Vシネで少しだけ見られた愛と平和の為に戦うマッドローグが見たかったので初投稿
反応次第で次回描こうかなと思っています。
2023年 日本にて
閃光が夜を切り裂く。舗装されたコンクリートの道路の上を、疾走する一つの影があった。よく目を凝らして見てみれば、それはバイクである…という事が分かった。マゼンタと白のカラーリングが特徴的なバイクで、それは轟音を奏でながら目的地に向けて一直線に突き進んでいた。
それに乗る青年も人目に付く格好をしていた。黒いジャケットにピンク色…ではなくマゼンタ色のシャツを身につけて、首にマゼンタのカメラをぶら下げ、マゼンタに取りつかれたとしか思えないような格好をしているその青年の名前は門矢士。
仮面ライダーディケイドの変身者であり、世界の破壊者と呼ばれながらも、仮面ライダーの世界を旅し続ける彼は今日もどこかの世界を通りすがっていた。彼が操縦するバイクであるマシンディケイダーは目の前の長いトンネルを抜けたかと思うと、ここで彼は自身の愛機を急停止させる。
折しも12月の季節。雪が降りしきり、視界も制限されている中で、彼の眼はしっかりと自分の前に立ちはだかる敵の姿を捉えていた。されど彼の姿に焦りは見られず、腰に巻いてある変身アイテム・ディケイドライバーには指1本も触れられていなかった。
「俺を待ち伏せるなんてな…これも有名税って奴か?」
「……………」
門矢士の目の前で立ち尽くしているのはフードを被りその顔をすっぽりと覆い隠している人物は、士の質問にも答えずに、ただじっと立って彼に殺気をぶつけていた。よく見ると、その人の腰にはハンドルの付いた赤と青の奇抜なドライバーが巻かれており、その手には紫と赤のボトルが握られている。
「ハンドレッド…だったか?俺も随分と知られたもんだ」
「……………」
ハンドレッド。悪の組織で、仮面ライダーレジェンドの世界を脅かす存在であり、数多の並行世界を侵略している強大な力を持つ組織とされている。かつてかのクォーツァーが所持していた兵士「カッシーン」軍団や巨大兵器「ダイマジーン」に加え、さらには異世界の仮面ライダーまで所有している。
彼女もその一員のようで、どうやらレジェンドの世界を一度助けた士に対する嫌がらせで差し向けられたらしい。
「………す」
「なんだ?」
「殺す」
単純明快な殺意。
彼の周囲に降りしきる雪の結晶とほぼ同じ温度の殺意をぶつけてきたフードの人物に対し、流石の士も顔からは余裕の色が消え、ドライバーの横にある武器のライドブッカーに右手を掛けて戦意を顕わにする。それを感じ取ったのか、フードの人物もボトルをドライバーへと差し込む。
『コウモリ! 発動機! エボルマッチ!』
『KAMEN RIDE』
お互いに言葉は不要。士は開けたドライバーにカードを放り込み、フードの人物はドライバーのハンドルを回転させて、二つのボトルから抽出した成分が蜘蛛の巣状となって毒々しい檻を形成する。フードの人物の手には、展開されているものと同じ成分が幹の様に肌から隆起していた。
『Are you Ready?』
告げられた音声に対しての言葉はただ一つ。
「「変身」」
『バットエンジン! ヌゥアハハハハハ…!』
『DECADE』
フードの人物を中心として、ドス黒いエフェクトが収束して全身を雁字搦めに包み込み、それがアーマーとなって装着される。パイプの様な意匠が施された白銀の装甲。仮面には羽を広げた蝙蝠を思わせるパーツが。その下には紫の複眼が敵を見据える。
その名は仮面ライダーマッドローグ。
「仮面ライダービルド」の世界においてとある科学者が己の全てを投げ捨てて成り果てた姿。
それに対して、士には周囲に横並びとなった灰色の幻影たちが出現。それらがスライドして重なると、ドライバーから幾つものプレートが出現して顔面に突き刺さり、全身にマゼンタの光が走って変身が完了。
緑色の複眼が特徴のそのライダーは仮面ライダーディケイド。
どこの世界にも属さない特殊な仮面ライダーで「世界の破壊者」という異名を持つ。
マッドローグはどこからともなく紫色の銃・ネビュラスチームガンとバルブのついた短剣・スチームブレードを連結させてライフルモードへと変形。ディケイドは銃と剣の合体したライドブッカーを構える。両者は互いの武器をもって睨み合い、そして…
「「…!」」
お互いの武器が激突し火花を散らす。金属音が喚き散らし、互いの戦意と殺意が混ざり合って睨み合う。二人を拡散とする雪が吹き飛ばされ、凍える空気が戦慄いている。
「お前…破壊する」
「やってみろ!」
仮面ライダーのいないはずの世界において二人の仮面ライダーが激突する。本来ならばあり得ない異聞の物語が、その始まりを告げるのであった。
◇
「なんてこともあったな」
「うーるさーい!なんで今それを掘り起こすかなぁ⁈」
今はその中でも小休止といった所か。門矢士はその過去をなんでもないような、取るに足らないこととして余裕そうな表情であるのに対して、彼と戦ってであろう女性は、呻くような声で苦悶の表情を浮かべている。
「いや?単なる回想だぞ?お前が過敏に反応してるだけだろ」
「それわざわざ口に出す必要ある?私がハンドレッドにいいようにこき使われてた記憶なんて何が楽しいのさ!」
「別に俺は楽しいなんて欠片も言ってないけどな」
「顔!顔がそうほざいてるよ妖怪ピンク男!」
「マゼンタだ!」
銀色の頭髪のショートカットに琥珀色の瞳が特徴的な少女・かつてハンドレッドに所属し、仮面ライダーマッドローグの変身者であった幸徳橘花は頭を掻いて士を睨みつける。ディケイドとの戦いに負けた彼女はハンドレッドによる洗脳が解除されていた。
記憶領域に問題は無く、彼女が語る所によれば、彼女は元よりこの世界の出身であり、仮面ライダーの力を得たのはごく最近でハンドレッドから洗脳された際に渡されて、これでディケイドを殺せと命じられたそうだ。力を渡し、役目を果たせればいいだけの使い捨ての駒。
出来ればそれでよし。死ねばまた次の駒を探せばいいし、そいつはそれまでだという最初から最後まで使い捨てとしか見ていないその行為、そしてそれに愛と平和を守る仮面ライダーの力を使うという尊厳破壊にも等しい所業。変身解除してからそれを聞かされた彼女はその理不尽にキレた。
本来ならばこれで仮面ライダーとはお役御免であった彼女であったが、それを承知せずにずっとエボルドライバーとフルボトルを所持していたのだ。その理由は
「いいように使われてポイ捨てされたらお礼参りの一つもしたいでしょ」
という当然の反骨精神である。しかし、仮面ライダーについては何も知らないひよっこ同然なので、あえなくその場にいた士がおやっさんポジションに収まることになった。彼は彼女の部屋にふらりと現れては宿題を称して質問を投げかけて来る。それに答えるのが彼女の仕事だった。
「今日の宿題って何?」
彼女はメモを取り出して彼の言葉を聞き取らんとする。たれ目でダウナーな印象を覚える彼女の風貌であったが、仮面ライダーであらんとすることには人一倍真面目であった。彼女のメモ帳にはこれまでの士の言葉が詳細に書き取られ、それに対する彼女の言葉がつぶさに記録されていた。
「己は何者なのか」「己は善であるか、悪であるか」「己の悪とは何か」…そういった様々な質問が記録されている彼女の指針、仮面ライダーとしての原点とも言える宝物だった。
「今日は課外授業だ、ついてこい」
「課外授業?なにそれ…ってちょっと! 置いてかないでよ!」
メモ帳は要らないと言わんばかりの態度に呆気にとられた彼女であったが、ひょいひょいといなくなろうとする彼を、慌てて追いかけるのであった。バイクは無いので士のマシンディケイダーに相乗りである。
「掴まったか?」
「うん……私もバイク欲しいんだけど」
「お前には一万年早い」
彼の愛機は、エンジンを吹かしながら目的地へと疾走する。目的地に到着するまでの間、二人はぎゃあぎゃあと口論に花を咲かせるのであった。冬の風がその門出を祝福していた。
◇
「来たか…仮面ライダーディケイド!」
機械兵士の大群を率いて平行世界を侵略するハンドレッド…彼らの尖兵であるカッシーンらが蹂躙せんと起動を待っている中で、この平行世界の侵略を任された指揮官のロウゲツは、ビルの屋上からハンドレッドの敵の姿を発見した。しかし、その様子に彼は首を傾げる。
「…後ろにいる女は誰だ?」
一瞬彼の相棒である光夏海かと疑ったが、写真で見た彼女の風貌と違うのと、変身アイテムであるキバーラがいないので除外した。となると本当に誰だろうか、こんな戦場に女性を連れてくるなどロウゲツにとっても理解しがたい。しかし、命令は命令。この世界の侵略とそこを訪れた門矢士の撃破を命令された彼に容赦の文字は無い。
大きく跳躍し、地面を割る勢いで彼らの前にドスリと鈍い音と共に大地に降り立つ。それに彼らは足を止めてロウゲツと向かい合っていた。
「俺たちの刺客がしくじったと聞いた時は焦ったが…こうすれば貴様は出向くと思っていたぞ!」
「ここまで歓迎してくれたなんてな…予想外だ」
「フフフ…今日ここで!貴様の旅は終わりを告げるのだ!このライダーのいない世界でな!」
ロウゲツの吼えるような声に応える様に背後にはオーロラカーテンが出現し、起動していないカッシーンたちが雁首を揃えて召喚される。しかし、その光景を見てもなお士の顔色は変わらず、それどころか隣にいた女性へとその場を譲ったのだ。それにロウゲツは驚嘆を隠せない。
「貴様…何者だ?」
「知らないんだ…ま、いいけど。一つだけ言ってやる」
『エボルドライバー!』
「それは…貴様どこで!?」
男の驚きも放置して、橘花は自身の青いコートを脱ぎ捨て、腰に巻かれていたエボルドライバーに2本のフルボトルを装填してハンドルを回し始める。いずれもハンドレッドによるコピー品であるが彼がそれを覚えていない事に怒りを覚えつつも、彼女は操作を続行する。
『コウモリ! 発動機! エボルマッチ!』
腰のドライバーを中心にフルボトルの成分が、天狗巣状に広がるペインライドビルダーが形成され、それが宛らこれから世界に根付かんと歪な音を立てて侵食するように広がり、彼女の全身にも同じようなエフェクトが血管の如く浮き上がって、まるで彼女が涙の血を流しているように映る。
薬指と小指を畳み、残り3本の指を折り曲げて蝙蝠のかぎ爪を再現した右手を眼前に寄せる。
『Are you Ready?』
これからの覚悟を問うドライバーに対して、彼女はそれを当然のように返した。
「変身」
『バットエンジン! ヌゥアハハハハハ…!』
「私は今日から仮面ライダーだ!」
ペインライドビルダーが蛇のように彼女に巻き付いてその体をすっぽりと覆うと同時に、アーマーが形成され、そこから蒸気の煙が汽車の出立を告げるように噴出されて、彼女の周囲を漂っていた。仮面ライダーマッドローグがここに再びの生誕を迎えたのだ。それを祝うように門矢士もまた前に出る。
「祝え!…とだけ言っておく。くどいのは嫌いだからな」
彼女は、未だに仮面ライダーというものを知らない。何のために戦うのか、その力を何の為に使うのか、そんな課題が未だ彼女の背中には山のように積み重なっている。それでも、今この場で彼女はいかなる理由であれ悪と戦う為に変身を果たしたのだ。ここに祝福を告げよう。ハッピーバースデーと。
「貴様…!俺が用があるのは門矢士だけだ!出来損ないの女なぞ眼中にないわ!」
『ジクウドライバー!』
ロウゲツは怒りをそのままにドライバーを叩きつけるようにして装着。門矢士はそれに見覚えがあったようで、驚いたような表情を見せた。
『ゾンジス!』
それと同時に、ロウゲツは自身のポケットから緑色のストップウォッチ型のアイテムを取り出して起動。ジクウドライバーの片側に装填し、傾けると、彼の背後には緑色の彩色と5つの赤い球に飾られた懐中時計のエネルギーが出現。それはカッシーンと源を同じとするある組織の仮面ライダー。
「変身!」
『ライダーターイム!』
ドライバーが一回転すると、ロウゲツの全身が深緑の光に包まれて、その肉体が変化。背後のエネルギーから打ち出された赤い「ライダー」の文字が仮面に装着されると、その全身があらわとなる。バッタを連想させる肉体。金色のパーツで留められた黒いマントが全身を隠している。額に、黄金の歯車の装飾と一対の時計の針。その中央と口を覆う蛇腹の様な白い口にはクラッシャーが隠されていた。
その名は
『カ・メ・ン・ライダー! ゾンジスー!』
大地の精霊、大自然、人造生物の力を奪い取って産まれた簒奪のライダー…仮面ライダーゾンジス。その腕には、その元になったオリジナルのライダーの力がウォッチとなってはめ込まれていた。
科学と自然。正反対の要素を持った彼らは少しの間睨み合うと、次の瞬間、その姿が消えて刹那に。雷が落ちたような轟音がこの地一帯に轟音を轟かせる。積もっていた雪が煙となって吹き荒れ、一瞬彼女たちの姿を隠したが、直ぐにその姿が現れる。
「ッ——硬い…!」
お互いの拳ギリリと肉が引き絞られるような音と共に、彼女の拳に激痛が走る。蒸気によって加速させた一撃でもこの重みだ。
『ZO!』
「ぬうん!」
すかさずゾンジスがライドウォッチを起動し、更にパワーを増幅させる。大自然の力が、たかが1ライダーを蟻の様に押し潰さんと振るわれる。
大気を切り裂くような裂帛の気合いと共に、ゾンジスの拳がもう一発と迫る。これをあくまで受け流そうとする橘花であったが、ゾンジスのスピードはそれすらも凌駕する。彼女が認識するよりも速く、彼の拳が顔面を打ち貫いた。
「あがっ!…ぐっ!」
衝撃が頬骨を軋ませ、橘花の視界が一瞬だけ白く弾けた。踏みとどまろうと足裏に力を込めるが、地面の雪が砕けて滑り、身体が半歩だけ後ろへ流れる。
——速い。
思考した瞬間には、もう次の拳が迫っていた。ゾンジスの腕が空気を龍尾のように曳き、空気を削り取りながら横薙ぎに振るわれる。橘花は咄嗟に後方へ跳ぶ。しかしその動きさえ読まれていたかのように、追撃の拳が角度を変えて食らいついてくる。
「くっ——!」
腕を交差させて防ぐ。重い。拳がぶつかっただけで周囲の雪が剝ぎ取られ、衝撃が骨と内臓へ直接叩きつけられる。歯の根が寒いわけでもないのに食い縛られ、肺の奥の空気が一瞬抜ける。そのままの勢いで膝が笑ってしまい、立っていられるのもやっとの状態となってしまう。
「…こんなものか」
ゾンジスは無表情だった。カマキリのように首を左右にそれぞれ傾けると、次の一撃の構えへと移る。
ゾンジスの首の傾きが止まると同時に、大地の雪が爆ぜる。
——来る。
橘花の認識より早く、すでに拳が目前に迫っていた。空気の膜を破る乾いた衝撃音が鼓膜を震わせ、その拳がマッドローグの腹部へと深々と突き刺さった。
「——ッぐ…!」
肺の奥の空気が強制的に押し出され、呼吸が一拍遅れる。身体が折れた瞬間、二撃目が背中へ叩き込まれた。まるで白蟻に食い荒らされて限界が来た巨木のように、橘花の体は前方へ倒れかける。
しかし転ぶより早く、腕を掴まれた。
そして次の瞬間、彼女の視界が反転した。叩きつけられたのが地面か、空か、雪か判然としない。ただ衝撃の連続だけが全身に染み込んでいく。揺さぶられるたびに吐き気が込み上げ、視界が歪む。
橘花は膝をつきながら、必死に地面へ指を食い込ませる。
——倒れたら、終わる。
その確信だけが、意識を辛うじて繋ぎ止めていた。
「…口ほどにも無いな、これがこの世界の仮面ライダーとやらか?」
ゾンジスの声は、氷より冷たかった。感情が希薄なのではない。ただ、そもそも最初から“そこに感情を入れる必要がない”という声音だった。呆れるようにして門矢士を見るが、彼は表情すら変えない。
潰してやろうかとロウゲツがその方向へと足を向けたその時だった。
「えぇ…そうよ」
重い拳をいくつも打ち込まれてボロボロな状態でも、彼女は立ち上がってゾンジスことロウゲツを睨みつけていた。膝が揺れ、装甲には若干のヒビが入って体はふらついていたが、それでも彼女は立っていた。声も立っていた。
「まだまだ新米…ヒヨコ以下の仮面ライダーよ。戦う理由も決まってない、使うライダーの性能はちょっと良く出来たコピー程度。三下り半もいいとこの、ひ弱でか弱いライダー擬き」
「その通りだ。よく分かってるじゃねぇか」
「で?」
彼女の一言にゾンジスが黙る。彼女の言葉は概ね事実だ。彼女が使う仮面ライダーマッドローグはオリジナルのデッドコピーで性能は一段階下がっている。加えて変身者の橘花はライダーの素人。自分の意志で戦うのはこれが初めてだ。
いくら仮面ライダーゾンジスもコピーであったとしても、並行世界を侵略してきたハンドレッドのロウゲツには練度では遠く及ばない。
「だから何?それが…あんたらと戦わない理由になるの?散々私をこき使ってさ…!」
彼女にとっては仮面ライダーとして戦う意義は未だ分からない。愛や平和を守る使命には程遠い。それでも、彼女の心には怒りがあった。いいように使われて捨てられ、知りもしない、責任も持てない力を押し付けられた。
「私は弱い。未熟で、ライダーとしては底辺の底辺。それでも――“私自身を壊そうとした相手”には負けられないのよ……だから立ってるの。あんたが誰より強くても、どうでもいい…私は、あんたにだけは折れない」
それでも、どんな形であっても、持った力に背を向けて逃げるのは彼女のプライドが許さなかった。
「ならば…その矜持ごと潰してやるぞ…虫ケラが」
『シン!』
『J!』
仮面ライダーシンと仮面ライダーJの力が同時に発動され、ゾンジスの左腕が大地の精霊の力によって巨大化し、その肘には細胞変化によって巨大な刃が生えていた。それが空気を切る音は、さながら大地が悲鳴を上げているようだった。
「死ね!」
ごう、と空気を掻き分けながら振り下ろされる鉄槌が橘花に迫り、あと数秒で完全にこの世から押し潰されんとしたその時だった。彼女の姿が一瞬にして姿を消し、赤い残光がその場に残る。幾つもの残像が流れるままに漂い、されど彼女の速度は埒外わ、遥かに超えていた。
「ぐおっ⁈」
驚いたロウゲツの顔面に赤い閃光と同時にカウンターパンチが入り、その体制を大いに崩される。その視界で、彼女の姿を捉えた彼は、その姿に目を見開いた。
赤い霧のようなオーラに全身を包まれているマッドローグが、いつの間にか至近距離でこちらを見下ろしていた。馬鹿な、オリジナルとは程遠いスペックのマッドローグでどうしてこんなに早く…
その疑問に答えるように彼女は呟いた。
「フェーズ1起動」
反撃の号砲が鳴る。
幸徳橘花
本作の主人公
ハンドレッドの手で仮面ライダーマッドローグにされてしまった少女らしい(本人談)
ハンドレッドからの任務でディケイドを狙い待ち伏せして交戦したが、彼の実力を前に敗北し、洗脳が解けて自由の身となったもののいいようにハンドレッドにこき使われた事実にキレて仮面ライダーを続けることを表明。
士に訴えて弟子にして貰った。士もこの世界に訪れた際の役割が彼女の師匠であった為に承認し関係が成立した。仮面ライダーとしては半人前もいい所であり、未熟でありながらもハンドレッドとの戦いを通じて成長するだろう。
性格は基本冷静だが師匠やハンドレッド関係になると口が悪くなる。ダウナーに見えるが根っこは真面目であり、それは一度与えられたマッドローグの力を捨てていないことからも伺える。
複製品ながらエボルドライバーを初見で使用し、ドライバーの副作用にも顔一つ動かさないなどの異常性が散見されるが果たして…?