誠斗視点
紅魔館で歓迎会をやる事が決まった後、各々が準備に回った。
俺、剣、凌牙の3人は主役だから準備はしなくていいと言われた。
仕方なくそれぞれ行動することにした。
俺は今、紅魔館の地下の大図書館に来ていた。
「パチュリーさん、飛行魔法の魔導書どこだっけ?」
「ああ、それなら2階層目の移動魔法の棚にあるわよ」
「すいません」
「移動が不便に感じた?」
俺はそんなに分かり易いだろうか?
あっさりバレた。
「まあな、ここじゃ飛ぶのが移動手段の一つっぽいし」
「飛べて困ることはないわね。歩きで数日かかる所を飛行なら半日どころか1、2時間で着くし
あなたは攻撃魔法は苦手だけど、付与魔法は覚えられたんだから飛行魔法くらい訳ない筈よ」
「すいません、少し自信がついた気がします」
「前から思ってたけど、タメ口で良いわよ。もう子どもじゃないんだし」
「そうか、じゃあそうさせて貰うよ」
話をしているとコアが魔導書を持ってきた。
「はあい、誠斗さん、飛行魔法の書です」
「サンキュ、コア」
「どういたしまして」
「そういえば気になったんだが……」
俺は大図書館に来てから感じていた疑問を出した。
「ここ、本減ってないか?昔はギッシリ詰まってた覚えがあるんだが、今じゃアッチコッチ隙間がある」
「あ〜、それね。泥棒よ」
「泥棒?」
「そう。死ぬまで借りるって言って本を持ってくのよ」
そいつはまた物騒な。
普通に借りれば良いのに。
「どんな奴だ?」
「魔法使いよ。人間のね」
「魔女にはなっていないのか」
魔女
主に修行を積んだ人間が不老長寿の存在となった者。
魔人と呼ばれる人型の人外の一種だ。
因みに人間の魔法使いは本来魔導士と呼ばれる。魔法使いは魔女の男版だ。
その盗人は魔女になりたいのか。
ただ修行するだけでなるならならそれこそ人生を費やさなきゃ行けない。
「そいつの容姿は?」
「どうにかしてくれるのね?容姿は金髪に黒い魔女帽、それかr「いったいのぜ!?」そうそうこんな感じの口調……」
今の声は誰だろう。
女の声だ。つまり剣と凌牙ではない。紅魔館の面々の声でもないし、霊夢や妖夢でもない。
俺達は声がした方へ向かう。
そこにはパチュリーさんの話にあった、金髪で黒い魔女帽を被った少女がいた。
「イテテテ、ああもう何だって言うんだ、いきなりトラップなんt………」
「「「…………」」」
「よ、ようパチュリー。元気か?」
「魔理沙、今日という今日は許さないわよ」
「ヤッベ」
次の瞬間、少女━魔理沙は足元に煙幕弾を投げて箒に乗って退散しようとする。
その手に幾つか魔導書を持って。
「ちょっと!ドサクサに紛れて盗むな!」
「だ〜か〜ら〜、私が死ぬまで借りるだけだぜ。死んだら取りに来れば良い」
「盗人猛々しいとはこの事か」
俺は思わず呟いてしまう。
実際パチュリーさんは魔女だ。俺達人間の倍以上生きる。
たかだか100年、俺達にとっては一生だが、彼女達にとっては短い時間だ。
まあだからと言って借りパクは良くないが(借りてすらないというツッコミはなしだ)。
俺は仕方なく手元に銃弾を出して装填する。
そして魔理沙に向かって一発撃ち込んだ。
「みゃ!?」
銃弾が命中し魔理沙は落ちた。
「ちょっ!いきなり撃つの!?死んで欲しいとまでは思ってないけど」
「大丈夫だ、信じられないなら見に行こうか」
俺達は魔理沙が落ちた所に向かう。
そこには無傷の魔理沙が倒れていた。
「イテテ、何で魔力が使えないんだ?」
「えっ!?撃たれたわよね」
「はい、直撃でした」
俺は種明かしをする。
その為に同じ弾丸を手元に出した。
「使ったのはコイツだ。魔力抑制弾。コイツは暴徒用の非致死性弾だな
コイツが対象の当たって痛みを感じないほどの極小の針を刺す。それには毒が塗ってある。魔力を抑制する非致死性
の毒が」
「そんな物が……ってちょっと待ちなさい。貴方今虚空から物を出したわよね。魔力は感じなかったけどどうい絡
繰?」
「ああ、それはコイツだ」
俺は左腕に付けていた腕輪を見せる。
見た目は無地だが、スゴイ代物だ。
「これは拡張腕輪。効果は今見せた通り収納魔法と同じだ。
コイツは純度100%科学の産物だが」
「科学が魔法に追いついている……」
パチュリーさんが考え込んだ。
まあ本来は魔法の領分な出来事を科学的に理論が出来たという事だ。
色々考えたいのだろう。
「ねぇ誠斗。これらは貴方が作ったの?」
パチュリーさんがそんなことを聞いてきた。
俺が作ったと思ったんだろう。
その隣でコアと起き上がった魔理沙が答えを待っている。
だが……
「違う。これを作ったのは連邦の科学部門だ」
「科学部門が……!」
「なあコア、科学部門って、それと連邦って何だぜ?」
「ああそれは」
俺が説明しなくてもコアが説明してくれそうだ。
俺は補足をするか。
「連邦……正式名称は地球連邦調停政府。外の世界全体の管理・統治を行っている組織です」
「科学部門はそこの行政組織の1つね」
「そんなのが外の世界にはあるのか」
魔理沙は納得したらしい。
取り敢えず、付け足しをしよう。
「連邦は大きく分けて3つの組織がある。
立派機関である最高評議会、行政組織の
そして武力組織の地球連邦軍。この3つだ」
「本来、軍部は行政部門の下部組織の筈なんだけど今じゃ半分独立しているようなモノと聞いているは」
パチュリーさんが補足してくれた。
俺が補足するつもりだったのに恥ずかしいな。
「そんなにデカい組織なのか」
「ああ、仮にも世界政府みたいなモノだからな」
それはそれとして。
「盗んだもん返せ、後これまでの奴も」
「あ〜」
俺は魔理沙から魔導書を取り上げる。
残念そうだったが、魔力が使えないので抵抗はしなかった。
「ちぇ〜、なあいつ魔力は使えるようになるんだ?」
「大体1時間だな」
「あ〜長いな」
「しばらく本でも読むか」
「最初からそうして頂戴。読む分には良いから」
それを聞いた魔理沙はさっさと本棚に紛れた。
後でちゃんと防犯用のトラップでも仕掛けるか。
そういえばちゃんと自己紹介してなかったな。
それは相手も思っていたらしく、お互いに自己紹介をした。
キャラ紹介
パチュリー・ノーレッジ
種族:魔女
年齢:不詳
能力:火+水+木+金+土+日+月を操る程度の能力
紅魔館の地下にある大図書館の主。
風邪気味だが最近は永遠亭に処方してもらっている薬のお陰で良くなってきている。
魔法の扱いは一級品で幻想郷でもトップクラス。
誠斗に付与魔法を教えた。
小悪魔
種族:悪魔
年齢:不詳
能力:なし
パチュリーの使い魔で大図書館の司書。相性はコア。
昔の誠斗も知っており当時は召喚されたばかりで彼に先輩風を吹かしていた。
司書らしくどこに何の本があるか大体覚えている。
設定解説
拡張機能
地球連邦の科学部門が開発した技術。主に腕輪など携帯性の良いものに搭載されている。
物質を分子化し、さらにそれをデータとして保存した上で分子を取り込む。
出す時はデータを元に分子を出して物質を再構成する。
魔力抑制弾
連邦の科学部門が開発した対魔導士用の弾丸。
魔力を抑制する効果のある毒を塗った針が仕込まれており、弾丸が発射された後、対象に着弾した際に衝撃で針が飛び出て人体に刺さる。誠斗が使用したのは警備軍に配備されている暴徒用の非殺傷仕様。
正規軍や公安軍では殺傷仕様が使われている。