機動戦士ガンダムの世界へ転生したオッサン3人組の奮闘記 TTI隊「紺藍の四つ星」〜潜入と暗躍の軌跡〜   作:かりかりもふもふメロンパン

63 / 123
アジテイト、そして始まりへ

摂政就任

デラーズ・フリートが「星の屑作戦」の立案を終え、発動の準備を進めていた頃、木星圏から遠く離れた小惑星アクシズでも、歴史的な転換点が訪れていました。

 

マハラジャ・カーンの死

宇宙世紀 0083 年 8 月 9 日。

 

アクシズの実質的な指導者である、マハラジャ・カーンが病のため死去しました。

 

この訃報は、幼いミネバ・ザビの未来と、アクシズの指導体制に大きな空白をもたらしました。

 

アクシズ内部で、シャア・アズナブルと共に公王警護隊の要職にあったゲネフェア・ガンガンは、この事態を冷静に受け止めつつも、歴史が予測通りに動いていることに緊張を覚えました。

 

ゲネフェア・ガンガン「マハラジャ殿の死は、ハマーン嬢にとって、そして我々TTI 隊にとって、歴史を修正するための『時限装置』が起動したことを意味する。シャア大佐とハマーン嬢の対立が本格化する前に、動かなければならない」

 

ハマーン・カーン、摂政へ

そして二日後の宇宙世紀 0083 年 8 月 11 日。

 

アクシズの要人会議の結果、弱冠 16 歳のハマーン・カーンが、幼いミネバ・ザビの摂政に就任することが決定しました。

 

これにより、アクシズの政治、軍事、そして未来の方向性は、実質的にハマーンの手に委ねられることになりました。

 

ハマーンの側近を務めるローゼ三姉妹(クリソス、パプル、ネイブル)の動きは、水面下で激しくなっていました。

 

姉であるパプル(マレーネ・カーン)は、摂政という重圧に耐えようとする妹を支えるため、身の回りの世話により一層の細心の注意を払いました。

 

一方、ゲネフェアから TTI 隊の使命を聞かされていたネイブル・ローゼは、ハマーンが摂政となったことで、アクシズの MS 開発や軍事行動が加速することを予期し、MS 訓練における自身の隠蔽レベルをさらに高めました。

 

ネイブル・ローゼ(通信にて)「ゲネ兄。ハマーン嬢は権力を手に入れ、さらに鋭敏になられています。アズール・スナイプの性能を悟られるわけにはいきません。私たちは時代の波に乗るために、あくまで『ハマーン嬢の忠実な手足』を演じ続ける必要があります」

 

アクシズは、ミネバを擁しつつも、ハマーンという若きカリスマ指導者のもと、地球圏への帰還という遠大な目標に向けて、急速にその体制を固め始めたのです。

 

星の屑、動き出す

宇宙世紀 0083 年 10 月。

 

デラーズ・フリートが潜伏する「茨の園」では、ついに歴史が大きく動き出す最終段階に入っていました。

 

この一年、シュペーア・シルト隊の協力と献身的な活動により、デラーズ・フリートの戦力と士気は維持・向上されてきました。

 

デラーズ中将は、連邦政府がジオン残党勢力への警戒を解き、

 

内部の安定化を図り始めたことを深く懸念し、同年 3 月には一大反攻作戦計画の立案に着手。

 

そして 7 月には、人類の歴史を決定的に変えることになる「星の屑作戦」の計画が正式に立案されました。

 

そして 10 月、いよいよ作戦実行の時が来たのです。

 

ビッター救出へのカウントダウン

宇宙世紀 0083 年 10 月 1 日。

 

デラーズ・フリートが「星の屑作戦」の発動を間近に控えているこの日、シュテルン・アズール地球基地『レムナント・アイ』の地下深くに位置す

る中枢指令室では、静かだが張り詰めた空気が流れていました。

 

地球組を統括するフィッラ・ガンガンと、その補佐を務めるネオガバン・ガンガンは、目の前のホログラムディスプレイに投影された、彼らが前世の記憶(田村、岩井、土田)を頼りに作成した宇宙世紀年表(大まかな月日)を見つめていました。

 

前世の記憶による年表(詳細) 宇宙世紀 0083 年

8 月 アクシズ、ハマーン摂政就任

10 月上旬〜中旬 デラーズ・フリート、「星の屑作戦」発動。

10 月中旬〜下旬 ガトー、GP02A と共にキンバライト基地に到着。キンバライト基地でHLV 打ち上げ。ビッターは陽動と HLV 打ち上げの時間稼ぎをし戦死(史実)。

12 月 コロニー落とし決行

 

フィッラ・ガンガン「やはり、この年表通りだ。俺たちが『デラーズ紛争』と呼ぶ事件は、まさに今月、上旬から中旬にかけて動き出す。向こうのシュペーア・シルト隊は、今頃ガトーと一緒に飛び出す準備を整えている頃だろう」

 

ネオガバン・ガンガン「ゲネフェアとローゼ三姉妹はアクシズで体制を固め、シゲハルさんのグワランは宇宙で待機中…。そして、我々の任務は、この 10 月中旬〜下旬の間に完遂しなければならない」

 

フィッラは大きく息を吐き出しました。シュテルン・アズールの「トリアイナ作戦」のメインの一つ、ビッター将軍の救出は、猶予がありません。

 

フィッラ・ガンガン「そうだ。いよいよ、ビッター救出作戦が迫ってきた。史実では、10 月中旬から下旬に、ガトーが GP02A を強奪し、キンバライト基地から HLV で宇宙へ上がる、その時間稼ぎと陽動のためにビッター将軍は命を落とすことになっている。我々は、その直前、あるいは最中に彼を連邦の監視下から奪い取らねばならない」

 

ネオガバン・ガンガン「救出のタイミングは、連邦の目が最も集中し、かつ混乱するHLV 打ち上げ直前が最も確実かと。グワランが動けない以上、我々地球組だけで完遂するしかない。準備はやれることを最大限にやってきました。あとはやるだけです」

 

フィッラは頷きました。緊張感が張り詰める中、二人はテーブルを挟んで向き合い、改めて作戦の詳細をすり合わせ、最後の確認を進めていくのでした。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。