機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ外伝 鉄屑の彼岸   作:ミニトレール

1 / 28
初投稿緊張する~頑張って投稿していくので是非見てってください!


第一話:鉄屑

この世界は――クソだ。

 

生まれた時から、ずっとそう思っていた。

 

人間扱いもされず、名前すら奪われ、“鉄屑よりも安い命(ヒューマンデブリ)‘‘

 

使われて、使いもんにならなければ捨てられて、それで終わり。

 

そんな世界――クソくらえだ。

 

《ぎゃああああッ!!助け――!》

 

《敵が……来るッ!やめて、殺さ……っ》

 

《あ……ぁ……腕が……やだ……嫌だ……!》

 

通信の向こうでは、仲間達の悲鳴が次々と潰れ、途切れていった。

 

寝床を一緒にした奴も、飯を分け合った奴も……

 

全員、悲鳴を上げ消えていった。

 

死ぬのが当たり前で、死んでも誰も気に留めない。

 

そんな未来しか用意されていない世界。

 

「……俺も、ここで死ぬのか?」

 

モニターに映るのは火花だらけの残骸。

 

機体はすでに半壊。

 

息は荒い。視界は赤く滲む。

 

――違う

 

胸の奥から、熱いものがこみ上げてくる。

 

「終わらねぇ……終わってたまるかよッ!こんなところで死んでたまるか!!」

 

レバーを握る力が強くなる。

 

裂けた内部ケーブルが青白く火花を散らす。

 

焼き焦げたスラスターが悲鳴を上げる。

 

モニターはノイズだらけ。

 

それでも男は叫んだ。

 

「俺は!生きるッ!!生きて……“人間”になるんだァ!!」

 

その瞬間――

 

ドンッ!!

 

スパロディ全体を巨大な衝撃が襲う。

 

警報音が跳ね上がり、フレームが悲鳴を上げた。

 

「う、そ……だろ……?こんな……クソみてぇな場所で……?」

 

背後から迫っていた小惑星に機体を叩きつけられ、男の意識は急速に暗闇に沈んでいった。

 

――まだ終われねぇ

 

その想いだけを残して。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

機体の警報音が鳴り続ける。

 

エヴォル・ヴァレンティは、揺れる意識の中でゆっくり目を開いた。

 

エヴォル「……っせぇな……頭に響くっての……もう少しマシな目覚ましがほしいもんだな…」

 

冗談めかして呟きながらも、額から血が垂れている。

 

右腕と右脚フレームは欠損。

 

背部スラスターは黒焦げ。

 

まともに動いているのが奇跡のような状態だった。

 

「おいエヴォル!返事しろ!!生きてんだろ!?」

 

通信越しの声。

 

仲間のナルド・ヴェインの叫びであった。

 

エヴォルはかすれ声で応じた。

 

エヴォル「……ナルド……お前の声の方がうるせぇんだよ。帰ったら俺の飯半分やるから少し落ち着けよ……」

 

「帰れれば、な……」

 

低い声が割り込む。

 

セドリック・フェザーズだ。

 

セドリック「エヴォル。状況は最悪だ。お前の機体以外のリアクター反応はゼロ。母艦からの信号も途絶。……恐らく俺達以外は全滅だ」

 

沈黙が、三人の間に重く落ちた。

 

エヴォルは息を呑み――

 

そして喉の奥で笑いがこみあげた。

 

エヴォル「……ハッ。……ハハハッ……!マジかよ!全部かよ……!」

 

ナルド「ついに壊れちったか……?」

 

セドリック「無理もないさ。帰る場所も失ったんだ」

 

エヴォル「帰る場所……?あそこがか?」

 

エヴォルの笑いはふっと消えた。

 

エヴォル「あそこは地獄だぞ。生きてるのが奇跡の場所だ。“帰る”なんて言葉、似合うかよ」

 

ナルドもセドリックも何も言えなかった。

 

ナルド「でもよぉこんな状態でどうすりゃいいってんだよ」

 

ナルドが消えそうな声で言葉を発する。

 

三人が乗るスパロディは全機満身創痍。

 

エヴォル機は腕と脚が吹き飛び、背面スラスターを損傷。

 

ナルド機は左腕を失い。

 

セドリック機は脚部スラスターが死んでいる。

 

どれも動いているのが奇跡のような状態だった。

 

ナルド「……このままじゃ、漂流して……餓死か窒息死だな」

 

セドリック「拾われたとしても……またヒューマンデブリとして売られるのがオチだろうな」

 

二人の言葉は残酷で現実的だ。

 

だがエヴォルは――

 

エヴォル「……はぁ」

 

溜息を吐き、強い声で言い放った。

 

エヴォル「お前らなんでそんなに悲観的なんだよ!」

 

ナルド「逆に聞くけどよ!なんでお前はそんなに割り切れんだ!?」

 

エヴォル「決まってんだろ……!」

 

エヴォルは握りしめた拳を震わせながら叫んだ。

 

エヴォル「生きたいからだよ!!生きてぇから、こんなとこで終われねぇから……だから足掻くんだよッ!!」

 

通信の向こうで、ふたりが息を呑む気配がした。

 

ナルド「エヴォル……」

 

エヴォル「生きてんなら……足掻けんだろ!!掴めるもん全部掴むんだよ!!自由も未来も……このクソみてぇな世界に一発殴り返すためによぉ!!」

 

沈黙。

 

やがて――ナルドが震える声で笑った。

 

ナルド「……ったく。お前ってヤツは……。まぁ、死にたくねぇのは俺らも同じだ」

 

セドリック「……同意だ。諦めるよりはマシだ」

 

宇宙は静かだ。

 

まるで世界が三人の存在を拒むように冷たかった。

 

だが――その冷たい闇の中で、エヴォルの声だけは何より熱を帯びていた。

 

エヴォルは深く息を吐いた。

 

エヴォル「よし……生き延びてやるぞ。ヒューマンデブリとしてじゃねぇ……“人間”としてな」

 

壊れかけのスパロディ3機は、ゆっくりとデブリ帯の闇へと滑り込んでいった。

 

漂流する宇宙の中、 鉄屑よりも安い命(ヒューマンデブリ)と呼ばれたオルフェンズ(少年)たちは、

ここから――動き出す。




こんな感じでいいんだよな?至らないところがございましたら是非ご指摘お願いします!

msやキャラクターの設定はここに順次載せていこうと思います!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。