機動戦士ガンダムの世界へ転生したオッサン3人組の奮闘記 TTI隊「紺藍の四つ星」潜入と暗躍の軌跡〜 作:かりかりもふもふメロンパン
ダミー会社の提案
宇宙世紀 0080 年 10 月 1 日。
地球のアフリカ大陸南端、かつてジオン公国軍の占領下にあったキンバライト基地。
現在は TTI 隊の地上における活動拠点となっており、フィッラとネオガバンが中心となって秘密裏に MS の改修と戦略立案を行っていた。
フィッラ・ガンガンとネオガバン・ガンガンは、最近行った故人への墓参りから基地へ帰還したばかりだった。
二人は、MS 格納庫の一角にある、彼らの「生前」の記憶を整理するための簡易オフィスで、コーヒーを飲みながら静かに休んでいた。
フィッラ・ガンガン「今回の墓参りは、よかったな。俺たちの決意を改めて固められた。」
ネオガバン・ガンガン「ああ。地球で活動する以上、時々、地に足をつけて自分たちの使命を思い出す時間が必要だ。俺たちのやろうとしていることは、未来の宇宙世紀のためだ。」
その時、オフィスのメインコンソールに、緊急性の高い暗号化された極秘通信が着信した。
発信元は、宇宙にいるシュテルン・アズール旗艦『グワラン』の艦長代理、シゲハル・ヨシタカからだ。
フィッラ・ガンガン「シゲハルさんからか。ゲネフェアからアクシズでの進捗があったんだろう。」
フィッラが応答ボタンを押すと、通信スクリーンにシゲハルさんの疲労の色が濃い顔が現れた。
シゲハル・ヨシタカ(通信)「フィッラさん、ネオガバン。お疲れ様です。長距離通信、すみません。ゲネフェアさんからの最重要案件の報告です。アクシズでの技術交渉に先立ち、ダミー会社の設立と、その役員人選の案が確定しました。」
ダミー会社「ナラモ・マルクス・アルフレッド」の承認
シゲハルはゲネフェアの提案内容を詳細に伝達した。
ダミー会社は、TTI 隊の『ザク復権計画』によって開発される技術を、連邦、デラーズ、アクシズを含む全勢力に売り捌くための表向きの経済組織となること。
そして、その人選の理由を説明した。
シゲハル・ヨシタカ(通信)「ゲネフェアさんの案は、木星船団グループのリーダー格であるオービットの推薦に基づいています。人選された三名は、裏社会のパイプや経営手腕に長けた叩き上げの人物です。」
シゲハルは、ゲネフェアが提案した役員案をスクリーンに表示した。
社長:ナラモ・キブン
副社長:マルクス・ポーロ
副社長:アルフレッド・クルップ
シゲハル・ヨシタカ(通信)「ゲネフェアさんは、この三名に加えて、残りの重役人選と経営権の大部分を全て任せることを提案しています。独立性を高め、我々の影響を表面上完全に断つためです。フィッラさん、リーダーとして、この案を承認していただけますか?」
フィッラとネオガバンは、提示された三人のプロフィールとゲネフェアの戦略的意図を慎重に検討した。
ネオガバン・ガンガン「ゲネフェアらしい、大胆で理にかなった案だ。俺たちが技術さえ提供すれば、口出しせずに金を稼いでくれる専門家が必要だった。彼らにすべて任せることで、我々は軍事と技術開発に集中できる。」
フィッラは頷いた。彼ら TTI 隊の最終目的は、戦争を終わらせ、未来の地球圏に貢献すること。
そのためには、軍事的な力だけでなく、強固な経済基盤が必要不可欠だった。
フィッラ・ガンガン「承認する。シゲハルさん、すぐに会社設立の手続きに入ってください。ナラモ・キブンを社長とし、マルクス・ポーロ、アルフレッド・クルップを副社長とする。残りの人選は、彼らに一任だ。」
命名権と TTI 隊側の役員構成の決定
シゲハルとの通信が切れると、基地のオフィスには再び静寂が戻った。フィッラは立ち上がり、窓の外の荒野を見つめた。
フィッラ・ガンガン「これで宇宙組も地上組も、次の一歩を踏み出せる。ゲネフェアが作った金の盾で、俺たちは思い切り戦えるぞ。」
フィッラは、ダミー会社における TTI 隊側の役割について、ネオガバンに意見を求めた。
フィッラ・ガンガン「会社の立案者のゲネフェアは会長。相談役に俺、フィッラ。監査役にネオガバンを入れて、表立った経営はナラモたち 3 人に任せる。俺たち TTI 隊で定期的に方針を決めていく形で良いかと思うが、どうだ?」
ネオガバン・ガンガン「なるほど。我々が経営の実権を裏で握りつつ、ナラモたちに表の責任と利益追求を任せる、か。悪くない。だが、一つ気になるのは、その名前はどうする? 会長、相談役、監査役として、俺たちの本名を使うのか?」
ネオガバンは、シャアのような鋭い人物に正体を見抜かれるリスクを懸念した。
フィッラ・ガンガン「もちろん、本名を使うわけがない。以前使用したことがある、外部の人間に知られている偽名を使う。」
フィッラは、以前、TTI 隊の活動で用いたことのある偽名を提案した。
会長(ゲネフェア):カリモフ・サンライズ
相談役(フィッラ):ヘヴィ・メタ
監査役(ネオガバン):セツナ・ダークタクト
フィッラ・ガンガン「これでどうだ? ナラモさんには設立手続きを急がせ、会社の名前もゲネフェアに一任するのが一番だろう。奴はこういうセンスは抜群だ。」
ネオガバンは、コンソールのスクリーンに表示された「ナラモ・キブン」の名前と、フィッラが提案した新しい偽名のリストを静かに眺めた。
宇宙世紀の経済と歴史を裏側から動かす、TTI 隊の新たな武器が、今まさに生まれようとしていた。