ろうやしきノそのご   作:緋色鈴

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章末魔女図鑑再掲と裏話③

 

◆◆◆

明石ナナ

 

魔法:【解錠】 施錠されている扉や金庫を開ける(魔女化で電子錠すら開ける)

原罪:解明探偵(エリュシデイター)

 

ガチの探偵少女(助手見習い)。見た目はボーイッシュで短髪、中性的、頭には鹿撃ち帽(ホームズのアレ)。

素性が分かるなり橘シェリーに激リスペクト、質問攻めにされていた。

探偵のイメージにありがちな殺人事件の捜査などではなく、堅実な身辺調査や人探しを主としていたのでシェリーの期待の眼差しが痛く、適当に誤魔化し続けていたのでシェリーが帰る頃にはだいぶ憔悴していた。

禁忌は、依頼とはいえ人が抱える暗部を解き明かし、要らぬ秘密を暴きだしてしまったことによって結果的に悲劇を生んだことへの後悔。

それと向き合わないまま騙し騙しに探偵業を続けていたので、謎を解くことまでは積極的でもそれがもたらす影響には頓着したがらず、言い換えれば己の行いにやや無責任な節がある。

 

当時の裁判では持ち前の調査能力を存分に発揮し、当時はエマやヒロにも劣らぬ活躍ぶりで犯人を特定していた。

しかし一方で中盤以降はなまじ有能なのが知れ渡ったゆえに「脅威だと思われて殺される」ことに怯える羽目に。

また「黒幕はこの中にいる」という事実は突き止めたのだが、それを宣告したところ肩書のせいで周囲からは丸投げ気味に頼られてしまったこと、中々その断定までは至れないという重圧で魔女化が進行。

被害者にも加害者にもならぬよう逃げ隠れているうちに別の事件が起き、捜査に駆り出されるために黒幕の事を調べる暇がないという悪循環に陥っていた。

ついに黒幕の正体を突き止めた頃には彼女と2人きりであり、詰みの状況に絶望しながらなれはてとなった。

 

黒幕に打ち勝つ力も、時を戻してやり直す力もない少女には、全ての謎を解き明かすことはできても、そこから現れた闇に立ち向かう術が無かった。

 

魔法は【解錠】

手で触れている扉に対して、鍵を持たずともその錠を強制的に解く魔法。

むしろ泥棒向きの力だと本人はこの魔法を忌避しており、他人に見せることは無い。

物探しや身辺調査にあたって普通の探偵業に用いる限りでは便利なのだが、殺人事件においては密室をうっかりこの魔法で解いたりすると犯人扱いされかねない上に真犯人の用いたトリックがよく分からなくなるため、使う用途も限られる。

また解錠はできても施錠はできないので自身で密室を作ることも出来ず、仮に犯人になるとしても使い辛い、とつくづく島での生活に向いていない。

 

余談1: 彼女視点で屋敷内の鍵を魔法で開ける選択肢は全てBADENDルート。

余談2:「解錠(再施錠可能な状態で開ける)」と「開錠(破壊してでもこじ開ける)」は意味合いが違うが、奇しくも彼女が解錠して死ぬ扉は、シェリーも開錠すると死ぬ扉である。懲罰房とか。

余談3:若干ハンナに嫉妬されていたのだがその理由は全く理解できていない。

 

◆◆◆

裏話:

シェリーちゃんから面白さを抜くと彼女になります。なんて言うと二人に失礼だけども。

どうにもクセが強い皆さまを動かしていく上で、こうした狂言回し役というか「問題を起こさないけど首を突っ込む人」は必要でした。

マーゴと一緒に話し合える人、という意味ではナノカもまたそうなので、そういう縁でちょっと関わる感じでした。彼女との違いは面倒事に自ら興味を持つかどうか。

そして初登場であるバレンタインの事件解決は実のところ顔見せ程度の役割で、彼女はやっぱりその後の牧島ダリアとの話の視点を担ってもらうために存在した、というのが本音です。

ナナみたいな無神経さがないと彼女との会話は成立しなかったので。

人の想念にまでずけずけ切り込んで解明しようとする彼女のそれは、探偵さんの悪い癖、と言ってしまうこともできますが、そこまでいくと多分彼女自身の良くないところ。

しかしそれもダリアに対してはその堅い鎧に罅を入れるに足る、荒療治の薬だったのでしょう。

その縁は思ったより深いものになってしまい、気がつけば十五夜でめちゃくちゃ湿度の高いやり取りをしていました。多分一番独り歩きした子です。

 

余談4:ナノカと一緒に「汝はなれはてなりや」のナの数を合わせるためだけに名前がナナになった。

余談5:十五夜のナナダリア編だけが3話になってしまったのは主にナナが軽口を挟みすぎるせい。

余談6:ナナを処刑台に連れて行った看守はダリア。

 

 

 

◆◆◆

牧島ダリア

 

魔法:【読心】 他者の考えていることを読み取る(魔女化でより深層の心理を読む)

原罪:悪意無き盗視者

 

ミステリーにおける禁じ手ともいえる魔法。これにより本人はかなり早い段階で黒幕が分かっていた。

他作品で言うところのよくある読心能力なので特筆すべき点もあまりないが、彼女自身の性格が災いして本人はあまりこれを使いこなせていない。

自分が読んだ心理がどの程度の深さか分かっていないところがあり、それが「本人が自身に言い聞かせている表向きの嘘」なのか「その奥にある本心」なのかを混同するなど、心を読んだのに今一つ理解できていないか、まるごと読み間違うというような失敗が多かった。

 

あるとき大怪我を治してくれたメルルに感激して友情を抱き、黒幕だと分かってもそれを捨てきれなかった少女。

第一の事件にて、殺されかけたメルルを守ろうとして別の少女を殺害したが、そのことを当のメルルに証言される。

裏切られたショックで裁判中に魔女化が進み、強化された【読心】をメルルに使ってしまう。

結局メルルとの友情は片一方のものであり、彼女の心をひとつ潜った先には大魔女のことしかないという事実を知って絶望する中で処刑され、なれはてとなった。

 

余談1:当時のメルルはまだ唆しが雑で怪しいムーブ全開だったため結局再び襲撃されたのだが、死なないので黒幕であることが即バレし、仕方ないので全員を虐殺した。それゆえ同期で生き残ったのは彼女だけである。

余談2:管理者エマのifのすがた。

余談3:エマに歩み寄られたメルルはこんなこと初めてだと感激していたが、実のところ過去にはこの子がいたし、多分ほかにも居る。人の心とかないんか?

 

◆◆◆

裏話:

目覚めた少女達のダークサイドを濾して固めたみたいな、闇属性の女の子。

明らかに関わってはいけない感じのキャラに始まりメルルディスが目立つ彼女の話は否よりの評価になりそうだなとは思ってはいたのですが、こういう子はいるだろうと思っては描かざるを得ませんでした。

目覚めた少女達にとってのマーゴ達がどんな存在かを語るのが他の子達ならば、既にここに居ない黒幕、氷上メルルは果たしてどう思われていたのか。ダリアはその例のうちの極端な一つを担っています。

囚われた少女たちにとっては相容れない、相互理解の出来ない存在。大魔女との関係や目的が明らかになってもそんな風に描かれていたメルルですから、真相に迫れなかった少女達からすればもっと酷薄に見える子だったんじゃないかなと思います。実際そういうところあるし。

ダリアはその犠牲者筆頭という立場ですが、一方で彼女が抱く想いは割と空回りというか、かなり拗らせている部分があるというのはナナ視点で見た通り。

目覚めてみれば相手と生死が逆転していたという状況がさらにその感情を鬱屈させてしまっていたというのが登場時点の彼女です。

 

そんな彼女の感情描写には「瞳の内に見える炎」という表現が多用されています。

この作品では他のキャラがあまり見せることのない憎悪や怒りという色を表すものですが、それがどのように点火し、燃え上がり、そして燃え尽きていったのかに、ナナとナノカは立ち会うこととなりました。

私はそうしたネガティブな感情は暗く泥のように濁らせ続けるよりも、どこかで烈火の如く表して焼き尽くしてしまった方が良いと考えています。耐え忍ぶが大人だとしても、それでも多少すっきりできるかどうかは当人の心に関わるものですから。

十五夜で再登場した彼女がある程度落ち着いて見えるのは、ある意味ナナがそうしてキレさせたのが切欠とも言え、彼女自身もそれを理解していて。

そんな相手への感情は彼女らしくどこまでも捻くれた「大嫌い」で、十五夜の中でもあのセリフは特に別格の重みを持っちゃった気がします。感情がデカい。

 

余談4:メルルに複雑な感情を抱いているし、メルルに人生を狂わされたし、メルルの心も読んだが、実のところメルルへの理解度は浅い。きっとそんなもの。

余談5:当時余裕がなくてチョコ作りに不参加だったことを悔やんでおり、来年を密かに待ち望んでいる。

余談6:以前出て行った子と最近和解し、再びルームシェアを始めた。ナナの誘いは蹴った。

 

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