Project Moon RPG とある男が実況プレイ 作:下手好き
とうとう100話でございます!思えば遠くに来たもんだ。
ということで今回時系列はしっちゃかめっちゃかですがよろしくお願いします。
「……で、これ何なの?」
「ん?いや何、折角アローニィが料理をするところを見せてくれるってんだ、記録しておこうと思ってな。」
私は今日も『T-09-a105』*1の作業…もとい料理を執り行うところ。
そういえばデライトチーフって料理するところって見たこと無いよなぁ、と思って誘ったんだけど。
「ノアちゃんに誘われてきてみたけど…。」
「アロちゃんお料理教室なんて面白そうじゃない?」
「ところで業務は良いんですかね…まだ一日始まったばっかりですよね?」
「敵に勝つにはまず知るところからだ。」
「うん私の料理を敵対視しないで?」
「幻想体料理…怖いもの見たさってやつかな。ミーちゃんも興味あるっぽいしね。」
「何であの化け物たちが美味しくなるのか…気になる…。」
「私は…死亡者の管理のために来ました。」
「私の料理で死人が出ると思ってるの!?」
「まあ幻想体なんてどんな劇物が含まれてるか分かったもんやないからなぁ。」
「でも前ソントゥさん食べたじゃないですか。」
「…ん?いやそんなはずは…いや…ん?ん~~~あ゛っ。」
「ソントゥ固動不…。」
「あ、ソントゥが固まったまま動かなくなったって言ってるからね。」
「存在するべきでなかった記憶でも思い出したんでしょうね、知らんけど。」
ギャラリー多くない?
おかしいなぁ、デライトチーフしか呼んでないのに。
「こういうのは賑やかな方が良いだろ?」
いや作業どうするの。水差し野郎、今頃頭抱えてそう。
『それあなたが言う?』
うっさい黙ってて。
「まぁ…とりあえず簡単なものから作っていくね。」
「よっ、待ってました!」
「…今何か変な声聞こえなかった?」
「気のせいだろ。」
そうかー気のせいかー()
気にしてもしょうがないしちゃっちゃか作るか。
「えーと、まずは副菜ね。『永遠の畑』産のキャベツとほうれん草、『持たざる者』産の塩と持ち込んだ…なんて書いてるんだろ、まあ調味料を用意する。」
「もう幻想体が二体出てきてるんだけど。」
「何なら材料の3分の2が幻想体ですね。」
「ちなみに野菜は今朝シャシャちゃんと大急ぎで収穫したものだから、とっても新鮮だよ。」
「哀れシャシャ。」
「R.I.P.…」
「いや殺してないから。」
「ていうか、なんて書いてあるか分からない調味料なんて使って大丈夫なのかよ。」
「幻想体と名前の分からない調味料、不確定要素の塊ですねこちらを食中毒にでもしたいんですか?」
「大丈夫だって、デライトチーフは毎日元気でしょ。」
「いやあいつの胃とか信用ならんし。」
「あの人義体ごと食べても平気そうじゃない?」
「義体は不味いからやめとけ。」
「まず食べようって気にならないから…。」
「ともかく。まずは水洗いして、キャベツとほうれん草を5㎝幅に切っていくんだけど…ここで注意。」
「注意?」
「こいつらって作業するとエンケファリンを生産するじゃん?で、この切る作業が抑圧作業だと思われるといつぞやのフォードみたくなるの。」
「呼ばれたと思って来てみたら…皆さんここにいt」
「帰れ。」バタン
「だからここでひと工夫しないといけないんだけど。」
「早く見せて頂戴よ待ちきれないんだ。」
さて、今日は何にしようかな…、よし。
「この【規制済み】が。変な動きしたら【規制済み】にしてやるからな?」
アローニィが記録するのもおぞましい言葉を野菜に向けて発すると、野菜が一瞬恐怖にビクついた。
これで良し。こうすれば幻想体はエンケファリンを生産しなくなる。
「ワ、ワァ…。」
「…おい誰かノアを鎮圧しろ。何かしらのパニック発症してる。」
「…できれば今は動きたくないですね。ゴリッと精神が削られたのを感じます。」
「体と言うか…メンタルがボロボロだけど私が鎮圧しとくね…。」
「ねえみんなどうしたの?突然頭でも痛くなった?」
「よくもそんな恐ろしい言葉が吐けるなってことだよ…。」
「そんな難しいことじゃないって。こうすれば幻想体のエンケファリン生産を抑制できるし。」
「あんな言葉を思いつかないって言うてんねん。」
みんなの想像力が足りないんじゃないかなそれ。
『いやあなたが異端なのよ。』
だから黙っててっての。
あんたを調理しても良いの?
「あとはさっき言ったように切っていって、水気を切る。ボウルにこの…何かの調味料と塩を入れて、和えたら完成。ねえ聞いてるみんな?」
「…続けてくれ。聞ける状態になったら聞くし、聞けなかった部分は記録を見返すからよ…。」
むぅ、みんな弱っちいなあ。
あれくらいのことで、しかも自分に向けられた言葉じゃないのにあそこまで精神ダメージ受けるの?
「それじゃ、汁物を作っていこうかな。材料は、畑(略)さんの人参とキャベツ、海辺(隠語)で採れた海藻、味噌、和風だし。」
「生産地がさっきと一緒だな…。」
「あ、ユルゲンさんは大丈夫なんだ。」
「この特殊な防具のおかげかもな。尤も、何か頭の中に響く声がでかくなった気がしてきたが。」
それは大丈夫じゃないのでは…。
「ちなみに、今回はエンケファリン抑制済みの野菜を使うね。」
「こういう系でよく見る奴だな。さっきも使えよ。」
「いや実際に見た方が手本になるでしょ?」
「お前みたいなことを思いつかないんだっての…。」
「そういうものかなぁ。」
「そういうものだ。」
「ま、いっか。それじゃ鍋にお湯を注いで…だしを入れて沸騰を待つ。その間にこの野菜たちを2㎝くらいかな?それくらいに切っておく。」
「そういや疑問なんだが、どうして幻想体を調理しようとなんて思ったんだ?」
「昔…まあ実際には1月くらい前かな?に魚がトラウマだった時期があったんだけど。」
「なんだそれ。」
「まあまあ。で、どうすれば良いかなぁって思ってた時、頭にビカーッて閃くものがあったんだ。ここに来る前、お母さんがこれよりもおっかない化け物料理してくれて出しててね?それがとっても美味しかったから、それよりもまともな見た目のこいつらなら全然問題無いなって。食材として見れば怖くなくなったんだ。」
「教育大失敗じゃねぇか。」
「なんてこと言うの。」
「まあ23区だし人肉よりはマシか…?いやそんなこと無い気が…。」
何かブツブツ言い始めたユルゲンさんはまあ無視するとして。
「お湯が沸騰したら熱を切って、野菜と海藻を投入。頃合いを見て味噌を溶かせば…、はい味噌汁の完成。ねぇみんな聞いてる?来たんだったらせめて何か吸収して帰ってほしいんだけど。」
「何を学べと…。」
「てかあんたらまだ頭痛治らんのか。一旦メインルーム戻ったらどや?」
「…そうさせてもらうわ。」
結局、シータさんとノアちゃん、マオさんとミジャリーさんは収容室から出ていった。
「見つけましたよノアさん。今更どこほっつき歩いてたなんてことは聞きませんから、とっとと業務に戻ってください。
「いや待ってショゾン、今ノアちゃんはすっごい疲れてて頭痛に吐き気、腹痛に強烈な眠気が襲ってきてるのよ。メインルームで休ませて…」
「ジョンソンです。見事に仮病の代表例ですね。」
「仮病じゃないって!これ本気でノアちゃん黄信号なのよ、ほら私の可愛い顔から見て取れるでしょ?」
「成程、悪性の仮病ですね。」
「いや悪性の仮病って何!?本当にキツイんだっていやー!止めて引っ張らないでー!私チーフなのよー!」
「はいはい、働けば治りますよー。」
…収容室の外からノアちゃんの悲痛な断末魔が聞こえた気がしたけど、聞こえかったことにした。
ウン、私は何も聞いてないキイテナイ。
「さて、それじゃあ最後にメインディッシュを仕上げて行こうか…何でみんな身構えてるの?ユルゲンさんに至っては剣まで構えて…」
「いや、どんなゲテモノが出るのかと…。」
「ヤバいのが来たら即、俺が斬る。」
「いやいや、考えてみてよ。今まで皆が食べた中で見た目がとんでもないものは無かったでしょ?」
「材料の段階がグロいかもしれないですし。」
「僕らのSAN値は限界やからな?これ以上は堪忍な。」
いやそれなら見なければいいじゃん…。
「俺は大丈夫だから気にせず頼むわ。」
「本当に大丈夫?」
「あぁ、都市を食い回ってるからゲテモノに関しては耐性があるからな。」
「にしては色々とプルプルしてるんだけど…。」
「…悪ぃ、やっぱ辛えわ。」
「そりゃ辛えでしょ…。」
「ちゃんと言えたじゃねえか…。」
「聞良…*2。」
「…取り敢えずデライトさんは録画して、後で見ればいいじゃ無いですか。」
「そうさせてもらおうかね。今の精神状態が良くないからちょっち弱ってるのかもな。ユルゲン、頼めるか?」
「こんなモン残したくはないんだが…任せとけ。」
ユルゲンさんにカメラを託したあと、デライトチーフは外に出て行った。
「よし、皆の調子もよろしくないようだしちゃっちゃかしようか。材料は腹黒雀一匹、さっきと同じ塩、腹黒卵一つに例の畑産の何かに匂いが良い葉っぱ。」
「おう別ベクトルのヤバいのが混じってんぞ?」
「いやヤバくないって、ちゃんと食用だよ。」
「食べる食べられるの問題じゃないんですよ。食べられるけどヤバいって言ってるんです。」
「あ、安心してください。皆さんが狂ったその時には、ちゃんと被害を出す前に私が介錯して差し上げますから…。」
「シャルルさんって物騒なこと以外言えないんですか?」
「い、一応気遣いもしてくれたりするから…。」
「皆さんが辛い思いをしないでほしいので…。」
「死にたかないわ。」
「とかく、まずはこの事前に血抜きしておいた腹黒雀の肉を、油を敷いたフライパンに乗せて火を通す。その間に、もう一つのフライパンで目玉焼きを作る。」
「雀って食べられるのか?」
「鳥だし大丈夫でしょ。」
「じゃあお前『O-02-a33』*3も鳥っぽいし食えるか?」
「いや蝙蝠は哺乳類ですよ。」
「成程フリだね?食べたいならそう言ってよ。」
「(余計なこと言ったという顔)」
蝙蝠かぁ…、そういえば一度お酒のおじさん*4がツマミ?って言ってたっけ。それにして食べてたな。
…鶏刺しならぬ、蝙蝠刺しなんて。
「ぜっっっっったいやめろよ?生蝙蝠はヤバいしそもそも幻想体なんてゲテモノの危険度を上げるな?」
「さりげなく思考盗聴するのやめて?」
今度アルミホイル頭に巻こうかな…。
「…ヨシッ!火も通ったし、あとは目玉焼きを載せてこの粉*5を振りかければ完成!」
「ほんと、見た目は普通の料理なんだよな…。」
「…これ、どっかで見たような気ぃすんけど…なあアロはん。僕が前食べた照り焼きチキンってまさか…。」
「ん?腹黒雀の肉だよ?」
「」
「あ、ソントゥさんが限界迎えた。」
「私の出番ですね…?」
「丁重弔*6。」
「あんまし関わりなかったが…良いやつだったよ。」
「いや生きてるからね?ほらかすかに呼吸音が聞こえるよ。」
「なんでかすかな呼吸音しか聞こえねぇんだよ!おいお前ら!そいつメインルームに運べ!」
「承知!」
「土葬が良いですか?それとも火葬ですか?デライトさんの胃の中という選択肢もありますよ?」
「だから死んだ想定で事を進めないでください!」
「…良し。これで録画は十分だろ。これを見返したくなるデライトは相変わらず理解し難いが…取り敢えず俺もお暇させて…」
「おっとユルゲンさん、ちょっと待って。まだ一つ大仕事が残ってるよ。」
「あ?俺がまだ何かしねぇといけないのか?」
「うん。そのカメラ貸して。」
ユルゲンさんから受け取ったカメラを収容室のキッチンに、ユルゲンさんに向けてカメラを置いた。
「俺を映してどうする。まさか俺を料理しようってんじゃ…」
「そんなことするわけないじゃないですかー。皆私の大事な仲間なんだよ?」
「じゃあなんで俺を映すんだ?」
「簡単な話です。」
「料理の仕上げは、食べるところまででしょ?」
「…あ。」
「あ、ってなんです?まさか知らなかったんですか?」
「あ、いや、知らなかったんじゃなくて、ほら、俺が食べるなんて、思ってもいなかっ」
「はい、それじゃ大人しく食べてくださいね。」
「嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「…え、ここで終わり!?何なのよ!結局、味はどうだったのよ味は!」
「どうしたんだピエール?何を見ているんだ?」
「あぁジャック。実は、前食材調達に出向いた時に拾った、このカメラに保存されていた映像データを見ていたの。これしか無くて、映像も所々ノイズが入ったりしたけど。」
「で、その映像データに何が記録されていたんだ?」
「ごく普通の料理の様子ね。ただ…この娘、どこかで見たような気がしない?」
翌日、収容室で冷たくなっているユルゲンが発見され、ソントゥとノアは病院内で静かに息を引き取ったとか、知らんけど。
誰が一番好き?
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シータ
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ノア
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ユルゲン
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アリステア
-
マオ
-
ミジャリー
-
シャルル
-
デライト
-
ソントゥ
-
ジーメイ
-
ジョンソン