不穏な影
誠斗視点
歓迎会から数日経った、俺は今大図書館にいる。
理由?飛行魔法の会得をしていたんだ。
幻想郷での移動は、歩くより飛んだ方が早い。
俺は今、会得した飛行魔法の実践中だ。
「大丈夫、上手く飛べてるわ」
「そいつは良かった。これで移動が格段に楽になる」
「あなたが覚えたのは飛行の初期魔法だけど…もっと上、目指す?」
「いいよ、移動に使うだけだし。戦闘機動はするつもりはないし」
パチュリーさんがより上位の魔法の習得を勧めてきたが、俺は移動以外に飛行魔法を使うつもりがないから断る。
それはそうと……
「そこの金髪魔法使い、何してる」
「げっ、バレた」
またか、この数日だけで3回目だ。
俺が魔法の習得を始めたのは歓迎会の次の日だったが、そこに魔理沙が来た。
何でも俺の魔法習得に興味があったらしい。
それ以降、毎日俺の様子を見に紅魔館に来ていた。
それだけなら良いんだが、時折本を持ち出そうとしたのでそれをついでにしばいていた。
それが今回で3回目だ。
「お・ま・え・は・な・あ〜、いい加減普通に借りることを覚えろ」
「いててててて、こめかみがー」
取り敢えず、ぐりぐりで制裁しておく。
こいつの頭の中に懲りるという言葉はないのか。
「はあ。で、今日は何のよう、魔理沙?」
「ううう、まだ痛い。今日も様子を見に来たんだ、と言いたいところなんだが」
「「?」」
「誠斗、私と戦え!」
魔理沙が急にそんなことを言ってきた。
何故?
「これまた急に、どうしたのよ」
「霊夢から聞いてな、お前と戦ってみたくなった」
「それだけ?」
「それだけだぜ!」
パチュリーさんが頭に手を充てる。
こいつは意外と戦闘狂なのか?
「別に良いが……俺はお前達がやる弾幕ごっこ?はできないぞ」
弾幕ごっこ、幻想郷で行われる戦闘方法で、戦いというよりスポーツに近い。
「別にいいぜ。私はお前の魔法が見たいだけだからな」
「ああ、そうゆうね……」
どうやらガチで戦うんじゃなく、俺の魔法が見たいらしい。
俺の魔法………
「飛行魔法以外に使えるのは付与魔法か」
「あと簡単な回復魔法も教えたわよ」
「ああ、そうだったな」
「攻撃に使えるのが付与魔法しかないのか……」
「俺のスタイルって、魔法主体じゃなくて物理主体だからな」
付与魔法もモンスター相手に使う時があるだけで……そもそもモンスターと遭遇する方が珍しいか。
こう考えると魔法ほとんど使ってないな。
「とにかく!私はお前の魔法を見てみたいんだ。
なっ!頼む!」
魔理沙は頭を下げる。どんだけ見たいんだ。
まあ、最近使ってなかったし、鈍ってないか確認はしておくか。
「さっきから言ってるが、やるのは良い。
ただここじゃ狭いぞ」
「安心して、私が魔法で異空間作るから」
パチュリーさん………準備が早すぎるのよ。
それと、その魔法体力消耗するから使いたくないって言ってなかったっけ。
ブオン
パチュリーさんが異空間を展開する。
周りの景色は一瞬で図書館から星空に変わった。
「飛行魔法……はさっき魔理沙も見ていただろうし、やるのは付与魔法ね」
「誠斗は何属性なんだ?」
「誠斗の適性は……」
魔理沙とパチュリーさんが話している間に俺は刀に電気を纏わせた。
「あの子の適性は雷よ。付与魔法も、1番最初に覚えたのが雷を纏わせるものだったの」
「すっげえ、私は付与魔法なんてからっきしなのに」
俺は刀を振って辺りに電撃を撒き散らす。
やっぱ制御ができないか。
「……?まだ制御が利かないのか?」
「ええ、誠斗はそもそも魔法自体の適性が低かったから、だから戦闘以外の用途の魔法を教えたんだけど」
「覚えたのは回復魔法だけってわけだ」
俺は話に参加した。
魔理沙は少し目を輝かせていた。
まあ、火力は凄いからな、これ。
「やっぱ魔法は派手でなきゃな。私も真面目に炎魔法と雷魔法の修行するか?」
「派手なの使いすぎて、戦闘中魔力枯渇は笑えんぞ」
「そうね、派手なのは威力も高いけど、消費も激しいから」
俺とパチュリーさんは、魔理沙にそう言ったが、魔理沙は聞いてなさそうだった。
Ghost1視点
ブオン
「こちらGhost1、転移に成功。これより通信環境の安定化を行うのでしばらく通信は切ります。アウト」
「ふ〜、ついたついた」
「Ghost2、任務中だぞ」
「良いじゃん良いじゃん、これくらい」
俺はGhost2の公私混同に少し呆れた。
いつものことだが、こんなんでも俺がいない間は代理を任せられるほど優秀なのだが……。
今俺達は、転移装置を使い時空間の歪みを辿ってきていた。
出た先は森の中だ。まだ昼間の筈なのに、夜と見紛うほど深い森だ。
「うえ〜、ここ気持ち悪いっす」
「魔力が濃いですからね、この戦闘服でも濾過しきれないくらい濃い」
「マジっすか〜。ってか、よく平気っすね〜」
「私は隊の中で1番魔力が多いので」
Ghost6が半ばダウンしており、Ghost5は平気そうだった。
他の3人はどうなんだ?因みに俺は平気だ。
「うぅ、吐きそう」
「やめてくださいよ、女の子が吐く所なんて見たくないです」
「は〜い、フォーちゃん。こう言う時の為のエチケット袋〜!」
Ghost2とGhost3は平気そうだ。
Ghost4は1番影響を受けているのか吐きかけている。
「これは早急に森を出なければならないな。俺にしっかりと着いてこい」
「隊長〜、カッコつけてるとこ悪いんですが方向音痴に任せたくないで〜す」
「それには同感」
「同じく」
「右に同じ」
「同じっす」
折角カッコよく決まったと思ったのに……
その後、Ghost3の勘を頼りに森から脱出した。
これで応用ができれば完璧なのにな………
紫視点
「……!」
「紫様?」
私は自分の屋敷で幻想郷内部に人間が入り込んだことを察知した。
彼らは全員武装しており、かなり物々しい。
「彼らは?」
「紫様、外来人ですか?」
「ええ、それも武装した」
「警戒すべきですか?」
「いえ、いいわ。まだ武装してるだけで、本当に迷い込んだ可能性もある。
ただ霊夢には伝えておいて」
「わかりました」
藍はそう言って博麗神社に向かった。
私はもう一度彼らのことを見る。
不意に先頭を歩いていた人間がこっちを見た。
「……!」
私は息を呑む。どうやってこちらにきずいたのか。
『どうした?』
『いえ。なんか視線を感じた気がしまして』
『お前の勘はバカにならんからな』
まさか勘とは、彼は直感が異様に鋭いのだろう。
兎に角、もし彼らが幻想郷に害する存在なら……
始末するしかないわね
キャラ紹介
霧雨魔理沙
種族:人間
年齢:16歳
能力:魔法を使う程度の能力
魔法の森に住む人間の魔法使い(外の世界の定義上は魔導士)。
元々は人里の大手古道具屋の出身だが、今は絶縁状態らしい。
紅魔館の大図書館によく本を盗みに来る(本人曰く、死ぬまで借りるだけ)。
設定解説
モンスター
外の世界に存在する危険生物。魔物と呼ぶことも。
動物の定義に当てはまる動物系、植物の定義に当てはまる植物系、非生物的存在が魔力を帯びて魔物化した物質系、
死人が魔物化したアンデッド系の4種がいる。
人間や他の動物を積極的に攻撃する習性があり、他の動物より危険視されている。
その為、連邦軍による討伐隊が編成されることも。
但し、遭遇率はかなり低く都市部で見ることはない。
因みに熊などと一緒で討伐隊が結成されると自称愛護団体がうるさくなる。