!」
二人はそれぞれの愛機、シュテルン・アズール(ゲネフェア)が改修した高性能モビルスーツ、ゲルググキャノンとゲルググ J(イェーガー)のコクピットへ急いだ。
発進シークエンスが始まり、カタパルトデッキに機体がセットされる。
ゲネフェア・ガンガン「アズール・ブレイク、出る!」
ネイブル・ローゼ「アズール・スナイプ、発進するよ♪」
二機のゲルググ系 MS は、お決まりのセリフと共に、残党艦隊に向けて一斉に射出された。
出撃直後、ゲネフェアのゲルググキャノンは残党の MS 隊の動きをレーダーで把握しつつ、ネイブルのゲルググ J に指示を出した。
ゲネフェア・ガンガン(通信)「ネイブル、艦を守りつつ、左翼の 2 機を頼む!俺は敵艦と右翼の 2機を仕留める!」
ネイブル・ローゼ(通信)「任せて!」
ネイブルの操縦するゲルググ J は、ランバ・ラル仕込みの格闘戦技術を MS の動きに変換し、敵のビームライフルを紙一重でかわしながら、瞬く間に距離を詰めた。
ネイブルの操作する機体は、まるで生き物のようにしなやかで、残党のパイロットはその動きに翻弄される。
一撃離脱戦法で敵機の関節部を破壊し、瞬く間に左翼の 2 機を無力化した。
同時に、ゲネフェアのゲルググキャノンは、背部に装備されたビームキャノンを高出力で敵艦のブリッジへ精密射撃し、一撃で撃沈。
残りの MS 2 機は、旗艦を失い動揺した隙を逃さず、ゲルググキャノンが高速で肉薄し、ビームサーベルで一閃した。
戦闘開始からわずか数分。
ジオン残党の集団は、TTI 隊の二人のパイロットによって、完全に返り討ちにされ、討伐された。
ゲネフェアは通信を切ると、ため息をついた。
ネイブルはいつもの調子で明るく続けた。
ネイブル(通信)「ねぇ、ゲネ兄!フネに戻ったら、またシャワー浴びよう!さっぱりするよ!」
ゲネフェア(通信)「悪いが、それは後だ。」
ゲネフェアの声が真剣なトーンに変わった。
ゲネフェア(通信)「ネイブル、フネに戻ったら、ブレイクとスナイプの機体の調整をするぞ。ちょっとした事でもいいから、戦闘中に感じた違和感や微細な挙動のズレを教えてくれ。すぐに微調整する。」
ネイブル(通信)「さすがゲネ兄。了解!細かいところまでチェックしておくね!アズール・スナイプの脚部サーボに一瞬だけ微細な出力の遅れを感じた気がする。あくまで『気がする』程度だけど。」
ゲネフェア(通信)「その『気がする』が重要だ。よし、付き合ってもらおうか。」
二人は互いに協力して周囲の警戒と残骸の確認を終えると、長征の旅を続けるため、小型強襲艦へと帰投した。
機体調整と癒やしの時間
艦の整備デッキに戻った二人は、戦闘服を脱いでゲルググの微調整に取り掛かった。
ネイブルの的確なフィードバックを受け、ゲネフェアは自身のゲルググキャノン(アズール・ブレイク)とネイブルのゲルググ J(アズール・スナイプ)の OS と駆動系に手を加え、違和感を解消していく。
機体の調整を終えると、二人はシャワーを浴びた。
湯上がりの休憩時、ネイブルはリラックスした様子でゲネフェアに近づいた。
ネイブル・ローゼ「ふぅ、生き返る。ゲネ兄、マッサージおねだりしてもいい?」
ゲネフェア・ガンガン「ん?ああ、いいぞ。日々の訓練と久しぶり戦闘で体が凝ってるんだろう?」
ゲネフェアは、家族の疲労回復のために、幼い頃から習い指圧などのマッサージ技術を習得していた。
特に、ネイブルにとっては、彼のマッサージが「凄腕」であることは日課の中で周知の事実であり、戦闘後の何よりの癒やしだった。
ネイブルは心地よさそうにゲネフェアにもたれかかり、肩や首筋に加わる正確な圧に目を細めた。
ネイブル・ローゼ「うん、やっぱりゲネ兄のマッサージが一番効く。これがあるから、ランバ・ラル様の訓練も乗り越えられた気がするよ。」
ゲネフェアは優しく笑いながら、ネイブルの小さな肩を揉みほぐした。
リラックスした時間が流れ、ネイブルはふと遠い目をしながら語り始めた。
ネイブル・ローゼ「ランバ・ラル様の訓練は厳しかったけど、でも楽しかったな。ハモンさんは時間さえあれば私に寄り添ってくれた、温かかったな。あと、ソロモンへ行った時に一時的に護衛についた時、ゼナ様には良くしてもらった……。」
彼女は一呼吸置いて、続けた。
ネイブル・ローゼ「ミネバ様はまだ赤ん坊だったけど、周りを和ませていた。ゼナ様も、ああ見えてすごく面倒見のいい人でね。ゼナ様はシャア大佐やガルマ様と共に士官学校の同級生だったんだって!驚いちゃった(笑)マッサージを受けていると、あの頃の、少しだけど穏やかな日々を思い出すんだ。」
ゲネフェアは手を止めずに静かに耳を傾けた。
ゲネフェア・ガンガン「そうか。父さん(ラル)や母さん(ハモン)やゼナ様の想いは、きっとお前の中に生きている。俺たちはお前の技術と実力を必要としている。だから、無理はするな。お前が頑張りすぎるのは知っているからな。いつでも俺に甘えてこい頼ってこい(笑)受け止めてやるから」
ネイブル・ローゼ「ゲネ兄、ありがとう♪」
長征の旅はまだ続く。この緊張と弛緩の繰り返しが、二人の絆と TTI 隊の未来を形作っていくのだった。