戦鬼絶唱シンフォギア   作:MAI²

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見返そうと思ったら、PC内のXDオフライン版データが無くなってた…非常に悲しみ&今後どうしよう問題。
きっちり全部走るつもりだったのに……。

せめてXVまではきっちりやり切ってみせるので……!



第四話 覚醒の鼓動

 

 

 

「で、今頃響はCDショップに……と」

「うん、大慌てで学校を出て行ったよ」

 

ふらわーで、学校終わりの未来を迎え、軽食を作りながら他愛もない話をする。

響は、押し活?で忙しいらしい。

 

あの惨劇からもう2年。

生存者への迫害もすっかりと鳴りを潜め、響へのイジメも無くなり、満面の笑みで中学校を卒業した記憶は真新しい。

 

私立リディアン音楽院、この店の近くにある音楽学校。

響と未来が進学した学校。

奇しくも、かの風鳴 翼が通い、天羽 奏が卒業した学校だ。

 

新しい環境で、新たな友も得たようで、今の二人から、あの時の暗い雰囲気を感じる事はもう無い。

今は二人で生活を送っているらしい。

 

俺は変わらず、この店をおばちゃんと回し、時折ノイズを狩る日々。

 

そういえば、あの一件以降天羽 奏の体も回復したらしい。

戦場で再会した時には、随分と感謝された。

今では薬に頼らずともギアを纏えているあたり、俺の試みも成功したらしい。

 

『因果操作』

出来るのは何となく理解してはいたが、実践する場が無かったせいで、ぶっつけになったから気にしてはいたのだ。

 

あの槍は、まだまだ俺自身何が出来るか把握しきれていない事も多い。

こういうのを調べるなら、やはり二課の連中を頼るのが一番なんだろうが……。

 

「ほれ、熱いぞ」

「わ、これおまんじゅう?」

「生地の余りイジって適当な具包んだだけだよ」

「おいしそう〜」

 

響がいたら、真っ先に齧り付いて火傷しかけるまでがワンセットだな、と笑っていると、チリ……と、シャツの内に入れたネックレスが熱を持つ。

 

(……ノイズ、か……間の悪い)

「……?シキ君?」

「悪い、少し席外す。もし帰る時は皿はシンクに置いといてくれ」

「うん、気をつけてね?」

 

いつものようにおばちゃんに書き置きを残して、自室でエプロンを脱ぎ上着を取って店を出る。

暫く走り、建物の間の路地に。

 

「Depheforo Odi Longinus Zizzl」

 

ネックレスが、瞬時に伸長し、裂け、捻れる。

それを持つ手から伝わる様にインナー、装甲と身に纏えば、都市伝説のノイズ狩り、正体不明の『紫鬼』の完成だ。

 

「方向は……ちと遠いな」

 

壁を蹴り上げ、建物を足場にノイズのいる場へと急ぐ。

昔はワープ染みた力も使えたんだが、今は何でか使えないんだよな。

だからこの通り、今は自分の足が頼りなのだ。

 

「……んだ、移動してんのか……?ノイズが?わざわざ?」

 

現れた場所からそう動かないのが、アレらの生態?じゃなかったか……だったら────

 

「まさか、人を追ってんのか……⁉︎」

 

だったら不味い。

OTONAでも無い限り、ノイズから逃げ切るのは至難を極める。

 

「だぁー!面倒!」

 

それに、何か胸騒ぎがする。

なにか、良く無いことが起きる予感がするのだ。

 

建物へ気を遣うのを諦め、より強く踏み込む。

 

「間に合えy────

 

 

「Balwisyall Nescell gungnir tron」

 

 

◇◇◇

 

 

 

「反応、絞り込めました!位置特定!」

「!ノイズとは異なる高出力エネルギーを検知‼︎」

「波形を照合!急いで!」

 

「まさかコレ、アウフヴァッヘン波形⁉︎」

 

“GUNGNIR”

 

「ガングニール、だとォ⁈!」

「馬鹿な!」

「だって、アタシのガングニールは此処に……!」

 

 

 

◇◇◇

 

唄だ。

光が立ち昇る。

 

「今のは……聖詠……?……ッ!あそこか、って……」

 

建物の屋上、ノイズが周囲を取り囲んだソコ。

巨大な機械の塊が、人影の背から生える様に、胎動する様に蠢く。

 

「ああぁあぁぁああああぁあああぁぁぁぁあああ?⁈!」

 

痛むのか、絶叫を上げるのは、聞き慣れた筈の少女の声。

 

「まさか、響、なのか……⁉︎」

 

展開された装甲が、体に沿うように装着される。

もうそこには、無力な少女はいなかった。

新たな適合者が、誕生した瞬間である。

 

「うえぇ⁈何で⁉︎私、どうなっちゃったの⁉︎」

「お姉ちゃんカッコイイ!」

 

幼い少女と共にいる様子を見る限り、ノイズから共に逃げてたらしい。

 

「っクソ!兎も角助け────」

(待て、行くのか?あの場に?顔、は隠れていても、あの二人と響じゃ、訳が──)

 

響から続けて唄が紡がれる。

 

「馬ッ鹿⁉︎()るつもりか⁉︎」

 

女の子を抱え、ノイズを飛び越えて──

 

「わわ⁈何⁉︎」

(だぁー!力加減が効いてねぇのか⁉︎)

 

足踏みしたのが不味かった。

距離がある。

ダメだ、全力で跳んでも間に合わない……!

 

しかし、紫鬼の懸念とは裏腹に、何とか着地を成功させる響。

 

「……ホッ……じゃねぇ!危なっかしくて見てらんねぇ……!」

 

すぐにノイズを殲滅しようと飛び出す。

幸い、少女を気にしてか、ノイズに立ち向かう様子は無さそうだ。

 

跳ねの良いボールの様にめちゃくちゃな動きでノイズの動きを避ける響。

大型の一撃も躱した先で、小型の群にも挟まれる。

小型の、青い球体型のノイズが響に飛び掛かり、拳が思わず振るわれ────

 

「っらぁ!」

 

る直前、一擲。

ノイズが地面に縫い付けられ、炭と化す。

 

「ふぇ?」

 

気の抜けた声を漏らした直後、小型の群が奥から宙に舞う。

まるで、何かに吹き飛ばされるように────

 

そこから現れたのは、それぞれのバイクに乗る二人の少女。

その顔は、響のよく知る者で。

 

そのまま響の横を通り過ぎた二人は、大型の足元に、跳躍。

乗っていたバイクが乗り捨てられ、両足部に直撃し、爆散。

 

「Croitzal ronzell Gungnir zizzl」

「Imyuteus amenohabakiri tron」

 

再び響の前に降り立った翼が口を開く。

 

「惚けない、死ぬわよ」

「へ」

「アンタはそこで、その子を守ってな」

「翼さんと、奏さん……?」

 

ノイズへと駆ける二人。

ふと後ろを振り返った奏が、声を上げる。

 

「紫鬼ー!その子達の事頼んだー!」

「え、シキく「ったく、来るのが遅いんだよ」うえぇ⁉︎だ、誰⁉︎」

 

視界より上、目の前に突き刺さった槍の上に立った紫鬼に、瞠目する響。

 

(これぐらいじゃ、まだバレないか)

《蒼ノ一閃》

《STARDUST∞FOTON》

 

安堵する紫鬼の視線の先で、小型ノイズの群が蹴散らされる。

 

「すごい、やっぱり二人は……」

「うぁ……!」

 

少女の小さな悲鳴が上がる。

響も振り返れば、先の大型ノイズが響達を見下ろす様に、すぐそこに。

 

「くっ……⁉︎」

 

思わず少女を庇う様に動こうとして。

 

「失せろ」

 

一閃。

紅い軌跡が、ノイズの頭部?のような部分を吹き飛ばす。

そのまま黒い炭と化して、ボロボロと崩れ去った。

 

響が振り返れば、槍を片手に振り払ったような姿勢で残心する紫鬼。

 

「あ、ありがとう、ございます……?」

「………………気にするな」

 

言葉少なく響を見つめる紫鬼。

その風貌も相まって、見る者に恐怖心を覚えさせるその姿。

 

(でも、なんでだろう……私、この人の事、知って……?)

 

表情こそ伺えないが、響は確かに、その視線に、確かな温かみを感じていた。

 

 

 

 

 

(うっっっわ……改めて見たら、やっぱその格好、痴女のソレだろ……体のライン浮きすぎ、未来が黙っちゃいないぞ……イカン、初対面がコレだったあの二人なら兎も角、知り合いがこの格好してるの本当に不味い気がする、主に社会的に……‼︎)

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

逃げ込んだ工業地帯は封鎖され、周囲では、特異災害対策機動部の職員が、各々の作業に当たっている。

 

先の少女も無事保護されたようだ。

それを見守る響の表情も明るい。

と、そこでふと思い出す。

自分を助けてくれた、紫の彼はどこに行ったのかと。

視線を彷徨わせている響に、近づく影が一つ。

 

「何かお探し?」

「え?」

 

背後から声をかけられ、振り返った先、何処かの組織の制服と思われる格好をした女性が。

その手には、湯気の立つ飲み物が。

 

「あったかいもの、どうぞ」

「わぁ、あったかいもの、どうも」

「それで、何を見ていたの?」

「あ、えっと、そのさっき助けてくれた紫の人、何処に行ったのかな〜って」

「あぁ、彼ね。私たちがこうやって来る時には、いつも何処かに行ってしまうのだけど」

「……仲間じゃないんですか?」

「アハハ……複雑なの、色々と」

 

へぇ〜と返事を漏らしつつ、手元に目を向ける。

慎重に息を吹きかけ、ゆっくり口に。

 

「ふはぁ〜」

 

気の抜けた声が漏れる。

その時、響の体が輝きだす。

 

「ふぇ?」

 

パッと弾けるように元の制服姿に戻った。

思わず姿勢を崩し、手から飲み物がこぼれ落ちる。

 

「わっとったっとったぁ!」

「おっと!」

 

踏ん張りが効かず、後ろに後退する。

その背を支える手が。

 

「大丈夫か?」

「あ、ありがとうございますって、か、奏さん⁈」

 

ツヴァイウィングの片翼、天羽 奏。

響の人生にとって、とても大きな影響を与えた人物だった。

そんな彼女の背後には風鳴 翼も。

 

「あ、その、また助けてもらって、ありがとうございます!」

「あぁ、そうだな。久しぶり、だな。元気してたか?」

「奏、知ってる子なの?」

「ほら、あのライブの時の……」

「!そういうこと……ごめんなさい、辛いことを思い出させて」

「い、いやいやいや!むしろ覚えててもらって、光栄というか何というk「あ、ママー!」」

 

「良かった!無事だったのね!」

 

声の方を見れば、少女とその母親が再会を喜び合っている。

 

「それでは、こちらの誓約書にサインを──」

 

タブレットを持った先の女性が二人の元に。

 

「本件は、国家特別機密事項に該当する為────」

 

何やら小難しい言葉がつらつらと並べられる。

聞かされる親子もポカンとした表情だ。

何やら面倒事の気配が漂ってきて、苦笑いを浮かべる響。

 

「アハハ……それじゃ、私もこの辺で──」

 

そう言って、その場を立ち去ろうとする響を取り囲むように、黒服スーツにサングラスの男達が現れる。

 

「え」

「貴女を、このまま帰す訳にはいきません」

「えぇ⁉︎なんでですか⁉︎」

「悪いけど、アタシ達に、二課についてきちゃくれねぇか?」

 

目の前の集団、その中央に立つ二人。

淡々と言う翼と、苦笑いを溢す奏。

 

「二課……?」

「そ、特異災害対策機動部二課、それがアタシ達の組織。さっきの事とか、色々説明しなきゃいけないんだよ」

「すみませんね、規則でして」

 

そう言って、一人の男が前に出てくる。

その手には、何やら物物しい手錠が。

 

「本当なら、身柄の拘束もしなきゃいけないんですけど」

 

そう言って、苦笑いした彼が、ある点を見上げる。

つられて響や二人が視線を上げた先、建物の屋上から、こちらを見下ろす一つの影が。

月明かりで影になっているものの、その角と、特徴的な黄色の双眸は、見間違えようが無い。

 

「あれ、アイツまだ帰ってなかったんだ」

「珍しい、普段ならとっくに姿を眩ませてるのに……」

「恐らく、彼女を心配しているのではないですか?現にさっきから、殺気のようなものをずっっっっと向けられてて、正直気が気じゃないですよ」

「「「え?」」」

「兎も角、此方としても、彼の機嫌を損ねたくないので、出来れば穏便にいきたいんです。ご協力、お願いできますか?」

「紫鬼〜!安心しろ〜!悪いようにはしないからな〜!」

「やめて奏、もう夜も遅いのだし、あまり大声は……」

 

(響……南無、せめて無事に帰ってきてくれ……)

 

「え、え〜〜…………」

 

この後、拘束はされなかったが、やはりガチガチの警戒状態で、二課本部、リディアンまで護送(拉致)される響と、それを見送る紫鬼なのであった。

 

尚、シキの自室にて、響の帰りが遅い、連絡も無いと未来から鬼電が来て、落ち着かせるのも一苦労だったことをここに記す。

 

 

 





p.s.評価バー点灯!日間ランキング入り!感謝の極み!これからも頑張ります‼︎

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