頼む!アイドルになってくれ!~私、あなたの彼女なんですが!?~   作:wakawaka

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アイドルマスター・・・難しいです。


頼む!アイドルになってくれ!

 

「アイドル」それは偶像、あるいは崇拝される人物。

 

 現代で言うならば熱狂的ファンを持つタレント、歌手、ダンサーなどが当たるだろう。

 

「・・・スゲえ。」

 

 そんな者達に憧れる者、目を灼かれる者、恋い焦がれる者は後を絶たない。

 

 彼ら彼女らはステージの上ではスポットライトを浴びてキラキラと輝いている。

 

「いいなあ・・・。」

 

 勿論誰でもなれる訳では無い。

 

 厳しいオーディションを勝ち抜き、死ぬ気で練習し、血と汗と涙を流し続けてその果てにようやく彼ら、彼女らは舞台に立つことを許される。

 

 さらに、大きな舞台に立つにはより大きな事務所、企業のアイドルに所属しなくてはならない。当然そこのオーディションは熾烈を極めさらにそこで「センター」を取るとなれば凄まじい努力、才能、カリスマが必要だ。

 

 そう、そこにあるのは厳然たる才能世界。

 

 時期の差、仲間の力量の差、資金力の差、エトセトラ。

 

 それらがほんの少し悪かっただけで夢を諦める者は星の数程居る。

 

 ・・・それでも

 

「かっこいい・・・。」

 

「きれい・・・。」

 

「ああなりたい。」

 

「私だって・・・。」

 

「オレだって・・・。」

 

 憧れは止まらない者達は居る。

 

 彼ら彼女らを見てしまった者達はその輝きに熱狂する。

 

 そして同時に一度は夢想してしまうステージに立つ自分を。

 

 スポットライトを当てられ、大勢の観客に大歓声を受ける自分を。

 

 そう。誰だってそうさ。

 

「僕は・・・」

 

「私は・・・」

 

「オレは・・・」

 

「「「特別になりたい。」」」

 

 チヤホヤされたい、歓声を浴びたい、お金が欲しい、ああなりたい。そう思うことは当たり前であり、子供であればより顕著に夢を抱くだろう

 

 だが、

 

 時間が経ち、大人に近づくほど人間は己と言う価値を知ることになる。

 

 己にはそんな素質も才能も運も無いのだと。

 

 身の程をわきまえるべきなのだと。

 

 人は生きていく内に何度もこの現実を目の当たりにする。

 

 そして人は身の丈に合った普通な幸せを得ようと努力する。

 

 でも、

 

 それでも、

 

「・・・これだ!」

 

 とある家の一室で青年になりつつある少年は一人パソコンの前に座りながらつぶやいた。

 

 その画面にはとあるアイドル達が映っていた。

 

 それは、少女達が織りなす輝かしいステージ。

 

 そして、あるいは少女達が努力で勝ち取った奇跡。それを見た元は少年一つの決意を胸ねその画面から顔を上げパソコンを置いて駆けだした。

 

 

 

 もし、誰かのためだったら・・・。

 

 素質とか才能とか放り投げて、一度くらいそんな現実に挑む「バカ」になってもいいだろう。

 

 

◆◆◆

 

 いつの時代もアイドルは花形だ。

 

 だが、その数は星の数程存在し、質においても正しく蟻と象だ。

 

 そして何より「美しい容姿」はアイドルにとっては男女ともに絶対条件と言ってもいいだろう。

 

 勿論、美しい容姿を持つ者が誰も彼もアイドルを目指す訳ではない。皆それぞれにやりたいことがあり、その先にアイドルがあった者がアイドルになるのだ。

 

 よって・・・

 

「頼む!アイドルになってくれ!」

 

「私あなたの彼女なんですけど?」

 

 一人の男子生徒が女子生徒にそんな頼みごとをしていた。

 

 男子の方は多少ワックスで整えた程度の髪型と顔も体も平均的な青年だった。

 

 だが、少女の方は10人居れば8から9人は美少女という顔立ちとロングストレートの髪をなびかせていた。

 

 アイドルに恋人はいてはいけないというのは暗黙の了解である。もし、居たとしても隠すのが普通だ。何せ、アイドルとは偶像であり、神聖視する者が多いのだ。ファンもそれを期待する者が多いのはまあ当然だろう。(偏見です)

 

「俺はアイドル姿の楓が見たい!」

 

「はあ、清々しいほど己の欲求に忠実ですね。」

 

「頼む!」

 

「それはアイドルのコスプレってことですか?まさか一にそんな嗜好があったなんて・・・。」

 

「え?いや、違、」

 

「まあ、確かに私はあなたの彼女であり恋人です。そして容姿もうよくてスタイルの良いそれはそれは男心を揺さぶるのは理解出来ます。はあ、仕方ありません。着てあげましょう。さてどんなエロいのが出てくるのやら・・・。」

 

 一と楓は恋人だ。中学の頃から付き合っており、お互いに気を許している。特に楓に至っては恋人である一の願いは断ることはほとんど無い。それがエロいことであれ、屈辱的なことであっても一のためならまあ、別にいいかと考えている節がある。

 

「いや、違う!と言うか、誰が恋人にそんな変なモノ着せるか!」

 

「・・・いや、恋人だから着せるものじゃ?」

 

「え、そういうモノなの?」

 

「はあ。これだから一は・・・」

 

「って言うか、違うって言ってるだろう!俺が頼んでいるのは普通のアイドル!」

 

「っていうと・・・あのオーディションを受けていくタイプのものですか?」

 

「ああ、そうだ。」

 

「私、あなたの恋人なのに?」

 

「え、うん。まあ、その・・・ちょっとその点は色々あるんだけど。」

 

「分かりました。」

 

「え?いや、ちょっと、待って」

 

 そう言って楓はスタスタと教室に帰って行き、サクッと早退していった。

 

 彼女の名前は星野楓。恋人の前ではアクセル全振りノーブレーキのJKだ。

 

 なお、

 

「すみません!楓居ますか!?」

 

「楓さん?早退したよ。」

 

「はあああああ!?」

 

 ブレーキ役兼彼氏は気付くのが致命的に遅れたのだと放課後になってようやく気付いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




 突然のオーディション編行きます。
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