機動戦士ガンダムの世界へ転生したオッサン3人組の奮闘記 TTI隊「紺藍の四つ星」潜入と暗躍の軌跡〜 作:かりかりもふもふメロンパン
灼熱の静寂
宇宙世紀 0083 年 11 月 13 日。
北米大陸に降り注いだ「星の屑」は、地球の肌を焼き、連邦軍の権威を灰にした。アナベル・ガトーが散り、デラーズ・フリートという組織が霧散するなか、宇宙(そら)にはその「塵」を回収する者たちがいた。
ゲネフェア・ガンガン「……各機、残骸から機密データをサルベージしつつ離脱しろ。連邦のソーラ・システム II の残骸、シーマ艦隊の残存機……すべては我々の血肉となる」
浅葱色の「ヴァーダリア・ゼニス」がアクシズ先遣艦隊の影に潜み、藍色の「シュペーア・シルト」が暗黒の宙域へ消える。
彼らが手にしたのは、ガンダム開発計画(GP 計画)の極秘戦闘ログと、核爆発の瞬間を克明に記録したセンサーデータであった。
ダカール、冷徹なる密約
宇宙世紀 0083 年 12 月 4 日。
この日、歴史はひとつの転換点を迎えた。
ジャミトフ・ハイマン准将の提唱により、ジオン残党掃討を目的とした特殊部隊「ティターンズ」が正式に発足した。
しかし、その華々しい結成式の裏側——ダカールの重厚な石造りの一室では、トリアイナ・グループの「幹部」たちが、世界の形を決定づける最終合意に署名していた。
ヘヴィ・メタ「……おめでとうございます、ジャミトフ閣下。ティターンズの誕生、これこそが『地球の癌』を取り除く唯一の外科手術となるでしょう。我々トリアイナは、そのメスを研ぎ澄ます準備ができております」
フィッラことヘヴィ・メタは、バーミンガムの電子頭脳から抜き取った「連邦の無能」を証明する極秘映像をテーブルに並べた。それは現政府を転覆させ、ジャミトフを頂点に押し上げるための最強の「脅迫材料」であった。
セツナ・ダークタクト「本日、閣下より受理された『ガンダム開発計画(GP 計画)』の登録抹消……実に見事な手際です。不都合な真実は闇に葬られ、新たな『力』が渇望される。その空白を埋めるのは、我が社の技術です」
ネオガバンことセツナ専務が提示したのは、ティターンズの主力機選定における「トライデント・シリーズ」の優先採用と、兵站インフラの独占契約書であった。
ヘヴィ・メタ「閣下、我々は単なる供給業者ではありません。ティターンズが掲げる『地球至上主義』というブランドを、軍事的・経済的な現実として成立させるパートナーです。これからの連邦軍は、トリアイナなしでは一歩も動けなくなる」
ヘヴィ・メタの言葉に、ジャミトフは無言で万年筆を走らせた。
テラー・スダチバナ「……契約成立ですね。では、公式記録からコー
ウェン中将の名前を消し、予算をすべて我が社の『次世代機開発』へと付け替えましょう」
ヴァールことテラー常務の冷徹な宣告により、コウ・ウラキたちの戦いは「無かったこと」にされた。
ティターンズという怪物は、トリアイナという「死の商人」の資金と技
術、そして情報の隠蔽によって、完全なる産声を上げたのである。
収穫(サルベージ)と隠蔽
密約が成立するや否や、シュペーア・シルト隊は「残党狩り」の名目で戦場に散った。
彼らが狩ったのは首ではなく、「才能」であった。
シーマ艦隊の生き残りや、行く場を失ったデラーズ・フリートの技術者、そして連邦軍内で疎外された優秀な人員。
それらはすべて、トリアイナのプライベート・アーミー、あるいは研究施設へと「収容」されていく。
星の屑が消え、その塵がトリアイナの工場へと運ばれる。
宇宙世紀 0083 年の冬。
世界は平和へ向かうのではなく、より効率的で、より組織化された「暴力の時代」へと足を踏み入れた。
トリアイナ・グループという名の、巨大な陰が地球全土を覆い始めていた。