東方葬想録   作:KUS

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誠斗と殺し屋

誠斗視点

 

Ghostが撤退した後、俺達は紅魔館に戻っていた。

取り敢えず美鈴にみんなを集めるように頼んだ後、大図書館へ移動していた。

パチュリーさんに頼んで、魔理沙に回復魔法を掛けている間に、美鈴が紅魔館のメンバーを連れて来た。

中には剣もいた。なんでいるのか聞いたら、たまたま居たとのこと。

まあ、居ても特に問題はないし別にいいかと思っていると、霊夢がこっちを向いて口を開いた。

 

「さて、あんたとアイツらの関係に着いて教えてもらうわよ」

「わかったからそう急かすな。さて、まずは何処から説明した方がいいか……」

「まず彼らについて教えて頂戴」

「……そうするか」

 

どう説明しようか考えていると、

アリスがまずGhostについて説明しろと言ったのでそこから説明することにする。

 

「アイツらはGhost、地球連邦の特殊部隊だ」

「地球連邦?」

「それって、さっきお前やパチュリーが言ってた外の世界の組織だよな」

「ああ、外の世界全体を統治・管理している巨大組織だ」

「そこの特殊部隊に命を狙われるって……貴方何をしたの?」

 

アリスが当然の疑問をぶつける。

剣や凌牙、咲夜他紅魔館組……連邦について知っている面子は俺を見ながら頷く。

地球連邦が個人を直接殺しにかかる状態は、相手がテロリストの元締めや黒幕か、国際指名手配犯の時くらいだろう。

こいつらが疑問に思っている理由は大体想像つくが……

 

「なあ誠斗、連邦から命狙われるって何したんだ?

 特殊部隊なんて映画でしか見たことないような連中を差し向けられるなんて」

「俺達はお前がそんなことするような人間だとは思っていない。

 誠斗、一体何があったんだ?」

「………」

 

さて話すべきか。

暗部関連は話さなければ良い。

だが俺が殺し屋をやっていたこと、別に秘密って訳じゃないが……

怖いんだろうな、また日常が無くなることが……

こいつらがそんな事で俺を嫌ったり敬遠する訳ないってわかってるのに……

心の奥底に恐怖がある。

……正直に話すか、暗部関連はぼかしt「ねえ誠斗、貴方が話さないって叫んでた暗部って何?」……え?

 

「聞こえてたのか?」

「聞こえてたわよ、バッチリと」

 

すーう、一旦落ち着こう。

暗部の話はしないと俺はGhost1に言った。

だがアリスにそれを聞かれた=話さなきゃならない。

…………Ghost1、悪いけど約束破ることになるわ。

 

「暗部?ここまでの話を聞く限りならそれは地球連邦の暗部よね?

 誠斗、貴方とそこに何の関係が?」

「……わかった、一から話す、だけど他言無用で頼むぞ」

 

俺のそのセリフにその場の全員が頷いた。

そして俺は説明を始めた。

 

「暗部……連邦情報局、通称はFIA。地球連邦の後ろ暗い部分を担っている組織だ」

「情報局……情報部門と関係が?」

「パチュリーさん正解。情報部門の裏の顔がFIAだ。連中の仕事は暗殺だ。

 対象は、戦争を起こそうとする各国の政治家や軍人、危険と判断された思想家、

 政治に入り込もうとする宗教団体の幹部、テロリストに資金を流している資産家や企業のCEO……

 他にもまだまだたくさんいる」

「なるほど、表の方法で消せない人間を裏で消すのが仕事と」

 

霊夢も納得したみたいだ、レミリアとパチュリーさんも頷いている。

他はちんぷんかんぷんそうだったが。

 

「つまり……どういう事だぜ?」

「魔理沙、要は紫が部下に秘密裏に幻想郷の敵になりそうな奴を消させてるみたいなものよ」

「成程、納得したぜ」

 

今の霊夢の例えで全員納得したらしい。

取り敢えず説明を続けるか。

 

「俺はそこから依頼を受けて仕事をしていた」

「依頼?何のだ?」

「殺しだ」

 

俺はぶっちゃけた。

しかし、それを聞いても特に大きな反応はない。

わかっちゃいたが、

 

「もうちょい反応して欲しいもんだ」

「いや、これでも驚いてるぞ」

「そうそう」

 

剣と凌牙は一応驚いていたらしい。

咲夜も口に出していないだけで同じ反応をしているのか首を縦に振っている。

レミリア達はと云うと、

 

「「「「「…………」」」」」

 

黙り込んでいた。

何か喋って欲しい。普通に怖い。

 

「誠斗」

「な、なんだ……」

「辛かった?」

 

レミリアが口を開いた瞬間、そんなことを言ってきた。

辛かったか………。

 

「辛くなかったと言えば、嘘になるか。

 相手はクズといえ、殺しなんて積極的にやりたいなんて思わないし」

「ごめんなさい……私があの時ちゃんとしていれば……」

「あの件についてはあんたに責任はないだろ」

「私は貴方の主よ。従者のことはしっかりと責任を持たないと、それに………

 

 貴方は私の、私達紅魔館の大切な家族よ。家族を守れなかったのに、もう2度と失わないって誓ったのに……」

「………」

 

俺は黙りこくる。

この場にいる全員が黙った。

1人口を開いた。凌牙だ。

 

「なあ誠斗、俺はお前がどんな目に遭って来たか、この10年何をしてたかなんてわからない。

 でも、これからは違う。俺達がお前の支えになってやる。

 なんてたって俺達はお前の親友だからな」

「凌牙……」

「そうだぞ、お前はレミリアさん達と離れてから1人だったかもしれない。

 でも今はレミリアさん達だって、俺達だって、咲夜だっているんだ」

「そうだよお兄ちゃん。もう離れることなんてない。辛い思いなんてしなくて良いんだよ」

 

凌牙に続き、剣と咲夜も言葉を掛けてくれた。

ずっと黙っていた霊夢も口を開いた。

 

「はあ、大丈夫よ誠斗。少なくともこの幻想郷にあんたを敵視する奴なんていないと思うわよ。

 そう云う悪意に近いやつは」

「ま、そうだな。外で殺しをやってたから何だってんだ。誠斗は誠斗だろ?」

「ええ、そうね」

 

霊夢に続いて魔理沙とアリスもそう言ってくれた。

美鈴やパチュリーさん、コアにフランも同じように頷いている。

口には出さないけど、そこには確かな思いが伝わった。

 

「ふふ、そうかもな」

「あっ、誠斗が笑った」

「あら、貴方の笑顔を見るのはいつ以来かしら」

「えっ、お兄ちゃん笑ってるの!見せて見せて!」

「ちょっ、妹様!そこは私の!」

 

どうやら笑みが溢れたらしい。

みんなそれを見たくててんやわんやしている。

だけど……

 

俺の中にあった取っ掛かりがとれた気がした。




キャラ紹介
フランドール・スカーレット
種族:吸血鬼
年齢:不詳(レミリアの少し下)
能力:ありとあらゆる物を破壊する程度の能力
レミリアの妹。羽が普通の吸血鬼とは違う特殊な形状をしている。
レミリアは精神的には大人と呼べるが、フランの精神年齢は見た目相応に子ども。
昔、戦い以外の遊びを誠斗に教えて貰って以降、彼に懐いている。
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