イナズマイレブン 闘将と呼ばれた男のヴィクトリーロード   作:ネオニューンゴ

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 今さらながらではありますがお気に入り登録や感想、評価、誤字報告等ありがとうございます。大変嬉しく思っており執筆の励みになります。
 話は変わりますが作者は現在クロニクルモードをやりながらその合間にこの作品を書いているのですがやっぱり三国先輩の勝利の女神〜のくだりは胸が熱くなりました。


第4話 闘将本領発揮!決着二戸川中!

 南雲原中vs二戸川中の練習試合、前半を終えハーフタイムに入り南雲原イレブンはベンチへと集まる。試合は2v3と負け越しているがその表情は明るい⋯⋯がチームの士気も保たれているとはいえ前半でスタミナを使いすぎた感は否めない、特にキーパーである四川堂先輩の汗の量は尋常じゃない。それも仕方のない事だろう、あれだけ自チームのゴールが危険に晒されればキーパーの受けるプレッシャーは並大抵のものではない。一応フォローのため俺は四川堂先輩に声を掛けに行く。

 

「お疲れ様です四川堂先輩、ベンチから見ててナイスセーブの連発でした、後半はもうちょい楽にします」

 

 タオルで顔の汗を拭う先輩は乱れた呼吸を整えた後こちらに向き直る。

 

「あぁ風凪か⋯⋯悔しいものだな、失点を重ねるとは、俺もこれ以上の醜態は晒さないよう気を引き締めるさ」

 

「ッス、よろしくお願いします」

 

 さて後大事なのはこっちチームのDFの名前を覚えねぇとだ、なんせ古道飼以外は新顔で見たことねぇし。生憎交友関係が広い訳でもないから一人も顔を見ても名前がピンと来ねぇ。まずは挨拶をするためDF陣の元へと俺は向かい声を掛ける。

 

「途中から入ってきたのに偉そうにしてワリィな、俺は風凪雨竜、多分後半からDF陣の指揮を任されると思うから名前だけ教えて貰っていいか?」

 

「おお!そうか、俺は幕下照!よろしくな!」

 

「私は古手打七南、最後のプレー凄かったね!」

 

「雨道未里科です、微力ながら頑張ります」

 

「オッケー、幕下、古手打、雨道な、それと古道飼もよろしく頼む」

 

「うん、風凪君がチームに入ってくれて嬉しいよ!」

 

「待てよ、アタシも忘れんなMFの星美哉だ、さっきのアンタ最高にロックだったぜ」

 

「お、おう?ありがとな星」

 

 さてこれで俺がやるべき事は終えた、後は指揮官様から後半どう動くべきか聞かせてもらおうじゃねぇの。

 

「よし、皆聞いて、後半DF陣の指揮はある程度風凪君に任せるから彼の指示に従ってほしい」

 

「了解、それより俺の本職はDFなんだがMFのままでいいのか?」

 

「風凪君の能力を守備だけで遊ばせておく程ウチのチームに余力はない、君はDMFとしてチームの心臓として動いて貰う、攻守の切り替えは君次第だ」 

 

 成る程ね、まぁMFは出来ない訳じゃないから指揮官様がそう言うのなら受け入れようじゃねぇの。

 

「加えて君は僕の戦術から意図を理解出来る筈、君を中盤に置いて攻撃陣守備陣共に僕の指示を噛み砕いて速やかに伝達する事でチームの動きはスムーズになる筈、チームを生かすも殺すも君次第だ」

 

「おー怖い、一番のルーキーにプレッシャー掛けてくれるねぇ」

 

「君なら出来ると信じてる、さぁ攻撃面だけど相手チームは桜咲先輩の必殺シュートを見て確実に桜咲先輩の方にマークを割いてくる筈だ、だから忍原先輩、後半は先輩を中心に攻撃を組み立てます、忍原先輩も練習していた必殺シュートがある筈ですからそれを狙いましょう」

 

「オッケー、遂にお披露目って訳ね」

 

「相手のボールを奪ったら風凪君が運んで柳生先輩に渡して、柳生先輩はチャンスがあれば自分でゴールを狙いにいって構いません、ですがベストは忍原先輩の所までボールを運ぶ事です」

 

「分かった、って事だ頼むぜゴールデンルーキー君」

 

「ッス!よろしくお願いします」

 

 後半は柳生先輩との連係が必須って訳ね、それで忍原先輩の必殺シュートで得点して相手に忍原先輩もポイントゲッターである事を認識させて桜咲先輩に着くマークを分散させようって魂胆な訳だ。

 

「そろそろハーフタイムも終わりだ、皆勝ちにいくよ!」

 

「「「「「「「「「「「おう!」」」」」」」」」」」   

 

 さてピッチに並び相手ボールからスタートだ、とはいえ相手の手は何となく読めてる。どうせ忍原先輩サイドから攻めてくる気だろう。

 

「ほら来た⋯⋯!古手打上がれ、敵を横に流れさせるな!柳生先輩はドリブルコースを塞ぎに行って下さい!」

 

 サイドバックである古手打のラインを上げさせサイドからの進入を予め防ぎフィジカルのある柳生先輩に相手選手のチェックをしてもらう、するとどうだろうか、相手の選択肢は層の厚い中央を突破するか逆サイドにボールを流すかしか無くなる。個人技で突破する択もあるが柳生先輩を前にそれは容易じゃないだろう。

 自分が起点になるべくMFの選手が中央に上がってくる、俺はその選手の間に入ってやれば⋯⋯。

 

「へへっパスカット成功ってな!」

 

「攻めに転じるんだ!左サイドの選手は上がって、木曽路!中央に!」

 

 成る程ね、笹波は揺さぶりを掛けようって訳だ、こっちの本命を木曽路、桜咲先輩のルートだと思わせたいのね。なら俺がすべき事はドリブルで木曽路に近づきつつ決してこちらから無理に仕掛けず柳生先輩が上がって来るのを待つ。当然相手チームは俺の動きから木曽路へのパスルートを探そうとしてると思われる訳だが⋯⋯。

 

「くっ貰った!」

 

 

 無理矢理ボールを奪おうとスライディングしてきた相手選手を躱して後ろから走り込んでくる柳生先輩にボールを繋ぐ、当然桜咲先輩を警戒していた相手チームは左サイドの警戒が薄く柳生先輩は敵陣を切り裂いていく。それでも桜崎先輩からマークを外しきれないのはそれ程『剛の一閃』が相手にとって脅威という事だろう。柳生先輩はドリブルで1人躱し忍原先輩へパスを出す。

 

「決めろ忍原!」

 

 相手の裏を抜けていた忍原先輩はシュートの体勢に入る。

 

「皆が繋いでくれたボール!必ず決める!『ぐるぐるシュート』!」

 

 体の柔らかさを活かし独特なフォームから放たれた強烈な回転の掛かったボールは相手ゴールへと進む。キーパーは触る事には成功したが回転が強すぎて手から逃げるようにボールは弾かれそのまま相手ゴールへと突き刺さる。

 

「やった!2点目!これで同点!」

 

「ナイス後輩、見事な攻守だったぜ」

 

「柳生先輩も、ナイスドリブルです」

 

 柳生先輩とハイタッチを躱しベンチにいる笹波へ視線を向けると満足そうに頷いている。まぁお眼鏡にかなったようなら良しとしよう。 

 さてとはいえ後半は始まったばかり相手チームの選手達も絶対のこの後の点は自分達が取ると言わんばかりに目をギラつかせてやがる。ここから二戸川中の本領発揮といったところか?

 試合再開の笛が鳴り相手ボールから試合は始まる、とはいえ静かな立ち上がりでボールを回しながらこっちの出方を伺う様子だ。どう動くべきかベンチへ視線を送ると笹波は攻めさせるよう指示をする、この試合で守備陣にも自信をつけさせようという狙いがあるのだろう。一応柳生先輩と木曽路にいつでもカバーに入ってもらえるような位置にいるよう指示し相手の攻撃を待つ事にする。

 すると相手は前半のようにこちらが守りに入ったと踏んだのか長い縦パスから一気に仕掛けてくる。

 

「仕掛けてくるぞ、幕下と古道飼は中央警戒!古手打と雨道はサイドにボールがきたら積極的に仕掛けろ!フォローする!」

 

 相手はサイドから切り崩そうとするが俺が中央に位置しサイドのフォローをするような動きを見せると途端にバックパスを駆使してサイドチェンジを敢行する。右に左にフォローに走る俺だが流石にカバーしきれず右サイドの雨道が懸命にボールを狙いに行くが俺が少し遅れそのまま中央ゴール前ペナルティエリア目前までパスが通る。ボールの先にいるのは相手の背番号10つまりエースストライカー、ここは是が非でも決めたい筈。相手選手の闘志に当てられて古道飼と幕下はボールを奪う動きを見せようとするもそれを俺が制止し急いで中央へと戻っていく。

 

「2人ともコース塞げ!幕下は右!古道飼は中央!四川堂先輩!俺を見てて下さい!」

 

 俺の声を聞いた2人は何とか踏みとどまると相手ストライカーは苛立ちを隠さず右足を振り抜く、ゴール左隅へ放たれた力強いシュートに俺は足を伸ばし何とか振れる事に成功する⋯⋯がそれまでで留まり多少威力は殺せたがボールの勢いは死んでいない。

 

「ちっ!サボってたツケが来たか、頼んます四川堂先輩!」

 

「任せろ!」

 

 四川堂先輩は持ち前の反射神経でボールに対して体を正面に置き両手でしっかりとボールを捕球する事に成功する。

 

「ナイスセーブキーパー!」

 

「ナイスディフェンスだ!さぁ反撃と行くぞ!上がれぇ!」

 

 高々と蹴り上げられたボールは木曽路の足元へと収まる。

 

「さぁて反撃開始ィ!行きますよ先輩方!」

 

 木曽路がドリブルで相手陣地へと進入して行くが攻撃に人数を割いた二戸川イレブンはまだ守備の態勢が整っていない。さらにFWの2人も相手DFラインの所まで上がっているため木曽路からボールを奪いに行く事も難しい。結局木曽路はそのままゴール前までボールを運びシュートを選択、相手キーパーも必死に食らいつき木曽路のシュートを弾く事に成功するがこぼれ球を桜咲先輩が押し込みこれで逆転ゴール達成だ。

 

「ハァハァ⋯⋯やったの?僕達逆転したの!?」

 

「これがカウンターってやつか!?」

 

「凄いです!私達ちゃんとサッカーできてます!」

 

「これはDFにハマっちゃいそうだね!」

 

 この得点をなにより喜んだのは守備陣だ、彼等は皆サッカー未経験者であり練習試合とはいえ今回が初の試合、そして自分達が起点となって得点に貢献出来たとすれば計り知れない喜びだろう。そんなアイツ等の姿をどこか懐かしさを覚える。俺もサッカー始めたての頃はあんな感じだったなぁ。とはいえ試合は最後まで何があるか分からない、決してアイツ等を咎める訳じゃないが俺まで気を抜く訳にはいかねぇ、これで逆転されましたなんて洒落にならん。ここは一つ経験者の2人にさりげなく声を掛けておくか。

 

「木曽路、柳生先輩、次速攻注意で、後半も残り半分位だし相手だって逆転狙ってるはず」

 

「おお、オッケーオッケー、速攻警戒な!」

 

「ハッ敵の策もお見通しって訳か?怖いねぇ後輩」

 

「アタシも忘れんなよ、次はブチかましてやるぜ!」

 

「おう、奪ったらボール回すからな、頼むぞ星」

 

 チームの空気は若干浮足立っているが中盤が気を引き締めれば話は変わる筈だ。試合再開後予想通り敵チームの戦術は速攻、しかし分かってれば対応のしようは幾らでもある。木曽路が追い込み俺がボール奪取し星へ回す、星が一人ドリブルで抜き柳生先輩へとボールを回すとそのままゴールを奪う活躍を見せる。これにより星は初ゴールアシストとなりその表情はムスッとしたものの中にどこか満足気なものを感じた。

 この追加点で笹波は完全に陣形を守備的なシフトに切り替え逃げ切りを狙う。少しヒヤッとする場面もあったが失点する事無く逃げ切りに成功、こうして南雲原中vs二戸川中の試合は5対3で南雲原中が勝利を収める事が出来た。

 勝利に沸き立つ南雲原イレブンを尻目に俺は笹波の元へと向かう。

 

「どうですか風凪君今後悔してますか?」

 

「どうだろうな、ただお前に背中を押されたのは事実だ、まぁ乗せられたのは癪だが、でもいいのかよ?その村地って奴俺が入るとせっかく入部してくれたのに速攻スタメン落ちじゃねぇのか?」

 

「あぁ⋯⋯彼なら」

 

 笹波に視線で促されそちらの方へ目をやると村地は柳生の元へ駆け寄り盛大に勝利を祝っていた。

 

「柳生さん!ナイスプレーでした!俺感動しましたよ!」

 

「あぁ、すまんな村地、突然試合の助っ人を頼んで、お前だって野球部があるのに」

 

「いえいえ!柳生さんのためならこれくらいなんてことないです!」

 

 て事はつまり⋯⋯あの村地って奴野球部かよ!そういやどっかで見た顔だと思ったら笹波達が野球部に喧嘩ふっかけてサッカーしてた時におもっくそ柳生先輩のチームに居たわ!だからどっかで見たことあると思ったのかよ!

 

「テメェ笹波!汚えぞ!」

 

「これでようやく南雲原イレブンは完成した訳です」 

 

 俺が笹波に抗議すると後ろから柳生先輩と桜咲先輩から肩を組んでくる。

 

「諦めろ、雲明に狙われたのが運の尽きだ」

 

「俺等もやられたから気持ちは分かる、だが悪い気はしないだろ?」 

 

「納得いかねぇーーーー!!!!」

 

 こうして正式な南雲原イレブンとして始動した俺達、だがこれから待ち受ける強敵達とそしてアイツとの数奇な運命の話はまたこの後の話ってやつだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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