機動戦士ガンダムの世界へ転生したオッサン3人組の奮闘記 TTI隊「紺藍の四つ星」潜入と暗躍の軌跡〜 作:かりかりもふもふメロンパン
作戦開始
宇宙世紀 0080 年 10 月 10 日。
アフリカ大陸のキンバライト基地。
かつてノイエン・ビッター少将の奮戦の舞台となったこの基地は、現在、フィッラとネオガバンの地球における技術開発および軍事作戦の中枢として機能していた。
フィッラ・ガンガン、ネオガバン・ガンガン、そして北米で仲間とした天才技術者、リーゼ・ブラウニングの三人は、基地の奥深くにある、極秘の MS 開発ドックに集まっていた。
ドックの中央には、フィッラとネオガバンが最重要開発機体とするザク II F2 型の機体が鎮座している。
フィッラ・ガンガン「アクシズ、茨の園、そしてここ地球。三つの場所で同時に作戦を実行する準備が整った。ゲネフェアからの連絡で、ダミー会社も『トリアイナ・アセット重工業』として産声を上げた。我々の『三叉の槍(トリアイナ)作戦』を、本日をもって開始する。」
フィッラは、基地の通信士に指示を出した。
フィッラ・ガンガン「グワランへ。ゲネフェアとディートへ、作戦開始指示を送信せよ。目標座標と、第一フェーズの期間を明記しろ。」
グワランを介して、アクシズのゲネフェア、そしてデラーズ・フリートのディートへと、作戦開始の極秘指令が送信された。
地上組の使命:ザク II の復権
地球組の核となる使命は、連邦の MS を凌駕するザク II F2 型(キンバライト基地仕様)の改良、そして連邦の次期主力機開発を攪乱するための技術情報の利用であった。
フィッラ・ガンガン「我々地球組の第一の使命は、ザク II の復権だ。特に、連邦の新型MS にも対応できるだけの機動性と火力を、この F2 型をベースに確保する必要がある。今回のザク II 改良は、ただビッターを救出するだけの為に改良をするのではなく、今後の『トリアイナ・アセット重工業』の『一つの設計案』として役立つ作戦でもあると考えて
いる。」
ネオガバン・ガンガン「ザク II F2 型の基本設計を最大限に引き上げなければならん。既存のザク系列は、スラスターが増加したことでドムやゲルググとの行軍は可能になったものの、プロペラント不足による稼働時間の短縮が致命的な欠陥だ。そこをまず改善する。」
ネオガバンは、目の前にあるザク II F2 型の機体を見上げながら、設計図を指さした。
リーゼ・ブラウニングは、普段の冷めた表情を一変させ、興奮した眼差しで語った。
彼女の使命は、連邦から得た EXAM システムの極秘解析と、その応用技術の開発にある。
リーゼ・ブラウニング「EXAM システムの解析は進んでいるわ。これはニュータイプを裁くために開発されたシステムだが、そのバイオセンサー的な機能は、既存の MS の機動性や反応速度を限界以上に引き上げる可能性を秘めている。」
リーゼ・ブラウニング「私たちの目標は、この EXAM の基礎技術を応用し、ニュータイプでなくともその恩恵を受けられる、ザクのための新しい OS を開発することよ。連邦が持たない、ジオンも持たない、新たな技術を生み出してザクを『真の兵器』として生まれ変わらせる。」
フィッラは頷いた。
彼ら地球組の作戦は、地味ではあるが、TTI 隊の全ての軍事活動の根幹となるものだった。
フィッラ・ガンガン「よし。俺とネオガバンは、これまで分解した実物の知識はある、あとは正規の図面を見ながら何を組み込むかの図面の機体設計を、リーゼは OS 開発を主導しろ。我々地球組は、このキンバライト基地を、未来のジオン軍を支える技術の牙城とするぞ。」
フィッラとネオガバンは、設計図を広げたまま、基地の整備士長を呼び寄せた。
フィッラ・ガンガン「整備士長。お願いしたい。この基地の在庫で、使用可能なザク II用の MMP-80 マシンガンや、ヒートホークの予備がどれだけ残っているか、現物を確認させてはもらえないだろうか? また、連邦から鹵獲した、MS 用の強化型ジェネレーターや、既存のザク II F2 型に流用可能な高効率プロペラントタンクの部品についても、残っているものがあればリストアップをお願いしたい。」
ネオガバン・ガンガン「特に、F2 型は継戦能力に問題がある。もしザク II 改(FZ 型)の部品の一部が残っていれば、プロペラントタンクの増設に関する重要なヒントになる。恐縮だが、倉庫や残骸置き場まで確認をお願いできないだろうか。」
二人の転生者と、その技術協力者であるリーゼ・ブラウニングの、過酷なザク復権計画が、今、キンバライトの砂塵の中で始まった。