超次元サッカーTS転生者の便乗ヴィクトリーロード 作:アマシロ
感想もらって嬉しかったので本日2話目です
「俺も、サッカーをやりたいんだ――――…俺もサッカー部に入れてくれ」
知ってた。
というわけで、全ては雲明の掌の上だったと種明かしされたことで空気が弛緩する。
それにしても、柳生先輩か…。
「ん、なんだよ星空……じっと見て」
「いや、ガキ大将じゃなくなった柳生先輩って欠点ないなって」
確かに女性ファンが多いのも頷ける。
「うおっ、照れるじゃねぇか。だが星空。この前のテク、マジで凄かったぜ」
「柳生先輩もブランクが死ぬほどある割にはいい動きだった」
「うぐっ……これまでの分、全力で特訓してやるさ」
「ガンバです」
ブランクが埋まったところで負ける気はしないのだけれど。
それは言わないお約束。
「うし。せっかく仲間になったことだし真理って呼んでいいか?」
「じゃあ亀雄と木曾路も連帯保証人で」
「保証人かよ!? というか俺は苗字のまま!?」
「なんだっけ、木曽路……平左衛門?」
「兵太だよ!」
「ひょろえもん?」
「兵太!」
「言いにくいから木曽路でいい?」
「……いいよ」
「うし! 亀雄に、木曽路だな。改めて―――――よろしくな!」
「あ、柳生先輩もそっちなんですね……」
「で、噂の亀雄はまだ来ないのか?」
「……遅いですね」
ちょっと心配そうな雲明。
うん、確かに。いじめられてるっぽかったし探しに行ったほうがいいかも? と目線で語り合い。
皆で古道飼君を探しに行くことに。
案の定いじめられていたのだが、無抵抗の古道飼君。
「立ち向かわないと!」と檄を飛ばす忍原先輩に、「僕にはできない」と逃げる古道飼君。
仕方ないので先に顧問の香澄崎先生をGETするべく、走り回ることになり……。
まあ雲明にレスバで勝てるわけがないんだけどね。
宇宙研究部だか星空研究部だかを粉砕し、香澄崎先生が押しに弱いのも完全に見切っている雲明によって容赦なく説得されたのであった、まる。
………
……
…
「ありゃほとんど脅迫だな」
部室に戻ってきて、桜咲先輩の第一声である。
一番脅迫が似合いそうな強面なのに……。
「人聞きが悪いですね。少しだけ勢いで圧しただけですよ」
「はぁ?」
「雲明が来たとき、陰キャ認定してたけど。どえらい間違いだったわ……雲明はサッカーモンスターより怖い、レスバモンスターだった……」
「ああ、同意だ……」
「そう? 基本的に優しいと思うけど」
ちょっとサッカーに関しては熱意がありすぎるだけで。
と思ったが、何故か周囲からの視線が生温かい。なんだというのか。
「こほん。それよりさっきの亀雄、あれほっといていいの!?」
「ああ。あいつはもう俺たちサッカー部の仲間だ。放っておくわけにはいかない」
「………」
「お、雲明もしかしてまた何か策があるとか?」
「それは―――ありません」
ずこー。
と言いたいいところだけど、まあ突破口はこの時点で掴んでるだろうね。忍原先輩への憧れ、そして努力家の面。
憧れは理解から遠い、と某有名ヨン様が言ってたけど。それを解消することは、古道飼君の「強さ」への理解を深めることになるかもしれない。
とかなんとか考えているうちに、こっそり加勢する必要がなくなった百道さんが正式にマネージャーとして加入。が、四川堂先輩いわく千乃会長はまだ認めていないんだとか。
で、噂をすればなんとやらで。
やってきた千乃会長。フットボールフロンティアに出場して初戦の西宮中に勝てればサッカー部を認めてくれるという。
曰く、南雲原のプライドが掛かっていると。雲明からすると、そんなのでサッカー部の進退が賭けられたらたまったものじゃないだろうけど。
「……プライド。そんなものに、何の価値が……」
「それがあるから人は人なんじゃなくて? 笹波君が柳生君に勝負を挑んだのも、サッカーという誇りを汚されたから……そうじゃないの?」
「ぐっ……」
「ななっ。雲明が押し負けてる……千乃会長恐るべし……」
ふむ。
なんか雲明が言いくるめられるのはイラッとするから言い返しておこう。
「好き放題言ってるけど、プライドを守るのと押し付けるのは違うんじゃない? 私たちサッカー部は、雲明の下で『プライド』を持って戦う――それは、私たちがこの場所を、仲間を、リーダーを守りたいと思っているから」
「雲明が、サッカーを守るために身体を張って動いたから。仲間のために動いたから。心を砕いてきたから。その『過程と結果』に対して、私たちは誇りを持ってる」
南雲原の誇りのために戦え?
これまで何もせず、サッカー部の汚名を放置しておいて、今更出てきて誇り?
「千乃会長には誇りがないのかな。サッカー部の名誉を取り戻し、ひいては南雲原の汚名返上に努めた雲明に対して、礼を言うでもなく誇りを守れって? 上がそんなんだから南雲原の問題は放置され続けてきたんじゃないの?」
「………っ」
「こ、こわっ!? ちょっと星空さんめっちゃ怖いんだけど!?」
「―――誇りを持てというなら、まずリーダーが手本を示してみせろっ! 雲明はやった! だから私たちはここに居るんだ!」
大喝。こういうのは何も言わせず事実を並べ切った方が勝つのだ。
勝った。
千乃会長は神妙な顔で……いやちょっと泣きそう? ごめんそこまでするつもりじゃ………ついカッとなって……。
「……ごめんなさい。星空さんの言う通りね。謝罪させてもらうわ」
「謝罪を受け取ります」
内心おろおろしている私に代わって雲明が受け取ってくれた。たすかる。さすが雲明。
「それと、改めて5年前の事件を解決してくれたことに感謝を。………お詫びとして、サッカー部の設立を正式に認め―――当面の間、四川堂君と百道さんはサッカー部の活動に集中してくれて構いません」
西宮中に勝つために、協力できそうなことがあれば伝えてください。
そう言って千乃会長は去って行った。
「つっよ。真理つっよ……」
「普段温厚なヤツほど、ってことか……」
なんで私が雲明よりヤバいレスバモンスターみたいな目で見られてるの!?
ちょっと雲明! 微笑んでないでなんとかしてよ!
「いつも頼りにしてるよ、真理」
やめて!? 私が最終兵器みたいじゃん!?
――――――――――――――――――
忍原来夏は、上昇志向がある。
「どん底」から「頂点」とか、我が事ながら単純なことにそういうのに弱い。
とはいえ、やればやるほど上手くなる感覚というのは大好きだ。
忍術は、なかなかそういうわけにもいかなかったけれど。
「――――忍原先輩は基本的な動きは良いので、ボールコントロールを磨きましょう」
雲明君いわく、そういうことで。
造船所に設置されたタイヤの特訓装置を使って狙った場所にボールが飛んでくれるようにひたすらに繰り返す。
「よし、もう一本!」
まだ満足できるレベルじゃない。
けど、確実に前進してる。
そんな思いで無心にボールを蹴っていると、不意に人の気配が近づいてきた。
(んー、誰だろ。不審者だと面倒だけど――――)
「……えっと、どうしてこんなところに?」
「古道飼君は忍原先輩が何でもできるキラキラした人だと思っているみたいですが―――それは少しだけ違います」
(って、雲明君じゃん!?)
普通なら聞こえない距離。
でも、生憎と耳は良いのである。
え、ちょっと待って。これもしかして気づかないふりしないといけない感じ?
(くっ、こんな時は耳の良さが恨めしい――――)
「よし、まだまだ――――」
努めて普段通りに、ボールを蹴る。
無事にタイヤを潜ってくれたそれに、ほっと一息。
ボールが散乱している状況に「やば。ちょっと片づけとけばよかった?」と少し焦るも、問題なかったようで。
「忍原先輩は、上を目指すために努力を厭わない。だからあれだけ輝いて見えるし、誰からも――――ダンス部の皆さんからも慕われているんです」
「僕には忍原先輩のセンスとか才能とかは分からない。でも、これだけは分かる。あの人の本当に凄いところは……『ここ』なんです。真っ直ぐ上を見て、一つずつ坂を登っていく。それが忍原来夏先輩です」
……さらっとそういうこと言っちゃうの、正直どうなんだろうか雲明君は。
そのうち刺され――――いや、星空ちゃんがいるから大丈夫なのか。
「――――あ、あの! 来夏さん!」
「うわっ、亀雄!? それに雲明君も」
流石に気恥ずかしいので、今気づいた風を装うけれど。なにやら雲明君の目が生温かい。………むむっ、生意気な後輩め……覚えてろ~。
とはいえ、こちらは雲明君が野球部に喧嘩を売るくらいは無謀で、サッカー大好きで、やたらとレスバが強くてデータを集めていることくらいしか分からない。……ちょっと悔しい、かな。
「僕も……僕も一緒に特訓させてくれませんか!?」
「うん。いいよ、来な!」
どうせなら二人の方がやる気も出るしね!
古道飼君も、上手くなる経験を積めれば楽しくなるかもだし。
どん底から、頂点へ。――――そんな気持ちを、味わってくれたらいいな。と思う。
この後めちゃめちゃシュート練習した。
星空 真理
真理(しんり) ♀ 1年
風属性
ポジション:MFなど
かつて雲明とともに九州の小学生サッカーを席巻した「西の怪物」。雲明が当時の実力の割に名前が知られていない主な原因。あらゆるポジションを(雲明の指示によって)こなし、あらゆる強敵を(雲明の指揮の下で)下してきた。
基本的にサッカー以外に興味がない。けだるげ。雲明がいるときは世話焼き。
甘いものは大好物で、よく雲明と二人で甘味巡りをしている。本人曰く「無茶しないか見張り」とのこと。
雲明を馬鹿にしたり傷つけると割と沸点が低いが、基本的には穏やか。
好きな物は雲明の描くサッカー。嫌いな物は治らない病気。
実はモデルがいるのがクロスオーバータグの主な要因
必殺技
???
フェアリーステップ 風属性 ドリブル技
???
???