イナズマイレブン 闘将と呼ばれた男のヴィクトリーロード   作:ネオニューンゴ

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 普通に仕事で疲れて爆睡キメて予約投稿忘れてました、申し訳ない。


第11話 風凪雨竜の弱点

 北陽学園サッカー部が襲来した翌日、笹波からOKを貰えた事で早速千乃会長を通して新体操部に協力を要請し柳生先輩の必殺シュート超空中オーバーヘッド(仮)の練習する環境が整った。

 ここからは冷たいかもしれないが柳生先輩次第だ、最初はボールを使わず兎に角空中戦で安定してオーバーヘッドの姿勢を作る練習をするそうだ、時間がある時にちょくちょく進捗を覗きに来ようと思う。

 さて次はDF陣の練習だ、特に古手打さん、雨道さん、幕下の3人は古道飼の『ダンシングタートル』を見て自分達も早く必殺技を身に着けたいとうずうずしている。しかし時間が多くある訳では無い、彼等には基礎トレーニングをこなして貰った上で必殺技の習得に励んで貰わなければいけないからだ。俺は3人を野球部の部室に呼び出し大量のDVDを用意する。必殺技の特訓と聞いて集まった3人はこれから何をするか分からないようで困惑している様子だ。我慢しきれない様子で幕下が代表して俺に質問をしてくる。

 

「なぁ風凪、俺達必殺技の特訓するって言われて集まったんだがこれはどういう事だ?」

 

「あぁ今から説明する、まずお前等3人には必殺技を習得してもらう、ここまではいいな?」

 

 俺の問いかけに3人は頷く。

 

「だが必殺技を3人同時に、しかもなるべく時間をかけず一から作るのはハッキリ言って無理だ」

 

「でも古道飼君の時は早く出来たよね?」

 

「あれは例外、言い方は悪いが偶然の産物に近い」

 

 俺がそう言うと3人は肩を落とし表情が暗くなる。いやそんな顔すんなよ、だからこうして方法を考えて来たんだから。

 

「だがそれは一から作る場合だ、ここにあるのは過去のフットボールフロンティアの映像の数々、そこから俺が守備を売りにしたチームをピックアップした映像たちだ、お前等これを見て自分に合うと思った必殺技をパク⋯⋯模倣しろ」

 

「え⋯⋯いや、それって⋯⋯」

 

 古手打が若干拒否の色を含ませた声色で結局パクリじゃんと言いたそうだ。しかし逆に考えて欲しいパクリの何が悪いというのか、パクリだろうとオリジナルだろうと使いこなせればそれは自分の持つ必殺技である事に変わりはない。それにフットボールフロンティア強豪校の選手はその大部分が伝統の技と称して同じ技を使う事が多い。俺がそう説明するがやはり反応は芳しくない。仕方ないこれは恥ずかしいからあんまり話したく無かったんだが話す事にしよう。

 

「俺の『ストームカット』だって元を正せば初めに練習して覚えた『サイクロン』っていう帝国学園が良く使うディフェンス技を真似して覚えたのと円堂守世代の土門飛鳥さんっていうDFの『ボルケイノカット』の元の技である『スピニングカット』を合体させた技だぞ?別に真似る事なんて恥ずかしい事じゃねぇよ、それよりダサい事があるとすれば変なこだわりで結局必殺技を覚えらんなくてチームの一員として機能しなくなる事だ、違うか?」

 

 俺の言葉を聞いて雨道が確かにと小さく呟く、他の2人もまだ心残りはあるようだが雨道さんの「もっと選手としてレベルアップして全国で戦う時には自分だけの必殺技を編みたせばいいんですわ!」という言葉に頷き各々DVDを見る作業に入ってくれた。サンキュー雨道、お前がいてくれて助かった。俺はもし練習したい必殺技があったら古道飼を練習に付き合わせて構わないと言い残しグラウンドへと足を運ぶ。⋯⋯え?何をするかって?決まってんだろ練習だよ練習!俺の本職はDF、とりわけその中でも守備的な立ち位置のセンターバックって呼ばれるポジションだ、しかし今俺が任されているのは守備的とはいえミッドフィルダー、チームの中盤を支える重要なポジションだ。守備も求められるがそれ以上にパスもドリブルも時にはシュートだって求められる機会がある。だが俺はドリブルもパスも普通止まりのレベルだし特にロングパスやロングフィート等は苦手としている。強く蹴ってボールを狙った所に飛ばすのが非常に苦手なのだ。シュート?論外だ、強い球を蹴る自信はあるがコースなんて狙いがつかん。正直普通にシュートするくらいならヘディングシュートの方自信ある。

 

「という訳でお願いします木曽路先生!」

 

 俺はウチのチームのお手本のようなミッドフィルダー木曽路兵太に師事するため頭を下げていた。

 

「いやまぁ雲明から話は聞いてたけど⋯⋯マジ?」

 

「あぁ俺にMFのイロハを教えてくれ」

 

「いやそんな頼み込まなくてもちゃんと教えっから!頭上げてマジで!」

 

 という事でまずはドリブルから見てもらう事になった。ここで百地先輩が作ったという海坊主(←何故?)ジグザクドリブルというドローンを避けながら指定された位置にドリブルで進む特訓をする事になった。フッ⋯⋯ドローンごときが俺を捉えようなんて百年早い⋯⋯そう思っていた時もありました。

 

「んがっ!?また捕まった!」

 

 結果?惨敗だよ惨敗、最初の方は強引にスピードに任せて振り切れるがドローンが密集し始めると何も出来ん。かれこれ10回程挑戦しているが一向にクリア出来る気配は見えてこなかった。

 

「あー、オッケーオッケー、大体問題点が見えてきたわ、てか音を上げんの遅すぎな?」

 

「先生!一体俺は何が駄目なんだ!?」

 

「今から説明するから先生は止めてマジで」

 

 木曽路に真顔で先生と呼ぶことを拒否されたため仕方なく先生呼びは諦める事にする。代わりに師匠と呼んだがそれも拒否された。

 

「風凪は直進する時は流石のスピードだし実際俺より凄いと思うよ、けどそれにかまけてボールタッチの数が少な過ぎるしフェイントも下手、ボール見てないのは偉いけどもっとルート選びをしっかりした方が良いよ、試しに俺がお手本見せるからさ」

 

 そう言って木曽路は海坊主ジグザクドリブルを始める、成る程確かに俺の方がスピードは早いが木曽路の方がなんというかスムーズだ、次の動作をするのに無駄が無いしボールを保持したままの切り返しが素早い。表現として正しいか分からないがそれこそ滑るようにドローンの間を避けていきあっという間に目的地へと辿り着いてしまった。思わず俺は拍手をしてしまう。

 

「おー」

 

「だからやめろってハズいな〜、でも俺の言いたい事は伝わったか?」

 

「うむ、何となくだが木曽路と比べて俺のドリブルは硬い、無駄な動作が多い気がする」

 

「それと力も入りすぎな、それでこの特訓だとあんま関係無いけどフェイントがバレバレだから」

 

 木曽路に言われた事をメモし次なるメニューへと移る。次はパス練習だ、と言っても短い距離は木曽路が走り込みそのペースに合わせてパスを出す、離れた距離はそのまま場所を変えて木曽路のいる地点にパスを出す。さて短い距離は問題なく行えたのだが離れた距離になると俺はホームランを連発してしまう。真上に上げるとかなら得意なんだが⋯⋯。

 

「むむむ」

 

「むむむ、じゃねーよ!風凪って結構不器用だろ!」

 

「失礼な!そんな事は⋯⋯あるかもしれない」

 

 思い返せば俺は美術がとても苦手だったり授業でノートをとる際面倒くさがって定規を使わないで線を引いたりするとぐにゃぐにゃなったりする。ポテチの袋なんてキレイに開けられないし⋯⋯うん完全に不器用だ。

 

「うわちゃー、風凪は力入りすぎなんだよなぁ〜こう抜くとこは抜く、力を入れるべき所は力を入れるって⋯⋯んー参ったなこういうのは忍原先輩の方が教えんの上手いんだよな〜、でも先輩今『春雷』の特訓で忙しそうだしな〜」

 

「そ、そうなのか」

 

 俺は内心少し悲しくなりながら木曽路の言葉をメモする、そういえば字も汚かったわ⋯⋯まぁあんま関係ないか。

 

「⋯⋯待てよ?て事は⋯⋯おい風凪、パス練追加だ、今度は受け取る側、ただしお前はゴール前に居てトラップしてからシュートだ、出来るな?」

 

「は、ハイ⋯⋯ガンバリマス」

 

 木曽路から指示された練習に俺はカチコチになりながら答える⋯⋯いやもしかしたから何かの奇跡で出来るようになってるかもしれん。という訳で練習開始。

 

「ほっ」

 

バイーン

 

「よっ」

 

コロコロ

 

「はっ」

 

スカッ 

 

「ストップストップ!予想はしてたけど酷いな、お前トラップ下手過ぎだろ!」

 

「オレ、トラップキライ」

 

「まじかよ⋯⋯ボールのコントロール全般下手過ぎる⋯⋯こりゃ猛特訓だな、待ってろ雲明に相談して特訓メニューを作ってきてやるから」

 

 さてこうして俺の弱点が完全に露見し木曽路、笹波、百地先輩特性の俺専用特訓メニューが完成した。2回戦まで俺はこれしかやらなくていいらしい、全くチームの愛に涙がでるぜ⋯⋯そしてしれっと百目階段ダッシュの文字がある事に更に涙を禁じ得ない。まあ弱点はそのままにしちゃあ駄目だよな?ウン。ちなみにもうちょいディフェンス練習を取り入れて貰えないか笹波に聞いてみた所弱点を残したまま円堂ハルに勝てるのか?というありがたいお言葉を頂き練習メニューは変更無しとなった。

 

 さて特性メニューを消化し終えた俺は百目階段ダッシュでクールダウンを終えた俺は早々に荷物をまとめると海公園へと足を運ぶ、何のためかって?当然特訓のためだ。既に日が落ちたこの時間なら人もまばらだし態々この芝生の生えたエリアにいる人は少ない。加えて海公園はとにかく広い、練習するならうってつけの場所という訳だ。⋯⋯なんで学校のグラウンドでやらないのかって?出来ない事はないが顧問の香澄崎先生に迷惑掛かる、そら自分が顧問してる部活の部員が居残り練習なんてしてたら帰ろうにも帰れないだろ。まぁ1人だとトラップの練習は出来ないのが難点だが⋯⋯こうやって練習時間を増やしてパスとドリブルの精度を上げ、なるべく部活の時間はトラップの練習時間の割合を増やしたいってのが俺の狙いだ。という訳で比較的取り組み安いドリブルからだ。

 

「ほっ⋯⋯はっ⋯⋯んぎっ!」

 

 30分程フェイントやターンを織り混ぜたドリブルをひたすら繰り返すが本当に無駄に力が入っている。ボールを上から叩くようににして足の内側で急激に切り返す、いわゆるチョップドリブルとかの類は得意なんだが⋯⋯。まぁ始めたばかりで問題が修正されるなら苦労はしないだろう。

 

「しっかしこんなに意識してドリブルの練習するのはサッカー始めたての頃以来かもな、あの頃はFWになりたかったし、ファイアートルネードごっことかよくしたなぁ⋯⋯爆熱ストームの方が好きだけど」

 

「そうなんだ?」

 

 俺が昔を懐かしんで思いを馳せていると突然後ろから声を掛けられる。思わず後退りし声の主へ視線を向けるとそこには忍原先輩がクスクスと笑いながら立っていた。

 

「え?⋯⋯あ⋯⋯ちわっす!」

 

「雨竜びっくりしすぎでしょ?ちょっと傷つくなぁ〜」

 

「あーいや、そのすんまんせん、どうしたんすか忍原先輩、こんな時間に女子1人は危ねーっすよ」

 

「あら意外、雨竜ってそういう気遣いできるんだ?どうしたって聞かれたら、一緒」

 

 そう言って忍原先輩は肩に掛けていたカバンからサッカーボールを取り出す。 よく見れば忍原先輩の格好は制服でなければ練習着でもない、ラフで動きやすそうな格好だった。

 

「あー成る程っす」

 

 俺がそう言うと忍原先輩はキョトンとした表情で俺を見てくる、なんだ?なんか失礼な事言ったか俺? 

 

「意外とか思わないわけ?私結構ダンスやってた時から一人で練習とかしてると意外とか言われるんだけど⋯⋯」

 

「練習すんのが意外ってなんすかそりゃ、そりゃ自分が足りないって思ったら練習位するでしょ」

 

「へ〜、皆私の事結構天才にしたがるからさ〜、新鮮だなって」

 

 なんじゃそりゃ?天才だって秀才だって普通の奴だって下手くそだって練習はするだろ、練習しないで実力を発揮するのなんて創作物の中の人間だけじゃないか?俺がそう返すと忍原先輩のツボに入ったらしくそりゃそうだとケラケラと笑っていた。うーむよく分からん。

 

「そうだ木曽路から聞いたよ、ドリブル、練習してるんでしょ?良かったら一緒にする?」

 

 そういえば木曽路が俺の問題点は忍原先輩が教えるのが上手いと言っていた事を思い出す。確かに俺にとっては願ってもない誘いだが⋯⋯。

 

「先輩、対北陽に向けて必殺シュートの練習しにきたんじゃないんですか?」

 

「まぁ勿論そうだけど、可愛い後輩が困ってるなら先輩として胸を貸すのが務めでしょ?」

 

 うーん、果たして良いものだろうか?と俺が考え込むが結局忍原先輩の押しに負けてドリブルを見てもらう事にした。俺は先程していたようにドリブルを始める。何気に人に見られながら練習するのって緊張するな、いや木曽路の時に緊張してなかったかと言われたらそういう

 

「⋯⋯クッ⋯⋯むんッ!」

 

「オッケー、大体分かった」

 

「えっ、もうですか?」

 

 まだ始めて5分位なんだが⋯⋯俺ってそんなに分かりやすいのか?

 

「よーし、それじゃ来夏師匠が雨竜の問題点を教えてしんぜよう」

 

「お願いします師匠!」

 

「うむ、大変ノリが良くてよろしい!さて雨竜の良くない所なんだけど、足だけでドリブルしようとし過ぎ、全身を使わなきゃ!それと次の動作を意識しすぎかな?こうダンスで言うとキビ!キビ!キビ!みたいな?ダンスでいうとロッキンとか得意そうだよね」

 

 俺はポケットからメモ帳を取り出し忍原先輩に言われた事をメモしていく。すると忍原先輩は俺がメモを取り終えたのを確認してからダンスで俺の動きを表現し始める。言葉で聞くとよく分からなかったがこうして動きで説明されると分かりやすい。忍原先輩の踊っているダンスは激しい動きから制止しまた激しい動きからピタッと止まる。

 

「で、私流の考え方なんだけどフェイントとかはワックとかの動きのイメージでやってるんだよね、ダンスで表すとこう!」

 

 すると忍原先輩は流れるようにぐにゃぐにゃとしたダンスを踊り始める、うんこれに関しては俺の語彙力が完全に足りないわ。まぁでもイメージとしては伝わったか?

 

「これをドリブルにしてみるから見ててね?」

 

 そうして忍原先輩はドリブルを始める、成る程忍原先輩のドリブルは動きにムラがない、一連の動作がスムーズだ、それでいて緩急を付けられている。さらに切り返しの時は全身のバネを使っていて動きの初動が分かりづらい。確かにこういう選手は守っていてこちらから仕掛けるタイミングを図りずらく逆に仕掛けられて抜かれる事が多い気がする。

 

「あと勘違いして欲しくないのは一概に風凪みたいなドリブルが悪いって訳じゃないよ?」

 

「えっ⋯⋯そうなんですか?」

 

「そうそう、逆に私は風凪みたいな動き苦手だしね、無理にしてもフィジカル負けしちゃう時もあるし、それでもしなきゃいけない時もある、おんなじような動きばっかりしてると分かりやすいでしょ?だから要は使い分けが大事って事、無理に自分に合わない事を一生懸命やり過ぎて自分の良さを殺しちゃったら本末転倒だし」

 

 成る程成る程、やはり別の道とはいえダンスで頂点に立った事のある忍原先輩の言葉は不思議と重みがある。それでいて胸にストンと落ちるんだもんなぁ⋯⋯やはり先輩は偉大だ。

 

「でも出来ないままは悔しいんでもうちょい形にしたいのも本音っす、また意識してやってみるんでご指導お願いしやす!」

 

「うんうん、その意気や良し!」

 

 ちなみに忍原先輩の教えを意識して再度やってみたが今度は流れるような動作を意識し過ぎて持ち前のスピードが落ちてしまった。まぁ言われてすぐ出来たら今頃俺は天才サッカー少年の名を欲しいがままにしていただろう、出来ない事は練習あるのみだ。

 忍原先輩曰くかなりマシになったとの事だが⋯⋯、とはいえひょんなタイミングで忍原先輩と話す事が出来たのは良かった。同じ部活の仲間、これからフットボールフロンティアを戦い抜いていく戦友だ、たまにはこんな機会があっても部活らしくていいので?と思う。おもっくそ部活の時間外だけどな、それはそれとして忍原先輩の練習にあまりなってなさそうなのはちょっと申し訳なかった。 

 

 

 

 

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