他人を寄せつけない雰囲気をもつ元アイドルを助けたら、懐かれて(軽い表現)しまった 作:片桐きな粉
『For the unknown』
通称フォノン。
一部の年齢層からカルト的な人気、また大衆からも知られているアイドル、ダンスユニット。
初期には顔出しをせず、歌だけの活動であったが、2周年のライブで姿を解禁、アイドルとしての道を彼女たちは進んでいた。
冷たくミステリアス、明るく活発的という反対色とも取れる特徴は反発せることはなく混ざり合い、2人は輝いていた。
ー
「...なぁ、手ェ止まってる」
少し不機嫌になった声が下から聞こえる
「.....りょーーかい」
動かさなかった手を動かして、彼女の青色から黒にかけての髪をゆっくり梳かしていく。
少し満足したのか彼女から小さい鼻歌が聞こえてくる。
軽く音を取っているだけだけど、やっぱり、上手い。
なんで、こうなってるんだっけ...?
ー
「.....やばっ!!ファンクラブ更新来てる!!」
隣の友達のきらりが叫んだ。一気に周りの目がこちらにむくが、直ぐに目線は居なくなる。いつものことだとみんなが慣れたからだ。
「きらり、静かにしてって..まーちんの講義めんどくさかったんだから」
私はミナ。苗字は...まだいいでしょう
私ときらりは同じ短大に入っている。特にどこに入りたいとか何を研究したいとかはないけれど、惰性だ。
まーちんは哲学のおじいさんだけど、あだ名でみんなまーちんといっている
まあ今はそんなもの関係ないけど
「だってだって!、、フキ様が解散してからずっと音沙汰無かったのに急に上げたんだよ!!!」
興奮止まず上擦った声で私にスマホの画面を見せてくる。
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2025/09/23 @Ftu_Kiriyayuki
添付写真
生きてる
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一言と自撮りが1枚、普段のイメージ通りの彼女みたいな投稿だった。
「ん〜〜!!やっぱり可愛いなぁーあ!!」
「..でも、なんで今なんだろ」
たしかあのグループはきらりが言ってた通り数ヶ月前に解散した。
理由はそのまま事務所の方針として。
桐矢フキの相方はそのままソロで活動をしていたが、彼女は無期限活動休止と発表されていたはず。
「ーーんー、ミナもフォノンに詳しくなったねー、うんうん、友人として私も鼻が高いよぉ」
ときらりがウザ絡みをしてくる。
「そりゃ毎日毎日となりで話されてたらいやでも詳しくなるよ...」
呆れた顔できらりを見ると目を逸らして黙った。
としばらく見ていると
「やばぁ!もういいねがめっちゃ着いてる!!」
確かに、読み込んでも読み込んでも♡の隣の数は増え続けている。
SNS、通称Sでも既にトレンドに入ったらしい。
「ヤバすぎ!!ついにフキ様復活だぁ!!!あたし次飛ぶね!!!」
「え!?待っ....」
全力できらりはダッシュをして講義室を抜けていった。
「..何しに行ったんだろ...」
困惑をしながら、教授が入ってきたので直ぐにタブレットを取りだし、ノートを取る。
(ノート写して!って言われたら、フラペチーノ奢りかな)
来週の放課後覚悟しとけよ、と思いながら、時間を過ごした。
その後、メッセージをしたきらりは「あああたしの1時間のシフト....」と言っていたが気にしない。
その日の夜、運命か偶然かわかんないけど、確実に私の人生を動かす出来事が起きたのはずっと覚えている。