機動戦士ガンダムの世界へ転生したオッサン3人組の奮闘記 TTI隊「紺藍の四つ星」潜入と暗躍の軌跡〜 作:かりかりもふもふメロンパン
宇宙世紀 0082 年 4 月 8 日。
超高機動型ザクがデラーズ・フリートとアクシズへ納品されてから一ヶ月が経過した。
トリアイナ・アセット重工業の本社では、ヘヴィ相談役(カリモフ会長代理)とナラモ社長をはじめとする主要な重役たちが集まり、緊急の重役会議が開かれていた。
ヘヴィ・メタ「ナラモ社長、今議会は貴方が仕切ってくれないか?」
ナラモ・「わかりました。それでは会議を始めます。」
議題は、両陣営に提供された試乗機の評価と、その後の戦略についてである。
会議の冒頭で、デラーズ・フリートからはガトー少佐とカリウス軍曹の評価データ、アクシズからはシャア大佐とアンディ、リカルドの評価データが詳細に報告されました。両陣営からの報告は、ほぼ共通して驚嘆をもって迎えられていました。
デラーズ・フリート側: ガトー少佐は、「従来の MS とは比較にならないほどの機動性を実現しており、単独での敵戦線突破能力に優れる。申し分ない」と、その能力を絶賛。
アクシズ側: シャア大佐は、「IMPULSE システムの反応速度は、私の空間認識能力すら凌駕しつつある。技術の壁を打ち破るための、最高の教材であり、実戦兵器となる」と、その革新的なフレーム技術を高く評価しました。
「超高機動型ザク」は、実戦的な運用データと、ジオンのエースパイロットたちからの高い評価を得たことで、正式な商品化が決定しました。
新たな商標「トライデント」
次の議題は、正式に商品化するにあたっての商標名、すなわち正式な機体名を決定することでした。ナラモ社長は、会議の参加者たちに意見を求めました。
ナラモ社長「今回、カリモフ会長は所要で欠席している。会長も承知の上で会長を除いた我々で、この記念すべき機体の名を決めたい。会長にもお気にめすような名前を考えようではないか。この革新的な MS は、トリアイナ・アセット重工業の未来を担う象徴となるでしょう。何か、それに相応しい名を」
数多くの候補が飛び交う中、最終的に残ったのは、トリアイナ・アセット重工業の社名そのものに由来する名称でした。
ナラモ社長「それでは、社名である『トリアイナ』と同じ意味を持つ『トライデント』を正式商標とする案について、異論のある者は?」
重役たちは、その名に込められた「三叉の槍」の持つ強さ、そして自社の革新技術を世界に広めるという決意を確認しました。
トリアイナ(古代ギリシャ語で三叉の槍) = トライデント(英語で三叉の槍)
ヘヴィ相談役(カリモフ会長代理)「この MS が、我々トリアイナアセット重工業の力の象徴となり、未来を切り開く槍となることを願おう。正式名称は、『トライデント』で決定とする!」
トライデントの命名規則確定
この決定に伴い、トリアイナ・アセット重工業は、IMPULSE システムとヴィシャス・フレームを複合搭載した全ての MS に、この「トライデント」を冠することを正式な命名規則として定めました。
これにより、試作機の超高機動型ザクは、「ザク II F2 型 トライデント」として正式に商品化されることが決定しました。
今後、『トライデント』の名を持つ機体は、トリアイナ・アセット重工業の最新技術の結晶であり、高い機動性とフレーム強度を併せ持つ MS として定義されます。
デラーズ・フリートとアクシズへの本格的な供給準備が、この新しい名前と共に進められることになりました。
後世に語られない真実
しかし、この革新的な複合搭載機体の正式名称である「トライデント」の名が、後世に残ることはありませんでした。
MS に搭載された IMPULSE システムは、パイロットの限界を超えた挙動を可能にし、「搭乗者の実力以上の性能を引き出す」と評価されました。
この事実は、機体を操縦する国、軍、隊、そしてエースパイロットたちのプライドを深く傷つける結果を招きました。
「機体の性能に頼り、自分の腕、実力で操縦していない」という世間の評価を恐れ、彼らはトライデント搭載の機体に乗っているにもかかわらず、その正式名称をひた隠しにして運用していきました。
その結果、「ザク II F2 型 トライデント」は単に「ザク II F2 型」や「高機動型ザク」といった名称で記録され、真の高性能の源である「トライデント」の名は歴史の表舞台から消えていったのです。
企業であるトリアイナ・アセット重工業としては、名前が伏せられても一切問題はありませんでした。
国や軍、そして隊からの高性能機体の需要は底知れず、彼らが求める機体(トライデント)をドンドン送り込み、それを搭載・換装してさばくという形で、トリアイナ・アセット重工業の売上は天井知らずに上がっていったのでした。
しかし、それはまた別の話である。