機動戦士ガンダムの世界へ転生したオッサン3人組の奮闘記 TTI隊「紺藍の四つ星」潜入と暗躍の軌跡〜   作:かりかりもふもふメロンパン

54 / 55
赤い彗星と、戦略的共闘

宇宙世紀 0081 年 12 月 31 日。

 

この日、シャア大佐が王室警護隊初代長官に就任し、ハマーン・カーンのお世話係が決定した。

 

ゲネフェアは、グワランから搭乗していた自身の乗艦『ヤルングレイプル』をアクシズのドックへ預け、連絡艇でシャア大佐が乗り込む高速工作艦『メギンギョルズ』が航行する宙域へと先行した。

 

シャアが搭乗する『メギンギョルズ』は、トリアイナ・アセット重工業から極秘裏に支給された最新鋭の工作艦であり、二人が地球圏で活動するための拠点となる。

 

ゲネフェアは『メギンギョルズ』の艦内へ乗り込み、シャア・アズナブル大佐の執務室へと案内されました。

 

シャアは、空間モニターに映し出された地球圏の最新情勢データを分析していました。

 

ノックに応じ、ゲネフェアが入ると、シャアは手を止め、深く静かな眼差しをゲネフェアに向けました。

 

シャア・アズナブル「ゲネフェア・ガンガン、君か。ハマーンから私の特別補佐官として随行するよう命を受けたと聞いている。この艦で改めてよろしく頼む、シャア・アズナブルだ」

 

ゲネフェア・ガンガン「大佐。改めて、お引き立ていただき感謝申し上げます。ゲネフェア・ガンガンです。あの、アクシズ入港の折には、ドックでの出迎えから謁見の間へのご案内まで、ありがとうございました。そしてシャア大佐が王室警護隊初代長官に就任、おめでとうございます。自分の持つトリアイナの情報技術が、大佐の任務に役立つことを

願っております」

 

シャア・アズナブル「…礼は要らない。あれはハマーン嬢の指示だ。しかし、君はハマーンが個人的に重用する人間だ。君のような人物が、なぜ私の直属を志願したのか。ハマーンの意図だけでなく、君自身の真の目的を知りたい」

 

シャアは正面からゲネフェアの目的を問うた。

 

ゲネフェアは一瞬の逡巡もなく、真剣な眼差しで切り返しました。

 

ゲネフェア・ガンガン「大佐。表向きの任務は『地球圏における情報収集と政治的基盤作り』です。ちなみに、自分はトリアイナ・アセット重工業の技術者兼営業であると同時に、有事の際には MS パイロットとしても活動できる能力を持っているジオンの残党の1人でもあります。そして、自分の見る未来の予測に基づけば、この任務の真の目的は、まもなく連邦内に現れる『脅威』を根絶するための準備にあります」

 

シャア・アズナブル(小さく笑いながら)「そりゃそうだろう! ゼナとミネバをサイド3 まで MS で護衛したのは君たちなのだから、今さらパイロット能力を申告されてもな。むしろ、君が MS に乗れない方が驚きだ」

 

ゲネフェア・ガンガン「お褒めの言葉と受け取らせていただきます。――大佐。自分の見る未来の予測に基づけば、この任務の真の目的は、まもなく連邦内に現れる『脅威』を根絶するための準備にあります」

 

ゲネフェアは改めて本題に戻り、一歩踏み込みました。

 

ゲネフェア・ガンガン「地球連邦軍はすでに、ジオン残党掃討を名目とした極端な強硬派が、強力な組織として結成されつつあります。彼らはジオン残党だけでなく、スペースノイド全体を抑圧する存在となるでしょう。自分がトリアイナ・アセット重工業の持つ技術と、未来の情勢に関する予測を全て提供する条件は一つ」

 

シャア・アズナブル「…聞こう」

 

ゲネフェア・ガンガン「この任務を通じて、この強硬派の誕生を遅らせ、彼らの力を可能な限り削ぐことに注力していただけますか。ザビ家の再興も重要ですが、まず連邦の独裁を打ち破らなければ、宇宙は未来永劫、奴隷のままでございます」

 

シャアはゲネフェアの口から出た極端な強硬派の誕生とその組織的な規模の予測に目を細めました。

 

それはアクシズ内部の誰もが口にしない連邦の最も暗い側面の予測でした。

 

シャア・アズナブル「(静かに頷きながら)なるほど。君はただの技術者ではない。未来を予見するような情報を持っているようだ。いいだろう、ゲネフェア。君の提案する目的は、私の目指すところと一致する。君の持つ情報と技術を、私に全て提供してもらおう」

 

シャア・アズナブル「今後の任務の詳細は、君の予測に基づいて再構築する。君は補佐官として、私の戦略的な参謀の役割も担ってもらう。この共闘が、アクシズそして宇宙の民にとって最良の結果をもたらすことを期待する」

 

ゲネフェアは深々と頭を下げました。

 

新しい顔ぶれ、アンディとリカルド

シャアはゲネフェアとの戦略的な協議を終えると、執務室の扉に向かって声をかけました。

 

シャア・アズナブル「入ってきてくれ、アンディ、リカルド」

 

静かに扉が開き、二人の男性士官が入室しました。一人は落ち着いた雰囲気を持つアンディ、もう一人は若々しく精悍な顔つきのリカルド・ヴェガです。

 

シャア・アズナブル「ゲネフェア。紹介しよう。彼らはこの『メギンギョルズ』に搭乗する私の腹心の部下だ。アンディ、リカルド、彼は本日から私の特別補佐官に就任した、ゲネフェア・ガンガンだ」

 

シャア・アズナブル「アンディもリカルドも、私に次ぐ優秀な MS パイロットであり、この任務の中核を担うことになる。君の情報技術と彼らの実働力が合わされば、地球圏で思い通りの手を打てるだろう」

 

アンディとリカルドは、互いに軽く敬礼を交わしました。

 

アンディ「アンディだ。ゲネフェア特別補佐官。大佐の戦略を支えるため、全力を尽くさせていただきます」

 

リカルド・ヴェガ「リカルド・ヴェガだ。技術や情報については、補佐官の指示を仰ぐことになるかと思いますが、MS 戦では負けません。よろしくお願いします」

 

ゲネフェアは改めて二人に丁寧な挨拶を返しました。

 

ゲネフェア・ガンガン「ゲネフェア・ガンガンです。パイロットとしても優秀な彼らと共に活動できることを光栄に思います。これからどうぞ、よろしくお願いします」

 

ゲネフェア・ガンガン(内心)「アンディは後のアポリーで、リカルドはロベルトだ!シャアの腹心の2人だ。不謹慎だが楽しみになってきた」

 

ハマーンへの忠誠心を保ちつつ、シャアという最大の歴史のキーパーソンに接近し、その行動を初期段階からコントロール下に置くという、シュテルン・アズールの最重要戦略が今、始動したのです。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。