無下限、六眼持って転生したけどサイタマが居ない 作:一般通過ドブカス
そして、募集するような文は規約違反になる可能性があると指摘があったため、念のためコメントは削除させて頂きました。
ソニックを捕らえた翌日、五条は新聞を読みながらくつろぎ、ジェノスはPCでヒーロー名簿のランキングを確認していた。
「五条先生の順位が最下位の388位から256位に上がっています」
「あれで上がったのか。結構上がったな〜。そういや、ジェノスの方はどうなんだ?」
「俺はまだ何もしてないので、実力ランクはS級最下位の17位です」
五条のランキングは、周りに被害を出さずにソニックを捉えたことで本人が思っていたより上がってたが、五条はこの後すぐにC級一桁まで上がることが分かっていたため誤差だと思って気にしなかった。
そんなやりとりをしていると、ジェノスのヒーロー協会から支給されている端末が音を立てた。
「先生……、なぜだかいきなりヒーロー協会に呼び出されたのでちょっと行ってきます」
「! 分かった、気をつけてなー」
適当にジェノスを送り出した五条はこのあと来るであろう隕石に備えて、とりあえずシャワー浴びるために服を脱いだ。
「緊急避難警報! 災害レベル竜! ヤバいので逃げてください! 巨大隕石落下まであと21分! 専門家の話ではZ市は丸ごと消滅するとの事! 可能な限り急いで遠くまで逃げてください!」
Z市全体にサイレンが鳴り響き、街の道路は避難しようとする人と車で埋め尽くされていた。五条は、上空から渋滞で逃げることもままならずもはや生を諦めている市民たちを見下ろしながら、ジェノスがいるであろう隕石の落下地点を探していた。
五条がしばらく辺りを見渡していると、隕石に向かっていくつものミサイルが飛んでいく姿が見えた。
「お、あっちか」
ミサイルが隕石に着弾して盛大に爆発する中、ミサイルの発射地点の方へと進むとビルの屋上に立っているジェノスとバングの姿を見つけることができた。
「バング! 伏せていろ! ……先生!?」
五条は、ジェノスがフルパワーの焼却砲を打ち出す直前にバングの横へ降り立った。
「ジェノス、気にせずそのまま撃っちゃいな」
「ッ、はい!」
「だ、誰じゃね君は?」
ジェノスは己のすべてを捧げ、今出せる全力の焼却砲を放った。極大なエネルギーが一筋の光となり隕石と衝突し、辺りに眩い光と激しい衝撃を撒き散らす中、五条は不敵に笑いながらバングへ答えた。
「僕は死にたくないだけのしがないヒーローさ」
「ぐぐぐ……ダメだ! 破壊できるようなものじゃない!」
焼却砲を放出し続けていたジェノスだったが、隕石は一向に壊れる様子が無く、それどころか、何ら影響を与えることすら出来ていなかった。
「いや! だが気のせいか隕石が勢いを落としている様にみえるぞ」
「本当か!?」
「あ、気のせいじゃった!」
「くそジジィめ!」
五条は、そんなやり取りをしているバングを見て意外と余裕があるなと呆れながらも、その身の呪力を高めて詠唱を開始した。
「位相 黄昏 智慧の瞳 術式順転「蒼」」
「位相 波羅蜜 光の柱 術式反転「赫」」
五条が広げた両腕の先で、炸裂前ですら膨大なエネルギーを感じ取ることが出来る蒼い光と赫い光が混ざり合い、空間が軋みをあげるようような不吉な音を響かせながら、紫色の光が生まれてゆく。
「な、なんじゃ!?」
「せっ、先生、何を……!?」
眼前で発生している光から感じ取れる想像を絶するエネルギーを前にして、バングとエネルギーが底を尽き崩れ落ちたジェノスは思わず声を荒らげた。
そんな二人を無視して、両手で掌印組んで腕を引き、抱え込むように構えた五条は詠唱を続ける。
「九綱 偏光 烏と声明 表裏の間」
五条は一度両手を握り締め、左手を右の二の腕に当てると、右手を照準を定めるようにして隕石へ向けて伸ばした。そして、その右手が人差し指を除いてゆっくりと開かれてき―――
――――虚式「茈」
現時点での五条のまごうことなき全力。呪詞、掌印。一切の手順を省略せずに放つ、120%の虚式「茈」が放たれた。
ジェノスとバングが言葉を失うほどのエネルギーを内包した紫は、放たれるや否や一瞬にして隕石に到達し、一切の抵抗なく隕石を砕きながら貫いた。
「砕きおった! 信じられん!」
その結果に、驚愕するバングだったが、貫かれた隕石が大爆発を起こし、砕け散った破片が飛び散るのを見て焦った声をあげた。
「落ちてくるぞ!」
「蒼!」
五条は破壊した隕石の中心に向けて最大出力で蒼を放った。その結果、蒼の引力によって周囲の破片が引き寄せられ塵となるまで砕かれるが、既に広範囲に飛び散っていたため、蒼の出力では砕け散った破片をすべて引き寄せることは叶わなかった。
「ありゃ、順転の出力じゃ無理だな」
ある程度は減らしたが、町全体に降り注ぐ隕石の破片をすべて防ぐのを諦めた五条は、自分達の頭上にもう一度最大出力で蒼を展開した。
「これでこの辺り一帯は大丈夫だ」
「……まさか、これほどの力を持っていたとは」
「い、一体何者なんじゃ君は」
五条がジェノスとバングに視線を向けると、二人とも呆然とした表情を浮かべていた。
「何者って言われてもね。さっき言った通り、生きることに必死なあなたの後輩ですよ。S級3位のバングさん」
「……なるほど、ヒーロー協会に所属しておったか。しかし、新しいS級が増えたとは聞いとらんが」
「はは、僕はC級の新人だから知らなくても無理はないさ」
バングは五条がC級であることを聞くとひどく驚いたようだった。そして、次にされた五条からの提案でさらに驚くことになる。
「ま、そんな話はどうでもいいんだ。それよりも、いきなりで悪いがバングさんに折り入って頼みがある」
「ん? 何かね」
「今度、僕に流水岩砕拳を教えてくれないか?」
「なんじゃと!?」
いきなり告げられたその言葉に、バングは本日何度目となるかもわからない驚きの声をあげた。しかし、五条があまりにも真剣な表情を浮かべていたため、バングもまた気持ちを切り替えて五条へと向き合うことに決めた。
「……君ほどの力を持ちながら、なぜ流水岩砕拳を習おうとするのかね」
バングは、目の前の男に流水岩砕拳が必要とは思えなかった。先ほど五条が放った技は流水岩砕拳では絶対に受け流すことが叶わないほどの威力を有していた。
その上、五条の肉体は流水岩砕拳を必要とするとは思えないほどに鍛え上げられている。
そんなバングの問いに対し、五条は簡潔に答えた。
「強くなるため」
絶対的なまでの力を持ちながら未だ果て無き強さを求める姿勢に、ただひたすらに何かを求める、邪なものを何一つ感じさせない真っすぐな力強い視線に、何より、これほどの強者が更なる高みを目指す手段として自身の誇りである流水岩砕拳を選んだという事実に、バングは思わず笑みを溢していた。
「……ええじゃろう。今度、道場に顔を出すといい」
「ありがとう、バングさん。恩に着るよ」
「"さん"はつけんでええよ。君ほどの強者に敬称で呼ばれるのは儂が落ち着かんわい」
その言葉に、五条も顔を綻ばせた。
「わかったよ、バング。よろしく頼む」
三日後
「Z市は巨大隕石衝突による消滅は避けられたものの、破壊され分裂した隕石群は町全体に爪痕を遺す結果となりました―――」
五条が隕石を破壊した三日後、五条とジェノスはいつも通り五条の部屋でくつろいでいた。
ジェノスは、ヒーロー協会が初めから五条に協力を申請すれば防げたはずの被害を防げなかったことを後悔している様子だったが、五条は今回の被害に関して全く気にしていなかった。
「そんなに気にしなくていいと思うけどね。確かに建物は結構壊れたみたいだけど、死人は出てないんだから」
そう言って笑う五条に対して、ジェノスは俯いて考え込んでいた。五条はジェノスのそんな様子を見て、自分がZ市に被害が及んだ原因を作った人物として悪役にされていることを気にしているのだろうとその内心を推察していた。
五条は、C級の五条が余計なことをしなければもっと被害は抑えられたと言う根も歯もない噂には心底興味がなかったため、それよりも気になっていたことを尋ねた。
「そういえば、僕らのランキングって上がってたりする?」
五条は、想定通りにことが進んでいるとしたらC級一桁になっているはずと考えていた。そして、その予想は当たっていた。
「え? ああ……上がってますよ。俺はS級17位から16位に、メタルナイトもS級7位から6位に、五条先生はC級256位から3位に一気に上がってます」
「お~、結構上がってるね」
五条は想定通りC級一桁になっていたことで、原作と大きく乖離する事無くここまでこれていることを確信して安堵した。しかし、ジェノスは五条がC級に甘んじている現状に納得がいっていないようだった。
「いえ、一気にA級かS級に昇格してもおかしくないはずです。災害レベル竜の危機的状況でしたから。もし隕石片の被害すらも防ぐことに成功していたなら確実にS級5位くらいには上がっていたでしょう。隕石破壊や、多くの破片の対処のどちらか片方だけでも十分A級くらいにはなるはずですが……。おそらくヒーロー協会が、今回の件はメタルナイトと俺の役割が大きいものだと勝手に評価しているのかと。やはり、協会に文句を言いに行きましょう」
「いやいや、別に行かなくていいから! ランクがすぐに上がりすぎても楽しみが無くなっちゃうしね」
そう言って、五条は再びくつろぎ始めた。原作では、ここでサイタマが外回りに出たことでタンクトップタイガー達に目をつけられて民衆に非難される事になるが、五条は外に出ずに思考の海に沈んでいったためそのような展開になることはなかった。
五条には、原作通りタンクトップタイガー達に会いに行くという事すら忘れるほどの深刻な悩みがあった。それについて五条は薄々感づいていたが、今回全力で虚式「茈」を放ったことで確信に変わった。
「(呪力操作の精度が半年前から一切向上していない……)」
五条が最後に全力で虚式「茈」を放ったのは約半年前。その時の虚式「茈」と今回隕石に対して放った虚式「茈」は威力、スピード共に全く同じと言えるものだった。
無論、この半年で五条が何も成長していない訳ではなかった。この半年で五条の素の肉体のスペックは大幅に向上し、呪力強化を行った際の戦闘能力は格段に向上している。しかし、呪力に関する能力は半年前から頭打ちとなっていた。
「(原因は分かっている。恐らく、これ以上の呪力操作を身につけるには壁を越えるしかない)」
五条の呪力操作に関する技量は半年前に
「黒閃……か」
五条は、この停滞した状況を打ち破るには黒閃を経験し、呪力の核心を掴むしかないと確信していた。しかし、黒閃を放つことを考えると思わず五条は苦い顔をした。
当然、黒閃を放つ重要性を転生当初から理解していた五条は、これまでも黒閃を放とうとしたことは何度もあった。実は数か月前には、漫画的には許されないが現実となった今では許されると判断して、黒閃を狙って山をサンドバックに一晩中パンチを放ち続けるという最終手段に出たこともあった。しかし、それでも黒閃は出なかった。
「(……この肉体の性能であれだけ集中して殴って黒閃が出ないのはありえない。恐らくこの世界に合わせて黒閃の発動条件がありえないほど厳しくなっている)」
五条がそう考えたのには確かな根拠があった。
前提として、五条は自身が白金精子以上の身体能力があると判断している。そして、白金精子とガロウの戦闘は0.0013秒の戦闘時間内に空に幾何学的構造を描くほど無数にぶつかり合っていた。
この時、仮に白金精子とガロウの攻防が1000回行われていたと仮定する。そうすると、1回あたりの動作(移動して攻撃、あるいは防御)にかかる時間は大雑把に計算すると0.0000013秒、つまり1.3マイクロ秒ほどになり、これは黒閃を放つための条件、誤差0.000001秒(1マイクロ秒)とぼぼ同じスケールで動いていることになる。
つまり、今の五条にとって、本来の黒閃の条件となる打撃と呪力収束のタイミングを誤差0.000001秒以内にすることは決して難しい事ではないのだ。
「……よし!」
「先生?」
五条は転生してから三年間が経ち、今もなお順調に成長を続けている自身の力に全く満足していなかった。その理由はシンプルで、現在の五条の強さはサイタマの足元にも届いていないからだ。
五条は、今仮にサイタマと戦ったとしたら、無量空処が通用しなければかすり傷一つ与えられないと確信していた。
「ちょっとバングのところに行ってくるよ」
闇雲に黒閃を放とうとしても出ないという確信があった五条は、流水岩砕拳を身に着けるために約束を取り付けていたバングの道場へと飛び立った。
隕石のサイズ調べたら描写から直径15m程度らしい。勝手にもっとバカデカいと思ってました。このくらいの大きさなら茈で全然ぶち抜けると判断しましたが、無理か…?
後半は、呪術廻戦で黒閃出たときの「拳があたってから呪力が当たるまでの誤差」くらいの時間で普通に攻防しているワンパンマン世界の上澄み連中おかしいだろというお話…最低でも白金精子に対抗できるフィジカル持ってる事にしないと、すぐにやってくるボロスの速度を知覚出来なくて手も足も出なそう…