機動戦士ガンダムの世界へ転生したオッサン3人組の奮闘記 TTI隊「紺藍の四つ星」潜入と暗躍の軌跡〜 作:かりかりもふもふメロンパン
宇宙世紀 0082 年 8 月 6 日。
超高機動複合搭載機 MS(IMPULSE システム&ヴィシャス・フレーム)「トライデント」の技術提供から約半年が経過し、デラーズ・フリートとアクシズにおけるシュテルン・アズールの暗躍は、すでに定常運転に入っていました。
宇宙組の進展と慣れ
デラーズ・フリート組では、シュペーア・シルト隊の隊長ディート・ボン、付き人ロード・バルト、そして隊員たちヴァール・レーベン、ユーリ・ブルック、ルカ・ブルックらは、ガトー少佐の指揮下で数々の残党狩りや補給任務を遂行し、その卓越した MS 操縦能力とトリアイナの最新技術をもって、ガトーからの絶対的な信頼を勝ち得ていました。
ヴァール・レーベンの生活は危険と隣り合わせではあるものの、ジオン復興という共通の目標に向かって動く日々は、前世の単調な派遣社員時代とは比べ物にならない充実感に満ちていました。
アクシズ組では、シャア・アズナブルの特別補佐官であるゲネフェア・ガンガンが、情報収集と資源調達の要として機能し、シャアの地球圏における政治的・軍事的な足場固めを着実に進めていました。
また、ローゼ三姉妹(クリソス・ローゼ、パプル・ローゼ、ネイブル・ローゼ)も、ハマーン・カーンの元で技術的・精神的・経済的な支援を続け、アクシズの戦力を陰ながら増強させていました。
地球組:シュテルン・アズール基地の完成
一方、シュテルン・アズールの最重要目標である「地球連邦軍内部への介入」の拠点建設も、ついに最終段階を迎えていました。
地球圏での活動を統括するフィッラ、ネオガバン、リーゼの 3 人組の主導のもと、シュテルン・アズールが極秘裏に進めていた「シュテルン・アズール地球基地」の建設が、この日、ついに完了したのです。
基地の場所は、ノイエン・ビッター少将率いるジオン残党軍の拠点、アフリカ・キンバライト基地。
TTI 隊として一年戦争時代に世話になり、今回はシュテルン・アズールとしても既にビッター少将と極秘の協力関係を結んでおり、基地建設はビッターの了承を得た上で(規模は知らない)行われました。
残党軍が掘削した採掘場の、さらに地下深くに、シュテルン・アズールの最新技術が投入された地下要塞が完成したのです。
連邦軍の目が届きにくい場所でありながら、ジオン残党軍という強力な防衛線に守られた深部に、大規模な情報ハブと MS 開発・保管施設が整備されました。
統括役のフィッラは、完成したばかりの指令室の巨大モニターに映る地下都市の全景を、ネオガバンとリーゼと共に眺めながら、満足そうに頷きました。
フィッラ・ガンガン「これより、このキンバライト基地の地下に眠る『シュテルン・アズール地球基地』が、正式にシュテルン・アズールの地球圏における作戦本部となります。宇宙からの情報だけでなく、連邦軍の足元から、そしてビッター少将の残党軍という最高の盾を得て、『脅威』の芽を摘み取る準備が整いました」
この基地はシュテルン・アズールが地球連邦を監視し、その運命をコントロールするための、地球の深部に埋め込まれた眼となるのでした。
地下に架けられた橋
シュテルン・アズール地球基地の完成報告を終えたフィッラは、ネオガバン、リーゼと共に、現場を取り仕切った超凄腕の技術者、ヴァルツ・メイソンを労いました。
フィッラ・ガンガン「ヴァルツさん。驚くべき手際と技術だ。キンバライト基地の地下深くに、これほどの施設を連邦軍はおろか、ビッター隊にすら気づかれずに作り上げた。君の能力は本当に計り知れない」
ヴァルツ・メイソン「フィッラ殿、恐縮です。設計と資材はトリアイナ・アセット重工業の最高峰ですから。しかし、私はただ、設計通りに最も効率的なものを組んだだけです」
改めて、ヴァルツの案内でフィッラたちは基地内を視察しました。最新鋭の通信・情報分析ブロック、MS 格納庫、そして居住区。
全てが完璧に機能するように設計されていました。そして、視察の最後に、ヴァルツは3 人を MS 格納庫のさらに奥にある、巨大な防水シャッターの前へ案内しました。
ネオガバン「ヴァルツさん。ここは一体…? 設計図にはなかったはずだが」
ヴァルツ・メイソン「ええ、ここからは私の『余計な親切心』です。極秘で進めたので、設計者の方々にも報告していません」
ヴァルツが操作盤を叩くと、巨大なシャッターがゆっくりと開き始めました。
その奥に広がっていた光景に、フィッラ、ネオガバン、リーゼの 3 人は文字通り度肝を抜かれました。
そこにあったのは、巨大な地下トンネルでした。その幅と高さは、大型戦艦が余裕で通れるほどの広さがあり、照明が深部まで続いています。
リーゼ・ブラウニング「な、何なの、これは…! まさか、採掘用通路を勝手に広げたというわけではないでしょう?」
ヴァルツ・メイソン「いいえ。これは、このシュテルン・アズール地球基地と、ダカールにあるトリアイナ・アセット重工業のダカール工場地下とを、直通で繋ぐ通路です」
フィッラたちは、その衝撃的な発想に言葉を失いました。
キンバライト基地とダカール工場の間というとアフリカ大陸を横断する距離を、地下通路で繋いでしまったのです。
フィッラ・ガンガン「馬鹿な……! あの距離を、これほどの規模で、誰にも気づかれず、この短期間で掘削しただと!?」
ヴァルツ・メイソン「はい。せっかく極秘に作った MS や資材を、みすみす連邦軍や残党軍の危険にさらして工場から基地へ運ぶ必要はありません。この地下通路を使えば、外部からは一切の出入りが確認されず、問題なんか起きませんから」
ヴァルツ・メイソンの、あまりにも合理的で、あまりにもスケールの大きな「現場解決策」を聞いた 3 人は、しばし呆然とした後、目を合わせ、大爆笑しました。
ネオガバン「ハハハハ! ヴァルツさん! 貴方は本当に天才だ! 大陸を横断する隠し通路なんて、まるで昔のアニメじゃないか!」
リーゼ・ブラウニング「これなら、MS を輸送トラックに偽装する必要もないわね! 最高よ!」
フィッラは涙を拭いながら、ヴァルツの肩を叩きました。
フィッラ・ガンガン「ヴァルツさん。貴方は、私たちが考える『常識』を遥かに超えている。その地下通路こそ、この基地の最大の『セキュリティ』だ。この通路を最大限に活用し、本格的な地球圏の作戦を開始するぞ!」
こうして、シュテルン・アズール地球基地は、地球連邦の心臓部を直接監視し、トリアイナの最新技術を極秘裏に運び込むための史上類を見ない地下のハイウェイ、シュテルン・アズールを未来へ繋ぐ架け橋を手に入れたのでした。