超次元サッカーTS転生者の便乗ヴィクトリーロード   作:アマシロ

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本日2話目の投稿です。



 


今のお前は、腑抜けている。造船所で待つ

 

 

 

 

 

 

 

 

 忍原先輩が仲間に加わったことで、忍原先輩のファンである古飼堂君もあっさり仲間になり。

 

 サッカー部の再設立のために必要な、過去の事件の調査はそれなりに順調だった。

 5年前の事件に関わっていると思われる―――――半グレ集団、タンブラーズ。

 

 

 そんなのを造船所に呼び出しておいていやに余裕ありげな雲明に、モノ申したい仲間たちであり―――――実際来てしまった三人組に、南雲原サッカー部に緊張走る。が。

 

 

 

 

 

「――――えい」

 

 

 

 

 

 軽く?蹴られたボールが造船所の壁にぶちあたり、赤熱化して貫通。

 焦げ臭い匂いが漂う中、白い妖精――――星空真理は2つ目のボールを構えた。

 

 

 

 

「次は、当てる」

 

 

「「「ひいいいいっ!?」」」

 

 

 

 

 

 

 慌てて逃げ出そうとする三人組だが、残像だけ残して回り込んだ真理は、逃げ道を塞ぐようにボールを放って。

 

 地面に赤熱化した一本のラインが引かれた。

 

 

 

 

「逃げるなんて、なかなかいい度胸だね」

 

 

 

 

 今度は戻ってきたボールをトラップし、真理が土下座する三人を見下ろす。

 

 

 

 

 

「――――正直に話すのと、ファイアトルネード治療法を受けるの――――どっちがいい?」

 

「「「全て話させていただきます」」」

 

 

 

 

 

 ところで、ファイアトルネード治療法って……何?

 概ね言いたいことはわかる(シュートブチ当てるという脅し)ものの、全員の意見は一致していた。

 

 

 

 

「真理、ここ特訓で使うんだからあんまり壊さないように」

「あ、ごめん」

 

 

 

 

 

 雲明は感想それなの!?

 そして傷ついた様子もなく綺麗に返ってきたボールを楽し気にリフティングする真理の前で、タンブラーズの自白――――夢色紳士なる人物の暗躍の話を掴んだ。

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

―――――説明しよう! ファイアトルネード治療法とは! ファイアトルネードをブチ当てることでメンタルを回復させる治療法である! 

 

 強靭・無敵・最強!

 でも雲明の治療には役立たない。はー、つっかえ。

 

 

 

 

 そんなわけで、5年前のサッカー部を陥れた犯人である教頭は追放され。

 四川堂先輩が仲間に加わった。

 

 雲明の驚く顔なんて久しぶりに見た。えー、想定外だったのぉ?

 私は知ってたけどぉ? なんなら初見プレイでもどうせ仲間になると思ってたけどぉ?

 

 

 

 

 

 

 にやにや至近距離で雲明の横顔を眺めていると、やっぱり羞恥心があるのかちょっとだけ普段より顔が赤い気がする。

 

 仲間になった記念に海公園で写真を撮りたいという雲明の頼みを皆で快く引き受けて――――忍原先輩、ちょっと雲明に近くない? 木曾路君も。雲明の横は私の特等席なんだけど?

 

 桜咲先輩まで!? くっ、雲明め、隠れモテ男め許せぬ……。

 

 

 仕方ないので、雲明に後方から抱き着いた状態でダブルピース。

 雲明の身体に負担をかけないように無駄に洗練された無駄のない無駄な技術を使って。

 

 はい私が一番近いー! 一番相棒―!

 雲明の相棒は…この私だ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……とりあえず、これでミニゲームをする最低限の人数は揃いました」

「今なら控えメンバーもいるよ?」

 

 

 

「GKは、四川堂先輩にお願いします」

 

 

 うんうん、カルタ? 百人一首? で鍛えた瞬発能力は多分役立つよね。手足長いし。

 

 

「DFは古飼堂君」

 

 

 

 あの俊敏性と体格なら、まあ適性高そうだよねー。

 

 

 

 

「MFは木曾路」

 

 

 

 まあ繋ぐの上手そうだしね。

 

 

 

「FWは忍原先輩と桜咲先輩、二人でいきましょう」

 

 

 

 以上5名! 南雲原サッカー部、ミニゲームチーム!

 私は!?

 

 

 

 

「あー、おい雲明。……確実に勝つなら星空は必須じゃねぇのか?」

「勝つだけならそうですね。真理を投入すれば、歩兵の群れにジェット機をぶつけるようなものです――――でも、僕らが目指すのはそんな小さな勝利じゃない」

 

 

 

 

 あくまでも、野球部との勝負は通過点――――サッカー部を設立し、頂点を目指す――――そんな宣言に込められた静かな熱が、部室に広がる。

 

 

 

 

「勝ち進むためには、真理以外の全員のレベルアップが必要不可欠です。真理も、ブランクが長いのでもっと感覚をしっかり取り戻す必要がある」

 

 

 

 

 

 

 

「―――――とりあえず、実際にミニゲームをしてみましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 商店街!

 ショップキーパーズとの練習試合が、遂に始まろうとしています!

 

 

 

「実況は私、星空真理。解説は笹波雲明さんです」

「……いや、一応真面目な練習試合なんだけど……」

 

 

 

「今回は結成されたばかりの新生・南雲原中サッカー部VS南雲原ショップキーパーズの皆さんです。注目選手はいらっしゃいますか?」

「……はぁ。とりあえずサッカー経験者の桜咲先輩と、木曾路に期待したいですね」

 

 

 

 

「さあ両者フィールドに出そろい――――キック・オフ! ……つかれた」

 

 

 

 

 

 

 

 しゃべりつかれた。

 雲明が「何やってんの」と言いたげな目で見てくるけど、必要でしょ。実況解説。

 

 どっかの名探偵でもあるまいに、確定する前に解説するのは嫌だとか普段から説明不足なんだし。もっと仲間は褒めろって一番言われてるから。

 

 

 

 

 

 開幕は忍原先輩から、桜咲先輩へ。ドリブルで軽快に上がって行こうとするが、うどん屋のおばちゃんの俊敏な動きに阻まれ、走り込んできていた忍原先輩にパス。シュートしようとするも、DFにシュートコースを絞られてあっさりと止められてしまう。

 

 

 ……ふむ。

 オフサイドがないルールだし、木曽路君にボール持たせて桜咲先輩はゴール前待機でもいいような?

 

 ちらりと雲明を見ると、「まあとりあえず一回自由にやってもらいましょう」と目が語っていた。はーい、雲明がそう言うなら。

 

 

 

 さて、ショップキーパーズGKのロングパスがFWのおじさんに繋がる。木曽路君は目ざとくカバーに入っており、シュートコースはない、のだが――――。

 

 古道飼君はどうやってマークすればいいのか分からなかったらしく、あっさり躱されるとパスが通り。そのまま放たれたシュートはGK四川堂先輩の指先を掠めてゴールイン。

 

 

 

 

 

 

 

「ごーる。ショップキーパーズ、一点先制です。雲明さん、どう見ますか?」

「単純に慣れの差ですね。―――古道飼君はボールの位置を確認しつつ、左側を守って下さい! 桜咲先輩は右ゴール前! 忍原先輩はさっきよりもう少し左後ろへ! 木曽路!」

 

 

 

 

 雲明の出すサインにしたがって、パスが繋がる。

 木曾路君の意外としっかりしたパスをちょっと危なっかしいものの忍原先輩がしっかりトラップ。そこから俊敏な動きで一人躱して――――。

 

 

 

 

「――――これで、どうっ!」

「よっしゃ!」

 

 

 

 

 桜咲先輩の、剛の一閃。

 なるほど雲明が見込んだだけあって凄まじい才能を感じさせる一撃が、ゴールネットを揺らす。

 

 

 

 

「ごーる、ごーる、ごぉーる。南雲原中、同点に追いつきました。……雲明」

「木曽路、ナイスパス! 忍原先輩、いい動きできてますよ! 桜咲先輩、流石のシュートです! 戻り速いぞ、古道飼君は左の人の後ろ、ボールが見える位置について、後ろにぬけさせないように! 木曽路は下がって右のフォロー! 忍原先輩、ボールにプレッシャーかけて! 桜咲先輩はゴール前待機!」

 

 

 

 

 

 さて、問題の守備。

 5人しかいないし、素人集団だし、見どころがあるかと言われると怪しくはあるのだけれど。さっきまでさっぱり分かっていなかった人たちが、ちょっとずつ分かり始めるのは楽しいものがある。

 

 

 

 

「ふむ」

 

 

 

 まあ木曾路君がしっかりDFできているから、古道飼君の方から攻めてくるよね。

 どうする、雲明? ロングパスが相手のFWに通って、マークしている古道飼君は動揺しているけれど。

 

 

 

 

「古道飼君、忍原先輩が助けにくるまで突破させないで下さい!」

「そうそう頑張って、すぐ行くから!」

「――――うんっ!」

 

 

 

 急激にヤル気になった古道飼君の必死のマーク、その俊敏さの前に攻めあぐねたところを素早く忍原先輩がクリア。四川堂先輩の方に転がし、キックで前線の桜咲先輩へ――――。

 

 

 

「――――おらぁ!」

 

 

 

「おおー」

「流石、桜咲先輩ですね」

 

 

 

 

 素晴らしいジャンプシュート。

 GK抑えきれずに弾いてゴールネットに突き刺さる。

 

 

 

 

「やるじゃん、亀雄!」

「で、できた―――? あ、ありがとうございます忍原先輩!」

 

 

 

 

 

 古道飼君はいじめから逃れるためか、おもったより「目」が良い気がする。期待以上のDFとしての素質だ。

 木曾路君はどこが「少し齧った程度」なのか分からないくらいにはフォローが上手い。

 忍原先輩はそもそもの身体能力、敏捷性とバランス感覚にすぐれている。

 桜咲先輩は天性のストライカー。

 四川堂先輩は冷静な上、しっかりルールも把握して既にある程度の動きを把握してくれている。

 

 

 

 

 

「……うん、いいね。雲明。良いチームになりそう」

「……そうですね」

 

 

 

 その後に忍原先輩も一点入れて、試合結果3-1。

 南雲原中学サッカー部の初試合にして初勝利だった――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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