〜とあるレース場〜
シンクロンはデビュー戦に参加するため、レース場に訪れていた
「・・・ふー・・・」
シンクロンは息を落ち着かせて、パドックに向かった
・・・
『4番人気を紹介します、8番『スターシンクロン』』
『なかなかの仕上がりですね。周囲に飲み込まれず、自分のペースで頑張ってほしいですね』
「…」
「ねぇあなた?ちょっといいかしら?」
「…?」
シンクロンが声のした方を向くと、1人のウマ娘が声をかけてきた
「なに?」
「ちょっと貴方にお願いがあるのだけれど…今回のレース、わざと負けてくれないかしら?」
「・・・はあ?」
スターシンクロンはそのウマ娘の言葉に困惑の声を上げた
「私の実家、ちょっとしたお金持ちなのよ。言うことを聞いてくれたらちょっとお小遣いを分けてあげるけど・・・どうかしら?」
「悪いけど、それはできない。別を当たって」
「ふーん、そう。なら…このレース、気をつけることね」
そう言ってそのウマ娘はその場を去った
〜〜〜
レース直前、シンクロンはゲートに入った
(…さて。行くよ、みんな)
「…アクセラレーション」
〜〜〜
(ふふふ…まさかあの気に入らない娘の隣になれるなんて…私ったら、なんて運がいいのかしら!)
そのウマ娘は声を押し殺して笑った
(レース中にどさくさに紛れて腕とかぶつけてやろうかしら?いいや、この私の誘いを断ったんですもの、買収した他の娘達と手を組んで、徹底的に妨害するのもありね…!)
そのウマ娘が頭の中で妄想を繰り返していると、隣のゲートから声が聞こえた
「アクセラレーション」
「アク?」
その瞬間、世界が変わった
「は、はぁ!?なにここ!?」ガコン!
叫んだ後すぐにゲートが開き、すぐに世界が元に戻った
「も、もど…って違う!レース!」
そのウマ娘は完全に出遅れた
〜〜〜
ガコン!
ゲートが開き、シンクロンは走り出して先頭に躍り出た
(始める)
赤く染まった空、アスファルトでできた大地、その上をシンクロンは走っていた
シンクロンの目の前に5枚のカードとフィールドが浮かんだ
(アイス・ベル特殊召喚、その効果でグラス・ベルも特殊召喚。グラス・ベルの効果でデッキからフリーズ・ベルを回収。フリーズ・ベル特殊召喚、スノウ・ベル特殊召喚、『WWの鈴音』でデッキからブリザード・ベル特殊召喚)
シンクロンの周りに、アイス・ベル、グラス・ベル、フリーズ・ベル、スノウ・ベル、ブリザード・ベルの5体のモンスターが現れた
(レベル3のフリーズ・ベルにレベル4のグラス・ベルをチューニング。シンクロ召喚。来て、『WW-ウィンター・ベル』)
ウィンター・ベルが現れると、シンクロンは加速した
(つぎに、レベル3のアイス・ベルにレベル5のブリザード・ベルをチューニング。シンクロ召喚。来て、『WW-ダイヤモンド・ベル』)
ダイヤモンド・ベルが現れると、シンクロンはさらに加速した
(これで最後、レベル7のウィンター・ベルにレベル1のスノウ・ベルをチューニング、シンクロ召喚。現れよ、『クリスタルウイング・シンクロ・ドラゴン』)
シンクロンはさらに加速した
〜〜〜
観客とレースを走っているウマ娘は驚愕していた
「し、信じられない…3回も加速しやがったぞあのウマ娘!?」
(落ちない!?あんなに加速してもうヘロヘロのはずなのに、それでもさらに加速してる!?)
(か、勝てない…!あの娘には、勝てない…!追いつける気がしない…!)
「おいおい…もうあいつだけレースの終盤に入ってるぞ、他のやつらはまだ第3コーナー中盤なのに、あいつだけ…もう直前に入ろうとしてやがる!?」
そう騒いでいると、1人のウマ娘が圧倒的大差でレースに勝利した
〜〜〜
先に一人ゴールしたシンクロンは、クールダウンをしながら走っていた
「ふぅ…ありがとうね、君たち」
シンクロンは首から下げたホルダーを撫でた
(さて、面倒なことになる前に戻るかな)
シンクロンはパドックを後にした
シンクロンの姿が見えなくなると共に他のウマ娘達が次々にゴールしていった
「・・・な、なんなの、あいつ・・・?」
ちなみに、レース前にシンクロンを買収しようとしたウマ娘は序盤の出遅れから取り戻すことができず、最下位になっていた