ソードアート•オンライン 槍使いの軌跡   作:おもちの木

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第九話

 

 

sideアーク

 

……まじか。

 

試験が開始して少し、俺たちはあるダンジョンに来ている。ボスの情報はこのダンジョンにあるんだが…すごいなこの子ら。いくつかのパーティーもここに来ているが、最初からある程度の予想をつけつつ、この辺のクエストやNPCからの聞き込みでしっかりと裏付けをとってる。…それに、戦闘技術もすごい。特にノーチラス。ソードスキルの練度や正確さに関しては1軍にも引けを取らないレベルだ。それに他のメンバーもいい所が多いな。

 

…後はここのボスに対応ができるかどうかだな。ここのボスは簡単にいうならでっかいスライムだ。最前線のダンジョンにしては強さとしてはそこまでだが、、能力が面倒何だよな。このスライム打撃以外の武器種の攻撃があまり効かない。さらに、HP半分切ると分裂してくるからな、、、。……このパーティーで行くなら、基本アタッカーは両手斧を使うテオと片手棍を使うセリナをおいて、タンクには盾持ち片手剣のサンザと両手剣使ってるグリフ、遊撃には機動力のある片手剣のノーチラスと刀使いのカナみたいな感じか。

 

……一応このダンジョンに出てくるモンスターはスライム系ばっかりだし、ダンジョンのボスがそこに来るまでに多く倒したモンスターなんて展開はよくあるし、気付けるとこは何個かあるんだよな。そこに気づいて、ボス部屋に入る前にそれを共有できたらベストだけど、そこは求めすぎかな?

 

 

…それと、ノーチラス見てると初めてハルのこと見た時を思い出すな。あん時のハルはかわいかったのに今じゃあんなのになって。ノーチラスにはああはなって欲しくないな。

 

 

公平を期すため、他のパーティーにはボス部屋の近くの安全地帯で待機してもらってる。

 

  

 「くそ!こいつ斬撃あんまし効かねえぞ!」

そう叫んだのはサンザだった。まぁ予想通り苦戦してるな。まだHPは1/4よりちょっと削ったくらいか。でも、この時点でそこに気づけたのはいいとこだね。ここでボスの特性もわからずにソードスキルを乱発したりするのが最悪だったけど。…まぁ、この分なら打撃が効きやすいって事にも時期に気づくだろう。

 

 

……少しカナとテオの動きが悪いかな?多分2軍とはいえ、下層でダンジョンボスくらいやってるはずだろ。……ああ、死ぬかもっていう気持ちと試験のプレッシャーがかかってるのか。…まぁ、その程度のプレッシャーで動きが悪くなるなら、とてもじゃないけど攻略組なんて夢のまた夢だ。あそこはここと比べものにならない緊張感とプレッシャーと人々からの期待が寄せられるからな。

 

メンバーを評価しているとノーチラスが声を上げた。

「多分このスライムは打撃の方が効く!僕とグリフで一撃耐えるからテオとセリナはソードスキルを頼む!カナとサンザは周りに湧く取り巻きの対処を!」

「「「「「了解!」」」」」

おー、やっぱり流石だなノーチラス。的確な判断能力と考察力。こりゃ、俺の中じゃノーチラスはほぼ確定でいいかな。

「!?すいません幹部長!1匹そちらに行きました!」

「んあ?」

サンザに声を掛けられた方を見ると1匹のスライムがこちらに向かっていた。…あー取り巻き出す瞬間にこっち飛び散った感じか。まぁ、 「大丈夫。問題ない」

俺はソードスキルのモーションを取りながら答えた。両手槍ソードスキル<クラッグ•ペネトレイト>それは一撃目でスライムの体を浮かせ、2撃目にその体を串刺しにし、ポリゴン片へと変えた。

 

「こっち側に散った取り巻きくらいは俺が対処するからいいぞ」

流石にフィールド全部駆け回って、俺の方に来る奴も倒せとは言わない。俺もボス戦とかで同じ状況なら取り巻き程度は普通に任せるし。…お、ちょうどボスのHPが半分切ったな。……さてと、見せてもらおうか。この子らの突発的事態の対処能力を。

 

 

「な!?分裂だと⁉︎」

「くそっ!ここで3体に分裂するのか……」

「どうする⁉︎ノーチラス!」

「ええ、パーティーで1番判断力のある貴方の指示を頂戴」

「………3手に分かれよう。僕とカナで一体。グリフとセリナで一体。サンザとテオで一体だ。多分今のボスは分裂した代わりに斬撃がさっきよりも効きやすくなってるはずだ。それと、各自の担当が倒せたら他の所に援護を頼む。…できれば僕らのとこには打撃武器のテオかセリナが来て欲しい」

「分かった。それで行こう」

「まぁ、それが最適だな」

「そうね」

 

……。まぁそりゃそう考えるよな。俺たちも同じ感じで行ったし。3手に分けるのは案としては普通に良いというか、これが1パーティー単位じゃなく、1レイドならそれは最適だ。でもこの場合だと1つのスライムを相手取るのに2人。確かにタンクとアタッカーで組んでる点はいいけど、分裂してHPが少なくなっても、ボスはボスだし、さっきまで効きにくかった斬撃も与えるダメージ量はさほど変わらないから、ここでの最適は、6人で固まりつつ、一体一体対処する事なんだよな。なんてったって、この分裂体ただの分裂体じゃないからなーー。

そう考えながら見てると、少し押され気味になってきている。まぁ、これは仕方ないかな?早めに気づければまだ打開はできるが、、、

 

「くっ、、。なぁ!サンザ!グリフ!そっちはまだかかるのか⁉︎」

「こいつ、さっきよりもHPが少ししか減ってないんだよ!」

「こっちはHPはさっきよりも少ないが、打撃が効きにくい!てか、そっちはどうなんだ!ノーチラス!」

「こっちはこっちでさっきとは違って拘束してこようとするから迂闊に近づけない!」

「んだよそれ……!なぁ!どうするよ!ノーチラス!」

「、、くっ…………」

 

迷ってるな。まぁ攻略組ですらある程度の情報を得た上での攻略が基本だから情報無しでここまで行けたなら、十分かな……。

 

「なぁ、ノーチラ「幹部長は黙ってて!!」……」

えっ?俺やっぱ嫌われて「今は試験中です!なので、僕らの力だけでこの危機を脱します!なのでもう少し時間をください!!」…!

 

……まじかこいつ。ここで攻略のためのヒントを貰おうとしないのか。別にここでヒント貰っても減点とかはするつもり一切ないのに。そこまでして、自分の力を証明したいのか。……まぁ、そういう事なら口出ししないでおくか。

 

 

 

 

sideノーチラス

 

考えろ!考えろ!この状況で最適な編成を!多分さっき幹部長が声掛けようとしたのは自分も参戦するっていう実質的な不合格宣言だろう。そんなのは絶対に嫌だ!せっかくここまで来れたんだ!もう少しで届くんだ!攻略組に!ユナを守れる力を手に入れられる!

 

 

…一回情報を整理しよう。多分このボス分裂して、それぞれが別の特性を持ってる。 HPが分裂体の割に高いボス、そして、斬撃と打撃の両方が効きにくいボス、そして拘束してこようとするボス。……………これもしかしてパーティーを3手に分けたのは悪手だったか?………………だったら、、、。

 

 

「…サンザとテオ!2人のボスは一旦無視して良い!先にグリフのとこからやる!僕とカナもそっちに向かう!三体同時じゃなくて、一体一体対処すればいけるはずだ!!でも残りのボスもこっちを狙うからその時は僕やサンザ、グリフがタンクで耐える!」

「わかった!そうしよう!」

「2人で無理でも6人なら…確かにその通りだね」

「ほんと、なんで気づかなかったんだろう」

「…よし行くぞ!」

「「「「「おう!!」」」」」

 

  

 

まず狙うのは、攻撃手段が変わっていない2体。スライムからの攻撃をグリフが弾いて、その時にテオとセリナがスイッチで攻撃を仕掛ける。その間僕らは周りのボスのヘイト稼ぎだ。

「くっ、、。テオ!セリナ!スイッチ頼む!」

「「了解!」」

 

 

「おぉぉぉ!」「やぁぁぁぁ!」

2人の上位ソードスキル<サージタル•ブラスト>と<ホーリィー•アスタリスク>が炸裂しグリフの所のボスは倒せた。

「、、次!」

今度はサンザの方。まず3人がこっちにくるまで僕らで時間を稼ぎつつ、ダメージを与えておく。

「はぁぁ!」「ふっ!」「オラァ!」

 

……確かにさっきよりも与えられるダメージ量が減ってる。でもこういうボスなら弱点の1つや2つあるはず、、、、!

 

「テオ!セリナ!目の上のとこにマークみたいなのがある!そこを狙ってくれないか!多分こいつの弱点だ!」

「「…分かった!」」

 

「行くぞ…スイッチ!」

僕はそう言いながらボスの攻撃をソードスキルで相殺しながら下がった。そして、2人のソードスキルは弱点だと思われる部位に直撃して、クリティカル判定となりボスのHPを削り切った。

 

「ふう、、、」

 

これで後一体…。…でもこいつは拘束攻撃をしてくる。とりあえずはこいつの情報を共有しよう。

「みんな!こいつの拘束は10秒間こいつ捕まって継続ダメがある!それと捕まって解放されてからも防御力低下のデバフが少しの間入るから気をつけてくれ!」

「「「「「分かった!」」」」」

よし、、ここでタンクをすべきなのはAGIがある僕と、サンザだ!

「僕とサンザでタンクをする!カナとグリフは僕らがきつくなった時の予備タンクとアタックを!テオ!セリナ!もう一回デカいのを頼む!」

「まかせろや!何発でも耐えてやらぁ!」

「私も、きつくなったらすぐに言って」

「ああ、俺も少しならば奴にダメージを与えられる」

「任せとけ!次も一発で潰してやるよ!」

「そうね!任してよ!ノーチラス!」

 

…皆んな。これは絶対に勝たないとだな。よし!

「3班!作戦開始!」

「「「「「おう!!」」」」」

 

まず僕とサンザでボスの攻撃を弾きつつ、カナとグリフに少しダメージを入れてもらう。……もう少しだ。もう少し耐えろ、、、、、、今!

 

 

「テオ!セリナ!スイッチ!!」

「うぉぉぉぉ!」「はぁぁぁぁ!」

2人のソードスキルはボスに直撃した。……でも、削りきれていなかった。

 

「なっ!?まじか!」「嘘でしょ!?」

 

くそ!今あの2人は技後硬直で動けない。しかも使ったのは上位ソードスキルだからその時間も長い、、助けに行かないと、、、!?……何で足が動かないんだ!助けに行かないとダメなのに!動けよ!動けよ!

 

 

「ふっ!」「せぁ!」

サンザがボスの攻撃を弾きつつ、カナとグリフがとどめをさした。そして、僕はその光景をただ見ることしかできなかった。

 

 

 

sideアーク

 

…おお。凄すぎてぼーっとしてた。にしても本当に凄いなノーチラス。あの状況でしっかりと最適解を導き出したし、即席のパーティーでも信頼されている。まじでこれ凄い。……でも最後動かなかったのは少し疑問だか、、まぁいいか。……取り敢えず労いの言葉でもかけるか。

 

「ん、皆んなお疲れさん。いやー、ようボスの情報無しで倒せたな。ほんまに凄いと思う。普通にボスの第二形態に関しては情報あげようと思ったのに、ノーチラスが要らん言うたからそのまま見てたら普通に見抜いて倒すし。いや、ほんまに凄いな」

「……すいません、幹部長」

「いきなりどうしたん?ノーチラス」

「いえ、その、先ほどは切迫してる状況だったとはいえ敬語を使わずに失礼なことを言ってしまったので……」

「え?そんなこと?」

「はい…本当にすいませんでした!」

「いや、別に気にしてないからどうでもいいし。それにあの状況で敬語使え言う方がおかしいし」

「そうですか」

「そやで。……ちなみにこの試験の内容皆んな覚えてる?」

「「「「「「え?、、あ、、、」」」」」」

「はーい。情報持って帰るまでが試験ですよー」

 

まじかこの子ら。本来の目的忘れかけてるやん。まぁ、ボス戦が結構しんどかったからかな?……さてと、俺も最後まで試験官としての仕事を果たすか。……ちなみに帰りは危なげなく帰って来れた。

 

 

 

そして、全パーティーが帰ってきた。

「まずは皆んなお疲れ様。この試験の結果はまぁ長引かなければ2日後くらいには出せるかな。それでそのまた2日後には39層の攻略戦やからここで昇格した子らは次の40層から本格的に1軍に入ってもう。……まぁ今日は試験だったし、明日は完全オフだ。各自ゆっくり過ごしてくれて構わない。そんじゃ解散!」

 

…さてと、俺は今から合格者の仕分けか、、。はぁ、しんど。

 

 

 

 

 




ノーチラス君大活躍でした。次回は会議からの昇格者の発表まで行きたいと思います。


ここまで見てくれてあざます。感想評価していってくださいまじでお願いします、
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