機動戦士ガンダムの世界へ転生したオッサン3人組の奮闘記 TTI隊「紺藍の四つ星」潜入と暗躍の軌跡〜 作:かりかりもふもふメロンパン
宇宙世紀 0081 年 5 月上旬。
アフリカ・キンバライト基地
アクシズでのゼナ・ザビの『偽装の死』が公表された頃、キンバライト基地の MS 開発ドックでは、フィッラとネオガバン、リーゼの三人が、ザクII F2 型の改修計画を前に立ち止まっていた。
プロペラントタンクの設計図という手がかりは得たものの、最終的な『トリアイナ・ザク』の性能を保証するには、何かが足りなかった。
フィッラ・ガンガン「FZ 型の設計を参考に、F2 型の航続距離は改善できる。だが、リーゼの OS が求める極限の機動性と、連邦の新型 MS に匹敵する基礎構造を、既存の F2型をベースに引き出すのは、限界がある。」
ネオガバン・ガンガン「俺たちが持っている『ザク復権計画』の完成形は、F2 型を超越した機体でなければ意味がない。しかし、基礎技術が足りない…。」
二人の間に、重い沈黙が流れた。
その時、フィッラは、転生直後の過酷な日々の中で、彼らが極秘裏に作り上げ、キンバライト基地のさらに奥深くに封印した「過去の遺産」を思い出した。
フィッラ・ガンガン「ネオガバン…覚えているか? 『アズール・ファントム』と『アズール・サバイブ』を。」
ネオガバンはハッと目を見開いた。
ネオガバン・ガンガン「ああ、あれを! 転生直後、TTI 隊の最初の技術の結晶として、そして俺たちの MS 設計の理想を詰め込んで作った、あの二機か。基地の最深部に、封印したはずだ。」
封印されたアズールたち
二人は急ぎ、整備士長に極秘の指示を出し、基地の奥深く、岩盤の陰に隠された秘密の格納庫へと向かった。そこで彼らが対面したのは、二機の異形の MS だった。
高機動型ザク II『アズール・ファントム』: 高機動型ザク II をベースに、当時の彼らの技術と知識を最大限に注ぎ込み、超高機動を追求し、フィッラがオリジナルに改良改造を施した試作機。
しかし、当時の OS とエンジンの限界から、制御不能の烙印を押され封印されていた。
ザク I『アズール・サバイブ』: ザク I をベースに、高耐久性と生存性、そして驚異的な稼働効率を追求した、ネオガバンの技術思想の具現化。
この二機には、彼らが転生者として持っている技術的な理想が、惜しみなく注ぎ込まれていたのだ。
フィッラ・ガンガン「この『アズール・ファントム』のフレーム設計と、高出力ジェネレーターの配置は、F2 型を遥かに超えている。そして、『アズール・サバイブ』の高効率な駆動系と耐久性。これこそが、俺たちが求めていた『基礎技術』だ!」
ネオガバン・ガンガン「これだ!『アズール・ファントム』の機動性と『アズール・サバイブ』の効率性、そしてリーゼの EXAM 応用 OS を組み合わせれば、真の『トリアイナ・ザク』が完成する!」
構造の再利用とインスピレーション
ネオガバン・ガンガン「『アズール・サバイブ』は、ザク I という旧式フレームに、いかにして重装甲と稼働時間を両立させるか、という俺の技術の結晶だ。特に、脚部関節の負荷分散構造は、F2 型ザクの改良設計にそのまま流用できる。」
ネオガバンは、ザク I の持つシンプルさと、それに耐荷重性を与えるために施した独自の補強技術が、現在の EXAM 搭載計画に必要な F2 型のフレーム強化の鍵になると確信していた。
フィッラ・ガンガン「そして、俺の『アズール・ファントム』だ。この機体は、俺が高機動型ザク II をベースに、当時の技術と知識を最大限に注ぎ込んで造り上げた、超高機動を追求した試作機だった。しかし、当時の OS とエンジンの限界から、制御不能の烙印を押され封印されていた。」
フィッラ・ガンガン「このアズール・ファントムのバックパックと脚部スラスターの配置は、ネオガバンが見つけたキンバライトの試作図面を、宇宙世紀の技術的な限界を超えて実用化するための、最高のインスピレーションになる。」
彼らは、自分たちが過去に築き上げた「一年戦争を生き抜くための極限の改修技術」を、現在の「未来の MS 設計」に組み込むことを決意した。
印される仲間たちの機体
フィッラ・ガンガン「よし。ネオガバン。これらの機体を、リーゼさんのラボへ運び込む。『アズール・ファントム』の構造解析と、『アズール・サバイブ』の耐久構造の応用を、F2 型ザクの改良設計に組み込むぞ。トリアイナ製のザクは、過去の遺産と未来の技術の融合体となる。」
フィッラは、格納庫のさらに奥にある、もう二つのコンテナに目を向けた。そこには、ゲネフェアの『アズール・ソーン』と、ネイブルの『アズール・ワスプ』が厳重に封印されていた。
フィッラ・ガンガン「だが、ソーンとワスプは手を出すな。あの二機は、持ち主であるゲネフェアとネイブル、各自オリジナルの改良改造が施されている。俺たちには、技術的に解析できない部分が多すぎる。それに、あの二機は、俺たちの希望として、持ち主の帰還を静かに待っているべきだ。」
二人の転生者は、自分たちの魂とも言える過去の愛機を解体し、その技術を『ザク復権計画』のコアへと昇華させるという、過酷な決断を下しながらも、仲間たちの遺産をそのまま未来の決戦のために温存することを選んだ。
機体の融合
フィッラたちは、リーゼの元へ出向いた。
フィッラ・ガンガン「リーゼ。この二機のプロトタイプの設計データを全て開示する。
お前の OS 開発の究極のテストベッドとして、『アズール・ファントム』を『トリアイナ・ザク』の原型とする。この二機の技術を融合し、連邦の新型 MS に怯えることのない、真の『真の兵器』を完成させてくれ!」
リーゼは、目の前に現れた予想外の高性能なデータを見て、これまでの興奮を上回る歓喜に打ち震えた。
リーゼ・ブラウニング「素晴らしいわ!この設計があれば、OS のポテンシャルを 100%引き出せる!『ザク復権計画』…必ず実現させてみせるわ!」
こうして、キンバライト基地の奥底に眠っていた TTI 隊の「過去の理想」が、リーゼ・ブラウニングという天才技術者によって、「未来の現実」として蘇る道筋が示された。