sideアーク
キリトとアスナが結婚してから1週間と少し。何故かキリトに朝っぱらから呼び出しを受けた。…今日は攻略も休みやから昼まで寝とこ思ってたのに、、、。…という訳で俺は今、アスナとキリトが住んでいる22層のログハウスへと向かっていた。
「アスナー、キリトー来たぞー」
「ちょっとキリト君!どう説明するの!?」
「どうって言ってもだな、、、そのまま言うしかないんじゃないか?」
「それはそうだけど……」
……?なんだ?2人喧嘩でもしてんのか?
「どうしたんだ?何かあったのか?」
「あ!ちょっと待ってね、アーク君!」
「おう、、、」
「いらっしゃい。アーク君」
「よく来たなアーク」
「よく来たなって何だよ、、、、、え?」
キリトとアスナに迎えられてリビングまで連れていかれて、そこに居たのはソファーで寝ている5歳くらいの少女だった。
「……SAOって、妊娠とかあったか、、?…いやあるとしてもここまで早い訳がない、、、、、。…………………何?子供できたからご祝儀寄越せってか?いや別にそれはいいんやけどさ、お前らお盛んなのはええけ「これは違うの!」…違うって、何が?どう見てもお前らが子供作った「この子は森で倒れてたから俺たちが保護してるんだよ!」…なるほど」
どうやら、22層の森で最近噂になっている幽霊の話をキリトがアスナにし始め、おびえていたアスナは話に出てきた幽霊らしき白い少女が立っているのを発見。だけど、その少女は倒れ、キリトが駆け寄ると、それはカーソルが出ない少女だった。置いてくわけもいかないので、とりあえず家に連れてきた、とのことだ。そして、ユイの家族を探しに行くために第1層へ向かうという事を聞いた。
「納得してくれたか?」
「…まぁ一旦は」
「で?何で俺のこと呼んだん?」
「実はだな、、どこかこういう子たちがたくさん居そうな場所とか知らないかなって」
「…まぁ知ってるちゃ知ってる」
「まじか!?」
「本当?」
「…ああ。…アスナさ、ALFのシンカーって分かるか?」
「確かALFのギルドリーダーだよね?その人がどうかしたの?」
「いや、その人の事では無いんだけどさ、シンカーさんから何回か子供たちが確か教会で過ごしてて、、、みたいな話を何回か聞いた事あったから」
「ふーん、なるほどね。というかアーク君はALFのシンカーさんとお話しした事あるの?」
「まあな。オレンジプレイヤーとかを送った時に何回か話す機会があったってだけだ」
「…とりあえずその教会に行けば何か分かるかも、、って事でいいんだな?」
「分かるかは知らんけど当ても無く探すよりかはええと思うで」
「…分かった。そうするよ。ありがとなアーク」
「全然ええで〜。というか俺も行こっか?今日何もないし、始まりの街は軍のテリトリーやし」
「元々それも頼むつもりだったよ」
「そか」
そんな時、その少女が目を覚ました。
「…パパ。…ママ」
「……え?嘘でしょ?」
「……本当に違うんだ。だから頼む。そんな目で俺らを見ないでくれ」
いや、いやいやいや。これで言い訳は無理でしょ。なーにちゃっかり自分たちの事をパパ、ママ呼びさせてるのー?やーばいでしょ、しかも保護してる子なら尚更。
「えと、、誰?」
「あー、こいつは」
「…俺はアーク。君の名前は?」
「ユイ、、。えと、、アーク……お兄ちゃん?」
「……うん!そうだぞー!俺はお兄ちゃんだぞー!」
…お兄ちゃんか、、、。久しぶりに聞いたなーその呼び方。
「お前も親バカ発症してるじゃねぇか」
「は?ちげぇよアホキリト。久しぶりに妹がいる感覚になって嬉しいだけだ。親バカじゃない」
「本当に妹さんのこと好きなのね……」
「んー、好きっていうかあいつ居ないと暇っつーか」
「お兄ちゃん!」
「ん?どうしたんだー?」
「えへへ」
「うっ!」
「アーク君が倒れた!」
「はぁ、この妹大好き野郎が」
何だこの子。かわいすぎだろ。俺のこと殺す気か?いやまじで、正直この子のためなら死ねって言われても死ねる自信ある。
まぁ、そんな茶番をしながら、俺たちは第1層始まりの街へと向かった。
…あれ?何でこんなに人が居ないんだ?まだ、深夜とかならまだしも今真っ昼間だぞ?…軍を含めても2000人弱くらいはまだこの街にいるはずなのに、、、。
「子どもたちを返して!」
「おー、保母さんの登場だぜ」
「よっ、待ってました!」
…今の声、、、。アスナとキリトも行くつもりか、、。…俺たちはその声が聞こえた方向へ走っていった。
「子どもたちを返してください!」
「人聞きの悪いことを言わないで欲しいな。少し子供たちに社会常識ってもんを教えてあげてるのさ。これも軍の大事な任務でね…」
「そうそう、市民には納税の義務があるからな」
「「「「「はっはっはっ!」」」」」
そこには5人か6人くらいの軍のメンバーが子ども3人を取り囲みおそらく保護者であろう人と相対していた。…ちっ、軍は腐ってると思ってたけどここまでかよ、、。それとこの時間に人が居ない理由も分かった。おそらくこの街の住人は軍を恐れている。…つーか、納税って何やねん。
ひとまず、優先は子どもたちか。俺とアスナとキリトは軍の奴らを飛び越え、子ども達の前に立った。
「なっ、何が、、、。!!KoB、、、」
「何故KoBがここにいる、、、」
「何で?いちゃ悪いか?」
「キリト、アスナ、子どもたちを頼む」
「分かってるけど、、、何するつもりだアーク」
「何って、、、社会知らなさそうな人達への、、教育だよ」
「教育だと、、?はっ!笑わせる。そこにいる奴らは市民の義務である納税を怠ったんだぞ。取り立てに行くのは普通だろ、そんな事も知らないのかKoBのくせに!」
「……あのさ、まずゲームの中に納税の義務が発生する訳がない、だから別に君たちに税を納めようが納めまいが市民の勝手。そして、お前らは俺との実力差も測れない雑魚。俺は結構分かってるつもりなんだけどなー。貴方達のこと」
「は?」
「おいおい、事実言われてピキんなよ。ガキか?」
「…確か圏内じゃダメージは入らない筈だな」
「そうだけど?何それも知らないの?」
「…貴様もそこにいるガキと同様に我々が教育してやろう!」
そう言いながら軍の1人が片手剣を抜きながら突っ込んできた。…何これ。攻撃方法単調すぎでしょ、まじで笑える。本当にかわいそうだと思うよ、自分と相手の実力差も測れず、突っ込んでくるしか脳のないその頭にさ。
「はは!それが全力か?」
「黙れ!…私が、、私が、こんな奴に!」
「…言っておくがお前も分かってるように圏内じゃ如何なる攻撃でもダメージは絶対に入らない。せいぜいがノックバックが発生するくらいだ。…ただ、圏内戦闘は恐怖を植え付けることができる」
俺はそう言いながら、その男の顔面にソードスキルを叩き込んだ。思ってた倍くらいはふっ飛んだか?
それを見て怯んだのか軍の奴らはなんか言いながら俺に突っ込んできたやつを回収して逃げていった。
「おー、結構吹っ飛んだねー」
「やりすぎなんじゃないか?アーク」
「えー、別にいいでしょ。先に突っかかって来たのはあっちだし」
「…まぁ確かに」
キリトとそんな感じで軽い会話をしてたら子どもたちが興奮した様子でやってきた。
「すげーよ!兄ちゃん!」
「初めて見たよあんなの!」
「うん!すっごくかっこよかった!」
「ありがとうございました」
「いやいや、あの軍の行動には流石にムカついたんでねー」
そんな時、キリトにおんぶされているユイに異変が起こった。
「あっ………。皆んなの、、こころが、、」
「!ユイちゃん?」
「ユイ!どうしたんだ!」
「何か思い出せそう?」
「みんなの、、こころが、、」
「私……私……私、ここには…いなかった。ずっと1人で…暗いところにいた」
「どういうこ「ああっ!あああーっ!」ユイ!?」
俺がどういう事か聞こうとした瞬間、ユイが叫びだし、周りにノイズが発生した。
「ユイ!」
「ユイちゃん!」
キリトの背中から落ちたユイをアスナがキャッチした。
「何だ今の、、」
「……」
これについての原因は分からないため、一度教会にユイを運びそこでキリトとアスナも泊まったらしい。俺は明日斥候隊として、75層のボス部屋まで行かないと行けないため自分のホームである61層に帰った。
後日聞いた話によると、2人はシンカーさんがキバオウの策略に嵌められ、黒鉄宮の下にあるダンジョンに助けに行った時、90層レベルのボスモンスターにあった。それに2人は苦戦し、もうやばいとなった時、ユイがそのボスを倒したらしい。
その後、ユイはこのSAOを支配するシステムである『カーディナル•システム』と言われるシステムに作られたAI『メンタルヘルスカウンセリングプログラム』というAIの一種という事を2人に説明した。元々はプレイヤーのメンタル面でのサポートを目的に作られたがそして、あのデスゲームの始まった日、ユイはカーディナルによってプレイヤーとの接触を禁じられ、プレイヤーの感情のモニタリングだけを行なっていたようだ。
……そして、そこで観測されたのは恐怖、絶望、怒りなどと言った負の感情に支配された人々だった。本来ならそのプレイヤー達の元へ直ぐに向かわなければならないが、カーディナルによってそれを禁じられていたため、ユイは徐々にエラーが蓄積され崩壊していった。…でも、他のプレイヤーとは全く違う感情を持っているプレイヤーがいた。それがキリトとアスナだった。それで、キリトとアスナの近くに行きたくてユイはフィールドに出てきたらしい。
…だが、カーディナルの命令に違反したユイはシステムに異物と見なされ消去されそうになるも、キリトが近くにあったコンソールでユイのプログラムをキリトののナーブギアのローカルメモリーに移し、事なきを得たそうだ。…向こうでもユイに会えるらしい。
そんな2人は攻略組に復帰したが、はっきり言って次のボス戦はやばい。なぜなら、、
「…斥候隊の前衛としてまず10人ほど投入し、その後俺を含めた隊が行く。……という作戦でしたが、その10人が入った後、ボス部屋の扉が閉まり、こちらからもあちらからも絶対に開かない仕様となっていました。……その後ボス部屋がもう一度入れるようになったので中を確認したところ、その10人は確認できず黒鉄宮の生命の碑のところにはその10人の名前に横線が引かれていました。…この状況から分かることは、結晶無効化エリアである事、一度ボス戦が始まってしまえば脱出もできない、この2つくらいだ」
そう、今回のボスはボスについての一切の情報がない。このため、ぶっつけ本番の成り行きに任せるという戦術しか取れない。厳しい戦いになるのは目に見えてる。このため、今回のボス戦に参加する人数は40人にも満たなかった。
今回はここまでです。次回でラストに行きそのまま、フェアリー•ダンス編に入ろうと思います。まぁ最初の方は少し主人公の日常を入れたいかなとは思ってます。