機動戦士ガンダムの世界へ転生したオッサン3人組の奮闘記 TTI隊「紺藍の四つ星」潜入と暗躍の軌跡〜 作:かりかりもふもふメロンパン
摂政就任
デラーズ・フリートが「星の屑作戦」の立案を終え、発動の準備を進めていた頃、木星圏から遠く離れた小惑星アクシズでも、歴史的な転換点が訪れていました。
マハラジャ・カーンの死
宇宙世紀 0083 年 8 月 9 日。
アクシズの実質的な指導者である、マハラジャ・カーンが病のため死去しました。
この訃報は、幼いミネバ・ザビの未来と、アクシズの指導体制に大きな空白をもたらしました。
アクシズ内部で、シャア・アズナブルと共に公王警護隊の要職にあったゲネフェア・ガンガンは、この事態を冷静に受け止めつつも、歴史が予測通りに動いていることに緊張を覚えました。
ゲネフェア・ガンガン「マハラジャ殿の死は、ハマーン嬢にとって、そして我々TTI 隊にとって、歴史を修正するための『時限装置』が起動したことを意味する。シャア大佐とハマーン嬢の対立が本格化する前に、動かなければならない」
ハマーン・カーン、摂政へ
そして二日後の宇宙世紀 0083 年 8 月 11 日。
アクシズの要人会議の結果、弱冠 16 歳のハマーン・カーンが、幼いミネバ・ザビの摂政に就任することが決定しました。
これにより、アクシズの政治、軍事、そして未来の方向性は、実質的にハマーンの手に委ねられることになりました。
ハマーンの側近を務めるローゼ三姉妹(クリソス、パプル、ネイブル)の動きは、水面下で激しくなっていました。
姉であるパプル(マレーネ・カーン)は、摂政という重圧に耐えようとする妹を支えるため、身の回りの世話により一層の細心の注意を払いました。
一方、ゲネフェアから TTI 隊の使命を聞かされていたネイブル・ローゼは、ハマーンが摂政となったことで、アクシズの MS 開発や軍事行動が加速することを予期し、MS 訓練における自身の隠蔽レベルをさらに高めました。
ネイブル・ローゼ(通信にて)「ゲネ兄。ハマーン嬢は権力を手に入れ、さらに鋭敏になられています。アズール・スナイプの性能を悟られるわけにはいきません。私たちは時代の波に乗るために、あくまで『ハマーン嬢の忠実な手足』を演じ続ける必要があります」
アクシズは、ミネバを擁しつつも、ハマーンという若きカリスマ指導者のもと、地球圏への帰還という遠大な目標に向けて、急速にその体制を固め始めたのです。
星の屑、動き出す
宇宙世紀 0083 年 10 月。
デラーズ・フリートが潜伏する「茨の園」では、ついに歴史が大きく動き出す最終段階に入っていました。
この一年、シュペーア・シルト隊の協力と献身的な活動により、デラーズ・フリートの戦力と士気は維持・向上されてきました。
デラーズ中将は、連邦政府がジオン残党勢力への警戒を解き、
内部の安定化を図り始めたことを深く懸念し、同年 3 月には一大反攻作戦計画の立案に着手。
そして 7 月には、人類の歴史を決定的に変えることになる「星の屑作戦」の計画が正式に立案されました。
そして 10 月、いよいよ作戦実行の時が来たのです。
ビッター救出へのカウントダウン
宇宙世紀 0083 年 10 月 1 日。
デラーズ・フリートが「星の屑作戦」の発動を間近に控えているこの日、シュテルン・アズール地球基地『レムナント・アイ』の地下深くに位置す
る中枢指令室では、静かだが張り詰めた空気が流れていました。
地球組を統括するフィッラ・ガンガンと、その補佐を務めるネオガバン・ガンガンは、目の前のホログラムディスプレイに投影された、彼らが前世の記憶(田村、岩井、土田)を頼りに作成した宇宙世紀年表(大まかな月日)を見つめていました。
前世の記憶による年表(詳細) 宇宙世紀 0083 年
8 月 アクシズ、ハマーン摂政就任
10 月上旬〜中旬 デラーズ・フリート、「星の屑作戦」発動。
10 月中旬〜下旬 ガトー、GP02A と共にキンバライト基地に到着。キンバライト基地でHLV 打ち上げ。ビッターは陽動と HLV 打ち上げの時間稼ぎをし戦死(史実)。
12 月 コロニー落とし決行
フィッラ・ガンガン「やはり、この年表通りだ。俺たちが『デラーズ紛争』と呼ぶ事件は、まさに今月、上旬から中旬にかけて動き出す。向こうのシュペーア・シルト隊は、今頃ガトーと一緒に飛び出す準備を整えている頃だろう」
ネオガバン・ガンガン「ゲネフェアとローゼ三姉妹はアクシズで体制を固め、シゲハルさんのグワランは宇宙で待機中…。そして、我々の任務は、この 10 月中旬〜下旬の間に完遂しなければならない」
フィッラは大きく息を吐き出しました。シュテルン・アズールの「トリアイナ作戦」のメインの一つ、ビッター将軍の救出は、猶予がありません。
フィッラ・ガンガン「そうだ。いよいよ、ビッター救出作戦が迫ってきた。史実では、10 月中旬から下旬に、ガトーが GP02A を強奪し、キンバライト基地から HLV で宇宙へ上がる、その時間稼ぎと陽動のためにビッター将軍は命を落とすことになっている。我々は、その直前、あるいは最中に彼を連邦の監視下から奪い取らねばならない」
ネオガバン・ガンガン「救出のタイミングは、連邦の目が最も集中し、かつ混乱するHLV 打ち上げ直前が最も確実かと。グワランが動けない以上、我々地球組だけで完遂するしかない。準備はやれることを最大限にやってきました。あとはやるだけです」
フィッラは頷きました。緊張感が張り詰める中、二人はテーブルを挟んで向き合い、改めて作戦の詳細をすり合わせ、最後の確認を進めていくのでした。