見返そうと思ったら、PC内のXDオフライン版データが無くなってた…非常に悲しみ&今後どうしよう問題。
きっちり全部走るつもりだったのに……。
せめてXVまではきっちりやり切ってみせるので……!
「で、今頃響はCDショップに……と」
「うん、大慌てで学校を出て行ったよ」
ふらわーで、学校終わりの未来を迎え、軽食を作りながら他愛もない話をする。
響は、押し活?で忙しいらしい。
あの惨劇からもう2年。
生存者への迫害もすっかりと鳴りを潜め、響へのイジメも無くなり、満面の笑みで中学校を卒業した記憶は真新しい。
私立リディアン音楽院、この店の近くにある音楽学校。
響と未来が進学した学校。
奇しくも、かの風鳴 翼が通い、天羽 奏が卒業した学校だ。
新しい環境で、新たな友も得たようで、今の二人から、あの時の暗い雰囲気を感じる事はもう無い。
今は二人で生活を送っているらしい。
俺は変わらず、この店をおばちゃんと回し、時折ノイズを狩る日々。
そういえば、あの一件以降天羽 奏の体も回復したらしい。
戦場で再会した時には、随分と感謝された。
今では薬に頼らずともギアを纏えているあたり、俺の試みも成功したらしい。
『因果操作』
出来るのは何となく理解してはいたが、実践する場が無かったせいで、ぶっつけになったから気にしてはいたのだ。
あの槍は、まだまだ俺自身何が出来るか把握しきれていない事も多い。
こういうのを調べるなら、やはり二課の連中を頼るのが一番なんだろうが……。
「ほれ、熱いぞ」
「わ、これおまんじゅう?」
「生地の余りイジって適当な具包んだだけだよ」
「おいしそう〜」
響がいたら、真っ先に齧り付いて火傷しかけるまでがワンセットだな、と笑っていると、チリ……と、シャツの内に入れたネックレスが熱を持つ。
(……ノイズ、か……間の悪い)
「……?シキ君?」
「悪い、少し席外す。もし帰る時は皿はシンクに置いといてくれ」
「うん、気をつけてね?」
いつものようにおばちゃんに書き置きを残して、自室でエプロンを脱ぎ上着を取って店を出る。
暫く走り、建物の間の路地に。
「Depheforo Odi Longinus Zizzl」
ネックレスが、瞬時に伸長し、裂け、捻れる。
それを持つ手から伝わる様にインナー、装甲と身に纏えば、都市伝説のノイズ狩り、正体不明の『紫鬼』の完成だ。
「方向は……ちと遠いな」
壁を蹴り上げ、建物を足場にノイズのいる場へと急ぐ。
昔はワープ染みた力も使えたんだが、今は何でか使えないんだよな。
だからこの通り、今は自分の足が頼りなのだ。
「……んだ、移動してんのか……?ノイズが?わざわざ?」
現れた場所からそう動かないのが、アレらの生態?じゃなかったか……だったら────
「まさか、人を追ってんのか……⁉︎」
だったら不味い。
OTONAでも無い限り、ノイズから逃げ切るのは至難を極める。
「だぁー!面倒!」
それに、何か胸騒ぎがする。
なにか、良く無いことが起きる予感がするのだ。
建物へ気を遣うのを諦め、より強く踏み込む。
「間に合えy────
「Balwisyall Nescell gungnir tron」
◇◇◇
「反応、絞り込めました!位置特定!」
「!ノイズとは異なる高出力エネルギーを検知‼︎」
「波形を照合!急いで!」
「まさかコレ、アウフヴァッヘン波形⁉︎」
“GUNGNIR”
「ガングニール、だとォ⁈!」
「馬鹿な!」
「だって、アタシのガングニールは此処に……!」
◇◇◇
唄だ。
光が立ち昇る。
「今のは……聖詠……?……ッ!あそこか、って……」
建物の屋上、ノイズが周囲を取り囲んだソコ。
巨大な機械の塊が、人影の背から生える様に、胎動する様に蠢く。
「ああぁあぁぁああああぁあああぁぁぁぁあああ?⁈!」
痛むのか、絶叫を上げるのは、聞き慣れた筈の少女の声。
「まさか、響、なのか……⁉︎」
展開された装甲が、体に沿うように装着される。
もうそこには、無力な少女はいなかった。
新たな適合者が、誕生した瞬間である。
「うえぇ⁈何で⁉︎私、どうなっちゃったの⁉︎」
「お姉ちゃんカッコイイ!」
幼い少女と共にいる様子を見る限り、ノイズから共に逃げてたらしい。
「っクソ!兎も角助け────」
(待て、行くのか?あの場に?顔、は隠れていても、あの二人と響じゃ、訳が──)
響から続けて唄が紡がれる。
「馬ッ鹿⁉︎
女の子を抱え、ノイズを飛び越えて──
「わわ⁈何⁉︎」
(だぁー!力加減が効いてねぇのか⁉︎)
足踏みしたのが不味かった。
距離がある。
ダメだ、全力で跳んでも間に合わない……!
しかし、紫鬼の懸念とは裏腹に、何とか着地を成功させる響。
「……ホッ……じゃねぇ!危なっかしくて見てらんねぇ……!」
すぐにノイズを殲滅しようと飛び出す。
幸い、少女を気にしてか、ノイズに立ち向かう様子は無さそうだ。
跳ねの良いボールの様にめちゃくちゃな動きでノイズの動きを避ける響。
大型の一撃も躱した先で、小型の群にも挟まれる。
小型の、青い球体型のノイズが響に飛び掛かり、拳が思わず振るわれ────
「っらぁ!」
る直前、一擲。
ノイズが地面に縫い付けられ、炭と化す。
「ふぇ?」
気の抜けた声を漏らした直後、小型の群が奥から宙に舞う。
まるで、何かに吹き飛ばされるように────
そこから現れたのは、それぞれのバイクに乗る二人の少女。
その顔は、響のよく知る者で。
そのまま響の横を通り過ぎた二人は、大型の足元に、跳躍。
乗っていたバイクが乗り捨てられ、両足部に直撃し、爆散。
「Croitzal ronzell Gungnir zizzl」
「Imyuteus amenohabakiri tron」
再び響の前に降り立った翼が口を開く。
「惚けない、死ぬわよ」
「へ」
「アンタはそこで、その子を守ってな」
「翼さんと、奏さん……?」
ノイズへと駆ける二人。
ふと後ろを振り返った奏が、声を上げる。
「紫鬼ー!その子達の事頼んだー!」
「え、シキく「ったく、来るのが遅いんだよ」うえぇ⁉︎だ、誰⁉︎」
視界より上、目の前に突き刺さった槍の上に立った紫鬼に、瞠目する響。
(これぐらいじゃ、まだバレないか)
《蒼ノ一閃》
《STARDUST∞FOTON》
安堵する紫鬼の視線の先で、小型ノイズの群が蹴散らされる。
「すごい、やっぱり二人は……」
「うぁ……!」
少女の小さな悲鳴が上がる。
響も振り返れば、先の大型ノイズが響達を見下ろす様に、すぐそこに。
「くっ……⁉︎」
思わず少女を庇う様に動こうとして。
「失せろ」
一閃。
紅い軌跡が、ノイズの頭部?のような部分を吹き飛ばす。
そのまま黒い炭と化して、ボロボロと崩れ去った。
響が振り返れば、槍を片手に振り払ったような姿勢で残心する紫鬼。
「あ、ありがとう、ございます……?」
「………………気にするな」
言葉少なく響を見つめる紫鬼。
その風貌も相まって、見る者に恐怖心を覚えさせるその姿。
(でも、なんでだろう……私、この人の事、知って……?)
表情こそ伺えないが、響は確かに、その視線に、確かな温かみを感じていた。
(うっっっわ……改めて見たら、やっぱその格好、痴女のソレだろ……体のライン浮きすぎ、未来が黙っちゃいないぞ……イカン、初対面がコレだったあの二人なら兎も角、知り合いがこの格好してるの本当に不味い気がする、主に社会的に……‼︎)
◇◇◇
逃げ込んだ工業地帯は封鎖され、周囲では、特異災害対策機動部の職員が、各々の作業に当たっている。
先の少女も無事保護されたようだ。
それを見守る響の表情も明るい。
と、そこでふと思い出す。
自分を助けてくれた、紫の彼はどこに行ったのかと。
視線を彷徨わせている響に、近づく影が一つ。
「何かお探し?」
「え?」
背後から声をかけられ、振り返った先、何処かの組織の制服と思われる格好をした女性が。
その手には、湯気の立つ飲み物が。
「あったかいもの、どうぞ」
「わぁ、あったかいもの、どうも」
「それで、何を見ていたの?」
「あ、えっと、そのさっき助けてくれた紫の人、何処に行ったのかな〜って」
「あぁ、彼ね。私たちがこうやって来る時には、いつも何処かに行ってしまうのだけど」
「……仲間じゃないんですか?」
「アハハ……複雑なの、色々と」
へぇ〜と返事を漏らしつつ、手元に目を向ける。
慎重に息を吹きかけ、ゆっくり口に。
「ふはぁ〜」
気の抜けた声が漏れる。
その時、響の体が輝きだす。
「ふぇ?」
パッと弾けるように元の制服姿に戻った。
思わず姿勢を崩し、手から飲み物がこぼれ落ちる。
「わっとったっとったぁ!」
「おっと!」
踏ん張りが効かず、後ろに後退する。
その背を支える手が。
「大丈夫か?」
「あ、ありがとうございますって、か、奏さん⁈」
ツヴァイウィングの片翼、天羽 奏。
響の人生にとって、とても大きな影響を与えた人物だった。
そんな彼女の背後には風鳴 翼も。
「あ、その、また助けてもらって、ありがとうございます!」
「あぁ、そうだな。久しぶり、だな。元気してたか?」
「奏、知ってる子なの?」
「ほら、あのライブの時の……」
「!そういうこと……ごめんなさい、辛いことを思い出させて」
「い、いやいやいや!むしろ覚えててもらって、光栄というか何というk「あ、ママー!」」
「良かった!無事だったのね!」
声の方を見れば、少女とその母親が再会を喜び合っている。
「それでは、こちらの誓約書にサインを──」
タブレットを持った先の女性が二人の元に。
「本件は、国家特別機密事項に該当する為────」
何やら小難しい言葉がつらつらと並べられる。
聞かされる親子もポカンとした表情だ。
何やら面倒事の気配が漂ってきて、苦笑いを浮かべる響。
「アハハ……それじゃ、私もこの辺で──」
そう言って、その場を立ち去ろうとする響を取り囲むように、黒服スーツにサングラスの男達が現れる。
「え」
「貴女を、このまま帰す訳にはいきません」
「えぇ⁉︎なんでですか⁉︎」
「悪いけど、アタシ達に、二課についてきちゃくれねぇか?」
目の前の集団、その中央に立つ二人。
淡々と言う翼と、苦笑いを溢す奏。
「二課……?」
「そ、特異災害対策機動部二課、それがアタシ達の組織。さっきの事とか、色々説明しなきゃいけないんだよ」
「すみませんね、規則でして」
そう言って、一人の男が前に出てくる。
その手には、何やら物物しい手錠が。
「本当なら、身柄の拘束もしなきゃいけないんですけど」
そう言って、苦笑いした彼が、ある点を見上げる。
つられて響や二人が視線を上げた先、建物の屋上から、こちらを見下ろす一つの影が。
月明かりで影になっているものの、その角と、特徴的な黄色の双眸は、見間違えようが無い。
「あれ、アイツまだ帰ってなかったんだ」
「珍しい、普段ならとっくに姿を眩ませてるのに……」
「恐らく、彼女を心配しているのではないですか?現にさっきから、殺気のようなものをずっっっっと向けられてて、正直気が気じゃないですよ」
「「「え?」」」
「兎も角、此方としても、彼の機嫌を損ねたくないので、出来れば穏便にいきたいんです。ご協力、お願いできますか?」
「紫鬼〜!安心しろ〜!悪いようにはしないからな〜!」
「やめて奏、もう夜も遅いのだし、あまり大声は……」
(響……南無、せめて無事に帰ってきてくれ……)
「え、え〜〜…………」
この後、拘束はされなかったが、やはりガチガチの警戒状態で、二課本部、リディアンまで
尚、シキの自室にて、響の帰りが遅い、連絡も無いと未来から鬼電が来て、落ち着かせるのも一苦労だったことをここに記す。
p.s.評価バー点灯!日間ランキング入り!感謝の極み!これからも頑張ります‼︎