機動戦士ガンダムの世界へ転生したオッサン3人組の奮闘記 TTI隊「紺藍の四つ星」潜入と暗躍の軌跡〜 作:かりかりもふもふメロンパン
キリマンジャロ攻略を終えたアウドムラは、その足で連邦政府の首都ダカールへと向かっていた。
目的は、連邦議会総会を電波ジャックし、ティターンズの非道を全世界に告発すること。
アムロ、シャア、カミーユ。
三人の英雄が、歴史の転換点となるダカールの地に集結する。
「亡霊」たちの暗躍:アイシクル・ピアスとラスト・インボイス
ダカール市街地の喧騒の裏で、シュテルン・アズールの別動組織プリズム・レイが動いていた。
フィッラ率いるアイシクル・ピアス隊は議事堂周辺の攪乱と対空警戒を、ネオガバン率いるラスト・インボイス隊はトリアイナ運輸の補給網を維持しつつ、演説データのリアルタイム配信を死守する任務に就いている。
フィッラ・ガンガン「各員、派手に行くぜ! ティターンズの連中の目をこっちに釘付けにしな。シャアが喋り終えるまで、一歩も近づかせるんじゃねぇぞ!」
ネオガバン・ガンガン「こちらは配信ルートを確保。トリアイナ運輸の全中継ステーションをリンクさせた。フィッラ、敵の増援はそっちで食い止めてくれ。この『言葉』は、地球上の全人類に届けなければならないんだ」
英雄に回ってきた舞台
アウドムラ艦内では、アムロが自らを「少し前の痛みを忘れて次へ進むオールドタイプ」と定義し、カミーユと戦う意味を語り合っていた。
アムロ・レイ「戦えそうか」
カミーユ・ビダン「動いているほうが、楽ですから。泣いてたって、フォウが戻らないことわかっています」
アムロ・レイ「大切なことだ。それがわかるのに、僕とシャアは 7 年もかかった……」
かつてのララァの死を巡る懊悩。
アムロは自らを「オールドタイプ」と称し、少し前の痛みを忘れて次へ進まねばならない人間の性を語る。
カミーユはその言葉に、ニュータイプゆえの共感を滲ませ、静かに頷いた。
その一方で、クワトロはアムロのディジェへの同乗を決意する。
クワトロ・バジーナ「君に乗せてもらうことにして、よかったと思っている。今のままではすぐに落とされる」
アムロ・レイ「迷うことはないはずだ。君しか今のエゥーゴを率いる者はいないんだから。……あなたに舞台が回ってきただけさ。シナリオを書き換えたわけじゃない」
クワトロ・バジーナ「……フフ、アムロ。人は変わっていくものだな」
「自分ひとりの運命さえ決断できない男か」と自嘲するシャアに対し、アムロは「人は変わっていくものだ」と力強く背中を押した。
かつてのライバルに背を押され、シャアは決意を胸にダカールの議事堂へと乗り込む。
ダカールの火蓋と、正義を問う兵士
地上では、ベルトーチカ・イルマがルオ家の力を借りて事前工作を進めていた。
彼女を助けたのは、無垢なティターンズ兵アジス・アジバだった。
「混乱の時代にこそ全てを統括する軍が必要だ」と信じる彼は、ベルトーチカから「ぜひ中継を見てくれ」と言い残される。
アウドムラから MS 部隊が降下を開始。
カミーユのΖ、アムロのディジェ、そしてベルトーチカの車に乗ったシャアが議事堂を目指す。
演説開始 ―シャア・アズナブルの告白―
混乱する議場。壇上に駆け上がったクワトロは、サングラスを外し、全世界のカメラを見据えた。
クワトロ・バジーナ「私はかつてシャア・アズナブルという名で呼ばれたこともある男だ。私はこの場を借りて、ジオン・ダイクンの子として語りたい」
その声は、プリズム・レイの広域通信網を通じて各地の戦士たちの元へと届く。
「亡霊」たちの感想と決意
バイアランを駆るジェリドが通信施設を狙う中、アジス・アジバが己の正義に従い、盾となって放送を守る。
その激闘を通信越しに感じながら、プリズム・レイの面々もまた胸を熱くしていた。
フィッラ・ガンガン「……『地球を人の手で汚すな』か。相変わらずキザな野郎だが、今のアイツの言葉は胸に刺さりやがる。なあ岩井くん、これこそが歴史が『正しく』なるためのコストなんだろうな」
ネオガバン・ガンガン「ああ。シャアが自ら英雄の仮面を被ることで、ティターンズの孤立は決定的になる。……だが、これで彼はもう『クワトロ』には戻れないですわ。自由を捨てて人類の十字架を背負う道を選んだんだ」
グレタ・ヘス(ラスト・インボイス隊)「隊長、配信成功です! 世界中のモニターがシャア・アズナブルの姿を映しています!」
ネオガバン「よし。これが俺たちの『ラスト・インボイス(最終送り状)』だ。ティターンズという負債を、この歴史から清算する」
共感の時代へ
演説は完遂され、ティターンズの暴挙は白日の下に晒された。
アウドムラへ帰還したシャアとアムロは、「人身御供の家系」と笑い合いながら、運命的な乾杯を交わす。
カミーユ・ビダン「全ての人たちとの共感が得られる時代がきたら、死んでいった人たちにもどこかで巡り会える……そんな気がするんです」
トリアイナ運輸の輸送機が、演説の記録を携えて夜の雲海を越えていく。
その傍らを、フィッラのアイシクル・ピアス隊とネオガバンのラスト・インボイス隊が護衛するように並走していた。
フィッラ・ガンガン「さて、地球での仕事も大詰めだ。岩井くん、宇宙(そら)で待ってるつっちー(ゲネフェア)にも、いい土産話ができたな!」
ネオガバン・ガンガン「ああ。……さあ、行きましょう。次はシャアとカミーユを宇宙へ還す、最大の山場が待っている」
ネオガバン(岩井)はガンダムの演説を暗記するほど好きだった。シャアの演説を聞いて、密かにテンションが上がっていた。
歴史という名の巨大な車輪が、プリズム・レイの確かな足跡を刻みながら、次なる激戦へと回り始めた。