機動戦士ガンダムの世界へ転生したオッサン3人組の奮闘記 TTI隊「紺藍の四つ星」潜入と暗躍の軌跡〜   作:かりかりもふもふメロンパン

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ガトーとの取り引き

宇宙世紀 0081 年 11 月 12 日。

 

月面小型ドック(ガトー秘密拠点)。

 

トリアイナ・アセット重工業の重役会議で IMPULSE システムの公表が決定され、その情報がディート大尉に伝達された直後。

 

ディート・ボン大尉とヴァール・レーベン少尉は、ガトー少佐との密約に基づき、彼の秘密拠点である月面の小型ドックに到着していた。

 

ディート・ボン「(データチップを見つめながら)これが、カリモフ会長がアクシズとデラーズに売り込む、我々の『金の盾』の核か…IMPULSE(インパルス)システム。」

 

ヴァール・レーベン「その通りです、ディートさん。リーゼ博士がEXAM から『人柱の呪縛』を排除し、汎用 OS として完成させた、パイロットの直感を増幅させるシステム。カリモフ会長は、これをガトー少佐への交渉における『最後の切り札』として提示しろ、と。」

 

英雄への技術提示と密約の本格化

ガトー少佐との二度目の接触の場。ガトー少佐は、ディートが予想していた通り、この時期にデラーズ総帥から離れた行動を取っていることに、強い焦りを感じている様子だった。

 

ディート・ボン「ガトー少佐。お待ちしておりました。貴方が求める『連邦の最新鋭機を凌駕する反応速度』。その実現に必要な技術を、今、貴方にお見せします。」

 

ディートは、IMPULSE システムの概要データを、ガトー少佐に提示した。

 

ディート・ボン「これが、我々が支援していただいている新企業のトリアイナ・アセット重工業が開発した、『IMPULSE システム』です。パイロットの直感的な衝動を機体駆動系に直結させ、人間の反射神経を超越した反応速度を実現します。これは、ザク II F2 型のような機体ですら、連邦のジム・カスタムを凌駕することを、地球での実戦データで証明済みです。」

 

アナベル・ガトー「ディート大尉。貴官が提示した IMPULSE システムのデータは、確認した。この技術が真に連邦の新型 MS を凌駕できるものならば、貴官たちの協力は惜しまない。」

 

英雄の要求と密約の深化

ガトー少佐は、そのデータが示す驚異的な性能曲線と、システムにマリオンのような人柱が不要であるという説明に、目を見張った。

 

彼は、この技術こそが彼が密かに進める機体の改修に、決定的な優位性をもたらすことを即座に理解した。

 

アナベル・ガトー「(深く息を吐き)…まさか、連邦の EXAM の技術的欠陥を克服した、汎用 OS が存在するとはな。ディート大尉。貴官たちは、私に総帥への裏切り行為を正当化する技術を提供したことになる。」

 

ディート_ボン「我々の目的は、勝利です、ガトー少佐。それにガトー少佐がデラーズ総帥へこのシステムとトリアイナ・アセット重工業を報告し、トリアイナ・アセット重工業と契約して、デラーズ・フリートでも使用できるようにしてもよろしいかと。そして、このシステムは、常時起動させず、パイロットが任意に切り替えられる安全機能を持ってい

ます。消耗を抑え、必要な時のみ『英雄』の力を発揮できるのです。」

 

ガトー少佐は、ディートの顔を再び見つめた後、ついに決断を下した。

 

アナベル・ガトー「よかろう。我々は、IMPULSE システムの提供を受ける。シュペーア・シルト隊がデラーズ総帥へ私の横領を報告しない代わりに、我々は極秘に、デラーズ・フリートには内密な協力関係を結ぶ。その代わり、貴官たちの艦艇『ミョルニル』を、私の月面秘密拠点への輸送と技術支援のルートとして利用する。貴官たちには、このシステムの特殊な MS・MA への組み込みを指導してもらう。」

 

ここに、シュペーア・シルト隊とアナベル・ガトー少佐との間で、デラーズ・フリートの未来を左右する、強固な軍事技術協力協定が極秘に結ばれた。

 

秘密技術の指導開始と技術者の疑念

ディートとヴァールがドックに入ると、彼らを出迎えたのはガトー少佐と、彼が連れてきた一人の技術者だった。

 

ガトー少佐の案内で、ディートとヴァールはドックの奥へと進んだ。

 

そこに鎮座していたのは、頭部が無い機体が、独自の増設ユニットが兵装と共に改修されている姿だった。

 

ディートとヴァールは、これがガトー少佐が準備を進める特殊な機体だと確信した。

 

ディート・ボン(内心)「これは、、、。頭が無くてわからないが、ザク?いや、ゲルググか?」

 

IMPULSE システムの指導開始

ガトー少佐は、技術者の男をディートたちに紹介した。

 

アナベル・ガトー「彼は、この特殊な機体の改修を担当している技術者だ。貴官たちには、彼と共に IMPULSE システムの組み込みと、機体の高機動化に関する指導を依頼する。」

 

ディートは技術者の男に歩み寄った。

 

ディート・ボン「我々はシュペーア・シルト隊です。トリアイナ・アセット重工業の技術顧問団という立場で、今はこの場に来ております。彼の名はヴァール少尉。システム組み込みの指導は彼が担当します。我々の目的はただ一つ、この機体が勝利を決定づけることです。」

 

ヴァールは即座に作業に入った。

 

彼の知識は、技術者の男が抱えている MS・MA 設計の技術的限界を正確に把握していた。

 

ヴァール・レーベン(技術者に)「この IMPULSE システムは、パイロットの直感を増幅しますが、その分、機体のフレームと関節に極度の負荷をかけます。まずは、関節駆動系のデータログを開示してください。システムを組み込む前に、駆動系の強化が必要です。」

 

技術者の男は、腕を組みながら、ヴァールのあまりにも的確で専門的な指示に、静かな疑念を抱いた。

 

技術者の男「(不審そうに)あんたたちの技術は、確かに連邦のEXAM の理論を超えているようだ。だが、なぜ素性の知れないお前たちが、ここまでの技術を惜しげもなく提供する? そして、なぜこの機体の抱える継戦能力と防御力の致命的な弱点を、システム組み込みの前に指摘する?」

 

致命的な弱点への介入

ヴァールの指摘は、技術者が改修中の機体の改修で最も悩んでいる、防御力と継戦能力の不足に直接触れていた。

 

ディート・ボン「(技術者に)それは、我々の使命だからです。貴方の技術力は疑っていません。しかし、ヴァール少尉の持つ実戦データ解析能力は、連邦の最新鋭 MS の防御力と火力を正確に分析しています。この機体が任務を完遂するためには、IMPULSE システムによる『矛』だけでなく、『盾』となる耐久性の底上げが不可欠です。」

 

ディートは、技術者に『アズール・サバイブ』(ネオガバンがザク I ベースで開発した高耐久性機)の装甲素材と駆動系の高効率化に関する、偽装された技術データの一部を提示した。

 

ディート・ボン「我々は、システムの組み込みだけでなく、機体全体の生存性を高める技術を提供します。ガトー少佐との密約に基づき、この 機体の全ての致命的な弱点を、共に克服させてください。」

 

技術者は、ディートたちの要求の真意は掴めないものの、彼らが提示した技術が改修中の機体の完成に不可欠であることを理解した。

 

彼は疑念を抱きながらも、その技術の力に抗うことはできなかった。

 

こうして、シュテルン・アズールはアナベル・ガトー少佐という最強の『矛』を通じて、彼の機体に対し、生存性を高めるための技術介入を開始した。

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