ワールドトリガー/四方隊   作:匿名C級隊員

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四方友春の隊員集め

一人の青年が一枚の紙を持って個人(ソロ)ランク戦のブースへと向かっていた。

その青年の名は、四方(よも)友春(ともはる)(16)。

茶色の髪に、179cmの身長。16歳にしては少し大人びている雰囲気を纏った男だ。

そんな四方はさっきまで、自分の所属している組織、「ボーダー」その本部の上層部、城戸司令や忍田本部長と話していた。

 

界境防衛機関「ボーダー」

4年前にここ「三門市(みかどし)」に開いた「(ゲート)」からやってくる異世界からの侵略者「近界民(ネイバー)」からこちら側の世界「玄界(ミデン)」守るために結成された民間組織。自衛隊でも倒せないネイバーに対抗するため、ネイバーの技術である「トリガー」を使い戦う。

 

 

上層部の方々に少し慣れたとはいえ、やはり緊張はあるものだ。

そんな四方にとってこのブースまでの長い道のりは、落ち着ける。

そんなことを思っていると、四方はブースへ行くためのエレベーターの中に見知った人影を見つけたため、乗るついでに話しかける。

 

「東さん!すみません、乗ります」

「お、四方か。さっき会議室に入ってたな、何かあったのか?」

 

(あずま)春秋(はるあき)(25)。四方の戦術の師匠にして、B級6位東隊の隊長。

黒い長髪に、四方の179cmと身長が、少し小さく見える186cmの長身。眠たそうな目をした痩せ身の男性だ。

見た目はかなり普通に見えるが、ボーダーという組織においてこの人の人気はかなりのものだ。

 

「特に重要なことではないですけど、個人(ソロ)ランク戦のブースに張り紙を一枚貼る許可を貰いに行ってました」

「四方は真面目だな。上層部としては張り紙ぐらい特に気にしないだろうに」

 

東はエレベーターの目的地を設定しながら笑顔で四方にそう言う。

そしてエレベーターが動き出すと、四方の持つ一枚の紙に一度視線を移す。

 

「それで、その張り紙はどんな内容なんだ?」

「もう入隊から1年経ちますし、そろそろ自分で部隊を結成しようかなと。これは、そのための隊員募集の張り紙です」

 

そう言って四方は張り紙を東に見せる。

そこには「新規部隊結成のための隊員募集中!楽しく上を目指していこう!誰でも歓迎です。」と書かれていた。

──我ながら、これで集まるかなぁ?とつい思ってしまうな。

──まあ、上層部の方々は「四方隊員らしくはありますね」と言っていたし、これでいいのだろう。

内心では少し心配な四方。

しかし、東は興味深そうに話し始める。

 

「お、遂に部隊を結成するのか。四方の率いる部隊は面白そうだな」

「そう言ってもらえて嬉しいです。まあ、まだ俺が隊長になると決まってるわけじゃないんですが……」

「そうか?俺は四方は隊長向きだと思ってるし、隊長になると思うけどな」

 

前を向いてそう言う東。その目を見る限り、お世辞ではなさそうだった。

 

「さ、着いたぞ。俺はこの後待ち合わせがあるから、この辺りで少し待つことにする。隊員集め頑張れよ」

「応援ありがとうございます、東さん」

 

そう言って四方は東と別れ、ブースへ向かう。

ブースはいつもより少し人が多いようだった。

よく見ればB級隊員の他に数名のA級隊員も居る。

隊員募集の張り紙を貼るには、丁度いいのかも知れない、と四方は内心で少し喜びながら目につきやすいブース中央の柱に張り紙を貼る。

四方は、ずっと近くにいては張り紙を見に来づらいかと考え、近くの空室を探した結果、空室の127号室を見つける。

四方は「127号室にいます」と柱に貼った張り紙に書き足す。

そして四方は入隊希望者が来るまでの間、127号室の個室に入り、個人(ソロ)ランク戦をすることにしたのだった。

 

 

 

── ── ──

 

 

 

四方が個室に入ってから数分後。

 

二人の隊員が個人(ソロ)ランク戦のブースに貼られている張り紙を見ていた。

その内の一人──特に興味深そうに張り紙を見ている青年の名は、新田(にった)義実(よしざね)(16)。

少しもさもさとした黒い髪に、176cmの身長。フリーのB級隊員としては、アタッカー界隈で有名な男だ。

新田は張り紙を見ながら、隣の青年に話しかける。

 

「新規部隊の隊員募集……かー。荒船さん。こんな紙、昨日は見なかったですよね?」

「そうだな。おそらく、俺らが個人戦やってる間に貼ったんだろう」

 

荒船(あらふね)哲次(てつじ)(18)。B級11位荒船隊の隊長。

茶色の短髪に、新田と同じ176cmの身長。鋭い目をした、帽子を被った青年だ。

さっきまでは、新田と個人戦で戦っていた。

 

「……入ろっかなー」

「……マジか?」

 

予想外の言葉に少し驚く荒船。

新田は今フリーの隊員だが、新田の性格上どこかの隊に入るとは思ってなかったのだろう。

 

「まあ、もう入隊から1年半経ってるし、そろそろどっか入ろうかなーって思ってたんで」

「なるほどな。……しかし入るとなると、おまえとB級ランク戦で戦うことになるのか」

「そうなりますね。ま、すぐに下位を抜けて、荒船さんの隊も追い抜いてやりますよ」

「おまえがいくら強くても、ランク戦は個人の実力じゃ決まらない。そう上手くはいかないと思うぜ?」

 

荒船は笑みを浮かべた。

実際、B級ランク戦は個人の実力よりも、チームの連携や戦術などのチームとしての実力が高い方が勝つものだ。

──こればっかりは、オレ以外の隊員がどんなもんかによるな。

 

「それじゃ、オレはこの張り紙に書いてある127号室行ってきます。個人戦に付き合ってもらってありがとうございましたー」

「別に良いぜ、俺も収穫があった。そのかわり、孤月のポイントは結構持ってかれたがな」

 

そう言った荒船はブースの出口へと向かっていった。

新田と個人戦をする前に荒船は、「少ししたら待ち合わせがあるから、5回だけにしよう」と言っていたため、その打ち合わせの集合場所に行くのだろう。

そして一人になった新田は127号室へと向かう。

「チーム組むんだし、強いやつだと嬉しいんだがなぁ」と思いながら。




本編内で四方退室後の会議室。

鬼怒田「まったく。四方が入ってきた時は、何事かと思ったわい」
根付「張り紙を貼るぐらい、許可を得ずにする隊員も居るのだがねえ」
唐沢「……それにしても、あの四方隊員が部隊を結成するとなると、一体どんな隊員が集まるのかは気になりますね」
忍田「四方くんは人望がありますからね。ただ、問題を起こすような部隊にはならなそうですね」
城戸「……扱いにくい部隊は少ない方が良いからな」



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