のんのんびより ― ある田舎男子の日常 ―   作:NIZI

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沖縄旅行編、ついに最終話です。

楽しかった旅も、いよいよ終わりの時間です。

少し寂しくて、騒がしくも、どこか温かい――そんな帰り道を、最後まで見届けてもらえたら嬉しいです。


第12話 沖縄から帰ってきた

 旅行最終日の朝。

 朝食を終えた「やど家にいざと」には、帰る支度を進める賑やかな空気が流れていた。

 

 部屋のあちこちでは荷物をまとめる音が響き、お土産の袋や着替えで膨らんだバッグが並んでいる。

 

「来た時より結構重くなっちゃってる……」

 

「ですね」

 

 大きなバッグを持ち上げながら、小鞠が困ったように眉を下げる。蛍も自分の荷物を抱えながら、くすりと笑った。お土産や星砂、旅の思い出が増えた分だけ、荷物も重くなっているのだろう。

 

 そんな二人のやり取りのそばで、れんげは静かにスケッチブックを開いていた。

 

「れんちゃん。そろそろ行くよ」

 

 蛍が優しく声を掛ける。

 

「そういえば、イルカの絵。書けなかったね……」

 

「うん、でも違うもの描いたん」

 

 蛍が少し残念そうに呟くと、れんげはスケッチブックを見つめたまま、小さく頷いた。

 

「良い絵が描けたん」

 

 大事そうにスケッチブックを胸に抱えながら誇らしげに答えるれんげの声は、どこか嬉しそうだった。

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

「おーいれんちょん。そろそろ行くよ」

 

 一通り荷物をまとめ終えた頃、一穂は廊下から部屋の前に立つれんげへ声を掛けた。

 

「ちょっと待ってなん」

 

 しかし、れんげは返事をしながらも、その場から動こうとしない。

 

「どうした?」

 

 部屋の前に立ち止まるれんげに対して、楓が不思議そうに尋ねる。

 

「あんなー」

 

 れんげは静かに、部屋の中を指差す。

 

「……よっくんがまだ帰りたくないって泣き出したん」

 

「「えぇ……」」

 

 一穂と楓は揃って呆れた声を漏らしながら、部屋の中を覗き込む。

 

 すると、隅で膝を抱えて座り込むよしおの姿があった。その隣では夏海がしゃがみ込み、背中をさすりながら慰めている。

 

「ううう……、ぐすっ……、すん……ううう……」

 

「ちょっ! マジ泣きじゃんか……」

 

 鼻をすすりながら本気で泣いている様子に、楓は思わず目を丸くした。

 

「やだやだ……、もう帰るなんて……、まだ遊び足りないよ……」

 

「よっくん、またいつか来ようよ……ね?」

 

 まるで駄々をこねる子供みたいな言い分だったが、それだけ今回の旅行が楽しかったのだろう。夏海は苦笑しつつも、優しく背中を撫で続ける。

 

「よっくーん。もう中学生なんだから、泣くなって……」

 

「ほらほら、男の子なんだから、しゃんとしなって……」

 

 一穂とこのみが呆れ半分に声を掛けると、よしおは涙目のまま顔を上げた。

 

「こういうのに中学生とか、男とか、関係ないって……」

 

 よしおはそう言い返した後、ふと視線を横へ向ける。その視線の先にはベッドへうつ伏せになっているひかげの姿があった。

 

「……高校生の女の子も泣いてるしさ……」

 

「泣いてねーし……」

 

「お前もか……」

 

 顔を伏せたまま否定するひかげに、楓は深々とため息をつく。

 

 そんな空気の中、涙を拭っていたよしおが突然「はっ!」と顔を上げた。

 

「どうした?」

 

 嫌な予感を覚えつつ楓が尋ねると、よしおは妙に真剣な顔で口を開く。

 

「……あおいちゃんと結婚すれば、ずっとここにいられるじゃん!」

 

 一瞬、部屋の空気が止まる。

 

「……よっくん……」

 

 夏海の目が、さっきまでとは別人みたいに冷え切る。

 

「冗談だよね? また変な事したら、今度こそ縁を切るよ?」

 

 このみも笑顔のまま、容赦なく釘を刺した。

 

「ハイ! モチロン冗談です!」

 

 よしおは即座に背筋を伸ばして答える。

 

「涙、引っ込んだな……」

 

 楓は呆れたようにぼそりと漏らした。

 

 だが、その直後。

 

「はっ!」

 

 またしてもよしおが何かを思いついたように顔を上げる。

 

「今度はどうした?」

 

「そういえば、ひか姉も泣いてるんだよな」

 

「そうだけど、それが?」

 

 このみが続きを促すと、よしおは真顔のまま拳を握り締めた。

 

「これって……泣き合う男女が抱き合って慰め合うシチュエーションでは……!」

 

 その瞬間、よしおの目が、きらりと輝く。

 

「ひっか姉ー! とうっ!」

 

 よしおは叫ぶなり、ベッドにうつ伏せになっているひかげへ勢いよくダイブした。

 

 

 

 ――そして五秒後。

 

 

 

「コイツ……油断も隙もねぇ……!」

 

「ひかげちゃんも涙は引っ込んだみたいだね♪」

 

 ベッドの上で、息を荒げながら拳を震わせるひかげ。その足元の床には、頭に見事なコブを作ったよしおが、うつ伏せで沈んでいた。

 

 部屋の中に、なんとも言えない沈黙が落ちる。

 

 ――さっきまで泣いていた空気は、どこかへ吹き飛んでいた。

 

「お前ら、とりあえずこっち来て、車に荷物積むの手伝え!」

 

「はーい♪」

 

 楓に呼ばれ、このみは軽やかに部屋を出ていった。

 

「結局いつものひか姉大好きなよっくんに戻ってるな……」

 

 夏海は呆れ混じりにため息をつく。

 

 すると、ひかげがどこか気まずそうに夏海へ視線を向けた。

 

「あ……夏海、その……」

 

「ひか姉、どうしたの?」

 

 昨夜、中庭で見た光景が、ひかげの脳裏をよぎる。少し言い淀みながら口を開いた。

 

「その、私と立場替わるか……? 事ある毎にコイツに抱き着かれたりするように、なりたかったりする?」

 

 遠回しで不器用な問い掛けだった。

 

 けれど夏海は、即座に手を振る。

 

「いや、それは勘弁。鬱陶しいってレベルじゃないし……」

 

 迷いのない全力否定だった。

 

「そうか、まぁそうだよな。悪い、くだらん事聞いた……」

 

 ひかげは小さく笑って、視線を逸らした。

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 オレは荷物を運びながら、さっきまで床のシミみたいになって気配を消して聞いていた二人の会話を思い出していた。

 

「うっとうしい……、くだらない……」

 

 思わず口から漏れる。……いや、まあ、ちょっとだけショックだった。

 

 そのまま入口へ荷物を運ぶ途中、姉ちゃんと卓が何か話しているのが見えた。姉ちゃんがオレに気づくと、そのまま駆け寄ってくる。

 

「よっくん見て! これ、すーくんから貰ったんだ♪」

 

 姉ちゃんが嬉しそうに見せてきたのは、蛇革の財布だった。

 

「お前、こんなのいつの間に……」

 

 驚いていると、卓もオレの所まで歩いてきて、今度は毛皮の財布を差し出してくる。

 

「え、オレにも?」

 

 どっちも明らかに高そうだった。

 

 けど卓は何も言わず、そのまま車の方へ歩いていく。

 

 いつも通り無愛想な背中だった。

 

 けれど、どこか少しだけ元気がないようにも見えた。

 

「あ、すーくん待って!」

 

 心配になったのか、追い掛けようとする姉ちゃんを、オレは軽く止める。

 

「姉ちゃん。今はそっとしといてやれって」

 

「……よっくん?」

 

「誰にだって、一人になりたい時はあるだろ?」

 

 姉ちゃんは少しだけ目を丸くした後、優しく笑った。

 

「そっか……、よっくんにはすーくんの気持ちが分かってるんだね?」

 

「いや? 全然!」

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 やど家にいざとの前には、出発前の少し慌ただしい空気が流れていた。

 

 荷物はほとんど車へ積み終わり、後は別れの挨拶を済ませるだけ。

 

 オレは最後に、皆から隠れて、あおいちゃんの前へ立った。

 

「ありがとう! オレ、あおいちゃんの事、すげー好きになった!」

 

 勢いでそう言うと、あおいちゃんは少し驚いた後、困ったように笑った。

 

「ふふっ、ありがとうございます。でも――その気持ちは、大事にしてあげてくださいね」

 

「?」

 

 オレが首を傾げると、あおいちゃんはそれ以上何も言わず、ただ優しく笑った。

 

 

 全員の荷物を積み終え、いよいよ出発という頃。

 

 昨日、直接島を案内してもらった四人が、それぞれあおいちゃんへ別れの言葉を掛けて車へ戻ってきていた。

 

 みんな笑顔だった。

 

 ……だけど。

 

 オレは一つ気になる事に気付く。

 

 なっちゃんだけ、あおいちゃんに何も言っていないように見えた。

 

「なっちゃん、何か話さなくていいのか?」

 

 オレが聞くと、なっちゃんは少し困ったように笑った。

 

「だってさ……あおいちゃん、今まで沢山のお客さんを見送ってるわけじゃん? ウチだけ特別みたいに思うの、なんか違うかなって」

 

「でも、なっちゃんはそれでいいのか?」

 

「え?」

 

「友達と別れる時に、何も言わないままで」

 

 なっちゃんは少し黙り込む。

 

「……もしかしたら、ウチだけが友達だと思ってるだけかもしれないし」

 

 その時だった。

 

「なっつん!」

 

 後ろから、れんげの声が飛ぶ。

 

 振り返ると、れんげは静かにこっちを見ていた。

 

 特別な事は何も言わない。けど、オレには分かった。

 

 れんげは以前、ほのかちゃんに「さよなら」を言えないまま別れてしまった事がある。

 

 だからこそ。“本当にこのままでいいのか”って。そう背中を押してるんだろう。

 

「あおいちゃん!」

 

 その想いが届いたのか、なっちゃんは小さく息を吸い込むと、再びあおいちゃんの方へ駆け出していった。

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 夏海はあおいの前に立つと、息を整えながら笑顔を作って話し始める。

 

「……帰ったら、ウチの学校の写真を撮って送る!」

 

「うん!」

 

「後、バドミントン練習して、今度は勝つから!」

 

「うん! がんばってね! ……あと、夏海ちゃんの事、応援してるから!」

 

「ありがとう、あおいちゃん!」

 

 夏海は一瞬だけ泣きそうな顔をして、それから誤魔化すみたいに笑った。

 

「……またね!」

 

「うん! また来てね!」

 

 二人は、まるでずっと前から友達だったみたいに笑い合った。

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 ここからじゃ細かい会話までは聞こえない。

 

 けれど、あおいちゃんが見せた笑顔は、さっきまでよりずっと嬉しそうだった。

 

 それを見た瞬間、オレは胸の奥にあった妙な引っ掛かりが、すっと消えていくのを感じた。

 

「れんげ、ありがとな!」

 

 オレが声を掛けると、れんげは「ん」とだけ頷く。短い返事だったけど、それで十分だった。

 

 やがて車が走り出す。

 

 窓の向こうで、あおいちゃんがずっと手を振っていた。

 

 オレとなっちゃんも並んで手を振り返す。車が曲がり角へ差し掛かり、その姿が見えなくなるまで。

 

 そして、完全に見えなくなった瞬間、自然と手が止まった。

 

 代わりに、オレは流れていく景色を見つめた。

 

 窓の外では、見慣れたはずの沖縄の海が、少しずつ遠ざかっていく。

 

 タイヤの音だけが、やけに小さく車内に響いていた。

 

 楽しかった時間ほど、終わるのは早い。

 

 昨夜、そんな事を考えていたのを思い出す。

 

 ……本当に、その通りだった。

 

 隣から小さく鼻をすする音が聞こえた。

 

 けれど、オレはあえて何も言わなかった。

 

 

 ――さらば沖縄。また会う日まで。

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 それからオレ達は、船に乗って、飛行機に乗って、電車を乗り継いで、さらにバスに揺られて――。

 

 長かった移動を終え、ようやく村へ帰ってきた頃には、空はすっかり夕焼け色に染まっていた。

 

 遠くではひぐらしが鳴いている。

 

 見慣れた田んぼ道。

 

 少し湿った夕方の空気。

 

 沖縄の眩しい海や強い陽射しとは全然違う景色なのに、不思議と心が落ち着いた。

 

 ――ああ、帰ってきたんだな。

 

 そんな実感がじわじわ湧いてくる。

 

「ついたついたー」

 

「沖縄楽しかったー」

 

「数日出かけただけなのに、久しぶりな気分だな……」

 

「そうですね」

 

 見慣れた景色にみんな解放感を露わに話を始める。

 

 和やかな空気の中、れんげが突然スケッチブックを高々と掲げた。

 

「何してんだ? れんげ」

 

「ウチの田舎に、沖縄の絵を見せてあげてるん!」

 

「そ、そうか……」

 

 真顔でそう言うれんげに、思わず感心してしまう。相変わらず独特な感性してるなぁ。でも、なんとなく分かる気もした。自分が見てきた綺麗な景色を、大好きなこの村にも見せてあげたいんだろう。

 

「みんな、明日なんか用事ある? 無かったら遊ぼうよ!」

 

「あ、大丈夫ですよ!」

 

「私は、明日は家でゆっくりしたいかな?」

 

 小鞠ちゃんの提案に、蛍ちゃんはすぐ反応し、姉ちゃんは苦笑混じりに答える。

 

 帰ってきたばかりなのに、もう明日の話か。

 

 オレはまだ、この旅行の余韻に浸っていたい気分だった。

 

 だから明日は、オレも姉ちゃんと一緒に家でのんびりするのも悪くないかもしれない。

 

 そんな事を考えていると、れんげがスケッチブックから一枚紙を外して、なっちゃんへ渡しているのが見えた。

 

「なっつん、これあげるん」

 

 どんな絵なのかまでは見えない。

 

 けど、一瞬だけ。

 

 仲良く笑い合うなっちゃんとあおいちゃんの姿が見えたような気がした。

 

「ありがとう、れんちょん」

 

 絵を見つめるなっちゃんの表情は、とても穏やかだった。その顔を見ていると、こっちまで少し温かい気持ちになった。

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 やがて自然とその場は解散になり、みんなそれぞれ帰路につき始めた。

 

「姉ちゃん、来年も行こうよ。沖縄」

 

「いや流石に何回も行ける金ないし」

 

「えー、行こうよー」

 

「無理だっての」

 

 ひか姉と先生のやり取りを聞きながら、オレと姉ちゃんは黙って後ろを歩く。

 

「でも、また行きたいん」

 

「そうだね」

 

 れんげの一言に、先生も優しく頷く。

 

 オレも心の中で全力同意していた。

 

 また行きたい。

 

 絶対に。

 

 

 すると、前を歩いていたひか姉がこちらへ振り返った。

 

「ところでさ……、お前らの家は逆方向だろ? なんでこっちに来てんだ?」

 

 

 そう。

 

 オレと姉ちゃんは、バス停でなっちゃん達と別れて、そのまま宮内姉妹の後をついて来ていた。

 

「いやー、よっくんがね……」

 

「夏休みももうすぐ終わるだろ? そうなったら、ひか姉ともお別れになるんだと思うとつい……」

 

 オレがそう言うと、ひか姉は呆れたように顔をしかめる。

 

「いや、まだすぐには帰らねえって、……だから引っ付いてくんな!」

 

「えー、良いじゃん! この旅行の最後に、ひか姉の温もりをさぁ……」

 

「まだ殴られたいか……?」

 

 拳を握るひか姉を見て、オレは素直に一歩下がった。

 

「……よっくん、名残惜しいけど、この辺で帰ろう? お母さん達も心配してるだろうし」

 

 姉ちゃんの言葉に、オレも小さく頷く。

 

 確かに、この辺が潮時だ。

 

 ひか姉を本気で困らせたいわけじゃないし。

 

「そうだな……、ひか姉、れんげ、先生。また今度! さよなら!」

 

「おう」

 

「またねー」

 

 

 そうして別れを告げ、今度こそ引き返そうとした、その時だった。

 

 

「あ、そうなん! よっくん! このみ姉!」

 

 れんげが慌てたようにこちらへ駆け寄ってくる。

 

「これ、あげるん!」

 

 そう言って、スケッチブックから一枚外してオレ達へ差し出した。

 

 なんだろうと思って受け取って――。

 

「こ、これって……」

 

「私達……だよね……」

 

 れんげは「あい」と当然みたいに頷く。

 

 そこに描かれていたのは、抱き合ってキスをする男女。

 

 ……どう見ても、オレと姉ちゃんだった。

 

 一瞬で分かった。めちゃくちゃ恥ずい。

 

「一昨日の夕食の時の二人を見て、ピンと来ましたん!」

 

 れんげは誇らしげに胸を張る。

 

 ……あー。

 

 そりゃ同じテーブルを囲んでたんだから、見られてるよな……。

 

 改めて思い返すと、オレ達、かなり恥ずかしい事をしてた気がする。

 

「れんげちゃん、ありがとうね! 大事にするよ♪」

 

 姉ちゃんが嬉しそうに絵を抱える横で、オレは頭を抱えた。

 

 ……れんげ、本当に絵うますぎだろ。

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 れんげ達とも別れたオレと姉ちゃんは、今度こそ二人だけでいつもの道を並んで歩いていく。

 

 本当に、久しぶりな気分だった。

 

 たった三日しか離れてなかったはずなのに。この景色が、少し懐かしく思える。それくらい、沖縄で過ごした時間は濃かったのだろう。

 

「さて、大分寄り道しちゃったから、二人とも心配してるかな?」

 

「なっちゃん達はとっくに帰ってるだろうしな……」

 

 隣の越谷兄妹が帰ってきてるのに、オレ達だけまだ戻ってないとなったら、母さん達も気になってしまうだろう。

 

 だから足を速める。

 

 そして、いつもの家の前へ辿り着いた。

 

 見慣れた玄関。

 

 見慣れた灯り。

 

 なのに、ほんの少しだけ懐かしく感じた。

 

 オレは小さく息を吸い込む。

 

 

「ただいま!」

 

 

 ――こうして、オレ達の沖縄旅行は終わった。

 

 けれど。

 

 青い海も。

 

 満天の星空も。

 

 光る夜の海ではしゃいだ事も。

 

 みんなで笑い合った時間も。

 

 きっと、これから先もずっと忘れない。

 

 ――この夏が終わっても。




ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

沖縄旅行編、これにて完結です。

書き始めた頃は、ここまで長くなるとは思っていませんでしたが、舞台になっている竹富島を調べていくうちに、気付けば自分でも驚くくらい、みんなと一緒に沖縄を旅していました。

青い海や、満天の星空、夜の静かな波の音――。
原作や劇場版で感じた空気を、自分なりに少しでも描けていたなら嬉しいです。

楽しい事も、騒がしい事も、少し恥ずかしい事もありましたが、最後まで見届けてくださって、本当にありがとうございました。

評価や感想、お気に入り登録など、ひとつひとつがとても励みになっていました。

そして、沖縄旅行は終わりましたが、みんなの日常はまだまだ続いていきます。

アニメ三期編でも、変わらない田舎の日々を、のんすとっぷで書いていけたらと思っていますので、もしよろしければ、これからもお付き合いください。

――さらば沖縄。また会う日まで。
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