超次元サッカーTS転生者の便乗ヴィクトリーロード 作:アマシロ
「メテオッドファイアトルネードはリハビリ中に編み出した技じゃ…?」とご指摘いただいておりましたが、その通りでした。すまぬ、すまぬ……。
ちゃんとやり直したら「暗闇の中で~~」言ってたよ!
なので普通のファイアトルネードに修正させていただきました。申し訳ございませんでした。
すごいね超次元サッカー! そんな少し特訓しただけでパワーアップしないと思ってた!
これを機に原作一期から見てみてたら色々遅れてしまい……。
もうこれ終わりでよくね? と思ったんですがせっかく書き溜めがあったので投稿させていただきたく。
朝。目が覚めるとグループメッセージに着信があった。
ハル【サッカーやろうぜ!】
いや今何時? 朝の6時? 余裕で眠いよ……。
真理【ねむい】
ハル【えー、だって負けちゃったし雷門に帰らないといけないしさ。あんまり時間がないんだ】
真理【勝ち逃げ成功】
真理 スタンプ(いい夢見れそう)
ハル スタンプ(なんと!)
ハル【1回だけ! 1回だけでいいから!】
ハル【もしもーし!】
雲明【真理は朝弱いから多分無理】
ハル【そんなぁ……母さまが負けたなら帰ってこいって言うし、夕方には出ないとなんだよ】
雲明【あのキャプテン、月影さんに口添えしてもらえばいいんじゃ?】
ハル【いいね! ……いやでも、母さま怖いんだよ……】
真理【お父さんに頼んでみれば?】
ハル【とっちゃんは母さまに勝てないし】
真理【サッカーやりたいからって、送ってみて】
ハル【………真理が言うなら。まあ、一応試してみる】
ハル スタンプ(無理じゃね?)
雲明【もしかしなくても、円堂守さん?】
ハル【そう。まあ、普通のとっちゃんだけど】
真理【なんか忙しそうなイメージはある】
ハル【まあね。だから誕生日は全員で集まって食事するだけで、プレゼントとか無いし】
本当にそこは謎。
何か理由でもあるんだろうか。と、しばらくして。
ハル【とっちゃんが、『任せろ、なんとかする』って!】
ハル【いつまで残りたいかだけ連絡してくれって!】
ハル【ねぇねぇ、これどれくらい居て良いと思う!?】
ハル【FF始まる前までくらいまでいいかな!】
雲明 スタンプ(なんと!)
真理【ハルがこっちで遊んでるなら雷門と戦ってもウチが余裕で勝てちゃうね】
ハル【えー。またアレやられるのは困るけど……蓮さんがなんとかしてくれないかな】
雲明【正直ハルが何をしたいのかにもよる。試合がしたいとかだとチームの都合もあるし、頑張っても3日はかかる。ミニゲームくらいならまあ、頑張れば明日にはいける。流石に疲労が大きいから、皆は今日休養させたいし】
ハル【全部!】
雲明 スタンプ(なんと!)
真理【そういえば、さっき言ってた誕生日っていつなの?】
ハル【え? もうすぐだけど。そっか、それまでには帰らないとかぁ】
雲明【まあ、妥当なところで3日くらい…?】
ハル【ぐぬぬ、まあそれくらいあればけっこう楽しめるはず……】
真理【試しに一週間って言ってみれば?】
ハル スタンプ(なんと!)
ハル【いや無理だよ絶対! 母さまホントに怖いんだよ!? 1日でも怒られそうなのに!】
雲明【なるほど、ドア・イン・ザ・フェイス】
ハル【なにそれ】
雲明【最初は無理そうな要求を突きつけることで、本命の要求を通りやすくする交渉術です】
ハル【つまり?】
真理【サッカーで例えると?】
雲明【ロングパスを警戒させて、ドリブル突破しやすくする?】
ハル スタンプ(なるほど)
ハル【さっそく送ってみる!】
ふっ。ハルにロクな誕生日プレゼントもあげないとか、割と酷いことしてるのは分かってるんだからな。せいぜい困るがいい……と悪い顔をしていると。
ハル【なんか、説得してくれるって】
まじで?
ハル【サッカー、楽しいか?って 返ってきて、楽しくなってきたって返したら】
ハル【とっちゃん、俺がなんとかするから気にせず楽しんで来いって】
お、おおお? これは紛れもなく円堂さん……雷門の守護神きた! これで勝つる!
雲明【よかったね、ハル】
ハル【ありがとう、雲明! 真理!】
ハル【あ、なんかお礼をしたいから終わる時に一緒にこっち来れないかって】
お礼……お礼!?
いやなんか凄まじく嫌な予感がする…!
雲明【それってもしかして、あの円堂守さんに会える?】
ハル【えー、まあ普通のとっちゃんだけど会えるよ】
雲明、待つんだなんかそれ死ぬ気がする! 主に舌とお腹が!
真理【雲明の病気のことは伝えておいてね】
ハル【それもそっか】
さすがに心臓弱いと聞かされて劇物は食べさせられない…よね?
とはいえ問題ない旨が伝えられ。
親同士の協議の末、雲明の家にハルが居候することになった。
―――――――――――――――――
そんなわけで1日は休養に当ててその翌日。
とりあえず南雲原中にあつまることになったのだが、ハルは「居候だし家事を手伝う」と言って後から合流するとのこと。良い子である。
授業はオンラインで受けられるらしい。元々遠征が多いので、雷門ではそういう仕組みを作ってるのだとか。すごい。
心臓のこともあって手伝えない(というか手伝うとお母さんが気にしてまう)ことを気にしている雲明にはお母さんが「貴方がサッカーに向き合えて良かった」と伝えてくれたみたいで。背中を押された雲明はいつもより凛々しく見える。
というわけで、サッカー部室。
「えー、千乃さんが理事長!?」
「ああ。情報規制され生徒たちには知らされていないが、千乃会長の両親は学校を支える財団の大口出資者。千乃会長は親譲りの経営センスで学校を任され、運営しているんだ」
「最近じゃ、少子化によって経営が芳しくない学校を合併する動きもあるらしいな」
「生徒でありながら、大人顔負けの経営手腕というわけか……」
「ああ。尊敬に値する能力だ…」
なんか気配が近づいてきている。というか聞かれてるね、これ。
というわけで千乃会長をわっしょいしておく。
「マネージャーだけしてる妹さんより普通に凄いよねー」
「……まあ、知らぬは本人ばかりというか……ご両親から相当に評価されていなければそんな大役は任されないでしょうね」
と、そこで部室の扉が開きかけ――――閉じた。
「「「…………」」」
「千乃会長って、意外と可愛らしいところがあるんですね」
雲明、君……主人公してるね!?
バーン! と勢いよく開けられた扉から入ってきた千乃会長は、心なしか赤い顔かつ早口で言った。
「四川堂君は口が減らないようだから、少々お仕置きが必要かしら!?」
「雲明も口が減らないよ」
「ちょっと真理」
「……そんなことよりも! 皆さんにご報告があります。次の対戦相手が決まりました。北陽学園です」
え、いいんだ。雲明許されちゃうんだー。へぇー。
にやにやしていると、何故か雲明にジト目で見られた。なんでさ。
「最近では『パーフェクトサッカーの北陽』とも呼ばれ、緻密な戦略によって勝率を上げる、九州屈指のサッカー強豪校。南雲原と違って以前から学校内のサッカー部の地位も高かった。今の南雲原でも、十分苦戦を強いられるでしょうね」
「サッカー強豪校との戦い、燃える~!」
……燃えてる忍原先輩はカワイイけど、なんか千乃会長のサッカー部評価……高くない? なんか絶対勝てないとか言われた記憶があるようなないような。
「それと……その。引き続き、私もマネージャーをさせてもらいます」
一瞬の空白。
その後に、笑いが起こった。困惑する千乃会長に、皆が優しい声を掛ける。
「え、やらないつもりだったの!?」
「てっきりもう決まってるものかと……」
「だよなぁ?」
「知らぬは本人ばかり、ですね」
「………雲明君も、口が減らないようね」
雲明君呼び! 何したのさ雲明!
これは甘酸っぱい恋の予感かも!?
誤魔化すように、千乃会長は大きめの声で言った。
「――――それじゃあ雲明監督、一言お願いします!」
「えっ。……北陽学園と戦うためには、まだ必要なものがあります。後で個別に伺うので、ひとまず練習しましょう」
「「「おーーー!」」」
――――――――――――――――――――――――――
特訓によってパワーが上がったせいでシュートが安定しないよー。という話に雲明が「慣れてくれば安定するでしょう」と答えたところで例の話が。
「いずれにしても、今の桜咲先輩と忍原先輩のシュートでは北陽学園のキーパー技『グラビティデザート』を破れない」
「なにっ!?」
「桜咲先輩の『剛の一閃』は、シュートパワーを持っていますがストレートに飛ぶボール。容易く北陽キーパーの餌食となるでしょう。忍原先輩の『ぐるぐるシュート』も同様、『グラビティデザート』の領域風圧によって容易く外されてしまいます」
「決めつけやがって。なんでそんなことが分かる?」
「それは……」
まあ雲明もデータを集める、という努力こそあれど天才型だからね。
結果は分かってしまうけど、納得してもらうのは難しい。というか今理屈は説明したよね?
と、ここで雲明以上のデータキャラこと百道さんの援護射撃が。
「雲明君の観察眼は正しいと思います。ここまでの情報をAIに入力し、シミュレーションしました。――――確率は、3%です」
「じゃあどうすればいいの!?」
たまらず駆け込んできた忍原先輩に、雲明は一つ頷いてから宣言した。
「そこで――――連携必殺技を編み出しましょう!」
「「連携必殺技!?」」
「桜咲先輩の強烈なストレートシュートの力と、忍原先輩のボールに協力な回転を付ける力……この2つが合わさったシュートは、粉塵を巻き上げ、敵を攪乱する。グラビティデザートの領域風圧を突き破れる技になるんです」
「「おおっ」」
「名付けて――――『春雷』!」
「「おおおお!!」」
「では、これより具体的な説明を――――」
「――――雲明―! 真理―! サッカーやろうぜ!」
なんか来た!?
お忍びのつもりか、怪しげなフードを被っているけどそれでバレないつもりなのだろうか。
「……ハル、今から連携必殺技の説明があるから。その後でいい?」
「じゃあ真理! PKしよう! PK! 俺もとっちゃんに憧れてGK目指してたことがあったし、PKなら余裕で勝てちゃうかもなぁ!」
ほう。それは聞き捨てならない。
え、もしかして生ゴッドハンドとか見れたりする? 見たい。
「へぇ。いいよ、やろうか」
「うん! やろうやろう!」
ふっふっふ、体験してみたかったんだよねぇ、ゴッドハンド! イナイレと言えば、やっぱりゴッドハンド!
「おーい、雲明?」
「あ、ダメだ完全に意識持ってかれてる」
雲明もゴッドハンド気になるのかなぁ?
と思いつつ、ハルと二人、うきうきでゴール前へ。
「とりあえず、最初は必殺技なしにしよっか」
「そうだね。アップもあんまりしてないし」
とかなんとか言いつつ、右上の隅! 普通なら絶対に届かなそうなポイントに高速で叩き込む――――が、にやりと笑ったハルは、凄まじい反応速度を見せるとパンチングで防ぐ。
「やるね」
「でしょ?」
続いてハルのシュート。右、と見せかけて左――――からの真ん中!
鋭い回転がかけられた、威力重視のシュート!
あえてそれを片手で受け止め、微笑む。
「ど真ん中にくれるなんて、紳士的なんだね」
「……っへへ。楽しくなってきた!」
と、そこで何故か忍原先輩と柳生先輩が、北陽学園のメンバーを連れてやってきた。
「おーい、みんなー! お客さんがいたからミニゲームしよう!」
「……いや、なんで少し目を離しただけで試合を挑んでいるんですか……」
愕然としている雲明だけど、でもほら、目が合ったらバトルなのがウチの校風みたいだし……。
「それ、後で千乃会長に言っておこうかな……」
「言っても是正できなくて心労が溜まるだけじゃない?」
……ただでさえ忙しいのに、余計な心労を負わされる千乃会長をイメージして。二人で目を見合わせてやめておくことにした。
「はぁ。まあ忍原先輩も桜咲先輩も、シュートが通用しない実感があった方が連携必殺技に身が入ると思うので。結果オーライだと思っておきましょう」
「――――――もしかして、雲明?」
「えっ」
「雲明―――――!」
飛びついてくる空宮君の前に入ってブロック。
「はいストップ」
「って、真理! 真理じゃん! ……真理!? 女の子だったの!?」
「雲明、病気は治ってないから。抱き着くならソフトに抱き合って」
「………そっか。でも、帰ってきたんだね」
「まあ、なんとかね」
「良かった―――――」
ボロボロ泣き出す空宮君に抱き着かれて、雲明が助けて欲しそうにしていたけど親指立てて「がんば」と励ましておいた。
――――――――――――――――――
ミニゲーム、それは5対5の仁義なき戦い――――。
南雲原チーム
FW 桜咲・忍原
MF 柳生
DF 星空
GK 謎のフードマン
「いやなんか……いいの!?」
「まあウチのGKの情報を向こうに渡す必要はありません」
ドン引きの忍原先輩にしれっと言い放つ雲明。さす雲明。
「サッカ~、サッカ~!」
そして謎のフードマンこと円堂ハル、ノリノリである。
北陽学園のメンバーからも「なんでフードしてるの?」とめっちゃ奇異の目で見られてるけど。
「なんで君、フードしてんの?」
言ったー! 空宮君、指摘しました!
「これ? ――――ハンデ、かな。大丈夫だよ、これでも点はあげないから」
煽った――――! バチバチに煽っていく円堂ハル!
これには空宮君もちょっとカチンときてそう。
こうして、ちょっと険悪な空気のなかでミニゲームは始まった―――――あれ、なんか本来なら雲明が――――お母さんのお見舞いか何かに行ってたような………なんだっけ? 頭打ったとか……。
ま、ま、まずーーーい! なんて間抜け! 完全に忘れてた!
「雲明、電話とか来てない?」
「え? いや、ハルが手伝ってくれて助かった。お金出すから何か3人で良いもの食べてきてってメッセージなら、母さんから」
は、ハルぅぅぅううう!?
お前のお陰か! そしてしれっと人数に含まれる私! ありがとうございます!