ソードアート•オンライン 槍使いの軌跡   作:おもちの木

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七話目です。今回は基本主人公視点で、ラストをキリト視点で書きたいと思います。それではどうぞ。


第七話

 

 

 

 

 

sideアーク

 

 

 

「それでは定例会議を始めたいと思います。まず始めにアーク君今の調べた結果を報告してちょうだい」

 

「わかった。俺が情報屋とか35層あたりを色々調べた所、ボスの出てくるポイントとして上がってるのはこの5個だな」

 

 

俺はそう言いながらギルドの定例会議に出てるメンバーに資料をみせる。俺たちが今話し合ってるのは期間限定のボス攻略の話だ。こいつはクリスマスイブの夜に『迷いの森』『月光の森』『キナカの森』『今際の森』『シネルの森』のどこかに出て来て、噂では、こいつは蘇生アイテムを落とすらしい。

 

 この世界じゃ機能しないって言ってたのに何でいまさら、。って感じなのでこれを間に受けてるプレイヤーはそこまで多く無い。そして、うちの団長はリアリストだからこういう噂には食いつかないと思ってたのにまさか「このボスの出現場所は当日までわからないようだ。今は出来る限り情報を集めて出現ポイントを絞ってくれ」って言ってくるとはなー。

 

…おかげで俺の負担がばか増えたわ!いやこれはマジでボーナス出す案件よ。

 

まぁ蘇生アイテムでなくてもイベントボスならレアドロがあるだろうし、そっち目当てかもな団長は。でもなー、そうなってくると面倒なのがDKBなんだよな。あいつら目当てのもん手に入れるためなら何でもするし。いやほんと、あいつら怖い。

 

そんなことを考えてたら会議が進行された。

 

「報告ありがとう、アーク君。それでは、この5つのポイントから1番出現しそうなポイントを多数決でとります。そして1番人が多いポイントに向かい、出現したらボスを倒す、出現しなければそのまま、ボス攻略はせずに解散という形でよろしいでしょうか」

 

おー、アスナが形をまとめてくれた。ありがたい。俺はまだそういうの慣れてないからあんまし口出しできないし。

 

「それでは我々KoBは『月光の森』を出現ポイントとします。イベントの日まで各自レベリング等に励んでください」

そんなアスナの言葉で会議は終了した。

 

 

 

そうして、会議が終わってしばらくした頃、クラインからある一通のメッセージが届いた。

【キリトの野郎が無茶なレベリングをして、それを止めようとしても止まんねーんだよ!どうにかなんねぇか?】

 

 

それはキリトに関することだった。

 

そーいや、あいつこの頃一切最前線に顔出さんくなったよな。  

 

 

キリトという優秀なダメージディーラーを欠いていた攻略組は以前よりも攻略のペースが落ちていた。

 

 

そして、あいつは今年の6月あたりから俺やエギルなんかがメッセージを送ってもまったく返信してこなかった。そして、今クラインから来たメッセージ、、、あいつこの前入ったっていうギルドで何かあったな?じゃなきゃこんなことにはならないと思うし。……何で相談してくれないかなあいつは。……んまぁ、こういう時頼れるのはあいつしか居ないよな。

 

 

俺はその目的の人物にメッセージを送った。

 

 

 

「よっ!アー坊元気してるカ?」

 

俺が呼んだのは、今回ボスの出てくるポイントを調べるのを手伝ってもらった情報屋のアルゴだ。

 

「ああ、元気だよ」

「それで、今日はどんな要件デ?クリスマスボスのことなら前も手伝ったケド」

「今日は別の要件だよ。……単刀直入に聞く。キリトとが今どんな状態なのか、あいつに何が起こったのか教えて欲しい」

 

「……誰から聞いたんだソレ」

「クラインの奴だよ。どーやらクラインがレベリングしてた時たまたまキリトと会ってその時の様子がやばかったらしいから俺にどうにかしろって言って来た」

「……まぁ、キー坊のことならオレっちはある程度知ってる。…でも大分キツイ話になるけど、、それでもイイか?」

 

「ああ、構わない。…あいつのこと支えるって決めてるし」

「そうか、じゃあ話すゾ」

 

 

そうして俺はアルゴから今のキリトの状況を聞いた。キリトの入ったギルド月夜の黒猫団がキリトを除き全員死んだこと。そこからしばらくは宿屋から出てなかったこと。そして、今回のクリスマスイベントのボスが落とす蘇生アイテムを手に入れるためにソロで無茶なレベリングをしてるということを。

 

正直、もっと軽いもんだと思ってた。そりゃこんなことがあったらそうなるし、そのギルドの人らを復活させたいなら蘇生アイテムにも何にでも縋りたくなるよな。もし俺が同じ立場でもそうすると思う。まぁ何にせよ

 

 

 

助けないとだな

 

 

 

今のキリトはどうしてもアイツと重なる。状況的には似ていないが、その精神状態は似通っている。

 

 

もう、間違えない。

 

 

今度は絶対に助けてみせる。

 

 

その後、アルゴから『迷いの森』にボスモンスターが出現すると聞いたが、これをギルド内で共有するつもりはない。これはキリトの戦いだから。、、俺はそんなキリトが戦いやすい環境を作ってやる。ボス戦に行かせる前に、クラインがキリトに言葉を掛けてくれるからそこで時間を稼げれば、俺も間に合うかもしれない。

 

そんな事を考えながら、俺はクリスマスイベント当日を迎えた。

 

イベント当日、俺たちは35層『月光の森』に来ていた。しかし、そこにはボスが現れる気配など微塵も無かった。

 

「これは……」

「ハズレを引いたみたいだな」

「そうね。ここにボスが現れる気配も無いし、、もう解散でいいかしら?」

「そうだな、それでいいんじゃないか?....あとこの後の事ちょっと頼んでもいいか?俺今から予定あるから」

「構わないけど、、予定って?」

「秘密だよ」

「ふーーん」

なんだろう、アスナからの視線が痛い。まぁとっととキリトのとこにいかなきゃだから早く抜けよう。

 

そこからおおよそ20分くらいを俺は走っていた。クラインからのメッセじゃまだキリトはついてないみたいだし、これなら間に合う。

 

「はぁ」

そう一息つきながら俺は迷いの森についた。確か出現ポイントはこの森の奥だったはず、、、あ!クラインおるやん。……周りを確認してもまだキリトはいないっぽい。想定よりも大分早く行けたな。

「よっ、前の攻略会議ぶりだな。クライン」

「おう!久しぶりだなアーク!」

「にしても、おめーさんなんか着くの速くないか?」

「ああ、あれボスが出てこないって分かったら直ぐに抜けてこっちまで全力疾走して来たから」

「よくこの距離全力疾走して息切れしてねーな。おめー」

「まぁ、運動はある程度できるし、、ってこんな事話してる場合じゃ無い」

「だな、キリの字ならそろそろ来ると思うんだが…」

 

森の木を掻き分けながら来たのは最後に会ったときとは違い、目が死に、今にも死にそうなキリトだった。

 

「止まれ。キリト」

「なんだアーク。お前も俺を止めるのか?」

「そうだよ。大事な親友に死んでほしくねーし」

「……。でも俺はやらなきゃなんだ。あいつらのために。サチのために」

「そうか、、、?クライン、キリト、どうやら俺ら後付けられてたらしい」

「マジか、、。しかもあれDKBのやつらじゃねーか!」

「はぁ、出てくるかもっておもってたけどまじで来るとは」 

 

そんな感じにクラインと喋ってたら、DKBの奴が話しかけて来た。

 

「なぜ、KoBの幹事長殿がここに?」

「なに?いちゃ悪いか?」

「いや、先ほど他の部隊から、KiBの本隊と思われる部隊を発見したと聞いていたからな」

あーね。そういう事。

「どうしてもこうしても、俺はギルドよりも親友を優先したからな」

「ほぅ、、、ならここは譲ってもらえないか?」

「何で?それで俺らに何のメリットがある?」

「、、、そうか。素直に譲ってくれればこんな事はせずに済んだのにな」

「レアアイテム欲しいからって、剣を抜くはガチで頭おかしいじゃん、、……キリト!この連中は俺と風林火山で抑える!お前はとっととボス倒してこい!」

「…!分かったアーク」

「くっ、、!待て!」

「させねーよ!」

 

そうして、迷いの森にてDKB対俺+風林火山の戦いが始まった。

 

 

「はぁぁぁ!」

俺は両手槍ソードスキル<コンフォージング•スタブ>を発動し、前方のDKBメンバー2人を吹き飛ばした。

 

「おい!アーク!これいくらやってもキリねぇぞ!おらぁ!」

「分かってるっての!はぁ!」

 

流石に1人1人がそこまでとはいえ攻略組なら入れるような奴もいるし、何より数の差がキツイ。こっちは9人なのに対してあっちは30人はいるからな。気絶させたりしたのが大体10人いるか居ないか位だからまだ2倍くらい戦力差があるな。

「ふっ!」

俺はさらに突っ込んできたプレイヤー4人を、後ろに一度下がってから発動するソードスキル<ダークムーン•スラスト>で一気に無力化した。

 

「ここまでか、、。」

「は?どしたんいきなり」

「なんだいきなり!まだなんかあんのか!?」

 

「いいや、我々DKBは一度引かせてもらうよ」

ん?マジで?俺の聞き間違いじゃないならここから引くって言ってるけど。

「これ以上戦っていても我々にメリットがないし、君たちがいる以上ボスドロップを手に入れるというのも不可能だからね」

「引いてくれるんならありがたいが、、、」

「だな、、、」

 

 

この作戦におけるリーダー的なやつが引くと言った途端、DKBのプレイヤーは武器をおろした。まぁこれは戦闘の意思なしってとこかな?

 

「じゃあ、とっとと引いてくれ、こっちもこっちで疲れてるからな」

「分かった。ここでは引いてやるがまた別のときは「あー、そういうのやめて長ったらしいから」……!」

そう、こういう時のDKBは何故か芝居がかったことをしたがる。リーダーがそういうの好きなら団員にも伝染するものなのか。 

 

まぁそれもほどほどにDKBの連中は帰って行った。そうして待っていると、キリトが帰ってきた。そしたら何かのアイテムをクラインに投げて渡した。

 

「クライン、、、それが、蘇生アイテムだ、、、次、、お前の前で死んだやつに、、使ってやれ、、、俺にはもう、、必要、ないから、、」

「ん?効果時間がHP0になってからの10秒間だぁ!?」

「じゃあな、クライン、アーク」

「……なぁ、キリトよ、おめーは、、おめーは生きろよな!キリト!最後まで生き残ってくれよ!」

 

 

「……なぁキリトお前がここまでして助けたい黒猫団の奴ってどんな奴らだったんだ?」

「………どんな奴らも、もしかしたら、、ビーターの俺を、受け入れてくれるかも知れなかった、、、そんな奴らだったよ、、」

「……そうか。、、なぁキリト」

「、、、何だよアーク」

 

 

俺は何でか気づいたらキリトの頭をあやすようにゆっくりと撫でていた。舞がしんどい時とかもこれでいつもどうにかしてた。俺もしんどい時、なぜかは分からないけど頭を撫でられると落ち着く。

 

 

 

「、、辛かったろ。そんなに大事な仲間を亡くして、しんどかったろ。それに、お前の性格的に自分も責めまくっただろ。だから、今ここで全部吐け。その苦しかった気持ち全部。どんだけ長くなっても聞いてやる。……俺はお前の全部を肯定してやる、だから吐いてみろ。今まで溜め込んで、爆発しそうなその気持ちを」

……キリトはこの思いは誰かに吐き出して楽になるもんじゃないかもしれない。、、でも何もしないでいるよりかはマシだと自信をもって言える。

「……ひっぐっ…。俺は…怖かったんだ。……俺がビーターだって言って、みんなから嫌われるのが...怖かったんだ....」

 

 

キリトはその後しばらく泣きながら、これまでの気持ちを吐き続けた。俺とクラインはその話をただひたすらに聞く事に徹した。

 

 

 

 

 

 

 

sideキリト

 

蘇生アイテムはそのプレイヤーが死んでから10秒以内じゃないと機能しなかった。俺はサチを助けることができなかった。

 

 

そんな風に自暴自棄になりかけてた俺にアークは優しく寄り添ってくれて、今までの溜め込んできた気持ちをあいつに吐いた。話すだけで何になるのか分からなかったけど、サチ達が死んですぐの頃とは自分でも分かるレベルで心が軽くなった。

 

誰かに話を聞いてもらうってこんなにも救われるんだな。……アークとクラインにはまた今度何かお礼をしないと。

 

少し心も落ち着いたクリスマスの夜、俺のメッセージに届くはずの無い人からのメッセージが来た。

 

「サチ………?」

その名前が出て来てメッセージ欄をタップしたら、何も書いてなく、録音クリスタルのみが入れられていた。

 

…俺はそのクリスタルを再生した。

 

「メリークリスマス、キリト。

 

 君がこれを聞いているとき、私はもう死んでると思います

 

なんて説明したらいいのかな。

 

えっとね本当のことを言うと、

 

私、始まりの街から出たくなかったの。

 

だから、そんな気持ちで戦ってたら

 

きっと、いつか死んじゃうよね。

 

それは誰のせいでもない

 

私本人の問題なんです。

 

キリトはあの夜からずっと毎晩、毎晩、

 

私に「絶対死なない」って言ってくれたよね。

 

だからもし私が死んだらキリトはすごく自分を責めるでしょう。

 

だからこれを録音することにしました。

 

それと私ね、本当はキリトがどれだけ強いか知ってたの。

 

前にね偶然覗いちゃったの

 

キリトが本当のレベルを隠して私達と一緒に戦ってくれる理由は、

 

一生懸命考えたんだけどよく分かりませんでした。

 

でもね私、キリトがすっごく強いんだって知った時

 

嬉しかった 。すごく安心できたの。

 

だからもし私が死んで も、

 

キリトは頑張って生きてね。

 

生きてこの世界の最後を見届けて、

 

この世界が生まれた意味、

 

私みたいな弱虫がこんな所に来ちゃった意味、

 

そして君と私が出会った意味を見付けてください。

 

それが私の願いです。

 

大分時間余っちゃったね

 

じゃあせっかくクリスマスだし歌を歌うね。

 

曲は『赤鼻のトナカイ』で。

 

さようなら。

 

 

ありがとう。キリト」

 

 

 

俺はそのメッセージを聞いた時、申し訳ない気持ちでいっぱいになっていた。

 

「………ごめん。ごめん、、サチ、、、君を現実世界に帰すことができなくて、、守れなくて、ごめん、、」

 

アークとのやり取りで既に出しきっていると思っていた涙は、まだまだ枯れてはいなかった。

 

 

 

その日以降、俺は少しずつ最前線に戻り42層攻略時には完全に復帰をした。

 

 

 

 

 

 

 




はーーー。マジでここの話しんどいです。書く前は色々浮かんでくるんですけど、それを地の文として持ってくるときの表現が、、、自分の語彙力の無さを恨みます。

はい!次回は言ってた通り番外編です。血盟騎士団での主人公の日常を三人称視点で頑張って書いてみたいと思います。

あと今回の話の時系列的には、


28層:キリトとアークがギルドに加入
32層攻略時黒猫団壊滅、クリスマスイベント時は37層まで攻略済み
みたいな感じで行きたいと思います。

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