シングルファザーローランくん 作:なめなめろう(旧名:ELDERSIGN)
気づけば日間ランキングに乗っていました。読んでくださって本当にありがたい限りです。
なお今回は日常回です。ラオル本編での小話が本当に好きで、自分でも書いてみたかったんですよね。
「ローラン、相談があります」
「おお、なんだよ揃いも揃って」
いきなりイェソドが俺に話しかけてきた。その後ろにはマルクトとホドもいる。俺の最愛の娘を交代で面倒見てくれてる面子だ。
自分達からアンジェラのお世話を立候補した時は渋々認めたけど、今じゃいい判断だったと思ってる。俺1人で面倒を見るより、色んな人と触れ合う方が子供にとってもいいはずだ。実際、アンジェラももっと笑うようになった気がするしな。
「アンジェラ……それも、どちらのアンジェラにも関係のある話です」
「話を聞こう」
俺は背筋を伸ばし、しっかりとイェソドたちの方へと向き直った。なんだよ2人のアンジェラに関わる話って。そんな重大な話があるのか?
「最近、アンジェラと私たちが口にすると、どちらのアンジェラも反応してしまうのです……」
「…………」
……心当たりしかない。俺が娘の世話をする時にアンジェラの名前を口にすると、館長様がこちらをチラッと見た後、ハァ……とため息をついてそっぽを向く姿を何度も見ている。
逆に、館長様を呼ぶためにアンジェラと口にしたとき、娘がこちらを見て、「パパ!」と呼んで甘えてくるんだから困ったもんだ。
「ですから、あだ名をつけることで2人の呼び分けをしたいと思うのですが」
「あだ名で呼べばもっと親しみやすくなって、愛情も感じると思うの」
「一理……いや、百理あるな」
あだ名か。いやー名案だ。考えたこともなかったな。
「うん、俺も賛成だ。でも、1人だけあだ名があるっていうのも不公平だし、2人分考えるか!」
「いいこと言うね、ローラン!」
マルクトがいつも通り元気いっぱいにそう言う。いつもこの調子でいるっていうのは本当にすごいことだ。だから娘のアンジェラもよく懐いている。
「それでは、1人2つあだ名を考えて、その中からあだ名を決めるというのはどうでしょう」
「「「賛成!」」」
そんなわけで、4人で膝を突き合わせて、うんうんと頭を悩ませながらあだ名について考えることになった。そして、思いついた人から小さな紙切れにあだ名の候補を書き、外からは中が見えない箱の中に入れていく。誰が考えたかわからないようにするためだ。
「うん、これでいいかな……ってあれ? もしかして私が最後だったの?」
「まあね。でも随分と真剣な顔で悩んでたから、よっぽどいいのが思いついたんじゃないのか?」
「や、やめてよローラン……」
ホドは照れて赤くなった顔を手で隠した。
「よし、じゃああだ名の候補を見ていくか」
俺が箱の中に手を入れて、一つの紙切れを選び取る。
「アンジュ……か」
非常に濃い筆跡。それに対面に座っているマルクトの自信に満ち溢れた顔。……わかりやすすぎるだろ。
「良いあだ名ですね。ですが、このあだ名を考えた人は一つ失念している点があります」
「それは……?」
「アンジュというあだ名は、主に男性に使われるものです。よって今回の場合では不適でしょう」
マルクトの顔が一瞬にして萎んでいく。こっちまで悲しい気持ちになってくるな……。
と、その時だった。いつものパチンという音と共に、我らが館長様が現れる。
「指定司書達が4人も揃って何をやっているのかしら」
「アンジェラのあだ名を考えていたんです!」
マルクトの元気な声に、アンジェラは怪訝な顔で返した。
「あだ名……? ああ、ローランの娘のね」
「実は違うの……。ローランの子どもとあなた。2人分のあだ名を考えていたの」
「私のも?……ハァ」
呆れたようにアンジェラは手を額に当てた。
「余計なお世話ね。私にあだ名はいらないわ。ローランの娘の分だけ考えておきなさい」
そう言うと、再びパチンと音が鳴って、アンジェラは姿を消した。
「あーあ、振られちまったな」
「残念……」
「でも、気づいた?」
マルクトが目を輝かせながらみんなの顔を見る。
「アンジェラ、なんだか嬉しそうだったわ!」
「……言われてみれば、そうかもな」
「そもそも、先程いきなり現れて私たちが何をしているのかを聞いた後、すぐに消えたのもおかしな話です。おそらくは本当にただ私たちのやっていることが気になったのでしょう」
「そう考えると、アンジェラも少しずつ心に余裕ができてきたのかも」
そんな風にちょっとした雑談をしながら、引き続き俺たちはあだ名を考えるのだった。
というわけで、ローランの娘アンジェラのあだ名を募集したいと思います。期間は1日にしようと思います。その都合上、明日の投稿はありません。
アンジェラのあだ名、どれが良い?
-
ジェラ
-
アンジー
-
エラ
-
嫌だ!アンジェラのままがいい!
-
もっといいあだ名ありますよ