なんか俺、巻き込まれてる気がするんだけど!? 作:のびえもん
ドサッ キャッ!
「………ぐっ」
ここ、は……?
「……ん?あ!起きた?」
だれ、だ……?
「早く美衣に教えないと!」
美衣……?……あー日室の名前か……って!
「ちょっと待て!」
とりあえず今はここの情報を聞かねぇと!
「んー?どったの?」
「ここはどこだ!」
「あー、うーん、秘密って事で!」
謎の女は去っていった。ちっ、やっぱ何も話さねぇか!
「……目の前には鉄格子、かぁ……しかも周りはコンクリート…。うーんどうすっかな……」
俺は今手足を拘束されている。つってもただの縄だけどな!解けねぇけど!
「あ、あの……」
「うおわあああ!!」ビクッ
後ろから人の声ェ!!
俺はすぐさま振り向く。
「ひえっ……!」
「び、びっくりした……!なんだ、人がいたのか……。」
「……す、すみません、驚かせてしまいましたね。」
「い、いや……こっちこそごめん、なんかこう、1人だと思ってて……。」
大体こういう時は1人牢屋にぶち込まれるのが相場だろうが!くそっ!俺の独り言聞かれた!恥ずかしい!
「そ、そうですよね……どうせ私なんか……」
ま、マズい…話を逸らさなければ……!
「と、とりあえず、自己紹介しよう。俺は空野 平人。能力は劣化コピーみたいなもんだな。それで、君の名前は?」
「わ、私は
うーん…風か……。手足になんか特殊な拘束具着けられてるから無理だと思うけど、聞いてみるか。
「ちなみに、今、能力って使える?」
風川さんは首を振る。やっぱりな。
「この、拘束具のせいで、フラックスが入ってこないんです……。」
「……どうすっかなぁ。どうやって脱出しようかな。」
「やあ。脱出の話?」
「そうなんだよ。どうやって脱出しようかと思っててさぁ。」
「か、空野さん、あれ……!」
ビビるような声の風川さん。ん?何かあったか?
「?どうしたの?続けなよ。」
鉄格子の方を振り向くと、日室がいた。
「いやいつの間にいるんだよ!気づかなかったわ!!」
思わずツッコんじまった!どうやって足音立てずにここまで来たんだよ!
「私の能力さ。無音かつ割と速く動ける。便利だろう?まぁ、もう1人の仲間には負けるがね……。」
確かに便利だけど!なんでそんなんで来たんだよ!
……能力が入る感覚がする。まだ、使えない。10。
「いやぁ、ここの施設は絶妙に広くてね。能力を使わないと大変なんだよね。」
俺の表情を見てか、いらん事を喋る日室。
「ってかここになんの用だよ。まさか実験か?」
「正解ー。君が目を覚ましたって聞いてね。そこにいる風川さんと一緒に実験を受けてもらうよ。」
「そうか…。光陽はどこだ?」
俺らが実験対象の時点で、まだ殺すつもりは無い、か。
「灰凪くんは、君とは違う牢屋に入れてるよ。大事な才能だからね。君が暴れて彼が傷ついたら大変だ。」
俺を動物かなんかだと思ってんのかね?……腹立つなー。
「まぁそんな話はさておき、君たち、出るんだ。」
牢屋の鍵が開かれる。
「足の拘束は解くからね。運ぶの面倒だから。あ、暴れてもコレで眠らせるからね。」
そう言って日室は、俺と光陽を眠らせた物を出してきた。
「意外に大人しいね。君って実は利口なタイプ?」
俺の足のロープを切る。そして次は風川さんの番だが、俺は風川さんの拘束具を外している隙に、体勢を立て直し、いつでもタックルできるようにする。
「まぁ、利口なのは手間がかからなくて済むから助かるけどね───」
「オラァ!」
俺は日室に向かって、能力を使ってタックルした。2割程度の力でも、ここまで近距離なら……!
「ぐえっ!………」ガクッ
腹に向かって勢いのあるタックルをしたためか、すぐに日室は伸びた。誘拐された側だが、仮にも女にタックルして、伸ばしたため、なんか申し訳なくなった。
俺は日室の落としたカッターを、風川さんに足の指で拾って貰い、俺の手になんとか渡してもらった。そしてロープを切り、日室が落とした鍵で、風川さんの手首の拘束具を外す。
「よし、行こう!」
「は、はい!……ええっ!?」
俺は風川さんを抱き上げ、日室の能力で出口と光陽のいる場所を探す。他に捕まっている人もいればその人たちも助ける。
「多分舌噛むから口閉じて!」
速ぇ!2割でコレかよ!普通に走るよりずっといいな!
残り7分くらいか……!急がねぇと切れるな!
────────────
「平人……どこにいるんだろう……。」
僕は今、牢屋にいた。
「多分平人の事だから、僕を助けようとして、何かしたはず。でも、僕がここにいるって事は、平人は負けたんだ。」
平人が死んで無いといいけど……。でも、ああいう時に、逃がすっていう選択肢が相手にあるわけがない。もし殺されてたら……!
「くっ……!さっさと能力を使っておけば良かった……!」
コツコツ、と靴の音がする。
「やあ、君が灰凪 光陽くんか。」
やがて僕の牢屋の前で止まり、男が鉄格子から覗き込んできた。
「そんなに睨まないでくれたまえ。突然誘拐してしまった事は謝る。私たちは君の力を借りたいだけなんだ。」
どういう事なんだ……?
「私はね、君のような才能のある者を集めている。」
「なんの目的で……!」
「それは言えない。ただ、この国が良くなる、とだけ言っておこうか。さて、お喋りはここまでだ。君の力を見せてもらおうか。」
鍵を開ける。そして僕は担がれ、どこかに連れていかれそうになる。
「おおおおおおっ!」
その時
「うるるるぁ!!」
平人の姿が見えた。
「ぐおおっ!!?」
蹴り飛ばされ、遠くに弾き飛ばされる男。ついでに僕も落ちた。
「っしゃあ!ヒットォ!!٩(゚∀。)وヒャッハアアアァァァァァアア!!!!!……あ、ちょうど切れた……」
「いたた……生きてたんだね、平人!」
僕は死んでいたと思っていた平人との再開に、痛みよりも喜びの方が勝った。
「勝手に殺すな!生きとるわァ!」
安心したところで、気になっていた事を問う。
「ところで、平人が抱いている女の人はどちら様なのかな?」
「ん?俺がぶち込まれた牢屋に先にいた人。」
「あ、そうなんだ。って、その人、ちょっと酔いそうな状態になってるよ!」
「目が回ります〜〜っ」
目がぐるぐるしてて今にも転がり落ちそうだった。
「あ…えーと、ごめん!大丈夫!?」
ゆっくりと床に寝かせる平人。そして僕の足の方に回り、何かをカチャカチャとする。多分鍵だ。
「よっし解除ォ!」
そして僕を仰向けにし、手首についていた物を外す。
「これで大丈夫だな。っと、おっさんが起き上がったぞ。」
僕と床に寝かせられていた彼女は、その事を聞き、すぐさま起き上がる。
起き上がった彼女に、他人に聞こえないように小声で伝える。
「君はまだ、手を出さないで欲しい。」
「えっ、ど、どうしてですか?」
「それは………」
────────────
「ほう……貴様、日室がもう1人捕まえたと言っていたヤツか……。中々良い蹴りだったな…。」
「そりゃどーも。」
中々良い蹴りってなんだよ。Mか?武闘家か?
「日室はどうした?アイツが簡単にやられるタマじゃないのは私が良く分かっている。」
「不意打ちで倒した。腹の方にドーン!とやって。」
間違っちゃいねぇけどすげぇ雑な説明だわ。
「ほぉ……まぁ、流石にその鍵を持っていれば疑う余地もないな。だが……」ドンッ!
来るか……!さっさと横っ飛びしとくか!
「ほぉ?何をするのかは分かっていないが、とりあえず回避する、か。中々良いな。」
俺の立っていた所の地面が抉れる。なんつー威力だバカ野郎!
「これが私の能力。身体強化だ。シンプルだから強い!」
見りゃあ分かるっつーの!
「平人!」
光陽が2割程度の炎を出す。
「フンッ!」
片腕で消し飛ばす男。んだコイツ!熱がりもしねぇのかよ!やっぱ POWER is JUSTICE って事か!
「初っ端から全力で行くしかねぇ!光陽!」
「ああ!」
光陽……アイツなんかやるつもりだな……。よし!
さっきのでアイツの能力の残滓を手に入れた!
「オラァッ!」
最大出力で身体強化をする。通じる訳無ぇが、やけくそじゃい!そしてパンチじゃあ!!
「ほぉ……貴様も私と同じ身体強化型か。だが、少々筋肉が足りんようだな!」
簡単に受け止められ、持ち上げられる。ですよねー!
「うぐっ!!ぐあああああっ!!」
光陽が、炎を弾状にしているのを見た俺が、特攻し、気を逸らす事で当てる隙を作り、ぶち込む。
男が熱さで、俺の手を離した隙に、離脱する。よくもやりやがって!俺の炎も喰らえい!と、光陽の物とは大違いの貧弱な炎を出すが、そこまでダメージを与えられていないようだった。
「今だよ!」
「はいっ!!」
凄まじい風がその場に吹き荒れる。風川さんの能力だ。
男と、炎が吹き飛ばされ、天井や床にぶつかる。もちろん俺らも吹き飛ばされるが、風のバリアのようなものを俺らに与えていた風川さんのおかげで、無傷で済んだ。有能か?
つか風ってマジでバリアみてぇになるんだな。すげぇ。
そして、風が止んだ後、所々焦げて、黒くなっている男が倒れていた。
「ククク……私の負けだ……。まさかここまでやるとはな……。」
割と焦げている状態でよくまぁ喋れるな……。
「お前……
俺の方を指さし、言ってきた。
りしーばー?なんだそれは。訳が分からんぞ!
「ふ、ふふ…まさかあの……プロジェクトが……成功…していたとは……な……。」ガクッ
は?ちょ、ちょっと待て、プロジェクト?
「おい!起きろ!プロジェクトってなんの話だ!」
と、俺が胸ぐらを掴もうとしたその時、ばっ!と何かが通り過ぎ、男を回収していった。
「…………っく!私たちは、彼らの力を甘く見てたみたいだね。美衣……。近次……!」
─────────────────
その後、戦闘の影響か、施設が崩壊し始めた。
俺たちはなんとか脱出し、逃げた。
ちなみに、他にも捕まって実験されていた人たちが3人いたが、俺が日室の力が残っているうちに救出しておいたのでセーフだった。
そして警察に連絡し、色々と話を聞かれた。が、俺は目立つのが嫌なので、光陽にほぼぶん投げた。光陽は滝汗を流しながら答えていた。すまん、後は任せたぞ!
ほとぼりが冷めたくらいの頃、俺たちは学校にいた。
「今日は、転校生が来ます!」
「せんせー!男ですか、女ですか!?」
「それは見てからのお楽しみ!」
「どんな人なんだろうね?」
「………」グーグー
「また寝てるし……」
「入ってきてください!」
「は、はいっ!」ガララッ
「え、えっと……風川 あずさです……!よろしく、お願いします!」
「え……ねぇ、平人起きて?」
揺さぶられる感触で、目が覚める。
「ん……うっ……あ…っ……ふーっ。」
背伸びして、前を見ると、風川さんがいた。
「????」
なんで?
「あ、空野さん、灰凪さん、お久しぶりですっ…!」
「な、なぜこんな所に風川さんが…?」
「転校してきました。よろしくお願いします…!」
oh......
「よろしくね、風川さん。」
「よ、よろしくな。」
「一緒のクラスで嬉しいですっ…!」
こんな性格だったっけ……もうちょっと人見知りみたいな感じだったような気がするんだけど……。
まぁ、いいか。本人がなんかいい笑顔だし。
よし、俺はまた寝ますかね……。
結構長くなってしまった……。2話終わりィ!ノリで書いてたらこんなになっていました。後悔はしていない。
深夜テンションで書いたので、誤字脱字とか、ん?と感じるところとかあるかもですがご容赦ください。
次回もよろしくお願いします。