イナズマイレブン 闘将と呼ばれた男のヴィクトリーロード   作:ネオニューンゴ

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 練習の後は練習、その後は必殺技を生みだすための特訓。はいすみません、次回はちゃんと試合に行きますのであと1話だけお付き合い下さい。


第7話 編み出せ必殺技その名はダンシングタートル!

 いよいよフットボールフロンティア初戦まで残り数日を切った。練習にも更に熱が入りチームは良い状態になりつつある。かくいう俺も来る日も来る日も百目階段の登り降りを繰り返し全盛期の体力⋯⋯とまでいかなくても普通に試合する分には問題ない程度の体力は付いてきた⋯⋯と思う。そんなある日俺は掃除当番に当たってしまったため少し遅れて練習に参加するため部室へ向かっていると古道飼が別の生徒に絡まれているのを発見する。

 雰囲気的に見てどう考えても友達⋯⋯って雰囲気じゃねぇよなぁ?こんなくだらん事で大事な試合前に古道飼のメンタルにダメージを負わせるのもしょうもないしここは助け舟を出してやるとしよう。

 

「オイ何とか言ったらどうなんだ?そんなんじゃ忍原先輩の足引っ張るんじゃねえの?」

 

「言えてるな、何とか言ったらどうなんだ?変わりに俺が試合に出てやろうか?」

 

「おい」

 

「何だよ邪魔すんな!」

 

「今取り込み中⋯⋯ってヒィ!?風凪!?」

 

 古道飼に絡んでる生徒の一人が俺を見るとその表情を強張らせる、がそんな事は関係ねぇ。

 

「ソイツ俺のダチなんだよ?ちょっとシャイな所があるからよぉ?話なら代わりに俺が聞くぜ?」

 

 こういう弱いものイジメをするような手合いは自分より格下だと思い込み尚且つ反撃してこない奴に対してつけ上がるんだ。だから一発ガツンとかましてやれば下手に手を出してこねぇだろ。

 

「まさかとは思うけどイジメじゃあねぇよなぁ?もしそうだったら⋯⋯わかってんよな?」

 

「「ヒィ〜!すみませんでしたぁ〜!」」

 

 古道飼に絡んでいた2人の生徒はさらに凄んでやると謝りながら校舎の中へと消えていった。二度と古道飼をイビるんじゃねぇぞ馬鹿野郎!

 さていじめっ子野郎二人組を追い払い俺は蹲っている古道飼に声を掛ける。

 

「悪かったな古道飼、俺がムカついて絡んじまった、まぁやっちまったもんはしゃーなしだ、練習行こうぜ」

 

「⋯⋯あ、うんありがとう風凪君」

 

「俺は俺のやりたいようにやっただけだから気にすんなよ、今日はスライディングの特訓だ、張り切っていこーぜ?」

 

 という事でやってきましたグラウンドへ、俺と古道飼以外のメンバーは既に揃っており皆練習メニューをこなしている。

 

「さーて今日は⋯⋯」

 

「こんにちは風凪君、それじゃあいつもの行ってきて下さい」

 

「ですよね〜」

 

 という事で今日も今日とて俺の練習は百目階段ダッシュから始まる。とはいえこの数日間結構な回数行っているので慣れてきてはいる、いまじゃあ海坊主の銅像すら可愛く見える⋯⋯いやウソ、そこまででもねぇわ。

 さてグラウンドに戻り俺もDF陣の練習に混ざる、今日は古道飼にも言っていた通りスライディングの練習⋯⋯なのだが。

 

「うぅ⋯⋯やぁっ!」

 

「亀雄〜?そんなスライディングじゃボール取れないぞ〜?」

 

 古道飼がどうやら苦戦しているらしい、まぁ俺から見るとスライディングの動作自体はしっかり出来てるんだがやっぱり思い切りが良くない。

 

「どうした古道飼?スライディング自体はしっかりできてるからもっと自信もっていいぞ?」

 

「あっ風凪君⋯⋯いやそうなんだけどこれで失敗したら相手にフリーでシュートを打たれると思うと中々自信もって出来なくて⋯⋯」

 

「ふむ⋯⋯」

 

 成る程、古道飼はやはり自分に自信が無いらしい、そんな人間に自信を持て⋯⋯というのは逆効果だろう。それで萎縮してしまったら元も子もないしな。なら古道飼に自信を持たせるにはどうするか⋯⋯少し早い気もするが編み出すしかないだろう、必殺技を。

 

「よし、そうと決まれば善は急げだな」  

 

 という事で俺は笹波に許可を取りに行く。笹波は最初は難色を示したがそれが古道飼の自信に繋がるならと最終的にOKを出してくれた。

 という訳で俺と古道飼、それと面白そうだからという事で忍原先輩も何故か面白そうだからと付いてきて必殺技を編み出すための特訓をする事になった訳だ。

 

「よーし雨竜!2人でビシバシ亀雄を鍛えるわよ!」

 

 なんか楽しそうだな忍原先輩、特訓する当人よりも気合入ってるんじゃないか?

 

「で?必殺技の特訓ってどうするの?」

 

「うーむ、古道飼、お前なんか得意な事あるか?」

 

「え⋯⋯?いや特には⋯⋯?」

 

 まぁ古道飼ならそう答えるよなぁ⋯⋯とはいえ俺も古道飼の事を良く知ってるかと言われるとそういう訳じゃない。見た目の割に俊敏な動きが出来る事位なもんだろう。となるとその見た目というかガタイを活かした必殺技が良いか?

 俺がどうしたものかと思案していると忍原先輩が何かを思いついたようだ。

 

「⋯⋯そうだ!亀雄あの動き!アレが役に立つんじゃない!?ほらあのいじめっ子共を撒いた!」

 

「え⋯⋯ていうか来夏さん見てたんですか!?うぅ恥ずかしい」

 

 そう言いつつ古道飼はまるで亀のように体を蹲くまるとその体勢のまま素早い動きを見せ始めた⋯⋯うわぁなんか凄いな。某赤い帽子のヒゲオヤジのレースゲームで投げる甲羅みたいだ。

 とはいえこれだけだと威力としては弱い⋯⋯とはいかないが必殺技とまではいかないだろう。

 

「となると⋯⋯古道飼、スライディングの要領でその動き出来るか?」

 

「た、多分出来ると思うけど、やってみるね」

 

「おう、俺めがけてそのまま突っ込んでこい」

 

「えぇ!?そんな怪我しちゃうよ!?」

 

「多分大丈夫だから、ホレ」

 

 という訳で早速始まるのだが⋯⋯

 

「やぁぁぁ!」

 

 ヒョイ

 

「うわぁぁぁぁ!」

 

 ヒョイ

 

 流石に見てから余裕で避けられるなぁ⋯⋯うーん発想はいい気がするんだけど何か足りないんだよなぁ⋯⋯。例えば回りながら突っ込むとか?

 

「忍原先輩はどう思います?何か良い案ないっすかね?」

 

 俺の問いに忍原先輩は顎に手を当てて考える仕草をする、美人がそういう仕草をすると絵になるな本当、古道飼は微妙に鼻の下伸びてるし。

 

「そのまま突っ込むんじゃくて例えば回転しながら突っ込むとかどう?」

 

 いや俺も思ったけど⋯⋯それじゃあ本当に某ゲームの甲羅じゃん。まぁそれはいいんだけどなんつーか真っ直ぐだと簡単に避けられるから不規則性をもたらしたいんだよなぁ。こう跳ねる感じで。

 という訳で思いついた事をどんどん取り入れつつ技の朧気なイメージを固めていく。てか何回も回りながらその動作してるけど古道飼一向に目が回ってる様子ないな、三半規管が強いのか?だとしたら古道飼の新たな強みの発見だな。

 しかし避けられるとはいえ結構風圧とかもヤバいな、もう少し威力が出ればこう完成しそうなんだが⋯⋯。

 

「てかマジで大丈夫か古道飼?」

 

「うん、慣れてるからかな?僕自体は何ともないよ?」

 

 すげぇな、俺なら今頃視界がぐわんぐわんに揺れて泡吹いて倒れそうなもんだが。マジであと一歩って感じなんだがこう動きの幅というかなんだ?もう一声欲しいんだよなぁ⋯⋯。

 

「お前なんか好きなもんとかあるか古道飼?」

 

「えぇ!!えぇとそれは⋯⋯そのぉ」

 

 そう言いながら古道飼はチラチラと忍原先輩を見ている、あぁ成る程ね、ハイハイ理解理解、まぁ忍原先輩ファン多いみたいだしなぁ。入学してからまだそんな期間経ってないのに既に1年生の中にもかなりの数のファンがいるらしいしその影響力は計り知れないだろう。すると忍原先輩は何を思ったのか「分かったわ亀雄!」と言って自分の鞄から携帯端末を持って来た。この人絶対分かってないじゃん。

 

「早く言いなよ亀雄!ダンスが好きなのね!なら私がダンスで使ってた時の曲流しながらやればいいんじゃない!?」

 

「え、あ⋯⋯ハイ!」

 

 やっぱりか⋯⋯何をどう曲解したらそうなるんだ、古道飼は残念なような安心したような微妙な表情をしてるが、いいのかそれで⋯⋯。そんなやりとりがあり忍原先輩が曲をかけ始めると⋯⋯

 

「ハァァァァァ!」

 

「え⋯⋯、ちょ、ま!ぐあああああ!」

 

 何と曲に合わせて古道飼は踊るように跳ね回りその勢いで竜巻が生まれる、何とかボールをキープするために俺はその竜巻から逃れようとするが抗いきれず竜巻に飲み込まれ吹き飛ばされる。

そしてボールは古道飼の足元に収まっていた。

 

「やった!凄いよ亀雄!まさか雨竜からボール奪っちゃうなんて!」

 

「来夏さん、エヘヘ、それ程でもぉ⋯⋯」

 

「それじゃあ名前つけないとね!」

 

「そうですね⋯⋯どんなのがいいかなぁ⋯⋯?」

 

 まさかこんな短時間で必殺技が出来てしまうとは恐るべしは古道飼のセンスなのか忍原先輩の思い違いの力なのか⋯⋯あれ?俺あんま役に立って無くないか?

 なんとも微妙な気持ちになりながらもとりあえず西ノ宮中戦に対して大きな武器を一つ手に入れた事は違いないのでとりあえず喜んでおく事にした。

 ちなみに古道飼の必殺技の名前だが『ダンシングタートル』となった。俺が推した『カメオトルネード』は速攻却下された、解せぬ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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