機動戦士ガンダムの世界へ転生したオッサン3人組の奮闘記 TTI隊「紺藍の四つ星」潜入と暗躍の軌跡〜 作:かりかりもふもふメロンパン
宇宙世紀 0081 年 8 月上旬。
アフリカ・キンバライト基地。
アクシズでゼナ・ザビの『偽装の死』が公表され、ハマーンが実権を掌握してから約 3 ヶ月。
デラーズ組が月面での情報戦を繰り広げる中、地球のキンバライト基地では、フィッラとネオガバン、リーゼによるザク復権計画が重大な局面を迎えていた。
彼らの MS 開発ドックは、昼夜を問わず稼働し続けていた。
フィッラとネオガバンは、封印を解いた『アズール・ファントム』(高機動型ザク II ベース)と『アズール・サバイブ』(ザク I ベース)の設計データに基づき、ザク II F2 型への改修設計を急ピッチで進めていた。
ネオガバン・ガンガン「(設計図を叩きながら)ファントムの高出力ジェネレーター配置と、サバイブの駆動系のバランスを F2 型に組み込んだことで、プロペラントタンクの増設をしても、フレームへの負荷を最小限に抑える目処が立った。あとは、リーゼの OSが求める反応速度が、この機体で実現可能かどうかだ。」
ネオガバンは、機体設計がリーゼの OS 開発のボトルネックにならないよう、焦燥感を感じていた。
EXAM 応用技術の完成
その時、簡易ラボに籠っていたリーゼ・ブラウニングが、満面の笑みを浮かべて現れた。
彼女の手には、最終調整を終えた OS のマスターコードが入ったデータチップが握られていた。
リーゼ・ブラウニング「完成したわ、フィッラ、ネオガバン!連邦の EXAM の基礎技術から『暴走と殺意』の部分を完全に切り離し、『反応と機動』のみに特化した、新しい汎用 OS が完成したわ。」
リーゼは、興奮を抑えきれない様子で、開発の成果を説明した。
リーゼ・ブラウニング「EXAM システムは、ニュータイプを感知すると暴走・強制起動する(S_R2)。その核には、特定の NT の精神(マリオン・ウェルチ)が組み込まれ、排他的で危険なシステムとして運用されていた(S_R2)。」
リーゼ・ブラウニング「しかし、私たちの『トリアイナ OS』は、そのマリオンの精神や、それに類する NT の呪縛を設計から完全に排除した。この OS の核は、私たちの技術と、パイロットの意思のみよ。」
リーゼ・ブラウニング「この OS は、パイロットの無意識の思考、例えば『避けたい』『狙いたい』という意思を、機体の駆動系に直結させるわ。これにより、ザク II F2 型は、パイロットの反射神経の限界を超越した瞬間的な反応速度を得る。これは、私たちが目指した連邦にもジオンにもない、全く新しい技術よ。」
フィッラ・ガンガン「(目を見開き)嘘だろう、リーゼ…! EXAM の汎用化だと!?これが、ヴァール少尉が要求した極限の高機動戦闘を実現させる鍵となるのか!」
『トリアイナ・ザク』プロトタイプの始動
フィッラとネオガバンは、リーゼが生み出した技術革新の凄まじさに、言葉を失った。
この OS は、TTI 隊の「ザク復権計画」を現実のものとする、決定的な成果だった。
フィッラ・ガンガン「素晴らしい! ネオガバン、すぐにこの『トリアイナ OS』の組み込みと、『アズール・ファントム』のフレーム構造を応用した『トリアイナ・ザク』のプロトタイプの最終組み立てを開始しろ!」
ネオガバン・ガンガン「了解だ、フィッラ。これで、俺たちが宇宙で動かす『トリアイナ・アセット重工業』の製品に、揺るぎない『売る価値』が生まれた。デラーズもアクシズも、この技術を喉から手が出るほど欲しがるだろう。」
こうして、地球のキンバライト基地の砂塵の中で、シュテルン・アズールの技術の矛である『トリアイナ・ザク』が、ついに完成の時を迎えようとしていた。彼らは、この最新鋭のザクを、連邦軍が支配するアフリカ戦線でテスト運用するための最終準備に入った。
砂塵の戦場と『トリアイナ・ザク』の実戦投入
宇宙世紀 0081 年 8 月 20 日。
アフリカ・戦線宙域。
地球のキンバライト基地では、フィッラとネオガバンが技術の全てを注ぎ込んだ、『超高機動型ザク II(トリアイナ・ザク・プロトタイプ)』の最終組み立てが完了していた。
ちょうどこの頃、デラーズ・フリートが「ジオン公国国慶節」(8 月 15 日)を機に、世界各地のジオン残党に対して大規模なゲリラ活動を扇動した。
これこそ、シュテルン・アズール地上組にとって、トリアイナ OS と高機動フレームの性能を試す、絶好の機会となった。
フィッラ・ガンガンとネオガバン・ガンガンは、自らプロトタイプのトリアイナ・ザクに搭乗し、連邦の目が行き届きにくい、アフリカ各地のゲリラ活動地へ向かった。
フィッラ・ガンガン(通信)「岩井くん。我々の任務は、戦闘に便乗した実戦データと物資の回収、そして OS のテストだ。連邦の戦術を読み、確実に物資を奪い取るぞ。」
ネオガバン・ガンガン(通信)「了解だ、田村さん。俺たちが今乗っているこの機体こそ、『トリアイナ・アセット重工業』が世界に先駆けて送る未来の技術だ。連邦の最新鋭機に対抗できることを、このアフリカの砂塵の中で証明する。」
彼らはジオン残党を装い、戦いの激しい連邦軍の補給拠点周辺へと強行突破した。
トリアイナ OS の片鱗
目標は、連邦の補給線上にあった小型の兵站基地。ゲリラ活動に備え、ジム・カスタム二機が警備に当たっていた。
ネオガバン・ガンガン「(通信)ジム・カスタムだ。連邦の新型 MS だが、油断するな。」
フィッラ・ガンガン「(通信)問題ない。俺たちのザクは、外見は F2 型だ。連邦は舐めてかかるぞ。」
戦闘が開始される。
連邦軍のジム・カスタムは、その高い機動性でザク II を凌駕しようと試みる。
しかし、トリアイナ・ザクはジムの動きを瞬間的に上回った。
フィッラ・ガンガン(通信)「す、凄い…!これがリーゼさんの OS か!」
フィッラが『避けたい』と無意識に思考した瞬間、機体のスラスターと姿勢制御バーニアが人間の反射神経を遥かに超えた速度で応答し、ジムのビームライフルの射線をわずか数センチで回避した。
フィッラ・ガンガン(内心)「まるで、機体が俺の『意思の先』を読んで動いているようだ!これこそ、EXAM の『暴走と殺意』を排し、『反応と機動』のみを抽出した、トリアイナ OS の真価だ!」
フィッラは、その瞬間的な機動性を活かし、ジム・カスタムの懐に潜り込むと、MMP 80 マシンガンを正確に叩き込んだ。
勝利とデータの収集
ネオガバンも、トリアイナ OS と、『アズール・サバイブ』の技術を応用した高効率な駆動系の恩恵を最大限に受けていた。
彼は、長時間にわたる高機動戦闘にも関わらず、機体のプロペラント残量が予想以上に多いことに気づいた。
ネオガバン・ガンガン(通信)「凄い継戦能力だ!F2 型ならとっくにガス欠している。リーゼさんの設計したフレームとプロペラント増設が完璧に機能している!」
二機のトリアイナ・ザクは、ジム・カスタム二機を完全に機能不全に陥らせ、残された物資を迅速に回収した。
フィッラ・ガンガン(通信)「物資回収完了。リーゼさんに送るデータも完璧だ。連邦軍は、自分たちが『高性能な残党』に襲撃されたとしか思わないだろう。よし、これよりキンバライト基地へ帰投する!」
彼らは、連邦のゲリラ討伐部隊が到着する前に、砂塵の中へと消え去った。
シュテルン・アズールの『ザク復権計画』は、この実戦テストによって宇宙での製品化に向けて確かな一歩を踏み出したのだった。