機動戦士ガンダムの世界へ転生したオッサン3人組の奮闘記 TTI隊「紺藍の四つ星」〜潜入と暗躍の軌跡〜   作:かりかりもふもふメロンパン

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深淵の戦略会議

宇宙世紀 0085 年 8 月 8 日。

 

旗艦グワラン・艦長室 & アクシズ・居住区。

 

暗礁宙域に潜むシュテルン・アズールの旗艦「グワラン」の艦長室。

 

その中央ホログラム・テーブルには、アクシズに滞在するゲネフェアとネイブルの姿が鮮明に投影されている。

 

フィッラ・ガンガン「さて、始めようか。30バンチの件で連邦の腐敗は底を打ちました。本日、エゥーゴのブレックス准将と正式な支援契約を締結。これで我々トリアイナは、歴史を動かす『燃料』を手に入れたことになる」

 

フィッラは淡々と告げ、横に座るネオガバンに視線を送った。

 

ネオガバン・ガンガン「せやね。エゥーゴの兵站主幹となることで、我々は彼らの動向を完全に把握できます。同時に、トリアイナ運輸のマルカム専務、建設のハプテン専務を通じ、月面での軍事拠点の構築も順調です。全ては予想している『0087年』の開戦に向けた土台作りです」

 

通信モニターの向こう側、アクシズの自室でゲネフェアが深く頷く。

 

その隣ではネイブルが、差し出したカップを片手に静かに耳を傾けていた。

 

ゲネフェア・ガンガン「……順当な運びですね。エゥーゴを支援し、ティターンズの戦力を削らせる。しかし、エゥーゴにも過剰な力を持たせぬよう、情報の流量は我々で調整する。ネイブル、我々アクシズ組の今後の動きについても、皆に共有を」

 

ネイブル・ローゼ「はい。ハマーン様は現在、シャア大佐が去った後の軍事顧問の席をゲネ兄のために空けています。ですが、私たちはあくまで『影』。影の側近のローゼ三姉妹、ヴァーダリア・ゼニス隊としてアクシズ内部の不穏分子を掃除しつつ、トリアイナに最適なタイミングでアクシズを地球圏へ介入させる……そのための調整を続けます」

 

ゲネフェア・ガンガン「うむ。フィッラ、ネオガバン。そちらが地球圏でエゥーゴを『投資対象』として育てる間、自分はこっちで『歴史の重石』となります。ハマーン嬢を孤立させず、かつ暴走させない。それが自分の役割です」

 

その言葉を静かに聞いていたヌーベル・アッメールが、一歩前に出る。

 

ヌーベル・アッメール「……非常に理にかなった布陣だ。私はシュテルン・アズールの現場指揮官として、若き精鋭たちを鍛え上げよう。ディート、ヴァール。各隊の準備はいいか」

 

ディート・ボン「良好です。コバルト・ガイスト隊として、トリアイナの技術と将軍の教え、すべてを実戦で証明してみせます」

 

ヴァール・レーベン「シュペーア・シルト隊も問題ありません。……データ、機体、人材。すべてを回収し、トリアイナの糧にします」

 

フィッラ・ガンガン「いいね。最近はトリアイナの役員として交渉に当たる事が多いですが、我々の本質はこの『シュテルン・アズール』にある。皆さん、抜かりなくお願いします」

 

統合戦略の確認

• 地球圏(フィッラ、ネオガバン):エゥーゴを「公式な剣」として育成し、ティターンズを消耗させる。

 

• アクシズ(ゲネフェア):ハマーンの守護者として、アクシズの介入時期をトリアイナの利益に合わせてコントロールする。

 

• グワラン(ヌーベル・アッメール):シュペーア・シルト隊およびコバルト・ガイスト隊を率い、戦場から最新技術と優秀な人材を「回収」する。

 

ハマーンの名付けセンス

戦略的な布陣の確認が一段落し、張り詰めていた空気がわずかに緩んだ時だった。

 

通信モニターの中、ゲネフェアの隣に控えていたネイブル・ローゼが、思い出したように手を挙げた。

 

ネイブル・ローゼ「あ、そうだ。報告が遅れました。ハマーン様から、私たちローゼ三姉妹の正式な部隊名を与えられたんです」

 

フィッラが興味深そうに身を乗り出す。

 

フィッラ・ガンガン「ほう、ハマーン嬢直命の部隊名か。さぞかし優雅な名前なんだろうな?」

 

ネイブルは少し困惑したような、解せないような顔をして口を開いた。

 

ネイブル・ローゼ「それが……『デーモン・ローズ(悪魔の薔薇)隊』だそうです。……ねえ、なんでハマーン様は、カッコいいけど、そんな怖い名前をつけるんですかね? 私たち、そんなに恐ろしいイメージありますか?」

 

その言葉が落ちた瞬間。

 

旗艦グワランの艦長室と、アクシズの居住区に、一瞬の静寂が訪れた。

 

ゲネフェア・ガンガン「……ぷっ」

 

最初に吹き出したのは、ネイブルの隣に座っていたゲネフェアだった。

 

ゲネフェア・ガンガン「はははは! デーモン・ローズ! いや、ハマーン嬢、センス良すぎるだろ!」

 

それを合図に、グワラン側のフィッラとネオガバンも、こらえきれずに爆笑の渦に飲み込まれた。

 

フィッラ・ガンガン「ひーっ! ははは! ネイブル、お前それ、自覚がないのは本人たちだけだぞ! 滅茶苦茶合ってるよ、それ!」

 

ネオガバン・ガンガン「くっ……くくく! 悪魔の薔薇、か! 確かに戦場で三姉妹に追い回される連中からすれば、死神以上に悪魔に見えるだろうな。ハマーン嬢、人を見る目がありすぎる!」

 

ネイブルは頬を膨らませて不満げに反論する。

 

ネイブル「ちょっと! みんな笑いすぎですよ!お兄たち酷くない?! 私、三姉妹の可愛い末っ子なんですよ!?」

 

ヌーベル・アッメール将軍「……ふっ、よかろう。『デーモン・ローズ隊』か。ネイブル、お前たちが戦場で敵を蹂躙する様を見れば、誰もが納得する名だ。我々シュテルン・アズールには、天使のような名前より、よほど景気がいい」

 

ネイブル・ローゼ「もう! アッメール将軍まで! これじゃ私、戦場に出るたびに『悪魔が来たぞー』って言われちゃうじゃないですか! ゲネ兄、なんとか言ってくださいよ!」

 

ゲネフェア・ガンガン「……いや、すまんネイブル。こればかりはハマーン嬢の洞察力に脱帽だ。よし、今日から君たちは正式に『デーモン・ローズ隊』だ。誇りを持って、その悪魔的な強さを地球圏で見せてやれ」

 

「デーモン・ローズ隊」の名に爆笑が沸き起こった後、ネオガバンが表情を引き締め、手元の端末を操作した。

 

ネオガバン・ガンガン「……さて、笑いはここまでにして。すでに編成済みの各隊の運用を最終確認する。フィッラのアイシクル・ピアス隊、俺のラスト・インボイス隊、ディートのコバルト・ガイスト隊、ヴァールのシュペーア・シルト隊。……それにアクシズのヴァーダリア・ゼニスとデーモン・ローズ。六色の矛先は、すでに揃っている」

 

フィッラ・ガンガン「ああ。あとは、これをどう使いこなすかだ。0087年の開戦に向けて、各自抜かりなく頼む」

 

こうして、爆笑と共に会議は締めくくられた。

トリアイナの牙は、歴史を噛み砕く準備を着実に整えていた。

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