なんかやばい物とか生きものとか集めてる秘密結社に拉致られたんだが   作:テンページ

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本編
第1話 でっかいトカゲとクロステスト?する話


1

俺がSCP財団に収容されるきっかけとなったのはあの声を真似る赤い化け物と戯れた所をエージェントに見られたことだった。

いやーついに秘密機関に拉致られたかと感慨深い。

と、いうもの自分、ハロルド・L・バウマンは昔から何かとおかしな現象が起きたりする、例えば見たことの無い生き物によく会うとか、昨日までいなかった妹が急にできたり、魔女やら悪魔やら名乗る奴らにナンパされたり、カルト宗教に勧誘されたりと、多岐に渡る。

 

いや最後やつは誰にもあるだろって?

 

いや身体中機械仕掛けだったり、触手生えてたりしたゾ、絶対普通のカルト宗教じゃない

あと全身包帯のミイラ女が玄関前にいたと思ったら後ろに瞬間移動して全身をまさぐられたこともある。

 

わけがわからないよ……

 

といった人生を送っていた僕は今年24歳になるのだが財団の奴ら俺の異常性を知るや否やなんかやばいやつと実験するらしい。

 

「これからSCP-████とSCP-682のクロステストを始めます、SCP-████、準備はいいですか?」

 

うわー白衣着てるやつら腹立つわ、まるで刑務所の囚人みたいに俺の事呼んでくるじゃん

 

「……ッ、はい大丈夫です。」

 

「今、舌打ちしませんでした?」

 

「いいえ?気にしないでください。」

 

「……まぁいいでしょう、扉を開けるので前に進んでください。」

 

馬鹿みたいに分厚い鉄の扉が開いたので実験室に入っていく。

前にまぁまぁ大きいコンテナが入っており協力な塩酸の匂いがする。

と、コンテナが開き中にいたものが出てきた。

 

「………」

 

見た目はでかいトカゲ、いわば爬虫類なのだが……ところどころが爛れておりおそらく塩酸に漬けられていたかのような傷だった、目は複数あり6つある目がこちらをじっと見つめている。

凶悪な爪がギラりと光っていた、多分あの爪、人体を容易く切り裂くことはできると思われる。

 

『…………』

 

情熱的な爬虫類特有の6つの視線と目が合ってしまった。

正直に言うとめちゃくちゃ怖い、なにあの爬虫類、今まであった変な奴らの中でダントツで怖い。

 

『おい』

 

「……はいなんでしょう」

 

『これはどういう状況だ?』

 

「えーと、なんか向こうはクロステストって言ってましたけど?」

 

『…………こっちへ来い』

 

でかい爬虫類にこっちへ来いと呼ばれたので近づいていく。

 

『名前は?』

 

「ハロルド・L・バウマンです。」

 

『人間か……』

 

「ええ、どこにでもいる普通の男性です。」

 

『それはありえないな、そうだとしたらとっくに殺してる。』

 

「…………」

 

『済まない、怖がらせてしまったか?』

 

「えーと、気にしないでください、こういうのは慣れているので。」

 

右上の方から人々の議論する声が聞こえる、なにか予想外なことが起きているのか、人々の影が揺れ動くのがわかる。

 

『君は我になにかしたか?』

 

「いやなにも……」

 

『さっきから胸が、心臓が苦しいんだ、やけに心拍数が上がっている』

 

「緊張してます?」

 

『そうかもしれない、熱にうなされたかのようだ、そういう君も緊張しているようだ……我が怖いのか?』

 

「まぁ……そうかもしれないです、ちょっと始めて見たので貴方ような存在を」

 

『そうか……ちょっと待て』

 

とメキメキと音を立ててその爬虫類は体の内に何かを生成するように蠢き、やがて脱皮するように爬虫類の体から人影が内からはい出てきた。

 

『人の姿なら話しやすいだろう?』

 

「エッ?!」

 

なんとでかい爬虫類は美少女になった、手段は不明だが目の前に全裸の美少女がいる。

髪は濃い緑色で目は爬虫類特有の琥珀色のトカゲ目で体のところどころに鱗がある。

「視線に困るので僕の上着着てください。」

 

『君が見てもなんの問題もないぞ。』

 

「俺の男心が持たない!!」

 

『可愛いやつめ……ん?」

 

とかなり大きいサイレンが鳴り、インカムに博士の声が聞こえる。

 

「実験は終了だ、SCP-████」

 

すると彼女は俺の耳からインカムをそっと奪い取り

 

『「削除済み」の「削除済み」めらが……蹴散らしてやろうか?』

 

髪を逆立てながら怒りを表していた、これが彼女の本来の姿なのだろう。

 

俺から見て左上にある強化ガラスの内側から悲鳴が聞こえた、あー可哀想

 

『忌々しい奴らだ、我を偉そうに番号で呼び、モノ扱いする、奴らはそういった忌々しい生き物だ。』

 

「俺も生物学的には彼らと同じだよ、博士から聞いたんだ、君は全てを憎んでるって、何故僕には好意的に接してくれるのかな?」

 

『雰囲気と目だ』

 

「雰囲気と目?」

 

『雰囲気は君の特性なのだろう、あと目は我と同じだ。』

 

彼女はゆっくりと喋りながら近づいてくる。

 

『君の目は水面に反射した我の目と同じだ、全てを憎んでる、憤怒している、自分以外の全てを恨んでいる、そういう目だ、そこがかなり気に入った。』

 

「別にそういう訳じゃいけど近いかな、まぁ良かったよ好意的に受け取って貰えて」

 

そうしてSCP-682と短いクロステストを終えたのだった。

 

1人の首飾りをかけている博士がオフィスで報告書を作成しているグラス博士にちょっかいをかけていた。

 

「へぇー異常性に好かれるSCIPねぇ……いいこと思いついた。」

 

「やめろよブライト」

 

「冗談だよグラッシー、いや最初は本気でやろうと思ってたんだけど状況は一変したらしいからね」

 

「状況とは?」

 

「彼が682との会話に成功して、彼……いやもう彼女か、彼女は随分彼にご執心らしいよ」

 

「それはどういう状況ですか??」

 

「彼の異常性は我々の想像をはるかに超えるかもしれないということさ。」

 

「……」

 

いまいち要領を得ない回答ばかりを話すブライト博士にうんざりしたグラス博士は深くため息をつく。

 

「邪魔しないでくださいね、徹夜して書いた報告書なんですからデータ消えたら発狂ものですよ……」

 

「ははは、邪魔したね」

 

「……」

 

「あとそれとグラッシー」

 

「なんですか?邪魔しないでください。」

 

「彼は間違いなくこの後、多くのSCIPとクロステストさせられるから彼のメンタルケアよろしくー。」

 

「……わかってますよ。」

 

 

そう言って気分良さげにブライト博士はグラス博士のオフィスを退室した。

 

「…………」

 

グラス博士は彼とインタビューして、彼の闇を何となく察してしまった。

彼はおそらく不遇な人生を過ごして来たのだろう。

ようやく軌道に乗り出した人生も異常として財団に収容され、一生をオブジェクトとして過ごすことが決定してしまった彼に憐憫の情を抱えずにはいられなかった。




タイトル: SCP-682 - 不死身の爬虫類
原語版タイトル: SCP-682 - Hard-to-Destroy Reptile
訳者: 訳者不明
原語版作者: Dr Gears, Epic Phail Spy
ソース: http://scp-jp.wikidot.com/scp-682
原語版ソース: http://scp-wiki.wikidot.com/scp-682
ライセンス: CC BY-SA 3.0


タイトル: ブライト博士の人事ファイル
原語版タイトル: Personnel Director Bright's Personnel File
訳者: Dr Devan
原語版作者: AdminBright
ソース: http://scp-jp.wikidot.com/dr-bright-s-personnel-file
原語版ソース: http://scp-wiki.wikidot.com/dr-bright-s-personnel-file ライセンス: CC BY-SA 3.0

タイトル: グラス博士の人事ファイル
原語版タイトル: Dr Glass' Personnel File
訳者: Ikr_4185
原語版作者: Pair Of Ducks
ソース: http://scp-jp.wikidot.com/dr-glass-personnel-file
原語版ソース: http://scp-wiki.wikidot.com/dr-glass-personnel-file
ライセンス: CC BY-SA 3.0
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