機動戦士ガンダムの世界へ転生したオッサン3人組の奮闘記 TTI隊「紺藍の四つ星」潜入と暗躍の軌跡〜   作:かりかりもふもふメロンパン

90 / 90
宇宙(そら)への帰還 ―シャトルの鼓動―

ホンコン・シティを後にしたアウドムラは、ニューギニアにあるティターンズ基地への攻撃を次の目標に定めた。

 

だが、その真の目的は、アーガマが衛星軌道上にコースを固定するわずかな好機に合わせ、カミーユを宇宙へ送り返すことだった。

 

削り取られる精神

アウドムラを追うスードリの艦内では、ベン・ウッダーが焦燥に駆られていた。

 

これ以上の失態はティターンズに主導権を奪われることを意味する。

 

彼は記憶の返還を餌に、精神を病み始めたフォウを再びサイコ・ガンダムへと送り出す。

 

ムラサメ研究所のナミカ女史による「調整」は、フォウの脳をさらに追い詰めていた。

 

未熟なサイコミュ・システムは、莫大な情報を処理する代償に彼女のメンタルをガリガリと削り取っていく。

 

重力からの解放

戦端が開かれた。アムロのリック・ディアスがサイコ・ガンダムを引き付け、その隙にカミーユの Mk-II がスードリへと接近する。

 

スードリに残された手段は特攻。

 

しかし、混乱の中でフォウは自分の意志で動き始めた。

 

彼女はスードリの脱出用シャトルを移動させ、カミーユが宇宙へ帰るための「道」を作ろうとしたのだ。

 

ベン・ウッダー「何をしている、フォウ少尉!」

 

フォウ・ムラサメ「邪魔をするな!」

 

制止しようとするベン・ウッダーに銃を向け、フォウはコントロールパネルを破壊し、カミーユのためのブースターを確保する。

 

だが、その直後、ベンの非情な銃弾がフォウの身体を射抜いた。

 

アムロの咆哮とフォウの想い

膝を突くフォウ。その痛みが感応波となって、カミーユとアムロの脳裏に響き渡る。

 

フォウ・ムラサメ「カミーユ……宇宙(そら)へ……」

 

逡巡するカミーユに対し、アムロの鋭い声が飛んだ。

 

アムロ・レイ「カミーユ! 今の声が、君が言っていた彼女の声ならば、彼女は命を懸けて君を脱出させようとしているんだ! 人の善意を無視する奴は一生苦しむぞ、カミーユ!」

 

かつてララァの善意を受け止めきれず、今も重力に縛られ続けているアムロだからこそ言える魂の言葉。

 

カミーユはその想いを背負い、シャトルへと機体を固定した。

 

プリズム・レイの「餞別」

その光景を、ガウの艦橋でネオガバンは拳を握り締めながら見ていた。

 

ネオガバン・ガンガン「……ベン・ウッダー。貴様の執念、認めはするが、今の少年たちの輝きを邪魔させるわけにはいかない」

 

フィッラ・ガンガン「アムロ、今だ! やっちまえ!」

 

アムロはリック・ディアスのライフルをスードリの銃座に突き刺し、ベンを仕留める。

 

爆発の連鎖が始まり、スードリは炎に包まれた。

 

その爆炎を推進力に変えるかのように、カミーユを乗せたシャトルが青白い尾を引いて上昇を始める。

 

カミーユ・ビダン「フォウ! これで良かったのか!? フォウーー!!」

 

カミーユの絶叫が宇宙へ消えていく。

 

地上に残されたサイコ・ガンダムのハッチの中で、フォウは最後に微笑んだ。

 

フォウ・ムラサメ「カミーユ……さよなら……」

 

無限の可能性へ

シャトルを切り離し、ガンダム Mk-II は無事にアーガマへと帰還した。

 

宇宙という無重力の海は、カミーユの無限の可能性を再び引き出していくだろう。

 

地上では、アムロが空を見上げ、独りごちた。

 

アムロ・レイ「……カミーユ。君は僕の二の舞にはなるなよ」

 

それを見守るネオガバンとフィッラ。

 

ネオガバン・ガンガン、「これで一つ、歴史の結節点を超えたか。だがフィッラ、我々の仕事はまだ終わっていない。アムロ・レイが真に『輝き』を取り戻すその時まで、随行を続けるぞ」

 

フィッラ・ガンガン「了解だ。……さあて、次はどんな『ロマン』が見れるかな」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(必須:50文字~500文字)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

黒いガンダムの宇宙世紀(作者:いずりょう)(原作:ガンダム)

U.C.0070、サイド7。▼数年後、ジオンの襲撃によってアムロ・レイがガンダムに乗る、あの始まりの場所。▼ただし、この宇宙世紀はレンの知るTV版と同じではない。▼早くからサイド7にいるアムロ。存在するRX-78-1。▼MSV? THE ORIGIN? それとも。▼知識はあるが、未来は確定していない。▼レンは生き残るために準備を始める。▼普通の子どもを装い、…


総合評価:208/評価:5/連載:45話/更新日時:2026年07月16日(木) 18:00 小説情報

戦犯にはなりたくない!(作者:蒼天)(原作:ガンダム)

一年戦争の初日にコロニーに毒ガスを注入してしまったオリ主(ニュータイプ)が、戦犯にならないためにいろんなガンダム作品のキャラクターたちと交流しながら奔走するお話。▼※一部原作キャラクターの設定を変更しておりますので、ご注意ください。


総合評価:1379/評価:7.88/連載:75話/更新日時:2026年07月14日(火) 18:00 小説情報

【悲報】昭和のおばちゃん、宇宙世紀に転生したと思ったら、最推しの姉だった【あんまり過ぎる】(作者:佐世保の中年ライダー)(原作:ガンダム)

物心がついて思い出した。自分の前世は昭和四十年代生まれのオタクなおばちゃんだったッ!自分がいつ死んだのか定かではないが、どうやら今生はまさかの宇宙世紀!しかも、しかもよりによって、最推しのカミーユの姉とかあんまりよッ!!▼この物語は、宇宙世紀に転生したおばちゃんの魂を宿すカミーユの姉が、最愛の弟が精神崩壊を起こす事無く、劇場版以上のハッピーや結末へと導く為に…


総合評価:83/評価:-.--/連載:7話/更新日時:2026年06月28日(日) 17:11 小説情報

妹に撃たれない方法(作者:Brooks)(原作:ガンダム)

ア・バオア・クーでキシリアに射殺されたギレン・ザビは、目を覚ますとジオン・ダイクン逝去の当日に戻っていた。次は絶対に妹に殺されたくない。その一点だけを現実的な目標に定めた彼は、戦争より先に家族会議を整え、暗殺より先に議事録を作り、歴史より先に妹の機嫌を取りにかかる。しかし未来を知るのは彼だけではなかった。動乱へ傾くサイド3で、兄妹は奇妙な休戦に踏み込む。笑え…


総合評価:554/評価:6.25/完結:226話/更新日時:2026年05月06日(水) 19:56 小説情報

ファーストの内容を1ミリも知らない俺が介入したせいで、宇宙世紀の歴史がおかしくなったかも(作者:フェルトファン)(原作:ガンダム)

トラックに撥ねられてしまった一人の社会人は、気が付いたらかの有名なガンダムの世界で負け確定のジオン側に転生してしまった。しかもよりによって彼は“ファーストを見ておらず”、それでも彼には“ガンダムを操縦したい!”という強い願望を持っている。▼本作の主人公「あぁん?原作崩壊するかもしれないからやめとけ……ジオン側だから無理……知るかボケェ!こっちとらガンダムを操…


総合評価:731/評価:7.93/連載:7話/更新日時:2026年05月24日(日) 20:21 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>