機動戦士ガンダムの世界へ転生したオッサン3人組の奮闘記 TTI隊「紺藍の四つ星」潜入と暗躍の軌跡〜   作:かりかりもふもふメロンパン

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深淵の業火 ―毒ガスの惨劇と偽りの家族の終焉―

サイド 2 の 21 バンチコロニー。

 

かつて一年戦争で毒ガス攻撃の標的となった忌まわしき記憶が眠る場所で、歴史は残酷にも繰り返されようとしていた。

 

バスクの執念とレコアの迷走

グリプス 2 を月軌道へ移動させるための陽動として、バスク・オムが命じたのは 21 バンチへの毒ガス散布という非道な作戦だった。

 

指揮を執るのは、シロッコに魂を預けたレコア・ロンド。

 

バスク・オム「貴様の忠誠を証明してみせろ、レコア少尉。スペースノイドどもに、ティターンズの『秩序』を刻み込んでやるのだ」

 

反論しようとしたレコアを、バスクの拳が容赦なく打ち据える。

 

エゥーゴ時代、誰よりもティターンズの非道を糾弾していた彼女が、今やその「業」の実行者となる。

 

依存する相手を求めて寝返った彼女には、この狂気に染まりきる覚悟も、あるいは拒絶する正義も、もはや残されていなかった。

 

グワランンの眼:将軍アッメールの義憤

この凄惨な作戦を、トリアイナの旗艦グラワンから監視する者がいた。

 

シュテルン・アズールの将軍、ヌーベル・アッメール(ノイエン・ビッター)である。

 

ヌーベル・アッメール「……報告せよ。ティターンズ、いや、バスク・オムめ。またも毒ガスを使うというのか。……武人の魂を汚し、同胞を焼いてまで守る秩序など、宇宙(そら)には不要だ!」

 

アッメールは軍服の襟を正し、鋭い眼光でモニターを見据える。

 

ヌーベル・アッメール「ヴァール、シュペーア・シルト隊を急行させよ! エゥーゴの到着まで、一秒でも長く時間を稼ぐのだ。……我らトリアイナが、この暴挙を看過することはないと示してやれ!」

 

ロザミィの「黒」と暴走する偽りの記憶

アーガマ艦内。ハサン医師による精密検査の結果、ロザミィの細胞からは異常な数値の強化薬物が検出された。

 

ハサン「……黒だ。精神年齢の退行も、薬物による副作用と刷り込みの結果だろう。彼女は、軍の実験体だ」

 

しかし、自らをカミーユの妹と信じ込むロザミィは、ハサンの制止を振り切り、ネモを奪って出撃してしまう。戦場に漂う死の気配が、彼女の脳内に眠る「戦士」の断片を呼び覚ましつつあった。

 

21 バンチの惨劇:手遅れの救援

緊急通信を受けて急行したエマ、カミーユ、そしてシャアの MS 隊。

 

だが、彼らが到着したとき、コロニーの防衛隊は全滅し、レコアの指揮する部隊によって毒ガスボンベは既に作動していた。

 

カミーユ・ビタン「返事をしろ! レコア少尉なのか!? なぜこんな惨いことを……なぜなんだ!」

 

レコア・ロンド「子供には解らないことよ! こんな遅い戦い方では、シロッコは倒せないわ!」

 

支離滅裂な叫び。自身の罪悪感を振り払うように、彼女はカミーユへ冷たい銃口を向ける。そこへ割って入ったのは、シャアの百式だった。

 

シャア・アズナブル「……今さら、なぜかとは聞かん。それが理由か、レコア少尉。ならば、せめて私の手でその業を祓わせてもらう!」

 

かつての部下を討とうとするシャア。

 

だが、レコアが放つ「大尉はいつも高い所にいようとする」という呪詛のような言葉に、彼の剣先は鈍る。

 

この時代のシャア・アズナブルは、あまりにも人間的であろうとするがゆえに、冷徹な処刑人になりきれない「ポンコツ」さを露呈させていた。

 

ロザミア・バダムの覚醒と「観測者」の視線

戦場に乱入したロザミィ。

 

しかし、毒ガスで死にゆく人々の想念と、Z ガンダムの放つ激しいニュータイプ能力のプレッシャーが、彼女の封印を解いた。

 

ロザミィ・バダム「……お兄ちゃん? 違う……敵だ! 私の敵……Z ガンダム!」

 

絶叫とともに、ロザミィは強化人間「ロザミア・バダム」としての記憶を取り戻し、カミーユに銃を向けた後、ティターンズの陣営へと去っていく。呆然と立ち尽くすカミーユ。

 

ファ・ユイリィ「……あの女が行ってくれた。それでいいのよ、カミーユ」

 

最近、鋭さを増したファの言葉は冷酷に響くが、それが戦場の真実だった。

 

沈黙のアクシズと、重なる影

この惨状を、アクシズのヴァーダリア・ゼニス隊もまた冷徹に見届けていた。

 

ゲネフェア・ガンガン「……アッメール将軍が動いたか。だが、毒ガスの噴煙は止まらん。……ランス、ヴォルフ。今の惨状をハマーン様に送れ。エゥーゴの『甘さ』とティターンズの『狂気』。我々がどちらを食らうべきか、判断材料になる」

 

コロニーから吸い出される無数の命の灯火。

 

宇宙は、かつてない悲劇の濁流へと飲み込まれようとしていた。

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