機動戦士ガンダムの世界へ転生したオッサン3人組の奮闘記 TTI隊「紺藍の四つ星」潜入と暗躍の軌跡〜 作:かりかりもふもふメロンパン
ゲリラ戦出撃前
宇宙世紀 0081 年 4 月 10 日。
宇宙世紀 0080 年 10 月 10 日の「トリアイナ作戦」開始から約半年。
地球のアフリカ、キンバライト基地周辺の荒野は、強い砂嵐に覆われていた。
フィッラ・ガンガンとネオガバン・ガンガンは、作戦開始時に整備士たちに依頼した物資の聞き込みを終え、いよいよ自ら行動を起こす必要に迫られていた。
基地の備蓄は予想以上に少なく、ザク II F2 型のプロトタイプ改修に必要な高性能の電子機器や、連邦軍仕様の鹵獲ジェネレーター部品は、現地の連邦軍小隊や小型の補給施設から直接「調達」するしかなかった。
二人は、出撃準備が整った MS 格納庫の一角で、現地採用のゲリラ兵たちに指示を出していた。
フィッラ・ガンガン「今回の目的は戦闘ではない。センサー系部品と通信機器の入手だ。我々の活動は、表向きは武装解除された旧ジオン軍の小部隊による反抗的なゲリラ活動という体を取る。絶対に大規模な戦闘は避けろ。」
ネオガバン・ガンガン「我々が使用するザク II は、見た目は通常の F2 型だ。余計な改造が施されていると連邦に勘繰られる。迅速に目標を制圧し、物資を回収次第、即時撤退だ。リーゼの OS 開発に必要なデータも、これで揃う。」
ネオガバンは、武装を点検しながら、皮肉を込めて言った。
ネオガバン・ガンガン「ゲネフェアは宇宙で『トリアイナ・アセット重工業』という黄金の盾を築き始めているというのに、俺たちはその盾の裏で、泥まみれのゲリラを演じなければならんとはな。」
フィッラ・ガンガン「だが、その泥こそが、金の盾を支える『真の設計案』となる。俺たちがここでザクを連邦の機体と戦えるレベルまで押し上げられなければ、トリアイナ重工業が売る技術に価値は生まれない。」
フィッラは、戦場で経験を積み重ねることでしか得られない、実戦データと部品の重要性を再認識していた。
フィッラ・ガンガン「俺たちにとって、これは単なる物資調達ではない。『トリアイナ・アセット重工業』の未来の『ザク復権計画』の基礎実験だ。そのために、連邦には目障りな旧ジオンのゲリラとして、このアフリカ大陸に居座り続ける必要がある。」
二人は、自らもザク II F2 型に搭乗するため、コクピットへと向かった。
太陽系外郭での三叉の槍が動き出す中、地球という最も厳しい戦場での戦いが、今、始まった。
砂塵の実験と電子部品の調達
宇宙世紀 0081 年 4 月 10 日。
アフリカ・サバンナ。
キンバライト基地から遠く離れた、アフリカの広大な砂漠地帯。
フィッラとネオガバンは、二機の MS-06F-2 ザク II F2 型に搭乗し、連邦軍の小型通信中継施設を目標としていた。
機体は外見上は通常の F2 型だが、内部にはリーゼ・ブラウニングが解析中の EXAM 基礎技術を応用した初期型の補助 OS が搭載されており、パイロットの反応速度をわずかに引き上げていた。
ネオガバン・ガンガン(通信)「中継施設まであと 5 キロ。守っているのは、陸戦型のMS 一機と、支援車両が二台。警戒レベルは低い。予定通り、煙幕とヒートホークによる一撃離脱だ、フィッラ。」
フィッラ・ガンガン(通信)「了解。この襲撃の目的は、連邦のレーダーに載らない高性能なセンサー機器と、中継施設にある暗号化通信モジュールの回収だ。無駄な破壊はするな。そして、何より『我々は、飢えたジオンの残党である』という演技を忘れるな。」
フィッラたちの MS は、熱帯の砂塵を巻き上げながら目標へと急接近した。
ゲリラ戦術の実行
連邦軍の陸戦型 MS(おそらくジム・カスタムかパワード・ジムの試作機)が、突然の襲撃に気づき、慌ててビームライフルを構える。
連邦兵(通信)「な、何だ!? ジオンの残党だと!? バカな、武装解除したはずだ!」
フィッラは、敵の通信に安堵した。彼らが「飢えた残党」の認識でいてくれる限り、真の姿は隠蔽される。
ネオガバン・ガンガン「(通信)煙幕投射!」
ネオガバン機が投じたスモークディスチャージャーが辺り一帯を白煙で覆い尽くす。その一瞬の視界不良を利用し、二機のザク II F2 型は加速。
フィッラ機が、正面からジムに相対する。彼はあえて旧式のザク・マシンガンを乱射し、そのほとんどを外すという、「技術的に劣る旧ジオン兵」の演出を行った。
フィッラ・ガンガン(通信)「くそっ、弾が当たらん! ネオガバン、目標を確保しろ!」
ジムのパイロットがフィッラの拙い攻撃に気を取られた瞬間、ネオガバン機が煙幕の影から飛び出した。
ネオガバンは精密なマニューバでジムの攻撃を回避しつつ、ヒートホークを投擲するのではなく、あえて格闘でジムの右腕を狙った。
ガキン!
ジムの武装腕が切断され、機能停止。ネオガバンは、敵パイロットの脱出を確認しつつ、冷静に中継施設へ向かった。
ネオガバン・ガンガン(通信)「物資確保完了。フィッラ、急げ!」
フィッラは、わざと被弾したかのように機体を揺らしながら、中継施設から離脱。二機のザク II F2 型は、連邦の増援が来る前に、砂嵐の中へと完全に姿を消した。
戦果と長期戦略の確認
キンバライト基地に帰還した三人は、回収された物資をドックで確認した。
リーゼ・ブラウニング「素晴らしいわ。連邦の最新型偵察機に使われていた高性能な光電子センサーと、極秘の通信暗号モジュール。それに、このプロペラントの成分。これがあれば、OS のリアクション速度の向上と、F2 型の航続距離の改善に一気に目処がつくわ。」
リーゼは興奮気味に電子機器を抱きかかえた。
ネオガバン・ガンガン「戦闘時間はわずか 90 秒。演出も完璧だった。連邦の報告は『ジオン残党による絶望的な物資強奪』で終わるだろう。しかし、これで我々のザク II F2型は、確実に連邦の次期主力 MS に対抗できるレベルに近づく。」
フィッラは、手に持った連邦の通信モジュールを眺めながら、頷いた。
フィッラ・ガンガン「そうだ。この一連のゲリラ襲撃は、すべて『トリアイナ・アセット重工業』の『設計データ』となる。俺たちの命がけで得た実戦データと部品が、ゲネフェアが宇宙で売りさばく『ザク復権計画』の信頼性を裏付ける。俺たちは、地球の泥の中で、黄金の盾の基礎を築いているのだ。」
地球組は、この小さな成功を皮切りに、ザク II F2 型を真の『真の兵器』へと進化させるための、過酷な改良作業に本格的に突入していった。