機動戦士ガンダムの世界へ転生したオッサン3人組の奮闘記 TTI隊「紺藍の四つ星」〜潜入と暗躍の軌跡〜 作:かりかりもふもふメロンパン
宇宙世紀 0085 年 7 月下旬。
サイド1の30バンチコロニーで、ティターンズによる住民虐殺事件が発生した。
事件の報が地球圏を駆け巡るより早く、トリアイナの情報網はすでにその全容を掴んでいた。
グワランの作戦会議室。
フィッラ、ネオガバン、そして通信越しのゲネフェアが揃っていた。
フィッラ・ガンガン「……予想通りだな。ティターンズが牙を剥いた」
ネオガバン・ガンガン「せやな。スペースノイド全体への威圧として、あそこまでやるとは。……だが、これでエゥーゴが動く『大義名分』ができた」
ゲネフェア・ガンガン(通信)「アクシズでもすでに情報が入っています。ハマーン嬢は『愚かな地球至上主義者の所業』と吐き捨てていましたが、内心では『利用価値あり』と見ているはずです」
冷徹な一致
会議はすぐに「どう利益を最大化するか」という実務的な議論に移行した。
ネオガバン・ガンガン「ティターンズには引き続き、連邦経由で武器と物資を流す。連中がエゥーゴを削れば削るほど、我々の『商品』の需要は高まる」
フィッラ・ガンガン「一方で、エゥーゴには正式な支援契約を結ぶ。ブレックス准将には『投資』として提示しよう。兵站の独占供給と、トライデント関連の技術提供だ」
ゲネフェア・ガンガン「了解しました。アクシズ側からも、エゥーゴへの非公式ルートを確保しておきます。ハマーン嬢には『トリアイナの中立的な仲介』として報告しておきます」
三人の間に、迷いの色はなかった。
戦争を長期化させ、両陣営を消耗させ、その隙間でトリアイナの影響力を拡大する――それが、彼らの選んだ「歴史の修正」の形だった。
エゥーゴとの正式契約
宇宙世紀 0085 年 8 月上旬。
ダカール近郊の極秘会合場。
フィッラ(ヘヴィ・メタ)は、ブレックス・フォーラ准将と向き合っていた。
ヘヴィ・メタ「准将。30バンチの件は、我々も看過できません。ティターンズによる独占を破壊し、新たな均衡を作るための『投資』として、トリアイナはエゥーゴを正式に支援します」
ブレックス・フォーラ「……巨大企業の支援か。条件は?」
ヘヴィ・メタ「戦後の独占的物流権と、一部の技術提供です。我々は『死の商人』ではありません。『秩序を維持するための装置』です」
ブレックスは長い沈黙の後、契約書にサインした。
これにより、トリアイナはティターンズへは連邦経由で武器を売り、エゥーゴへは正式なパトロンとして君臨する、完全な二正面戦略を確立した。
アクシズ側の反応
同日、アクシズ。
ゲネフェアはハマーンに報告書を提出していた。
ゲネフェア・ガンガン「ハマーン様。トリアイナはエゥーゴへの正式支援を決定しました。ティターンズの暴走を抑え、地球圏の混乱をコントロールするための措置です」
ハマーン・カーン「……ふうん。貴公の会社は、結局どちらにも賭けるのか」
ゲネフェア・ガンガン「どちらにも賭けず、どちらも利用するだけです。ザビ家の再興に必要な『時間』と『混乱』を稼ぐためです」
ハマーンは薄く笑った。
ハマーン・カーン「よく言った。では、その『混乱』を最大限に活かしてみせよ。……貴公の腕の見せ所だ」
静かな決意
会議を終えた後、フィッラは一人、グワランの展望窓から宇宙を見つめていた。
フィッラ・ガンガン(内心)「……これでええんやろな。戦争を長引かせて、多くの人が死ぬ。でも、ここで一方に肩入れしたら、俺たちが守りたい『家族』も守れん。……せめて、拾える命は拾う。それが、今の俺たちにできる精一杯だな」
隣に来たネオガバンが、静かに言葉を添えた。
ネオガバン・ガンガン「田村さん。俺たちはこの道を選んだんや。後悔しても、戻られへん。……前に進むしかない」
こうして、トリアイナは30バンチ事件を「投資機会」として利用し、グリプス戦役という巨大な舞台の準備を着実に進めていった。
六色の矛先が、静かに研がれていく。