女神フレイヤの眷族も増えてきて、フレイヤ・ファミリア副団長である俺は団員が起こすトラブルやら、女神フレイヤが起こした問題などを解決したりしながら日々を過ごす。
そんなある日、明日は早朝からディアンケヒト・ファミリアに行くことが決まっていた俺は、今日は早めに寝ておこうと考えて、自室で就寝しようとしていた。
ベッドで横になり、完全に眠りに入っていたところで、俺の身体が物凄く揺らされる。
何だ何だと思って瞼を開くと、どうやら俺の自室に女神フレイヤが来ていて、俺を起こしたようだ。
「いや、何?どうしたの?」
「眠っていたところで悪いんだけれど、イズミの日頃の不満やら何やらを聞いておきたいと思ったのよ。腹を割って話しましょう」
「こんな時間に?」
時計を確認すると深夜の0時であり、完全に寝ていたところをフレイヤに起こされた形になる俺。
「不満があったら直ぐに言ってるから、特にないと思うんだけど」
「それでも、こんな機会はあまりないし、思っていることをイズミには全部言ってほしいわ」
「いや、さっさとフレイヤは自分の部屋に帰ってくれ位しか言うことないよ」
素直な気持ちを言葉にする此方に、何故か食い下がってくるフレイヤは、中々部屋から出ていかない。
「此方はね、寝てたんだよ。そこを起こして腹を割って話しましょうとか言われても、腹を割って話すことなんてないから」
俺のその言葉を聞いても引き下がることはないフレイヤは、どうしても俺と腹を割って話したいみたいだ。
やたらと話しかけてくるフレイヤの相手をしている間に、いつの間にか時刻は0時を過ぎて1時になっていた。
「もっとこう、あるんじゃないかしら、言っていない不満とかが。それを腹を割って話しましょう」
「さっきから何回も腹を割って話しましょうとか言うけどね。此方は、明日朝早いんだよ」
「知っているわ。明日の朝5時には起きないといけないのよね」
「もう1時だから、後4時間しか寝れなくなってるんだけど」
「それは大変ね。じゃあそろそろ腹を割って話しましょうか」
「此方はね、帰れこの馬鹿って何回も言ってんの!寝てるところ起こして腹を割って話しましょうとか言ってくる主神の相手をさせられてるのが、おかしいからね」
「いやわたしは帰ってもいいのよ。ただイズミが不満そうな顔をしているから、そんな顔をするなら腹を割って話しましょうと言っているだけなの」
「何の不満もないよ。これでいいんでしょ。早く帰って」
「じゃあ帰るわね」
長々と腹を割って話しましょうと何回も話しかけてきていたフレイヤが、俺の部屋からようやく出ていき、やっと眠れると思ってベッドに横になる。
それからしばらくして何故か笑いながら再び部屋までやって来たフレイヤが「ごめんなさいね。イズミの部屋の鍵を持っていっちゃってたみたいで」と言って謝ってきた。
その時点での時刻は、既に2時となり、早朝の5時までにはもう3時間しかない。
俺の部屋の鍵を持っていっていたフレイヤが鍵を返却してくれたのはいいが、部屋から出ていかないフレイヤ。
「鍵を返したんだからもう用はないんじゃないの?」
「この際だから、普段話さないことも話しておこうかと思ったのよ、トランプも持ってきたわ」
何故かフレイヤとトランプをすることになり、ひたすらババ抜きを行っていた俺。
何で寝ないでこんなことやってんだろうかと思いながらも、ひたすらババ抜きをやっていた俺とフレイヤ。
眠い眼を擦りながら、やっていたババ抜きも終わり、ようやく去っていったフレイヤという女神。
時刻は3時で、もう2時間しか寝る時間はない。
それでも寝ないよりかはマシかと考えて眠り、目覚めた2時間後。
「よく眠れたかしら」
そんなことを聞いてくるフレイヤを相手に、テンション低めな俺は口を開く。
「殴るよきみ。眠れましたよ2時間ぐっすりとね」
それだけ言って俺はフレイヤ・ファミリアのホームを出た。
めちゃくちゃ眠いが行かないといけないディアンケヒト・ファミリアに向かい、仕事を終わらせてから戻ってきたフレイヤ・ファミリアのホーム。
フレイヤ・ファミリアのホームでの副団長の仕事を終わらせてから、ホームを素早く出た俺は、もはや定位置になっているベンチで昼寝する。
目覚めた時には、見知らぬ場所で、何処かの建物の中に居た俺。
「おっ、ようやく起きたみたいやな」
そう言って話しかけてきた赤髪の女神であるロキが言うには、此処はロキ・ファミリアのホームであるらしい。
「寝てるイズミを連れ帰ると、良いことがあるっちゅう噂が女神の中じゃ広まっとるんやで」
楽しげな笑みを浮かべたロキのその言葉を聞き、俺は言う。
「いや、こら拉致だよ」
「まあ、確かに拉致やな」と頷いていたロキ。
その後、ロキ・ファミリアのホームにある厨房を借りて、酒のツマミを幾つか作って用意した俺に喜んでいたロキは、酒盛りを始めた。
「イズミを連れ帰ると良いことがあるっちゅう噂は本当だったみたいやな」
そんなことを言いながら笑っていたロキは、俺が作ったツマミを気に入っていたようだ。
ロキの愚痴を聞いたりしながら酒盛りに付き合ってから、フレイヤ・ファミリアのホームへと帰る俺。
フレイヤよりも、ロキと腹を割って話したような気がするが、たまにはこんなこともあるのかもしれない。
腹を割って話しましょうとか言ってきたフレイヤは、長々とイズミの部屋に居座っていたようです