機動戦士ガンダムの世界へ転生したオッサン3人組の奮闘記 TTI隊「紺藍の四つ星」潜入と暗躍の軌跡〜   作:かりかりもふもふメロンパン

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実験報告と重役会議

宇宙世紀 0081 年 11 月。

 

アフリカ・キンバライト基地。

 

アクシズでは、マハラジャ・カーンの指揮のもと、デラーズ・フリートとの共闘に向けた極秘の協議が水面下で確認されていた。

 

この巨大な二大残党勢力の共闘という情勢は、シュテルン・アズールの『トリアイナ・アセット重工業』が担う技術供給の重要性を、一層高めることになった。

 

地球のキンバライト基地では、フィッラとネオガバン、リーゼの三人が、完成した『トリアイナ OS』を搭載した『高機動型ザク II(トリアイナ・ザク・プロトタイプ)』の最終調整に入っていた。

 

フィッラ・ガンガン「アクシズとデラーズが手を組んだ。これで、ゲネフェアが宇宙で技術を売り込むための市場が、明確に二大巨頭に絞られた。我々の『トリアイナ・ザク』は、この二つの陣営に採用されなければならない。そのためには、量産性と、既存機との互換性を証明する必要がある。」

 

実戦データのフィードバック

トリアイナ作戦開始後、フィッラとネオガバンは度重なるゲリラ襲撃に参加し、OS とフレームの実戦データを収集していた。

 

ネオガバン・ガンガン「(設計図を広げながら)実戦データから、『アズール・ファントム』の技術を応用した高機動フレームと、リーゼさんのトリアイナ OS の相性は完璧だ。パイロットの意図に追従する反応速度は、ジム・カスタムを圧倒している。プロペラントタンクの増設も、F2 型の限界を超えて継戦能力を確保している。」

 

リーゼ・ブラウニング「OS の暴走リスクも完全に制御できているわ。この OS は、ザク II F2 型という既存の汎用フレームに組み込めるように設計したことが、最大のポイントよ。これにより、アクシズやデラーズが既存の機体を廃棄することなく、一気に戦力増強できる量産化の道筋が見えた。」

 

量産化の布石

フィッラは、『トリアイナ・アセット重工業』の設計者としての最終判断を下した。

 

フィッラ・ガンガン「よし。ネオガバン。このプロトタイプで得られたデータを基に、『トリアイナ・ザク・プロトタイプ(ザク II F2 型ベース)』の最終的な設計図を固めろ。目標は、F2 型の部品を最大限に流用し、現場の整備士でも容易に組み込みが可能な設計だ。」

 

これは、単なる高性能機開発ではなく、宇宙のトリアイナ・アセット重工業が「ジオン残党全体への技術インフラを提供する」という、経済的な支配力を確立するための重要な布石だった。

 

フィッラ・ガンガン「この設計図をゲネフェアに送る。これで、宇宙での技術交渉は最終局面に入る。デラーズとアクシズの共闘という嵐の中で、我々シュテルン・アズールこそが、真の『技術の柱』となる。」

 

地球組の努力によって生み出された『トリアイナ・ザク・プロトタイプ』の設計データは、直ちに暗号化され、極秘裏に宇宙のゲネフェアとディートへと送信された。

 

黄金の盾の重役会議

宇宙世紀 0081 年 11 月 11 日。

 

中立宙域・トリアイナ・アセット重工業 秘密拠点。

 

アクシズとデラーズ・フリートが水面下で共闘を確認した頃、シュテルン・アズールが秘密裏に設立した『トリアイナ・アセット重工業』の拠点である小惑星基地で、ゲネフェアはフィッラからトリアイナ・ザク・プロトタイプの報告を受けた直ぐに、初めての本格的な重役会議が開かれていた。

 

会議室に集まったのは、シュテルン・アズールの総意を代表する会長カリモフ・サンライズ(ゲネフェア)、相談役ヘヴィ・メタ(フィッラ)、監査役セツナ・ダークタクト(ネオガバン)、そして社長のナラモ・キブン、副社長のマルクス・ポーロとアルフレッド・クルップという、叩き上げの経済人たち、そして艦長代理兼連絡役のシゲハル・ヨシタカの計七名。

 

ただし、カリモフ、ヘヴィ、セツナ、シゲハルの四名は、極秘の通信回線を通じて参加していた。

 

議題は一つ、「トリアイナ・ザク・プロトタイプの製品化と、アクシズ・デラーズへの技術提供の最終戦略」だ。

 

カリモフ・サンライズ(会長)「(通信越しに毅然と)社長、副社長、そして監査役、相談役、シゲハル艦長。デラーズとアクシズの共闘が確認された。我々の『トリアイナ・ザク・プロトタイプ』の設計データは、フィッラたち地球組の献身的な働きで完成した。これをいかにして、黄金の盾へと変えるか、議論したい。」

 

経済部門の分析と技術提供戦略

社長のナラモ・キブンが、市場分析の結果を報告した。

 

ナラモ・キブン「カリモフ会長。我々の戦略は、ザクの新規生産ではなく、当分の間は現在ジオニック社が生産されているザクⅡF2 型を預かり、トリアイナ OS を組み込み、超高機動型ザク II(トリアイナ・ザク・プロトタイプ)へと改修するという形を取ります。これにより、既存の生産ラインに依存するアクシズの警戒心を解き、デラーズの資金的な負担も軽減できます。」

 

マルクス・ポーロ(副社長)「技術提供の形態も重要です。トリアイナ・アセット重工業が提供する OS や改良キットは、従来の能力をあえて抑えたものを組み込みます。これによって、技術的な優位性を維持しつつ、真の核となる技術は我々シュテルン・アズールが保有し続けることが可能です。この『段階的な技術提供』こそ、我々の支配力を維持する鍵となります。」

 

マルクス・ポーロ「当面の目標は F2 型ザクへの OS 組み込みですが、これは始まりに過ぎません。F2 型の改修がある程度落ち着いたら、並行してザク II 改などや今後新たに出てくるザクシリーズにも、トリアイナ OS の技術を応用していくプランです。F2 型での成功をテコに、全てのジオン系 MS 市場を掌握する長期戦略となります。」

 

アルフレッド・クルップ(副社長)「金融面も整っています。我々の拠点である小惑星基地を担保に、連邦系の裏ルートから資金調達を開始しました。我々は決済通貨をコントロールし、彼らの経済の生命線も握れます。」

 

人材配置と技術部門の意見具申

ここでゲネフェアは、組織体制の強化と技術戦略の将来性について、技術者たちに意見を求めた。

 

カリモフ・サンライズ(会長)「 (笑いながら)超高機動型ザク II か!いいな。正式名が決まるまでは、トリアイナ・ザク・プロトタイプ=超高機動型ザク II ということにしよう。さて、技術的な質問に移る。ヘヴィ・メタ相談役、セツナ・ダークタクト監査役。この事業を本格化させるにあたり、トリアイナ・アセット重工業の現場責任者(工場

長)、その副責任者、そしてシステムの最高責任者の人材を、早急に見つけ、引き入れる必要がある。特に、システム開発責任者は、OS 開発を主導したリーゼ・ブラウニング博士に就任してもらう案を考えている。」

 

セツナ・ダークタクト(監査役)(通信)「会長、異論ありません。リーゼ博士の『トリアイナ OS』は、我々の事業の根幹です。彼女こそがシステム開発責任者として適任です。ただし、彼女は今、地球でフィッラと共に極秘の作業を進めている。彼女の負担を軽減し、セキュリティを確保するため、システム開発副責任者を設ける形で現場を回すべきです。」

 

ヘヴィ・メタ(相談役)(通信)「現場責任者(工場長)と副責任者は、トリアイナ OS の機密性を理解し、我々の指示に忠実に従える、信頼のおける人材が必要です。社長、副社長の持つ木星船団グループのパイプから、技術と忠誠心を兼ね備えた人材のリストアップをお願いします。」

 

トリアイナ OS の運用リスクと新システム名の提案

フィッラは、『トリアイナ・ザク・プロトタイプ』の実戦テストで判明した、OS の運用リスクについて、会議に報告し、重要な提言を行った。

 

ヘヴィ・メタ(相談役)(通信)「会長、機体設計と OS の性能について、極めて重要な報告があります。『トリアイナ OS』は、人間の反射神経を超越した反応速度を実現しますが、その代償として機体の関節部やフレームの消耗が著しい。さらに、パイロットが常時、超高速の反応速度を強いられるため、精神的な負担と瞬間的な重力の身体への負担(副作用)が無視できません。」

 

ヘヴィ・メタ(相談役)(通信)「この問題を解決するため、トリアイナ OS のシステムを常時機能させておくのではなく、いざという時にパイロットが任意で切り替えられるように、切り替えシステムを機体に組み込むことを提案します。これにより、パイロットの負担を軽減し、機体の寿命を延ばすことが可能です。この運用方式は、我々がデラーズやアクシズに売り込む際の『安全管理技術』として強調すべきです。」

 

EXAM に代わる新システム名の決定

会長カリモフ・サンライズ(ゲネフェア)「次に、この OS にふさわしい、EXAM に代わる新しい名前が必要だ。『マリオンの呪縛』を断ち切り、我々の未来志向を示す、象徴的な名前を。」

 

ゲネフェアは、このシステムが持つ「パイロットの直感(無意識の意思)を増幅する」という機能と、軍事的な響きを掛け合わせた名称を考案した。

 

カリモフ・サンライズ(会長)「新しい名称は、『I.M.P.U.L.S.E.(インパルス)』とする。Instinctive Manoeuvre Pilot Linkage System for Execution(インスティンクティブ・マヌーバー・パイロット・リンケージ・システム・フォー・エグゼキューション )の略だ。パイロットの直感的な衝動を機体に直結させ、実行(Execution)に移すシ

ステムだ。連邦のどの技術よりも先鋭的で、その技術の源は、我々トリアイナ・アセット重工業にのみ存在する。この名称で、世界に売り出すぞ。」

 

セツナ・ダークタクト(監査役)(通信)「インパルス! 素晴らしい。この名前と共に、『トリアイナ・アセット重工業』は宇宙世紀にその名を轟かせることになる。」

 

最終決定

ゲネフェアは、フィッラの実戦に基づく報告と、その解決策、そして新しい名称の決定を評価した。

 

カリモフ・サンライズ(会長)「よろしい。ヘヴィ相談役とセツナ監査役の提言を採用する。リーゼ博士をシステム開発責任者に据え、OS の正式名称は『IMPULSE システム(インパルス システム)』とする。そして、運用方法については『切り替えシステム』を標準装備とする。この『安全管理』こそ、我々の技術の優位性を示すものとなる。」

 

シゲハル・ヨシタカ(艦長代理)(通信)「承知いたしました。アクシズとデラーズへの技術供給ルートを確立します。同時に、クリソス・ローズ(ゼナ様)のトリアイナ総合医療センターでの極秘治療と再生も、最大限の厳戒態勢で継続します。」

 

カリモフ・サンライズ(会長)「次に、公表の指示だ。シゲハル艦長。デラーズ・フリートへはディートを通じて、アクシズへはゲネフェアを通じて、このIMPULSE システム(インパルス システム)の存在を公表するよう指示を出せ。」

 

シゲハル・ヨシタカ(艦長代理)「承知いたしました。ディート大尉には、ガトー大尉との交渉における最後の交渉カードとして、ゲネフェア会長には、ハマーン嬢への技術提供の最終条件として、この IMPULSE システム(インパルス システム)の情報を伝達します。」

 

カリモフ・サンライズ(会長)「これで、『トリアイナ作戦』の経済的基盤は完成した。フィッラとディートがもたらす『実戦の価値』を、我々が『黄金の支配力』へと変える。会議を終える!」

 

トリアイナ・アセット重工業は、ジオン残党の二大巨頭を経済と技術で支える、宇宙世紀の裏の支配者としての道を歩み始めた。

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