のんのんびより ― ある田舎男子の日常 ― 【ばけーしょん編更新中】 作:NIZI
アニメ二期・最終話に当たるエピソードの前編になります。
本当は一話でまとめる予定だったのですが、書いているうちに話が膨らんでしまい……結局、前後編になりました。
今回は卒業後の学校と、みんなでのタケノコ狩りのお話になります。
春の学校。
すでに卒業生になったオレは一人でいた。
窓から差し込む柔らかな日差しが、誰もいない机の列を静かに照らしている。
ついこの前まで当たり前だった光景なのに、もうどこか他人のもののように感じられた。
校舎に入る時、たまたまれんげと蛍ちゃんに会った。
二人は今日の飼育当番らしく、これからウサギ小屋に向かうところだった。
オレも特に行く当てがあるわけでもない。
なんとなく、そのまま二人についていくことにした。
そういえば――このウサギ小屋で、れんげと飼育当番をした秋の日。
一匹のウサギの策略(?)で、ひどい目に遭ったことがあったっけ。
あの時のことを思い出しながら、オレは小屋を眺めて呟く。
「あの日、閉じ込められた事が遠い昔のようだ……」
すると、れんげが平然と口を挟んできた。
「よっくん、大きいのを漏らしそうになってて、泣いてたのんな」
「それは大変でしたね……」
「うん、今も、いろんな意味で泣きたくなったよ……」
れんげさんや……、蛍ちゃんもいるんだから、その事は黙っといてくれよ……。
そんなやり取りをしながら掃除を終えると、れんげがふと思い出したように、なっちゃんから忘れた定規を取りに行って欲しいと頼まれた事を言い出した。
ウサギ小屋の鍵を返し、三人で校舎へ向かう。
春の空気はまだ少し冷たいが、空は高く澄み渡っていた。
「今日もいい天気ですね」
「そうだな、花見の日も晴れると良いな……」
校庭の桜は、すでにぽつぽつと蕾を開き始めている。
オレが東京へ行く前――三月のうちには満開になるらしく、来週には花見の予定が立っていた。
この村のみんなで過ごす、最後の思い出になるかもしれない。
そう思うと、少しだけ胸の奥がくすぐったくなる。
そんな取り留めのない話をしていると、不意にれんげが足を止めた。
「れんちゃん、どうしたの?」
蛍ちゃんが尋ねると、れんげは「あれ」とだけ言って、校舎前の水道のほうを指さす。
そこには、サンダルが引っかけてある木の棒が一本立っていた。
「"あれ"って、あの木の棒の事?」
「どこかでみたような棒だな」
首を傾げていると、れんげが胸を張って言った。
「これ、"伝説の剣"なん」
「剣? ただの棒に見えるけど」
「一年生になる時に、学校に持っていったやつなん」
「そういえば、そんなの持って歩いてたっけ?」
去年の春。
ひか姉と涙のお別れをした日の事だから、しっかり覚えている。
……確か二人は幸せなキスをしたんだっけ?(うろ覚え)
「そうなんだ。そっか、もう一年経つんだね……」
どこか感慨深そうに蛍ちゃんが呟いた。
そしてオレ達は教室へ戻る。
れんげは机の引き出しを探って、なっちゃんの定規を探し始めた。
「れんちゃん、定規あった?」
「あったん! つるつるしてるん!」
嬉しそうに掲げた定規には、妙に光沢がある。
「なっちゃん、また蝋を塗ってやがったな……」
定規落としゲームで勝つための改造処置。
どうやら、相変わらず性懲りもなくやっているらしい。
「それじゃ、帰ろうか。……先輩、どうしました?」
気づけば、オレは教室を見回して立ち止まっていた。
並んだ机。黒板。窓から見える山。
何でもない風景なのに、胸の奥から何かがこみ上げてくる。
「いや、この教室も、いよいよ見納めになるんだなと思うと……、こう、こみ上げて来る物があってな……」
「先輩……」
蛍ちゃんが少ししんみりした声を出す。
その横でれんげは首をかしげていた。
「よっくんも、忘れ物してるん?」
その質問に、オレは少しだけカッコつけて答えてみる。
「ああ、ちょっと人生の忘れ物ってやつさ……。持って帰るのに少し時間かかりそうだし、二人は先に帰ってて良いよ」
我ながら、ちょっと大人っぽい台詞だったと思う。
それに対してれんげは少し考えるように顎に手を当てて一言。
「よっくん、いつの間にか死んでたのんな……」
軽い冗談のつもりで言ったのに、幽霊扱いされた。
れんげがふと思い出したようにこちらを見上げる。
「よっくん、この後遊べるん?」
春の日差しの中で、期待に満ちた目がきらきらしている。
その視線に、思わず笑ってしまった。
「いいぞ、別に予定も無いし、何して遊ぼうか?」
そう返すと、れんげはすぐに答えを用意していたかのように言った。
「近くの竹藪に行くん、みんなでタケノコ採りするん!」
「お、いいなそれ。みんなって事は、なっちゃん達も来るのか?」
竹やぶでたけのこ採り。
この村らしい遊びだ。春の土の匂いまで思い浮かぶ。
だが、れんげの言う「みんな」は、どうやらオレの想像よりだいぶ規模が大きいらしい。
「なっつんとこまちゃんだけじゃなくて、駄菓子屋に、姉々に、ひか姉に、なっつんの兄々、後このみ姉も、みんな誘うん」
文字通り主要メンバー全員だな。それは、楽しそうだ。
二人と別れた後、オレは一人で校舎の中を歩いていた。
小学校と中学校。
合わせて九年間通ったこの建物を、ゆっくりと見て回る。
卒業してしまえば、もう「自分の学校」ではなくなる。
だからなのか、一つ一つの場所が妙に懐かしく見えた。
改めて教室全体を見回す。
定規落としを始め、色んな遊びをした場所。
授業中よりも、くだらない遊びの記憶のほうがはっきり残っているのは何故だろうか。
雨漏りを繰り返してそこら中にある多種多様なバケツと腐りきって穴だらけの廊下。
何度か穴に落ちた"おマヌケさん"は誰でしょう? そう、このオレだ。
廊下を進むと、家庭科室の前に出た。
文化祭のとき、みんなで協力してお菓子を作った部屋だ。
あの時は我ながらいい仕事をした。
階段を降りて外に出ると、プールが見える。
夏前に、みんなで掃除をした場所。掃除して水を張った後、着衣水泳をしたは良いが、学校に着替えが無くて乾くまで全員、一日中水浸しで過ごしたのも今ではいい思い出だ。
そして最後に、音楽室の前で足が止まる。
入学してすぐの頃、卓と一緒に、楽器を引きずり出して遊んだっけな。
そういえば結局、卒業生を送る歌の伴奏も卓がやっていたな。
同じ卒業生の片割れとして、オレも何か一発芸の一つでも披露すべきだったのかもしれない。
……まあ、観覧席にいた姉ちゃんに笑顔で圧をかけられたから止めたんだけど。
今思えば、それで正解だった気がする。
たぶんやってたら、また黒歴史を一つ増やす結果になっていただろうし。
そして、その日の午後。
春の山の空気はやわらかく、湿った土の匂いが風に混ざって漂ってくる。竹やぶの葉がこすれ合う音がかすかに響き、待ち時間の静けさをやさしく包んでいた。
各々、思い思いに時間を潰していたその時、山道の向こうに三つの人影が現れる。
れんげ、一穂先生、そしてひか姉――宮内三姉妹だ。
こちらに気づいたれんげが、ぱっと顔を明るくした。
「もうみんな来てるん!」
小さな足音をぱたぱたと響かせながら、れんげが一気に距離を詰めてくる。
「じゃあ、行こうか」
「行くん!」
小鞠ちゃんの一言に、れんげは勢いよく頷いた。
その後ろから、のんびりした声が流れてくる。
「ごめんごめん、ちょっと遅れたー」
軽い調子で手をひらひらさせながら歩いてくるのは一穂先生。その更に後ろには、ひか姉の姿も見える。
……しかし。
オレは思わず目を細めた。
この距離。
そして、この角度。
うーむ……。
「どうしたの、よっくん?」
姉ちゃんが怪訝そうにこちらを覗き込む。
「ここからひか姉の居る場所、オレから見て割かし急な下り坂になってるだろ? ここで抱き着く為に走って行ったら危なそうだなぁって思ってさ……」
「いや、真面目な顔でバカな事考えないでよ……」
「バカな事じゃない。安全管理は大事な事だ。な、卓!」
ジト目を向ける姉ちゃんに対して、オレは横にいる卓へ視線を送った。
だが当の本人は、こちらに目も向けず、たけのこ狩り用の平鍬を手の中でいじりながら、申し訳程度に軽く一度だけ頷いた。
意識は完全に、これから始まるタケノコ狩りへ向いているようだった。
「い、犬!?」
れんげが驚きの声を上げた視線の先。
蛍ちゃんの足元に、小さな犬がちょこんと座っている。
「れんちゃんは、見るの初めてだっけ? この子は家で飼ってる犬で、"ぺチ"って名前なの」
蛍ちゃんが説明すると、少し照れくさそうに笑みを浮かべる。
「散歩に行きたがっていたから、連れてきちゃった」
「ほぉー、かわいいんな……」
れんげは両ひざに手をつき、ぺチと同じ高さまで身をかがめる。しばらく観察するように見つめてから、左手を前に出して呼びかける。
「"ひざかっくん"! こっちおいで、"ひざかっくん"!」
「あ、れんちゃん、この子ペチって名前で……」
れんげはしばらく考えた。
「……ひざかっくん?」
「ペチだよ」
全員がそろったところで、ようやく目的の竹藪へ向かうことになった。
ざわりと揺れる竹の葉の音を聞きながら、みんなで山道を進んでいく。
いよいよ、タケノコ狩りの始まりだ。
姉ちゃんが、土の中からちょこんと顔を出した小さな芽を見つけて声を上げた。
「あ、タケノコあった!」
「沢山あるね!」
すぐ近くで探していた小鞠ちゃんも、嬉しそうに身を乗り出す。
その声に反応して、先生が平鍬を持ちながらこちらへ顔を向けた。
「タケノコの周りの土掘れたら呼んでね。鍬で切るから」
「はーい」
先生の呼びかけに、周りのみんなが元気よく返事をする。
姉ちゃんが見つけたタケノコには、すでに鍬を持った卓が駆け寄って作業を始めていた。
相変わらず行動が早い奴だ。
みんながそれぞれタケノコを探して散り散りになっていく。
その隙を見て、オレはずっと胸の奥に溜めていた気持ちを爆発させた。
「挨拶遅れてゴメン! 改めて、ひか姉! おかえり!」
そう叫ぶと同時に、ひか姉に思いきり抱きつく。
受験日の時に東京で会ったが、その時は余裕なくて遊べなかったんだから、これくらいはいいだろ。
抱きつかれたひか姉は、特に抵抗する様子もなく、オレの腕の中でふらりと身体を揺らした。
……あれ?
オレ、ひか姉に抱きついてる……?
「ひか姉……?」
「どうしたんだ、よしお? 急に固まっちまって……」
「いや、その……ひか姉がどうしたのさ!?」
おかしい。
いつもなら、こうなる前に手荒い反撃と強烈なツッコミが飛んでくるはずなのに。
されるがまま……だと?
「ひか姉! どうしちゃったんだよ!? こんな事されて大人しくしてるなんて……!」
「"こんな事"してる張本人が言うなよ……」
まさか。
これ、夢だったりする?
「ひか姉! オレを殴ってくれ!」
「はぁ!? 急に何言ってんだ!?」
「いつもの確認だから! さぁ、思い切り!」
「よっくん、前々から思ってたけど、やっぱりそういう趣味があったんだね」
いつのまにか後ろにいた、なっちゃんの呆れた声が飛んでくる。
「違うから! “マゾ”じゃねぇから!」
それと“やっぱり”とは聞き捨てならない。
なっちゃんは、そんな目でオレを見ていたのかよ!
……いや、違う違う。
話が変な方向にそれてる。
オレは慌てて話を戻した。
「ひか姉、どこか体調悪かったりする?」
「まあ今朝、夜行バスで東京から帰ってきたばかりだし、少し疲れは残ってるかな?」
「そうか、それは悪かった……」
「とりあえず、タケノコ探そうよ」
なっちゃんは、あっさり話を切り替えて山の奥へ歩き出した。ひか姉も、その後を追う。
オレは少し釈然としない気持ちを抱えながら、二人の後を追っていった。
三人で竹林の中を歩いていると、蛍ちゃんを見つけた。
その足元には、愛犬のペチがちょこちょこと動き回っている。
「ほたるん。そっちにタケノコある?」
「あ、夏海先輩。ここ、たくさんありますよ!」
蛍ちゃんが指差した先を見ると、土のあちこちからタケノコの頭が顔を出していた。
「これりゃすげぇ! 入れ食いじゃん!」
「よーし、二人とも。誰が沢山採れるか競争ね!」
「お、やるかぁ」
「おもしろい、オレに勝とうなんて百万年早い、ぜ!」
なっちゃんの勝負の誘いを受けたオレがシャベルを土に差すと、三人同時に声を上げた。
「「「うおおおおおお!!!」」」
こうして、オレ、なっちゃん、ひか姉によるタケノコ狩り勝負が始まった。
……が。
ザザザザザザザ――――。
目の前の土が、突然ものすごい勢いで掘り返され始めた。
「うお!? ペチ、土掘るのメッチャ速ぇ!?」
「ペチ……!?」
見ると、ペチが夢中になって土を掘りまくっている。蛍ちゃんはその勢いに少し引き気味になっている。
「二人とも! ウチらもペチに負けてられないぞ!」
「よっしゃ! まかせろ!」
「「「うおおおおおお!!!」」」
オレ達は再び気合いを入れる。
――だが次の瞬間。
「ペチぃぃぃ!!」
蛍ちゃんの悲鳴が竹林に響いた。
顔を向けると、ペチが自分で掘り出したタケノコに思いきり噛みついている。
「うお!? ペチ、マジ食いしてんじゃん!?」
「二人とも! ウチらもペチに負けてられないぞ!」
「よっしゃ! まかせろ!」
そう言ってタケノコに齧りつこうとしたオレの首根っこを、ひか姉はひょいと掴み上げる。
「いや、食うなよ! そこは負けろ!」
……この鋭く的確なツッコミ。
良かった。
いつものひか姉だ。安心した。
しばらくして、オレ達は掘り集めたタケノコを見下ろしながら、一息ついた。
「ふぅ、これだけ掘ったら十分かな?」
「かず姉を呼んで来よう!」
「数も多いし、オレも卓を探して呼んでくるか」
そうしてオレ達は、鍬を持つ先生と卓を呼ぶために、二手に分かれて竹林の中を歩き出した。
竹林の中を歩いていると、少し先で何かを打ちつける音が聞こえてきた。
音のする方を見ると、鍬をタケノコの根元に差し込み、足で蹴りを入れている卓の姿がある。そのすぐ傍には、姉ちゃんが優しい顔をして立っていた。
……ん?
なんだろう。二人の距離が、妙に近い気がする。
秘密の話でもしてるのか?
そう思った瞬間、好奇心がむくむくと顔を出した。
オレは二人に気づかれないよう、そっと足音を殺しながら竹の陰に身を隠し、じわじわと近づいていく。
ここなら……たぶん大丈夫だな。
気づかれなさそうなギリギリの距離まで近づき、耳を澄ます。
……。
しかし、会話は聞こえてこない。
姉ちゃんも卓も口元は動いていないし、小声で話している様子もない。
もしかして、たまたま会話が途切れてるだけか? 人間、ずっと喋ってるわけじゃないしな。
そう思って、そのまま潜伏を続ける。
そして、体感で五分ほど経った頃。
……相変わらず、何も起きない。
卓はひたすらタケノコに鍬を差し込んで蹴りを入れ続けてるし。姉ちゃんは、その様子をすぐ傍で、じっと眺めているだけだ。
なんだこれ。本当に何もないのか?
いや、でも……、なんか気になる。
もしかして、既に何か起きてるけど、見逃してるだけなのか?
そんなことを考えながら潜伏を続けていると――
「何してんだ? お前……」
突然、背後から声がかかった。
「うおっ! 楓ちゃん、いつからそこに!?」
驚いて振り向くと、そこには、楓ちゃんが立っていた。
「今来た所だが、なに隠れてんだ?」
まずい、とにかく声を出させないようにしないと。
オレは慌てて人差し指を立て、口元に当てた。
「しーっ、二人に気づかれちゃう! 静かにして!」
小声で注意すると、楓ちゃんは竹林の向こうをちらっと見て、首をかしげた。
「あいつら、思いっきり、こっちを見てるんだが……」
「……あっ」
ゆっくり振り返ると。
姉ちゃんと卓が、しっかりオレ達を見ていた。
完全にバレてる。
「よっくん……、また盗み聞き?」
姉ちゃんが呆れたように言う。
「いやいや、ソンナコトシテナイヨ……」
思わず片言になるオレ。
「そう……、って事は、私達の話は聞かれてないみたいで安心したよ。ね、すーくん♪」
姉ちゃんが卓の方を振り向く。卓は黙って頷いた。
……ん?
「は? いや、二人とも、何も話してなかったじゃん……」
オレが思わず言うと、姉ちゃんはにっこり笑った。
「やっぱり覗いてたんだ?」
「あ!? ひっかけたな!?」
「"ひっかけたな!?" じゃない。この前のひかげちゃんの時と言い、本当に懲りないんだから……」
「お前……、流石に趣味が悪いと思うぞ」
楓ちゃんも呆れ顔で言う。卓もため息をついてそれに同調した。
うわ、四面楚歌だ。素直に頭を下げるしかない。
「うう……、スイマセン……」
「じゃあ、すーくん。この続きはまた後でね♪」
姉ちゃんはそう言って、卓の肩をぽんと叩き、その場を離れて歩き出す。
……ん?
今、なんて言った?
「おい、この続きってなんだよ? 何も話してなかったろ!?」
慌てて追いかけて聞く。
しかし姉ちゃんは、涼しい顔で振り返った。
「なんで、よっくんに教えないといけないのかな?」
完全に教える気ゼロの顔だ。
ならば……。
「卓! ただタケノコ切ってたんじゃなくて、実は何かやってたのか?」
今度は卓に聞く。
だが卓は、オレの方をちらっと見ただけで、すぐにそっぽを向いた。
知らん顔を決め込むつもりらしい。
……卓のくせに生意気な。
「おーい! 本当に何も会話してなかったろ! 何!? なんか言葉を使わない二人だけのコミュニケーションでもあったの!? ねえ、ねえ!?」
気になって仕方がない。
なんか二人だけ通じ合ってる感じがして、妙にモヤモヤする……。
尚もヤキモキして落ち着かない様子のよしおから少し離れた場所で、楓が小声で問いかけた。
「このみ、まさかとは思うが……」
このみは振り返り、にやりと笑う。
「覗き見をしていた罰でーす♪」
「エグいな……」
ぺろっと舌を出しておどけるこのみを見て、楓は少し引いた顔になった。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
原作でも、このみちゃんと兄ちゃんの間には意味深な雰囲気がちらほらあるので、今回は少しだけそれを意識してみました。
ちなみに、掘ったタケノコは、この後みんなで美味しくいただきました。
ひかげ「うっ、ワサビ付けすぎたっ……」
このみ「鼻から息吐くと良いらしいよ♪」
次回はいよいよ最終回。
アニメ二期・最終話の後編に当たるエピソードになります。
……最終回するする詐欺みたいになってしまってすみません。
もう少しだけお付き合いください。